インフィニット・ストラトス ~グレモリーの白騎士~ 作:ELS@花園メルン
多数の方からアンケートの返答をいただき、とても感謝です!
この調子でどしどし送ってください
SIDE 織斑 一夏
目が覚めるとそこは自分の部屋のベッドだった。
あれ?俺、昨日、いつ帰ったんだっけ・・・?
寝ながらそう考えて、昨日の出来事を思い出していくと、廃工場での一件を思い出し思わず飛び起きてしまった。
「うわぁ!?」
な、なんで俺、家にいるんだ!?昨日のあれは、夢だったのか!?
嫌、でもあの痛みは全然そんなんじゃなかったし・・・
とりあえず時間を確認すると、朝の6時でいつもより少し早い時間だった。
「よっと―――――あ・・・れ・・・?」
立とうとしたのに、急にふらついてしまった。
何でだ?いつもならこの時間でもこんな事無かったのに・・・
「疲れてんのかな・・・?」
部屋を出たが、家に人がいる感じは無かった。
「そっか、今日って土曜日だっけ・・・」
俺の家に両親はいない。いるのは9歳上の千冬姉と双子の兄の冬八だけ。
その千冬姉は働きに出ているが、冬八は近くの剣道場だろう。
でも、俺は兄弟仲はあまり良くなく家にいても会話をすることはほとんどなかった。
それどころか、冬八にいたっては俺をストレスのはけ口くらいにしか思っていないだろうな
実際、学校でイラつくことがあれば家に帰ってすぐに俺を殴り飛ばす。
しかも、たちの悪いことに人目に付かない服の中を、だ。
反撃するだけ無駄と思い、仕返しをしようなどと考えたことは無かったが、それを好機と思い、最近は学校でも冬八はそれを行ってくる始末だ。
「帰ってきたら面倒くさいし、さっさとやることやって家出よ」
そう口にして、先ずは洗濯をしようか・・・と、思った矢先、
≪ピンポーン≫
玄関のチャイムが鳴った。
こんな早くから客?とりあえず出てみるか
「はーい!今行きまーす!」
俺は来客者にそう言って、玄関に向かう。
誰が来たのか、玄関モニターを見ると
メイド服を着た銀髪の女性がそこに立っていた。
「(え、何?メイド?なんで、メイドが家に?)あ、あの、どういったご用件でしょうか?」
俺は扉の向こうのメイドにそう尋ねる。
『私、グレモリー家に仕えるメイドのグレイフィア・ルキフグスと申します。本日は織斑一夏様に御用があり参った次第でございます』
「そのグレモリー?家のメイドさんが何のようでしょうか?」
その質問の答えは俺が起きてから悩んでいたことにもつながることだった。
『昨日の出来事、と言えばお分かりになるかと』
その言葉を聞いて俺はドアを開けた。
「あれは夢じゃ無かったんですか!?教えてください!!」
「お、落ち着いてください。詳しい話はグレモリーのお屋敷でになりますがよろしいでしょうか?」
「あ、待ってください。一応、家を出る前に家事を一通りやっておきたいんで」
そう言って、俺は家の奥に行こうとするが、
「私もお手伝いします」
とグレイフィアさんは言ってきた。
「え、悪いですよ、客人にそんな・・・」
「いえ、今やあなたも
え・・・?いま、なんて・・・?
「あの、それどういう意味ですか?」
「そのことも含めて向こうでお話いたします。あなたも何があったのかを知りたいと思います。ここは私にも手伝わせてください」
それから、グレイフィアさんと共に家事を行ったが、いつもの何倍も早く終わった。
洗濯はあらかじめタイマーをセットされていたので干すだけだったが、グレイフィアさんはテキパキこなし、掃除や多少の料理もすぐさま終えてしまった。
・・・・およそ1時間後
着替えと簡単な外出用の荷物を持ち、俺はグレイフィアさんの元へ向かった。
「準備はできましたか?」
「はい」
「これからグレモリーの屋敷に向かいますが、お気を付けください。慣れていない方には酷だと思いますので」
酷?良く分からないけど、すると、グレイフィアさんは紙きれを取り出した。
?何か書いてる?
すると、足元に紙に書いているものと同じ模様が浮かび、光りだす。
「は!?なにこれ!?」
「お気を付けください、間もなく飛びますので」
「飛ぶって何!?」
魔法!?そんなのあるの!?
眩しさに目を閉じてしまい、再び目を開くとそこには見慣れた家では無く、どでかい屋敷と紫色の空が広がっていた。
・・・・・は・・・・?
「到着いたしました。ここが冥界のグレモリー家本邸にございます。中へどうぞ、リアスお嬢様がお待ちです」
拝啓 顔も知らない父さん、母さんへ
俺、冥界に来ました・・・
次回、一夏とグレモリーの邂逅です