インフィニット・ストラトス ~グレモリーの白騎士~ 作:ELS@花園メルン
色々な意見をいただき、どれを用いようか迷いましたが、最後、二択できめました。
10 黄金の剣
SIDE 一夏
その後、リアスさんたちに会いに行ってみたところ、ひどく暗い雰囲気を醸し出していたが、俺が目を覚ました姿を見ると、表面上ではあるが元気があるところをふるまっていた。
俺が冥界に着いて初の食事のときに、グレモリー家の人は俺のことを祝ってくれた。
「リーアたんの眷属は私たちにとっても家族のようなものだ。ぜひ、ゆっくり過ごしていきたまえ」
リアスさんはリーアたんと言われ、とても顔を赤くして怒り、ヴェネラナさんにこっ酷く叱られていた。
グレモリー家の人はどの人も気さくで優しい人ばかりだった。
食事を終えて、俺は割り当てられた自分の部屋で、配布された学校の課題をこなしていた。
次の日。
俺は師匠に連れられてグレモリー家の所有する山に向かうこととなった。
「今日はいつもの修行を行う前に、神器についての訓練を行います」
「神器?人間に宿っているかもしれない聖書の神に与えられたものの事ですか?」
「ええ。あなたの駒は騎士の変異の駒。
リアス様の僧侶も変異の駒ですが、彼も強力な神器を持っています」
「ギャスパーも?」
「
視界に入ったものの時間を停止させる結界型の神器です。
今のところは問題ありませんがあの力は強大です」
「ギャスパーにそんな力が・・・」
「そしてその可能性はあなたにもあるということです、一夏。
彼と同じ変異の駒を持つゆえに強力な神器を持っているかもしれません」
俺にもそんなものがあるかもしれないのか・・・
「まず、座禅を組みなさい」
俺は言われたとおりにする。
「次に目を閉じ、あなたが最も強いと思う者、生物なんでもいいです。それを思い浮かべなさい」
俺が思う強いもの・・・
真っ先に俺の頭に浮かんだのは千冬姉だった。俺が知っている中では無敗の人だと思う。
でも、千冬姉は本当に最強なのか?
確かに悪魔になる前の俺だったらそれで納得してたと思う。
ISに乗り、世界最強へと至った千冬姉。
しかし、こっちの世界最強。
赤龍神帝グレートレッド。
あんな凄まじいものを見てしまったら千冬姉が本当に最強なのか、悩んでしまう。
俺の中の世界最強。
千冬姉には悪いけど、俺には―――――
「思い浮かべましたか?では、そのイメージを固めたまま、私と戦ってください」
そう言って、俺に木刀を手渡してくる。
しかも、師匠も木刀を手にしていた。
「いきます、はぁ!」
師匠は俺に突きを繰り出した。
これなら躱せる!
俺は突き出された木刀をいなすように、自分の木刀を添える。
そのまま、悪魔の力で回り込み、背後から木刀で襲い掛かる。
「えぇぇぇい!!」
「殺気が漏れてます。
イメージすることに気を取られずに!」
「しまっ!?」
俺の木刀に師匠が木刀を薙ぎ、叩き折ってしまう。
そのまま、師匠は俺の首筋に木刀を添える。
「ッ!?」
「どちらかに意識が持っていかれてはいけません。
イメージしなおしてください」
そういうと、師匠は木刀を除けて、俺に座禅をさせた。
「イメージしてください。頭の中に。難しければ、抽象的なもので構いません」
抽象的って言われても難しいよな・・・
でも、やっぱり剣とかって強いしカッコいいよな・・・
アニメや特撮でも剣は強そうなイメージがあるし・・・
ドクンッ!
ぐぁ・・・!?何だ、俺の中でナニカが・・・!
ドクンッドクンッ!!
何だ?これ?自分の中に何かがある・・・。
これは、鞘?
俺の中に突如見えたのは、金色と青色で装飾された鞘だった。
でもなんで鞘だけ?本来、鞘は剣や刀をしまうものなのに・・・。
・・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・
・
その瞬間、俺の全身を風が吹き抜け、目を開くとそこは雄大な草原が広がっていた。
その草原の中で一振りの剣が突き刺さっていた。
その剣に向けて誰かが歩いていき、その剣の前に立つ。
そして剣を握り締め、突き刺さっていた剣を台座から引き抜いた。
すると、また景色が変わり、次に俺の目に映ったのは真っ暗な闇の中だった。
『問おう。あなたが私の担い手か?』
(へ?)
俺の目の前にはさっきの剣を抜いた少女が鎧を纏い、立っていた。
『私はアルトリア。
あなたの中で眠っている神器と呼ばれるものに宿っている者です』
(お、俺は、織斑 一夏です・・・!)
『あなたが私に会えたということはあなたには私を振るう資格があるという証明。
あなたが私の力を間違った方向へ使わないことを祈っていますよ、一夏』
そういうと、少女は消え、目の前にさっき見た鞘があった。
その鞘には先ほどとは違い、剣が収まっており、俺はその剣に手を伸ばした。
・
・・
・・・
・・・・・・
・・・・・・・
「あ・・・れ?」
目を開けると、そこは師匠と修行した山で、師匠はその場に居なかった。
「目が覚めたようですね、一夏。
おや?あなたが持っているそれは何です?」
師匠が木々の間から出てきて、俺の右手を指さし尋ねる。
俺の手にはナニカが握られていた。
え、なにこれ?何かを持ってる感じはするのに、何も見えない?
「ふむ、何の武器かはわかりませんが、風による結界が働いているようですね。
そしてその結界の大きさからして、剣でしょうか」
そういうと、師匠は何もないところから刀を取り出す。
・・・すげぇ、こんなことまでできるのか・・・。
てか、その刀でなにするんだ?
「この結界を切り裂いてみましょうか」
「できるんですか?」
「やってみせましょう・・・フッ!!」
師匠は刀を振るった。
風の結界に切り傷ができ、その中にある刀身が明らかになった。
グワァァァァァァ!
な、なんだ!?切り傷の隙間から物凄い光が・・・!
「この光は一体・・・!?」
師匠にも分からないのか?
光が収まり、切り傷から見えたのは白銀の刀身、青い柄、黄金に青いラインの鍔だった。
「こ、この剣は!一夏、今すぐ私についてきてください!」
「え!?し、師匠!?」
どうしたんだ、一体?
何か、師匠が異常に焦ってるけど・・・
俺は師匠の展開した魔法陣に乗り、師匠と共に転移した。
一夏の神器はセイバー、アルトリア・ペンドラゴンが宿る剣です。
ちなみに名前は未だ不詳です
意見をくださった皆さん、ありがとうございました