遊戯王5D'sタッグフォース 満足の意志を継ぐ者 作：ゾネサー
鬼柳が残したカードの力を借り、幸子はクロウに勝利した。ライフが0になったクロウは応援席からマーサハウスの子供達の声援を受けながらピットへ戻っていくのだった。
「クロウ。このカードは……」
遊星はクロウが残した1枚の伏せカードを確認し、クロウの意図を汲み取った。
「後は任せたぜ、遊星！」
「…ああ！」
クロウからバトンを受け取った遊星はピットからDホイールを走らせると、観客席から大きな歓声を受けながら幸子に追いついた。
「5D'sのラストホイーラーはもちろん不動遊星だ！果たしてここから逆転することが出来るのかー！？」
「来ましたわね不動遊星。ネオ童実野シティを救った……英雄。ですがそう簡単にやられませんわよ！いいえ、むしろここでわたくしがあなたを倒して差し上げますわ！」
「仲間が繋いでくれたバトン…俺はそれを無駄にするわけにはいかない！行くぞ！」
「 「 デュエル！ 」 」
幸子 LP1500
フィールド 『氷結界の龍 トリシューラ』(攻撃表示) 『白銀のスナイパー』(守備表示)
セット1
手札0
遊星 LP4000
フィールド 無し
セット1
手札5
sc7
「俺のターン、ドロー！」
幸子sc4→5 遊星sc7→8
「わたくしの場には攻撃力2700のトリシューラがいますわ。フィールドが整わない内に押し切ってみせます！」
「そうはさせない！ 俺は手札のモンスターカード1枚を墓地に送ることで手札からチューナーモンスター、クイック・シンクロンを特殊召喚する！」
タンブルウィードと呼ばれる植物が風にふかれて転がり過ぎたかと思うと、フィールドに西部劇風のハットを被り赤いマントを羽織ったモンスターが参上した。
クイック・シンクロン 攻撃力700
「さらにクリア・エフェクターを召喚！」
足にまで届いてしまいそうなほど長い黒髪をした女性が、風によって髪をなびかせながら優雅にフィールドに舞い降りた。
クリア・エフェクター 攻撃力0
「もうチューナーとそれ以外のモンスターを…！」
「クイック・シンクロンをシンクロ素材とする場合、シンクロンチューナーモンスターの代わりとする！俺が選択するのは…ニトロ・シンクロン！」
クイック・シンクロンの前に複数枚のカードが並び、回転を始めた。クイック・シンクロンはホルダーから素早く銃を取り出し、早撃ちによって指定されたニトロ・シンクロンのカードを撃ち抜いた。
「行くぞ！俺はレベル2のクリア・エフェクターにレベル5のクイック・シンクロンをチューニング！集いし思いがここに新たな力となる。光さす道となれ！シンクロ召喚！燃え上がれ、ニトロ・ウォリアー！」
クイック・シンクロンが羽織っていたマントで自身とクリア・エフェクターを隠した。次の瞬間、風によってマントがどこかへ飛ばされるとそこには筋肉質な戦士が現れていた。
ニトロ・ウォリアー 攻撃力2800
「さらにクリア・エフェクターの効果発動！このカードがシンクロ召喚に使用され墓地へ送られた時、俺はカードを1枚ドローする！」
「トリシューラの攻撃力を1ターンで超えた上に手札を補充した…！さすが…ですわね」
「そして俺はクロウが残したこのカードを発動する！
「…！」
Dホイールが大幅に減速していく代わりに遊星は新たなカードを手札へ加えた。
遊星sc8→2
(シフト・ダウンをドローした時、クロウのscは6だった。クロウはこのカードを使用して逆転出来る可能性に賭けることも出来たはずだ。だが、連携によって真価を発揮するクロウのデッキでは2枚のカードでこの状況を乗り越えるのはやや分が悪い。クロウは分の悪いギャンブルよりも俺に確実に戦力を残すことを優先してくれたんだ。…俺はその期待に必ず応えてみせる！)
「バトルだ！ニトロ・ウォリアーでトリシューラへ攻撃！ダイナマイト・ナックル！」
トリシューラが氷の槍を飛ばし迎撃を狙うもニトロ・ウォリアーは飛んでくる槍を次々と躱し、トリシューラに接近した。
「ここでニトロ・ウォリアーの効果を発動！俺のターンに俺がマジックカードを発動した場合、このダメージ計算の間だけ攻撃力を1000上昇させることが出来る！」
「何ですって…！」
