インフィニット・ストラトス ~グレモリーの白騎士~   作:ELS@花園メルン

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今回、ちょっとずつ原作へ踏み込んでいきます!

あ、アンケートは未だに募集中ですよ~


27 兵藤一誠

「そうそう、そこのプログラムをこんな感じに変更するんだ」

 

 

俺は簪にアドバイスしながら、ISを製作していた。

 

 

「でも、ここはこっちの方が良いと思う」

 

 

簪の造ろうとしているISは特殊武装にマルチロックオン式のミサイルを考えているので、今回、マルチロックオンシステムの演算処理の計算を行っていた。

これが、なかなか難しくかなりの苦戦を強いられていた。

 

 

「いっち~、かんちゃん、お菓子食べよ~」

 

 

本音がそう言うので、俺たちは作業を中断した。

俺に対しての呼び方が変わったのは、冬八にも『おりむー』呼びを使っているので、区別するためだそうだ。

 

本音がお茶菓子を用意し、俺はお茶を準備した。

 

 

「うん!やっぱりいっち~のお茶は美味しいね!」

 

「ホントに」

 

「まぁ、貴族悪魔の眷属だからな・・・。半端なお茶を出すのは流石に忍びないというか」

 

 

それから三人でお茶とお菓子を楽しみ、その日は解散となり俺は部室に転移した。

部室に帰ると、今日は誰もおらず、俺はそのまま帰宅することにした。

 

 

翌日俺と小猫が教室に早めに入ってから、部長からメールが来て、始業のチャイムが鳴る前に、部室に向かうことになった。

 

 

「おはようございます、部長。それで、連絡があるそうですが、一体?」

 

「おはよう、二人とも。

昨日の晩、この町に堕天使が現れたわ。いえ、既に潜伏していたという方が正しいかしら」

 

「堕天使が!?なぜ、気づけなかったんでしょうか!?」

 

「おそらく、堕天使の本拠地に強力な結界があるのかもしれないわ。

だから、場所が特定できないのよ」

 

「それなのに、部長はなぜ堕天使がこの町にいると分かったのですか?」

 

 

小猫が俺の聞きたかったことを代わりに聞いてくれた。

 

 

「昨日、依頼で転移した先で学園の生徒がひん死の重傷を負っていたの。

その傷口が堕天使の光の槍でできた傷だと分かったからよ」

 

「それで!その生徒は無事だったんですか!!」

 

 

俺は部長に詰め寄った。

 

 

「え、ええ、無事よ。

ただ、その生徒を助けるためには悪魔の駒を使うしかなかったわ」

 

「じゃあ、その人は、転生悪魔になったってことですか?」

 

「そうよ。私の持っていた兵士の駒全てを使ってね」

 

「「八個全て!?」」

 

 

それほどに強力な人がこの学園にいたなんて・・・!?

いや、待て?

 

 

(アルトリア、この前、兵藤先輩がアーサー王にゆかりのある神器を持ってるって言ってたよな?)

 

『ええ。おそらく、眷属になったのはその者でしょう。

それと、その者が持っている神器はおそらく神滅具』

 

(神滅具・・・。それなら兵士の駒全てってのも納得か・・・)

 

 

 

俺がアルトリアと会話をしていると、

 

 

「それでイチカ。あなたに頼みがあるの」

 

「頼み、ですか?」

 

 

部長が俺に話しかけてきた。

 

 

「堕天使総督の会社に出入りしているあなたにしか頼めないわ。アザゼル総督にこの度の堕天使の件を聞いてきてくれないかしら?」

 

「わかりました。アザゼル総督に聞きに行ってみます」

 

「お願いね。

小猫も、気を付けておいて」

 

「わかりました」

 

「それで、聞きたかったんですけど、眷属にしたのっていったい誰なんですか?」

 

 

俺は部長に聞いてみた。

まぁ、帰ってくる答えには予想がついていた。

 

 

「二年の兵藤 一誠よ」

 

 

やっぱりか・・・。

って、うわ!?小猫が露骨に嫌な顔をしてる。

まぁ、普段からあんなふうにしてたら小猫みたいな反応する人がいてもおかしくはないか。

 

 

「小猫、あからさまに嫌そうね」

 

「ええ、まぁ」

 

「もし、彼が何かしてくるようなことがあれば、あなたの彼氏に守ってもらいなさい?」

 

「よろしくお願いします」

 

「あ、あはは。味方同士で争うのは・・・」

 

「味方ですけど、女の敵です。一夏君は私が兵藤先輩にナニカされてもいいの?」

 

「全力で守ります!」

 

 

俺は即答した。

そうだよ。彼女を守るのは彼氏の務めじゃんか!

