ガツガツ
ムシャムシャ
モグモグ
ごっくん
その音は
仄暗い闇の奥から溢れきた。
誰がきいてもそれがナニカを食べている音だとわかる。
パスタかな?
ステーキかな?
魚のムニエルかな?
否。
どれも違う。
光の無い空間の中、咀嚼音を奏でているのは1人の青年。
彼は
それは人
人の頭を
人の手を
人の脚を
人の臓物を
彼はつかみかじりすすっていた。
人1人分の肉塊があったはずだが
瞬く間になくなっていく。
食べきった青年は虚空を見上げる。
そして吐息に限りなく近い声を発する。
「あぁ」と
その声には悲哀と恍惚
二つの想いが含まれていた。
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
『個性』
『個性』は所謂他人同士の僅かなる違いの差ではなく
ある時から人々が持ったチカラ
それにより一度壊れそして新しく世界は構成された。
だがその中で
『個性』の見込みがないといわれ続けてた少年がいた
道ゆくものに後ろ指を指され、
同い年には暴行され、
親にも見捨てられた。
だが少年は生き続けた。
彼はどんなに辛いことがあっても彼は健気に生きていた。
仕方のない事なのだと。
だが
それでも
彼の中には
重い重い
闇が積り、燻っていた。
そして少年が青年へと至る時
彼はあるものを見つけた
それは
『個性』がない時代に起きた事件の資料だった。
青年はそれを深く深く読み込んだ。
中には一般人には目をふさぎたくなるものもあった。
だが彼には目を惹くものだった。
そして
彼は見つけてしまった。
アルバート・フィッシュ
明確な数はわからないが多くの児童を殺し食らった、前時代の狂人。
衝撃だった。
いくら『個性』がありふれた今でさえ
ここまでの事をしでかした人はいないだろう。
もっと…もっと知りたい!
彼にとってそれは歴史の偉人にも等しくそして興味がわいた。
少年は青年と成り
青年はずっと調べた。
前時代の狂人たちを
ジェフリー・ダーマー
ヘンリー・リー・ルーカス
アンドレイ・チカチーロ
ジョン・ゲイシー
エド・ゲイン
かつての世界で人々を恐怖に陥れた犯罪者
その事件の内容
それらの狂気が彼の秘めたる『
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
「そう、これだよ」
時と場は戻り闇の中
青年が人を貪った場所
「これだよ、これこれ」
青年は受け応え人がいないなか1人でつぶやく。
いや、語りだす。
「これ、これこれ、ふふふふふふ、ははははははははははは。ぼくはこれをこのあじがほしかったんだまるできひんあるふはいしたりんごのようなまろやかかつえぐみのあるじょうしつなにく!にく!あ、ああなぜきづかなかったのかぼくはものすごくそんをしてあんなめみもあわずにすんだがそこまでのみちのりがこれほどのけいけんちをうみだししたのうえであじとうまみとおいしさがぜつじょうでくるくるくるりくるくるり、くるくるくるくるくるくるくるくふふふふふふふ、はぁぁああもっともっとつぎをほっしたぼくはつぎのあいつらからこれをとりあいつらくらってほしいくてたまらないんだぼくはぁぁぁああ‼︎‼︎………」
常人には発せられないであろう常軌を逸し狂気に満ちた言葉の羅列。
その語りの締めの言葉は食人鬼アルバート・フィッシュがとある少女を食べた感想と一緒だった。
「「おいしかったよ」」
ヴィラン名:カニバル
本名:
『個性』:
ありとあらゆるものを食べれる『個性』
これは彼の初めてヴィランとして活動した日
ねこです。
元々のアカウント「王の深紅」にログイン出来なくなったので(ヤケクソで)投稿しました。
評判良かったら続くかもです。
よろしくおねがいします。
感想待ってます。
よろしくおねがいします。
追記
書き直しリメイクしました。