ニトロ・ウォリアーの拳が巨大化していき、トリシューラへと振り下ろされた。
ニトロ・ウォリアー 攻撃力2800→3800
至近距離まで接近されたトリシューラに回避手段はなく、そのまま討伐されてしまった。
「くっ！白銀のスナイパーを守備表示にしていて正解でしたわね……」
幸子 LP1500→400
「この瞬間、ニトロ・ウォリアーの攻撃力は元に戻る。…だが俺はここでニトロ・ウォリアーのもう一つの効果を発動する！」
ニトロ・ウォリアー 攻撃力3800→2800
「もう一つの効果…？」
「ニトロ・ウォリアーの攻撃によって相手モンスターを破壊した時、相手の表側守備表示のモンスターを攻撃表示に変更し、そのモンスターにニトロ・ウォリアーは続けて攻撃することが出来る！」
「なっ…！？」
「ダイナマイト・インパクト！」
ニトロ・ウォリアーが胸からビームを放つと白銀のスナイパーが隠れ場所としていた氷壁を粉砕し、白銀のスナイパーを戦場に引っ張り出した。
白銀のスナイパー 攻撃力1500
「ニトロ・ウォリアー…もう1度攻撃だ！ダイナマイト・ナックル！」
隠れて狙撃の機会を伺っていた白銀のスナイパーだったが隠れ場所を壊されては為す術はなく、ニトロ・ウォリアーの拳をまともに受けてしまった。
「まさか1ターンでやられてしまうとは…！」
幸子 LP400→0
幸子のライフが0になったことでDホイールが減速し、遊星に追い抜かされてしまった。
「悔しいですが…後は庶民に託すしかないようね」
遊星 LP4000
フィールド 『ニトロ・ウォリアー』(攻撃表示)
セット0
手札6
sc2
幸子はサテライトの子供達から声援を受けながらピットへ戻っていった。
「…おいおい、幸子。このカードは…」
「ふふ…まあ、そういうことですわね。後はあなたと不動遊星の一騎打ちで決まりますわ。気を引き締めていきなさい！」
「おうよ！任せときな！」
幸子からカードとバトン代わりのシールを受け取ったコナミはこの戦いに決着をつけるため、Dホイールを走らせていった。
「WRGP決勝戦、チーム5D's対チームネオサティスファクション！泣いても笑ってもこれが最後のデュエルだ！このデュエルが終わった時、最後まで走り続けているチームの優勝だ！ラストホイーラー同士のデュエル…一瞬たりとも見逃すな！」
MCの実況に会場は今までで最高峰の盛り上がりを見せる。デュエルが始まる前にあったどことない重みはいつの間にか消え失せていたようだ。
「どうやら活気を取り戻すっていう俺達の目的はあいつらが達成しちまったようだな」
「…そうだな。だが、この戦いには…もう一つ目的がある」
「え？そうなのか…？」
「ああ。俺はこの戦いが始まる前に…レイン恵と話をした」
「恵と！？」
「そうだ。俺は彼女から色々なことを聞いた…彼女がゾーンの絶望から生まれたことも。そして、お前と恵がアーククレイドルでデュエルしたこともな」
「……」
「俺達は彼らが味わった絶望の未来を変えなくてはならない。このデュエルは…俺達の可能性を試すデュエルだ。今まで俺達が培ってきた可能性を全力でぶつけ合い、それを恵だけではなくみんなに見せるんだ！今ある力に満足してしまい滅びてしまった未来、そんな未来が訪れないようにまず俺達はこのデュエルを見ている全ての人にデュエルが持つ無限の可能性を示すんだ！」
「…分かったぜ、遊星。このデュエル…俺の全てをぶつける！行くぜ！」
「来い、コナミ！」
「 「 デュエル！ 」 」
「俺のターン、ドロー！」
コナミsc5→6 遊星sc2→3
「リバースカードオープン！sp—シフト・ダウン！scを6つ取り除きカードを2枚ドローする！」
「何だと！？」
奇しくも幸子が託しコナミが使用したカードは遊星がクロウに託されたカードと同じカードだった。コナミはそのカードの力により、大幅な減速を代償に新たなカードを手札へ加えた。
コナミsc6→0
「どうやら幸子も狙いは同じだったみたいだぜ。これで遊星と俺の条件は同じになった！後は…俺の全力をぶつけるだけだ！手札のプリミティブ・バタフライは俺の場にモンスターがいない時、特殊召喚する事が出来る！」
5本の羽根が生えた蝶々がフィールドを舞い、鱗粉をまき散らした。
