インフィニット・ストラトス ~グレモリーの白騎士~   作:ELS@花園メルン

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11 我が剣の名は

SIDE 一夏

 

 

俺は師匠の魔方陣で一緒に転移し、どこか広い部屋に着いた。

 

 

「やあ、総司。それに、初めまして織斑 一夏君」

 

 

後ろから声がし、振り向くとそこにはリアスさんと同じような真っ赤な髪の男の人が執務用の机って言えばいいのかな?に座っていて、書類を整理していた。隣にはメイド服のグレイフィアさんが立っていた。

 

 

「僕はサーゼクス・ルシファー。一応、魔王ルシファーを勤めさせてもらっている。それとリアスの兄でもあるよ」

 

 

こ、この人が魔王ルシファー!?

どことなくリアスさんに似てたけど、やっぱしお兄さんだったか・・・。やば、言葉遣いとかよくわかんねぇ

 

 

「えと、織斑一夏です。リアスさんの騎士を勤めさせてもらってますです!」

 

 

ヤバイ意味不明だ。

 

 

「ハハ、そんなに固くならなくてもいいよ、一夏君

リアスのときの様な喋り方でかまわないよ。君はまだこっちの世界に来て間もない。いきなりは厳しいだろうからね」

 

 

サーゼクスさん、スゲェ優しいな・・・!

 

 

「それで、王よ。これを見ていただきたいのですが。

一夏、あなたの神器を出しなさい」

 

「は、はい!でも、消えてるんですけど、どうやって?」

 

「さっきの剣を出したときのイメージを固めてください。恐らく、次はそんなに集中しなくてもできるでしょう」

 

 

さっきの剣・・・。風に覆われてちょっとしか見えなかったけど、あの輝きはまだ目に焼き付いてる。

あの輝きを思い出せば・・・!

!?見えた!!

 

次の瞬間には俺の手の中にはさっきの剣らしきものが握られていた。でも、切傷は無くなっており、再び風の結界が剣を覆っていた。

 

 

「ほう?一夏君の手の中に何かがあるのは分かる。でも、結界かな?風が渦巻いて姿を隠してるね」

 

「ええ。だから、あなたの滅びの魔力で風を消し去って欲しいのです」

 

 

滅びの魔力!?なんか、危険なワードなんですけど!?剣も消えたりしませんよね!?

 

 

サーゼクスさんは手に赤黒い魔力を出し、俺に近づき、結界がある部分に手を這わせ風の結界を削いでいく。

風が無くなったことで再び黄金の光を放出し、サーゼクスさんとグレイフィアさんは驚く。

風の結界は完全に消え去り、俺の手には名もない剣が握られていた。

 

 

 

「ま、まさか、この剣は!?」

 

「そんな、あり得ません!だってあの剣は!」

 

「ああ!今は7つに分かたれているはずだ」

 

 

?そんなに驚いてどうしたのだろうか?

 

 

「あ、あの、なんでこの剣を見てそんなに驚いているんでしょうか?」

 

 

俺は恐る恐る尋ねてみた。

 

 

「一夏君は聖剣エクスカリバーを知っているかな?」

 

「ええと、すみません。俺そういうことさっぱりで・・・」

 

「エクスカリバーとは、かつてアーサーという男が扱っていた剣でね。

僕ら悪魔には天敵の様な存在なんだ」

 

「え!?男!?女じゃなくてですか!?」

 

「?どういうことだい?」

 

「俺がこの剣を出したときに頭の中にこれと同じ剣を抜く少女の映像が映ったんです。確か名前はアルトリアって言ってました」

 

 

あの人はどうみても女の子だった。

実は男だったなんてギャスパーみたいな事実は無い・・・はずだ。

 

 

「ふむ・・・。もしかして、その剣はエクスカリバーであってエクスカリバーでは無いのかもしれないね」

 

「?どういうことです?」

 

「今のエクスカリバーはかつての大戦で折れてしまってね、そのかけらを再利用して剣に作り直した物が7本存在するんだ。

流石に、元のエクスカリバーよりも何段階もレベルは下がってるけどね。

でも、君の持っている剣はかつてのエクスカリバーと似通っているが、あの剣を凌駕している。

どうやら、このエクスカリバーにはまだ隠された力があるようだ。

・・・もしかすると、この剣は別次元、並行世界のエクスカリバーなのかもしれないね」

 

 

並行世界・・・。そんなものまであるのか・・・。

 

 

「なぜ、並行世界のエクスカリバーが神器として君に宿ったのかは僕にはわからない。

でも、この世界でそのような神器は見たことが無いから。宿主はおそらく君が初めてなのだろうね

折角だ、一夏君。その剣、神器の名前を君が付けてみてはどうかな?」

 

「名前・・・。永久に遥かな黄金の剣(エクスカリバー・イマージュ)・・・」

 

「ん?」

 

「エクスカリバー・イマージュとかどうですか?ぱっと頭に閃いたんですけど」

 

「いいと思うよ。

どこかの中二病をこじらせた様な男のつける名前よりもよっぽど良い」

 

 

?誰のことだろう?

 

 

「とりあえず、一夏君はこのまま神器の訓練に励んでくれ―――っと、少し待っててくれるかい?

どうしたんだい、スルト?」

 

 

魔法陣が出現したと思ったら、そこから男の人の声が聞こえてきた。

 

 

『リアスさまが先ほど、新しい眷属をお連れになったのですが、その者が【聖剣計画】の生き残りだそうでして』

 

「聖剣計画の?これまた厄介なことになりそうかもだね」

 

 

サーゼクスさんは俺を見ながらそういう。

 

ん?何の事だろうか

 

 

「一夏、聖剣計画というのは、教会が管理している7本のエクスカリバーの使い手を生み出すための実験計画の事です。

聖剣を扱うためにはある因子が一定量以上必要で、因子の量が少ない者のそれを後天的に高めるための実験です。

しかし、計画は上手くいかず、実験台になった子供たちは、全員処分されました」

 

「!?その生き残りってことは!」

 

「ええ・・・。おそらく、聖剣のことを恨んでいることでしょうね」

 

 

そんな人がリアスさんの眷属に・・・・。

俺、関わらない方がいいのかな・・・。

 

 

「一夏。今日は、屋敷に戻ってリアス様にあなたの神器のことを伝えましょう。

それから、あなたの神器とその少年について考えましょう」

 

「・・・・はい」




今回、登場した一夏の神器の名は
OIGAMIさんの意見を参考にしました。ありがとうございます。

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