インフィニット・ストラトス ~グレモリーの白騎士~   作:ELS@花園メルン

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38 合宿~初日・夜~

SIDE 一夏

 

 

訓練にて兵藤先輩を叩きのめし続けた後、合宿所のキッチンを使い、俺は夕食を作っていた。

まあ、結構な大人数ってこともあるから朱乃さんも一緒に作っているが。

 

 

「朱乃さん、そろそろ鍋の湯が沸くころなんで具の投入お願いします」

 

「わかりましたわ。

にしても、一夏君は相変わらず手馴れてますわね。

小猫ちゃんが羨ましいですわ、うふふ」

 

「あはは、どうも」

 

 

最近、どうも朱乃さんの俺に対する態度が変わってきているような気がする…気がするだけだが。

 

 

「明日は朱乃さんが兵藤先輩を見るんですよね?」

 

「ええ、アーシアちゃんと一緒に魔力の指導を行いますの。

良ければ一夏君もどうかしら?

手取り足取り教えて差し上げますわよ?」

 

「いえ、明日は祐斗とひたすら打ち合おうと思うんで」

 

「そうでしたか、連れないですわね」

 

 

と、会話を続けながら料理を作り、夕食時――

 

 

「うめぇ!なんだこれ!!朱乃さんが作ったんですか!?」

 

「いいえ、こちらは一夏君が作りましたのよ。

私は少し手伝いをしてただけですので」

 

「顔も良くて、運動神経も良くて、更に料理まで上手いのかよ…。

でも、ホント旨いな」

 

 

と、兵藤先輩は悪態づくがなんだかんだ俺の料理を褒めてくれた。

 

 

「本当に美味しいです!一夏さん!」

 

「ありがとうございます、アルジェント先輩、兵藤先輩も」

 

「私のことはアーシアで構いませんよ?」

 

「そうそう、俺だって一誠でいいんだぜ?

なんか同じ眷属でも壁があるみたいだしさ」

 

「分かりました、アーシア先輩、一誠先輩」

 

 

そして食事を終え、座学の時間となったが、途中で俺の携帯に電話が入ってきた。

 

 

「すみません、少し外します」

 

 

そう言って俺は部屋を出た。

 

 

「もしもし?

あ、千冬姉、久しぶりだな」

 

『そうだな、久しぶりだな一夏。

そっちの学園生活はどうだ?』

 

「こっちは楽しいよ。

クラスの皆は結構良い奴らだし、部活のメンバーも千冬姉は写真とか見たことあると思うから誰がいるかは分かると思うけど、この前二人新しい人が入ってきたんだ」

 

『そうか、そっちでの生活が充実していてなによりだ。

それでお前の専用機の開発だが、この前開発が完了したと聞いているが、既に持っているのか?』

 

「ああ。機体は受け取ってるよ。

今はたまに会社のアリーナで練習してるし、そっちに転校するころにはある程度扱えるようにしておくさ」

 

『ほう、それは楽しみだな。

…で、ゴールデンウィークに入ったからな、久しぶりにお前の手料理を食べたいと思って一応、明日と明後日は休みを取ってるんだが、帰って来れないか?何なら友人を連れて来てもいいぞ』

 

「明日、明後日か…。

ちょっと待っててくれるか?今、こっちは部活の合宿に出かけててさ。

帰れるかどうか交渉してくるよ」

 

『分かった。

また連絡頼むぞ』

 

「それでさ、そっちの方はどうなんだ?

IS学園の様子はやっぱり、冬八が入ってきて変わったんだろ?」

 

『…聞いてくれるか、一夏』

 

「…まあ、言いたくないなら別に話さなくてもいいけど」

 

『いや…話そう。

実は、IS学園には【箒】もいて――「あの【篠ノ之箒】が?」ああ、冬八にベタ惚れだったあの箒だ。

まあ、あいつは束の妹ということもあり、IS学園に入るのはほぼ必然だったんだが、それともう一人イギリスの代表候補生もいてな――「ああ、【セシリア・オルコット】だっけ?」お前も知ってるのか?』

 

「俺だって代表候補生の名前くらい知ってるさ。

それに知り合いだっているし。

で、その二人が――って、大体わかった」

 

『察しが良くて助かる…。

アイツらが冬八を取り合うから結構、トラブルが多くてな。

更に、凰の奴も転校してきて、もうこっちへの苦情が絶えないんだ…』

 

「鈴も来たのか。

ってか、苦情ってまさか、ISを無断展開したり器物破損とかしてるってことか?」

 

 

と、その後もしばらく千冬姉の愚痴を聞き続け、ずいぶんと長電話をしていた。

 

 

「じゃあ、帰ることができたら千冬姉の好きなもの作ることにするよ、じゃあな」

 

『ああ、頼んだ』

 

 

俺は電話を切ると、勉強していた部屋に戻った。

 

 

「随分と長い電話だったわね」

 

「すみません、部長。

姉からの電話だったので」

 

「千冬さんからだったんだ」

 

 

部長、小猫が反応する。

 

 

「それで、あの、出来たらで良いんですけど明日、明後日と家に帰っても構いませんか?

千冬姉も結構、疲れてたみたいで久しぶりに顔を見せたいんで」

 

「…まあ、いいわ。

ゲームまでの日取りはまだあるし、一日二日ならば大丈夫よ」

 

「それで、友達を連れて来てくれても構わないそうなんで、誰かと一緒でも大丈夫でしょうか?」

 

「ちょっと待っててちょうだい。

確か、明日のイッセーの訓練は魔力の訓練だから朱乃がやるとして、その次は小猫との体術訓練よね」

 

 

と、部長は一誠先輩特訓スケジュール帳なるものを取り出し、色々つぶやいていた。

 

 

「一夏のことだから小猫を連れていくのでしょう?」

 

「まあ、そのつもりでしたけど」

 

「…私も行きたいです」

 

「小猫を連れていくのは構わないわ。

でも、一応、明後日の特訓が体術だから明後日の昼までには帰ってきて欲しいのよ」

 

「はい、わかりました」

 

 

と、付いて来ようとしていた小猫に対して部長はそう言った。

 

 

「それでは二日目は私が行ってもいいかしら?」

 

「朱乃さんが?俺は別に構いませんけど」

 

「ええ、別に構わないわよ」

 

 

と、部長が朱乃さんに許可を出した。

 

 

「ふふ、ありがとうございます、部長」

 

「それでも一夏。

帰っても一応、怪しまれない程度に特訓はしておいてね?」

 

「はい、筋トレとか走り込みを一応、いつものようにしておきます」

 

「なら良いわ。

荷物を一応、纏めておきなさい?」

 

 

で、その後も勉強したのち、俺と小猫と朱乃さんは家に帰るための準備をしておいた。

 

 




そういえば、ISのゲームのβテストが始まってますね。

当然私は、星4キャラは簪をゲットしました。
結構、周回しやすいゲームでしたね。
育成が楽そうで良かった

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