プリミティブ・バタフライ 攻撃力1200
「プリミティブ・バタフライの効果発動！こいつは1ターンに1度、場の昆虫族モンスターのレベルを1つあげることが出来る！俺はこの効果でプリミティブ・バタフライ自身のレベルを1つ上げる！」
鱗粉が一つに集まって羽根の形となり、プリミティブ・バタフライの新たな羽根として付着した。
プリミティブ・バタフライ レベル5→6
「さらに俺はチューナーモンスター、サニー・ピクシーを召喚するぜ！」
半透明の羽を生やした赤髪の小さな妖精がプリミティブ・バタフライを光の輪で包み込んだ。
「来るか…」
「俺はレベル6になったプリミティブ・バタフライにレベル1のサニー・ピクシーをチューニング！聖なる命の灯火、今ここに
白く長い胴体を持ったドラゴンがフィールドを縦横無尽に舞い、ドラゴンが通った場所には一瞬遅れて嵐のように力強い風が通り過ぎていった。
エンシェント・ホーリー・ワイバーン 攻撃力2100
「攻撃力はニトロ・ウォリアーの方が上だ…どう来る？」
「エンシェント・ホーリーは相手よりライフが上回っている場合、その数値分だけ攻撃力を上昇させる！」
「だが、今互いのライフは4000！その効果は適用されない！」
「そうでもないぜ！シンクロ素材になったサニー・ピクシーの効果発動！サニー・ピクシーが光属性モンスターのシンクロ召喚に使われた場合、俺はライフを1000回復する！」
「…！」
妖精が光の粉をコナミにふりかけると、命の源へと変換されていった。
コナミ LP4000→5000
「そして俺のライフが遊星のライフを上回ったことでエンシェント・ホーリーの効果が発動し、攻撃力が1000上昇する！」
エンシェント・ホーリーの胴体が伸びていき、ニトロ・ウォリアーの頭上を越える大きさとなった。
エンシェント・ホーリー・ワイバーン 攻撃力2100→3100
「これでニトロ・ウォリアーを倒せる！バトルだ！エンシェント・ホーリーでニトロ・ウォリアーを攻撃！エターナル・ライフ！」
エンシェント・ホーリーが長い胴体でニトロ・ウォリアーを包み込むとニトロ・ウォリアーは光に包まれていき、やがて消滅してしまった。
「くっ…！」
遊星 LP4000→3700
「遊星のライフが減ったことでエンシェント・ホーリーの攻撃力はさらに上昇するぜ！」
エンシェント・ホーリー 攻撃力3100→3400
「俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ！」
コナミ LP5000
フィールド 『エンシェント・ホーリー・ワイバーン』(攻撃表示)
セット1
手札5
sc0
「何とかしてこのターンであのモンスターを倒さないとあのモンスターは攻撃力をさらに上げていく…！俺のターン！」
コナミsc0→1 遊星sc3→4
遊星は脳内で7枚の手札から繋がる様々な道を展開し、この場面で最良と思われる道を選択して行動に移した。
「俺はシンクロン・エクスプローラーを召喚する！」
仲間を探しだす能力を持つガジェットが場に現れ、穴の空いた部分から光の縄を出し墓地へと下ろした。
シンクロン・エクスプローラー 攻撃力0
「シンクロン・エクスプローラーが召喚に成功した時、墓地のシンクロンと名のつくモンスターを1体特殊召喚することが出来る！」
「クイック・シンクロンを呼び戻すつもりか…！」
「…いや、俺が呼び戻すのはクイック・シンクロンにより墓地へ送っていたロード・シンクロンだ！」
光の縄に引っ張られ、足にローラーがついたロボットがフィールドに帰還した。
ロード・シンクロン 攻撃力1600
「さらに手札のドッペル・ウォリアーの効果発動！俺の墓地のモンスターが特殊召喚に成功した時、手札のこのカードを特殊召喚することが出来る！」
軍事服を着た小さな戦士が銃を構えながらフィールドに見参した。
ドッペル・ウォリアー 攻撃力800
「あっという間にモンスターがたくさん出てきやがった…！」
「俺はレベル2のシンクロン・エクスプローラーとレベル2のドッペル・ウォリアーにレベル4のロード・シンクロンをチューニング！集いし希望が、新たな地平へいざなう！光差す道となれ！シンクロ召喚！駆け抜けろ、ロード・ウォリアー！」
