ねこです。
よろしくおねがいします。
「おい、本当にこいつを誘うのか?」
「ええ、それが先生からの意向です」
「こっちを襲わないか?それが不安だ…」
「大丈夫でしょう。一応交渉材料はあります」
「…まぁ、いい。頼んだぞ」
「はい。任せてください」
「〜♫」
日が傾き沈み始める夕方。
喰ヶ崎刄食はいつもの散歩兼買い物を楽しんでいた。
ヴィランになってほぼ2年。
彼の生活スタイルは基本変わらぬものとなっていた。
今日もいつも通りの日常であった
かに思われた。
「?」
刄食が裏路地に入ると同時に彼の目の前に黒い靄のようなものが現れる。
それは瞬く間に広がり人1人分の大きさになり
「カニバル様、お迎えに参りました」
黒靄の人型に変化した。
「……だぁれ?」
「失礼しました。私『ヴィラン連合』の黒霧と申します」
黒霧と名乗る靄は次第に形がハッキリ見えるようになり
やがてスーツを纏う姿を現わす。
「なぁんのょよおぉ?これぇからぁごぉはぁんたべぇるんだぁけどぉ」
「ここでは聴かれる可能性があります。ですので場所を移動します。お食事はこちらで用意させていただきますので」
刄食は自分の楽しみである食事が邪魔されるのではないかと少しイラついたがそれを用意してもらえると聞いて内心嬉しかった。
「そぉれならぁ、いいぃよぉ」
「では…いきますよ」
黒霧はそう言うと両腕を上げ黒い靄である手を刄食に向ける。そして刄食にその黒い靄が向かってゆき体を包み込むように蠢く。
「ぉおぉ?」
「そのまま動かないでください。転送しますので」
黒霧の言葉を聞くと同時に刄食は目の前が真っ黒に染まる。
しばらくすると若干の浮遊感の後にしっかりと足が着地し
た。
そして目の前の靄が晴れると先ほどの裏路地とは全く違うバーのような場所に移動していた。
「ぉぉおー」
刄食も珍しい事を体験できたのを素直に驚きキョロキョロと辺りを見回す。
「やぁ。先輩」
刄食はその声にふと現実にもどる。
刄食の目の前には全身を黒で統一した服装で顔に『手』を着けている男がいた。
「せぇんぱいぃ?ぼぉくにぃはぁこうはぁいいなぁいけどぉ」
「いや、まぁ。ヴィランとしての先輩って意味さ」
刄食は純粋に自身に先輩と慕っている人がいない事を言うが『手』の男はそれに呆れたように応える。
「まぁそんなことは重要じゃない」
『手』の男は刄食に数歩近寄る。
「自己紹介だ。俺は死柄木弔。よろしく」
『手』の男、死柄木弔はそう言うと刄食に握手を求める。
「……ぼぉくはカニバァルだぁよ」
しかし刄食はこの男を警戒し握手に応じない。
「………なるほど。警戒心は高いね」
死柄木弔はそう呟くと手を引っ込め踵を返しカウンター席に座る。
「単刀直入に言いましょう」
いきなり語りかけた黒霧はいつの間にかカウンターに立っていて何やらカクテルを作っている。
「カニバル。貴方を『ヴィラン連合』に歓迎します」
ねこです。
デスウーズさんの方はのんべんだらりと書いています。
よろしくおねがいします。