なかなか評判良かったので少しずつ続けます。
よろしくおねがいします。
※最後に会話を追加しました。
「ごちそうさま」
喰ヶ崎 刄食がヴィラン活動を始めて約半年。
彼は32人目を食べ終えたところであった。
なかなか量が多いが1月5人は食べている計算なので間違いはない。
「あ、あ、ぉおいしかったぁあ」
食後のカンソウを述べると彼は血みどろの体と服を気にすることなくその場から離れる。
この半年の間彼は沢山の人を食し、そしてヒーローと戦った。
そしてそのヒーロー達も僅かながらに彼の胃袋のなかに入っている。
ある時はシンリンカムイのウルシ鎖牢を食い尽くしある時はイレイザーヘッドの捕縛用の布も食らっている。
こうして彼は初犯から僅か半年ほどでその残虐性も相まって世間一般では公表されない、ヒーロー達だけが知っている極悪ヴィランになったのだ。
と言っても殺人そのものは無くならないので正体不明の殺人として世間は捉えている。
「ふゅぅううふふふふふ」
今日も喰ヶ崎刄食は闇から現れ闇に消える。
はずだった
「はじめまして!あなたカニバルくんですよね⁉︎」
「……ん、だ、だれ」
今宵は喰ヶ崎刄食の前に1人の少女が現れた。
「トガです!トガヒミコです!」
「あ、ぁ、あどぅうもぉ」
「こんにちは!あ、こんばんわかな?」
「…」
突如現れた少女にペースを持ってかれあまりいい気分ではない喰ヶ崎。
一方、トガヒミコと名乗った少女は顔を綻ばせ恍惚にもみえる表情をしている。
「私ね!血が好きなの!」
「…ぼぉくはひとたべるのすききぃ」
イキナリのカミングアウトだったが取り合えず相手が言ったから自分も言う喰ヶ崎。
「ですよね!私知ってます!」
なぜこのトガヒミコと名乗る少女は喰ヶ崎、カニバルのことを知っているのか。簡単に言えば単に闇ブローカー達の方がマスコミより情報収集力が上だっただけである。
そして闇ブローカー達に可愛がられてるトガヒミコがそのことを知るのは簡単だ。
「だからね!私あなたがモグモグした残りが欲しいの!」
「へぇぇええ〜………それれってぇ?」
「血です!」
「あっそぉうぅ…」
喰ヶ崎は元々の食べ途中のものに割と執着するが彼が食べたいのはニクなので血は別に興味はなかったのでなにも起こらなかったがもしニクが欲しいと言われればどうなったかわからない。
「あぁ、じ、じゃぁあこのふくをぉまずあげるぅょよぉ」
「えっ本当ですか⁉︎」
会話だけを聞けば、男が着ている服をあげてそれに喜ぶ女性だが実際は血だらけだから猟奇性を感じさせる。
「あぁ、とこっぉちにぃたべたばしょがぁああるからそこからももらっていっていぃいいよょぉぉおお」
「はい!ありがとうございます!」
こうして2人は、喰ヶ崎刄食とトガヒミコは邂逅した。
この邂逅は予想外の事態を引き起こすことになるだろう。
「私、カニバルくんのこと好きです!」
「…そぉ」
ねこです。
これ書いてる途中で評価が入って平均評価8.40になりました。ありがとうございます。感想もよろしくおねがいします。
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