インフィニット・ストラトス ~グレモリーの白騎士~ 作:ELS@花園メルン
SIDE 一夏
カシャッ!
という携帯電話のカメラ音がし、それで俺は目を覚ました。
「あら?一夏君、起きてしまったのですか?もう少し寝ていても良かったですのに…」
朱乃さんが起きた俺にそういってきた。
その手には携帯電話。
小猫は未だに俺に抱き付いたまま眠っている。
「もしかして、撮りました?」
「ええ!バッチリと!あ、ご安心を。後できちんと一夏君にも送って差し上げますわ」
「何勝手に撮ってるんですか!後、写真は一応、戴いておきます!
てか、何で誰も起こしてくれなかったんですか!?」
部室には部長も朱乃さんも祐斗もいる。
「折角、気持ち良さそうに眠ってるんですもの。起こすのは可哀想ですわ。ね、リアス、祐斗君?」
「そうね。決して面──んん、何でもないわ」
今、面白そう、と言いかけたよあの人!?
「僕は今さっき来たばかりだからね。起こすのは止そうかなって思ってたんだよ」
「…でも、朱乃さんが写真を撮るのは止めれたよな?」
「まあ、良いじゃないか。写真の一枚や二枚」
「良くねぇ!」
知ってるか?
朱乃さんて、ドSなんだぜ?あの人に弄られるようなネタを握られたら、それだけで当分弄られるぞ?
「んん…ふわぁ……」
小猫が起きた!
良し!拘束が緩んでいる!今だ!!
俺はパッと小猫から離れ、尚且つ小猫がもたれられるように、クッションを置いた。
これで、違和感無く抜け出せた!
「イチカ、あなた凄いスピードね。忍者でも目指してるのかしら?」
「いえ、目指してないです」
「……寝てしまってたみたいですね。おはようございます、皆さん」
小猫は目を擦りながら、挨拶をする。
「おはようございます、小猫ちゃん。
それで、早速、これを見てもらってもいいですか?」
「あ、朱乃さん!?それは!って、離せ、祐斗!!」
「まあ、まあ、良いじゃないか!」
「HA☆NA☆SE!!」
「ッッッ!!」///
小猫は朱乃さんに画像を見せられ、顔を真っ赤にする。
その後、何かコソコソと会話をすると、
「そ、その、抱き枕代わりにして、ごめんなさい」///
顔を真っ赤にしながら少しそっぽを向き、そう言ってきた。
「い、いや、別にいいぞ?そ、それより、寝る前のことは覚えてないよな・・・!?」
「寝る前?・・・もしかして私、何かしたんですか?」
「い、いや、特に何も・・・。ですよね!部長!」
あ・・・。部長の顔がニヤニヤしてる・・・。
やってしまったか・・・?
「え、ええ!そうね!別にイチカに甘えにいったりなんてしていないわ!…あ」
部長、それ言っちゃお仕舞いですよ!なんですか!?あなたドジっ子属性持ちですか!?
小猫の顔が本当に真っ赤になっている。
うつむいて、ワナワナと震えている。
「~~~~!?!?」///
「あ、小猫!」
そのまま、小猫は部室を飛び出していった。
「……。小猫の様子見てきますね」
俺はそう言うと部室を出ていく。
SIDE 一夏 END
No SIDE
「少しからかいが過ぎましたかしら?」
「そうですね。僕も少し面白くなってきてましたから」
「でも、これであの子達に進展があればいいのだけれど…」
「ですが、そうなれば私も早く素敵な殿方を見つけませんとね、うふふ」
と、一夏が出ていった後の部室でそのような会話が行われていたが、一夏は知らない。
NO SIDE END
SIDE 一夏
「お、いたいた」
小猫は旧校舎裏の花壇近くの木の下で体育座りをしていた。
「なあ、小猫、急に逃げ出したりしてどうしたんだよ?」
「・・・すみません。でも、嫌じゃ無かったですか?