フィールドの一点に光が走り、光が収まる頃には鋼鉄のパーツで形成された鎧を身に纏った戦士が現れていた。
ロード・ウォリアー 攻撃力3000
「攻撃力3000か…惜しかったな遊星！」
「まだだ！ドッペル・ウォリアーはシンクロ素材になった時、俺の場に2体のドッペル・トークンを残す！」
フィールドに一見ドッペル・ウォリアーと同じように見えるモンスターが現れると、分身して場に残った。
ドッペル・トークン×2 攻撃力400
「さらにロード・ウォリアーの効果発動！1ターンに1度、デッキからレベル2以下の機械族モンスターを呼び出せる！俺が呼び出すのは…チューナーモンスター、ニトロ・シンクロン！」
ロード・ウォリアーがマント状のパーツから光を放つと、出来上がった光の道からニトログリセリンという有機化合物が入った容器に手足が生えたロボットが走ってきた。
ニトロ・シンクロン 攻撃力300
「チューナーを…まさか、連続シンクロか！？」
「俺はレベル1のドッペル・トークン2体にレベル2のニトロ・シンクロンをチューニング！シンクロ召喚！いでよ、アームズ・エイド！」
「アームズ・エイド…しまった！」
3体のモンスターが同調して現れたのは腕の形をしたパーツモンスター。フィールドに浮かんだアームズ・エイドはロード・ウォリアーめがけて発進された。
アームズ・エイド 攻撃力1800
「アームズ・エイドはモンスターに装備することができ、そのモンスターの攻撃力を1000上昇させる！俺はロード・ウォリアーに装備！」
ロード・ウォリアーは腕のパーツを外すと新たにアームズ・エイドを装着し、より力強さを増した。
ロード・ウォリアー 攻撃力3000→4000
「バトルだ！ロード・ウォリアーでエンシェント・ホーリーに攻撃！ライトニング・クロー！」
アームズ・エイドの指にあたる部分から鋭い爪が伸びていき、ロード・ウォリアーはエンシェント・ホーリー目掛けて力一杯アームズ・エイドを振り下ろした。
「ぐあっ…！」
鋭く振り下ろされたアームズ・エイドに切り裂かれ、エンシェント・ホーリーは地面へと墜落していった。
コナミ LP5000→4400
「さらにアームズ・エイドの効果発動！装着モンスターがモンスターを戦闘で破壊し墓地へ送った時、そのモンスターの攻撃力分のダメージを与える！」
「…！」
ロード・ウォリアーが腕をエンシェント・ホーリーが墜落していく方向に向けると、そのまま装着しているアームズ・エイドを発射した。
「エンシェント・ホーリーの攻撃力は2100！よってコナミに2100のダメージを与える！」
アームズ・エイドはエンシェント・ホーリーの胴体を掴むとそのままコナミに向かって投げる体勢に入った。
「させねえ！俺はエンシェント・ホーリーの効果を発動する！」
「何！？」
「エンシェント・ホーリーは戦闘で破壊され墓地へ送られた時、ライフを1000払うことで復活することが出来る！戻ってこい！」
エンシェント・ホーリーは尻尾を鞭のようにふるい、アームズ・エイドの拘束を緩めて抜け出した。
エンシェント・ホーリー・ワイバーン 守備力2000
コナミ LP4400→3400
「そしてアームズ・エイドの効果ダメージは墓地に戦闘で破壊したモンスターがいなきゃ発生しねえ！」
アームズ・エイドはエンシェント・ホーリーを捕まえるのを諦めて、再びロード・ウォリアーに装着された。
「躱されたか…！俺は場にカードを1枚伏せてターンエンドだ！」
遊星 LP3700
フィールド 『ロード・ウォリアー』(攻撃表示)
セット1 『アームズ・エイド』
手札4
sc4
「俺のターン！」
コナミsc1→2 遊星sc4→5
「俺はエンシェント・ホーリーを攻撃表示に変更する！そしてエンシェント・ホーリーは俺のライフが相手より下回っている場合、その数値分攻撃力が下がる！」
エンシェント・ホーリーの胴体がみるみるうちに小さくなり、ロード・ウォリアーを見上げる形となった。
エンシェント・ホーリー・ワイバーン 攻撃力2100→1800
「バトル！エンシェント・ホーリーでロード・ウォリアーに攻撃だ！」
「何だと！？」
エンシェント・ホーリーは格上の相手に無謀な戦いを仕掛けていった。