と言うわけで兵藤先輩、まだ特に関わっていませんが、小猫にナニカしたら容赦しないんで!

 

俺は心の中でそう決意した。

 

 

 

その後、学校は滞りなく進んだ。

昼休みに兵藤先輩が何かの聞き込みを繰り返していたそうだけど、俺はいつも通り、小猫と過ごしていた。

放課後、アザゼル総督の元へ行き、IS開発について聞くついでに、部長からの頼まれごとの件を話した。

 

 

「この町に堕天使が!?しかも、神器持ちを襲った!?

俺はそんな命令を出してないぞ!神器に関しては相手の協力の元、研究を行っているからな」

 

「では、今回の件は総督の命令では無く、一部の堕天使の独断である、と?」

 

「ああ、そうだ。ついでで悪いが、そいつらがお前さんたちに危害を加えるようなことがあれば捕縛もしくは始末してもらって構わない」

 

「それならもう一つ聞きたいことがあります。

駒王町で堕天使は何をしようとしているのか。それと、奴らの潜伏拠点にするならどこを選ぶか。

分かるようであれば教えてくれませんか?」

 

 

これで少しでも有力な情報が得られれば・・・

 

 

「神器持ちを襲うってことは神器を抜き取る、もしくは悪用することが目的だろう。

神器はある術式で奪い取ることができる。

しかし、取り出してしまえば持ち主の命は尽きてしまうだろう。

もう一つの質問の答えは、確信は無いが廃教会などつぶれた聖域だろうな。

悪魔や天使はそれぞれ入れないところがあるが、堕天使にはそう言った場所が無い。

そう言った意味では、堕天使はどこでも根城にすることができる」

 

「そうですか。ありがとうございます。

それじゃあ、IS関連の話で演算処理についてなんですが――――」

 

 

それから再びIS学園に向かい、IS開発の手伝いをしていた。

 

 

「じゃあ、ここがこうだったら、演算処理の速度が上がるんだね?」

 

「まぁ、そうだな」

 

 

それからしばらく、作業に没頭して、

 

 

「じゃあ、一夏たちは堕天使たちの行方を追ってるんだ?」

 

「そうだな。堕天使たちの目的が分かればいいんだけどな・・・」

 

「関係あるかどうか分からないけど、駒王町の寂れた教会にシスターが派遣されるって知ってる?」

 

「シスター?そのシスターって神器持ちなのか?」

 

「そこまでは分からないけど、元聖女らしいよ。ね?本音?」

 

「うん~。なんか、その人が触れたら傷が治るんだって~」

 

 

シスター。

駒王町の教会。

傷を治せる力がある。

 

 

「ありがと、簪、本音。ちょっと、今日はこれで帰るな?」

 

「うん、忙しければ連絡してくれたら無理に召喚したりしないから」

 

「ばいば~い!」

 

 

俺は別れを告げて、駒王学園に戻った。

 

 

「部長!いますか!!」

 

 

部室に帰ったが部長はいなかった。

書き置き?

そこには部長の字でこう書かれていた。

 

 

『兵藤君が堕天使に襲われ、その治療のために今日は彼の家に泊まるわ。

何か連絡のある子は明日に聞くわ』

 

 

報告は明日になるのか・・・。

俺はとりあえず、寮に帰り、眠った。

 

 

 

次の日、朝に学校に行くと、校門前が騒がしかった。

何だ?と思い、クラスの人を見つけたので、話しかけてみた。

 

 

「なぁ、なんでこんなに人が集まってんだ?」

 

「おお!織斑ぁ!リアス・グレモリー先輩が『変態』と名高い兵藤先輩と一緒に登校してきたんだよぉぉぉ!!」

 

「あっそ」

 

「あっれ?反応薄っ!?まぁ、お前には小猫ちゃんがいるからなぁ」

 

「俺、先行くから」

 

 

俺はさっさと校舎の方へ向かう。

途中に部長に会釈してから通り過ぎていった。

 

すると、さっきのクラスの奴が追いかけてきて、

 

 

「そういや、お前オカ研じゃん!グレモリー先輩や姫島先輩とお近づきになれるじゃんかよ!!

小猫ちゃんだけでは飽き足らないのか!!??てか、俺に紹介してください!!」

 

「はぁ・・・何、言ってんだよ」

 

 

俺はそのまま教室に入っていった。

その日はずっと、部長と兵藤先輩のことで持ち切りだった。




予定では、なんとか五か六話で1巻が終れるように頑張ります。

少しペースを上げないと、話数が・・・

あ、レイナーレのところでオリキャラ出す予定です(笑)

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