覚えてないですけど、何か色々一夏君にやったらしいですけど」
小猫の声は少し震えていた。
「・・・嫌じゃ無かったよ。
むしろ、なんていうか、その、う、うれしかった・・・かな」
「・・・え?」
「小猫みたいな可愛い女の子に甘えられて嫌がる奴なんて普通いないだろ?」
「・・・なんだ、そういうことですか・・・」
「それに――」
「?」
「―――俺のことを『好きだ』と言ってくれたのは嬉しかった」
「へ・・・?へ・・・!?」///
お~、また真っ赤になってる。
「わ、私、そんなことまで・・・!?」
「ああ。とっても可愛かったぞ?」
ああ・・・。今の小猫って本当にからかいたくなってくるな・・・。
「!?!?!?じゃ、じゃあ・・・」
「ん?」
「一夏君はその、私のことはどう思ってるんですか・・・?」
さっきは小猫がじゃれるのに夢中になり、答えをはっきりさせなかったけど、これは言わないとダメかな・・・。
「お、俺・・・。俺も、お前のことは・・・好きだ。大切に思ってる!」
うぉぉぉ!?ヤバい!?さっきからかって悪かったな、小猫!?
めっちゃ恥ずかしいわ、これ!?
「・・・」///
「・・・」///
「「・・・・・・」」///
な、何か、きまずい・・・
「じゃ、じゃあ―――」
小猫が沈黙を破ってくれた。
「私と、付き合ってもらえませんか・・・!」
はぁ、俺の顔、また真っ赤なんだろうなぁ・・・///
「俺でよかったら、喜んで」
俺は小猫を抱きしめた。
華奢な体だな・・・。こんな体のどこにあんな怪力があるんだろ?
「これからもよろしくな?小猫」
「こちらこそ、これからもよろしくお願いします。一夏君」
小猫の手をとり、二人で部室に帰っていった。
「あ、おかえり二人と・・・も?」
祐斗が俺と小猫を見るや固まった。
「あらあら、うふふ」
「あら、すっかり仲良くなったわね、二人とも」
部長も朱乃さんも俺たちを見ると何か微笑ましいものを見ているような顔をしてくる。
「部長、俺たち一応、付き合うことになりました」
「そう。やっとなのね。はぁ、私も後一年か・・・」
残り一年。
部長が上級悪魔のライザー・フェニックスとの婚約による結婚までの期間のことである。
あれからも何度かグレモリー邸にやってきたライザーとの話でせめて高校生活が終るまで、
という条件で部長の両親が向こうの両親と話をつけてしまった。
なにか打開する策を。と部長はいつも悩んでいる
部長も以前に比べると元気が減っている気がする。
誰か如何にかしてくれる人はいないものか・・・
夜になり、学校を出、家に向けて帰っていると
「にゃ~ん」
月夜に照らされている隅に一匹の黒猫がいた。
「黒猫?」
『お気を付けください、マスター。その猫、悪魔です』
「え?悪魔?」
思わず声に出してしまった。
すると、黒猫が姿を変え、黒を基調とした着物を着た女性へと変化した。その頭には猫を主張するような猫耳が生えていた。
「まさか気づかれちゃうなんてね。あなた、ひょっとして私を追ってきたのかしら?」
「追う?なんで?」
「それは―――「見つけたぞ!はぐれ悪魔黒歌!!」――ちっ!噂をすればって奴かにゃ!!」
数人の悪魔、堕天使、それにこれは、魔法使いか?
が黒歌をにらんでいた。
「なぜ、我々を拒む!カオス・ブリゲードに入り、ともに今の腐った悪魔を消し去ろうと提案しているのだぞ!」
「あんたらのやり方は好きじゃないにゃん。それに私は妹を守らなきゃなんないの。ただ、暴れようとしてるあんたたちに付いて行っても良いことなんて何にもないにゃ」
「いいだろう。おい、手筈通り奴を捕らえるぞ!」
アイツらがカオスブリゲードってテロリストか!
それにあの黒歌って悪魔、もしかしたら!
(アルトリア、やるぞ!)
『分かっています、行きましょう、マスター!』
俺はエクスカリバーを発現し、黒歌の前に飛び出す。
「何者だ!貴様!」
「リアス・グレモリー様の騎士。
織斑 一夏!これよりお前たちを斬る!!」
さぁ、戦闘開始だ!
はいっ!今回は黒歌が登場しました。
ヒロインにするにしてもある程度こっち寄りにしとかないと上手く絡みが作れないので、
今作の黒歌の扱いはオリジナルにしたいと思います。
まぁ、その影響で敵さんに新たなキャラが出ると思うんですけどね・・・
あ!ヒロインアンケートと並行して更にもう一個アンケートを募集したいんでそっちの方にも意見を寄せてくれるとありがたいデス!!