「反撃しろ、ロード・ウォリアー！ライトニング・クロー！」
ロード・ウォリアーはエンシェント・ホーリー目掛けて再び腕を振り下ろそうとした。
「ここだ！トラップ発動、あまのじゃくの呪い！このターンが終わるまで攻撃力が下がる効果は上がる効果に、上がる効果は下がる効果になる！」
「そういうことか……！」
時空が歪むとエンシェント・ホーリーは縮ませていた胴体を伸ばして振り下ろされた腕をかわし、逆にロード・ウォリアーを見下ろす形となった。
エンシェント・ホーリー・ワイバーン 攻撃力1800→2400
ロード・ウォリアー 攻撃力4000→2000
「これで攻撃力は逆転した！行け、エンシェント・ホーリー！エターナル・ライフ！」
エンシェント・ホーリーが胴体をロード・ウォリアーに巻きつかせ、再び光でロード・ウォリアーを包み込んでいった。
「やらせはしない！トラップ発動、シンクロ・バリアー！俺の場のシンクロモンスター、ロード・ウォリアーをリリースすることで俺は次のターンが終わるまで一切のダメージを受けない！」
「なっ…！？」
ロード・ウォリアーが光に包み込まれて消滅する前に遊星が発動したトラップによってロード・ウォリアーはどこかへ消えてしまった。
(躱された…けど受けるダメージはたったの400。温存しても良さそうなのに…エンシェント・ホーリーの攻撃力が上がるのを嫌ったのか？)
「俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ！この瞬間、あまのじゃくの呪いが切れてエンシェント・ホーリーの攻撃力は元に戻る！」
エンシェント・ホーリー・ワイバーン 攻撃力2400→1800
コナミ LP3400
フィールド 『エンシェント・ホーリー・ワイバーン』(攻撃表示)
セット1
手札5
sc2
「俺のターン！」
コナミsc2→3 遊星sc5→6
「この瞬間、永続トラップ発動！女神の加護！俺はライフを3000回復する！ただし、このカードが場を離れたら俺は3000のダメージを受ける！」
「…！」
コナミのトラップから女神の石像が現れる。石像からは祝福の光が発され、コナミのライフを回復していった。
コナミ LP3400→6400
「ライフを回復したことでエンシェント・ホーリーの効果発動！攻撃力が上がるぜ！」
エンシェント・ホーリーの胴体が今までにないくらい伸びていき、天にも昇ってしまうほど巨大になってしまった。
エンシェント・ホーリー・ワイバーン 攻撃力1800→4800
「どうだ、遊星！せっかくトラップを使ってダメージを防いだのに無駄になっちまったな！」
「…それはどうかな」
「え？」
「俺はロードランナーを召喚する！」
頭に黄色のアホ毛が生えたピンク色の小鳥がフィールドに降り立ち、赤いブーツでフィールドを走り出した。
ロードランナー 攻撃力300
「ロードランナー…攻撃表示で出したってことはシンクロに使うつもりか」
「バトルだ！ロードランナーでエンシェント・ホーリーに攻撃！」
「な…なにぃ！？」
ロードランナーは歩幅が小さいながらも音速のスピードでエンシェント・ホーリーに向かっていった。しかし、あまりの体格差に胴体の一部に当たっただけで大きく後ろに弾かれてしまった。
「シンクロ・バリアーの効果が続いているため、このバトルで俺はダメージを受けない！」
「だがロードランナーは……」
「さらにロードランナーは攻撃力1900以上のモンスターとの戦闘では破壊されない！」
後ろに大きく弾かれたロードランナーだったが頭を何回か横にふると、何事も無かったかのように走り出し遊星のDホイールについていった。
「だけど今のバトルに何の意味が……？」
「ふっ、気づかないかコナミ？」
「って言われても…今のバトルじゃ結局何も変わらなかったぜ？」
「今のバトルでは…な。このモンスターはモンスターの召喚に成功したターン、手札から特殊召喚することが出来る！来てくれ、ワンショット・ブースター！」
「…あ！」
ロードランナーを追うようにロケットなどの推進の役割を果たすブースターを腕につけたロボットが現れた。
ワンショット・ブースター 攻撃力0
「ワンショット・ブースター…そういうことか！」
「俺はワンショット・ブースターの効果を発動する！ワンショット・ブースター自身をリリースすることでこのターン、バトルを行なった相手モンスター1体を破壊する！俺はエンシェント・ホーリーを破壊！」
ロードランナーがブースターの上に乗るとそのままブースターごと腕から発射される。ロードランナーは体の向きを変えることで軌道を修正し、当たる直前のタイミングでブースターを降りた。放たれたブースターはエンシェント・ホーリーに直撃し、その衝撃でエンシェント・ホーリーは崩れ落ちてしまった。
「エンシェント・ホーリー！しまった…効果で破壊されたら復活効果も使えねえ！」
力尽きたエンシェント・ホーリーはそのまま場から消えてしまう。
「くそー！確かそのカード、ラリーのだろ！返しに行かなかったのか？」
「返しに行ったが…やはり持っていて欲しいと言われてしまった」
「おのれラリーめ…」
「ふっ…俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ！」
遊星 LP3700
フィールド 『ロードランナー』(攻撃表示)
セット1
手札2
sc6
「だけどこのターンからシンクロ・バリアーの効果は切れる！俺のターン！」
コナミsc3→4 遊星sc6→7
「俺はエーリアン・ソルジャーを召喚するぜ！」
水色の球体を所々につけた異形の戦士が剣をかざし、ロードランナーに狙いを定めた。
エーリアン・ソルジャー 攻撃力1900
「ロードランナーは攻撃力1900以上のモンスターとの戦闘では破壊されねえ…だけどダメージは受ける！バトルだ！エーリアン・ソルジャーでロードランナーに攻撃！」
エーリアン・ソルジャーは足についている水かきを生かし、目にも留まらぬスピードでロードランナーに近づいた。そして剣を横向きに振りかざし、なぎ払うように振り出した。
「それを待っていた！トラップ発動、パワー・フレーム！俺の場のモンスターがそのモンスターより攻撃力が高いモンスターに攻撃された時、その攻撃を無効にする！」
振り出された剣はロードランナーを切り裂く前に立方体のフレームに当たってしまい、軌道がそれてロードランナーは難を免れた。
「防がれたか…！」
「まだだ！パワー・フレームは発動後、攻撃されたモンスターの装備カードとなり攻撃モンスターとの攻撃力の差の数値分だけ装備モンスターの攻撃力を上昇させる！」
「なっ…！エーリアン・ソルジャーとロードランナーの攻撃力の差は1600…！」
フレームは受けた衝撃分の値1600を一つの面に表示し、ロードランナーに背負わせる形で装備された。ロードランナーはフレームの不思議な力を受けた影響か、走るスピードをさらに増していった。
ロードランナー 攻撃力300→1900
「やべえ…ロードランナーは攻撃力1900以上のモンスターとの戦闘では破壊されねえ。そのロードランナーの攻撃力が1900になったってことは…」
「そうだ！これによりロードランナーは戦闘で破壊することができなくなった！」
「やられたぜ…！俺はこれでターンエンドだ！」
コナミ LP6400
フィールド 『エーリアン・ソルジャー』(攻撃表示)
セット0 『女神の加護』
手札5
sc4
「俺のターン！…来たか」
コナミsc4→5 遊星sc7→8
「俺はチューナーモンスター、ジャンク・シンクロンを召喚する！」
「ジャンク・シンクロン…！遊星が愛用してるモンスターだ…！」
オレンジを基調としたロボットが場に現れる。
ジャンク・シンクロン 攻撃力1300
「ジャンク・シンクロンが召喚に成功した時、墓地からレベル2以下のモンスターを特殊召喚することが出来る！俺はクリア・エフェクターを特殊召喚！」
ジャンク・シンクロンが手をかざすとその方向に光の穴が出現し、長い黒髪を持った女性がフィールドに帰還した。
クリア・エフェクター 守備力900
「そして俺はレベル2のクリア・エフェクターにレベル3のジャンク・シンクロンをチューニング！」
ジャンク・シンクロンが背中についているリコイルスターターを引っ張るとバックパックのエンジンが始動し、クリア・エフェクターと同調していった。
「集いし星が新たな力を呼び起こす。光さす道となれ！シンクロ召喚！いでよ、ジャンク・ウォリアー！」
起動音とともにジャンクパーツによって組み上げられたロボットが参上し、拳を前に突き出した。
ジャンク・ウォリアー 攻撃力2300
「クリア・エフェクターがシンクロ素材となったことでカードを1枚ドローする！そしてジャンク・ウォリアーの効果発動！このモンスターがシンクロ召喚に成功した時、俺の場のレベル2以下のモンスターの攻撃力分だけ攻撃力を上昇させる！」
「…！ロードランナーはレベル1…！」
「パワー・オブ・フェローズ！」
ロードランナーから溢れ出たエネルギーがジャンク・ウォリアーに注がれていき、仲間の力を受け取ったジャンク・ウォリアーはパワーアップを果たしていた。
ジャンク・ウォリアー 攻撃力2300→4200
「攻撃力…4200のジャンク・ウォリアーだと！？」
「バトルだ！ジャンク・ウォリアーでエーリアン・ソルジャーに攻撃！スクラップ・フィスト！」
ジャンク・ウォリアーはジェットエンジンを起動するとエーリアン・ソルジャー以上のスピードで近づき、ナックルダスターをつけている拳で痛恨の一撃を食らわせた。
「ぐうっ…！」
コナミ LP6400→4100
「まだ攻撃は残っている！ロードランナーでコナミにダイレクトアタック！」
フレームを背負ったロードランナーが猛スピードでコナミに突進し、くちばしでDホイールを突っつくと見た目とは裏腹に大きな衝撃を与えた。
「うわああっ！？…っと！」
コナミは連続で発生した衝撃にバランスを崩しかけるも、何とか耐えきった。
コナミ LP4100→2200
「やべえ…一気にライフを削られちまった」
「俺はこれでターンエンドだ！」
遊星 LP3700
フィールド 『ロードランナー』(攻撃表示) 『ジャンク・ウォリアー』(攻撃表示)
セット0 『パワー・フレーム』
手札3
sc8
「何とかしねえと…俺のターン！」
コナミsc5→6 遊星sc8→9
(って言ってもな…この状況をそう簡単に逆転は出来ねえか）
「…俺はモンスターをセット！さらにカードを1枚伏せてターンエンドだ！」
「…！」
コナミ LP2200
フィールド 裏側守備表示1
セット1 『女神の加護』
手札4
sc6
「…俺のターン！」
コナミsc6→7 遊星sc9→10
「俺はスピード・ワールド2の効果を発動する！取り除くscは…10個だ！」
遊星sc10→0
「10個ってことは…フィールドのカードを1枚破壊する効果か！容赦ねえぜ…！」
「俺がこの効果で狙うのは…女神の加護だ！」
「…！」
コナミの場で佇んでいる石像の上に暗雲が立ち込めフラッシュと共に放電、すなわち雷が落ちていった。雷は石像を貫き、木っ端微塵に破壊されてしまった。
「そして女神の加護はフィールドから離れた時、発動したプレイヤーに3000のダメージを与える！コナミのライフは2200…これで終わりだ」
女神の石像を破壊してしまった祟りが邪悪な光として発され、コナミを包み込んでいった。
「やったか…？」
次第に光が晴れていき、やがてコナミの姿が見えるようになった。
「ビビったぜ…。あの石像破壊するとああなるのか…」
コナミ LP2200→2200
「ライフが…減っていない？」
「俺は女神の加護が破壊される前にハネワタの効果を手札から発動していたのさ。このカードは手札から捨てることでこのターン俺が受ける効果ダメージを0にすることが出来る！」
コナミの周りでは羽の生えた毛むくじゃらのモンスターがコナミに光を寄せ付けないようにしていた。
「女神の加護が破壊された時の対策を用意していたのか…やるな。だが、俺のターンは終わっていない！俺はジャスティス・ブリンガーを召喚！」
正義の名の下に審判を下す神官がジャンク・ウォリアーの側に降り立った。
ジャスティス・ブリンガー 攻撃力1700
「バトルだ！ジャンク・ウォリアーでセットモンスターを攻撃！スクラップ・フィスト！」
ジャンク・ウォリアーは拳を地面に振るうと地割れを発生させ、その衝撃でセットモンスターの正体を明らかにした。
クリアクリボー 守備力200
伏せられていたのは紫色の毛むくじゃらのモンスター。そのまま地割れの衝撃に巻き込まれ、あっさり破壊されてしまう。
「これでコナミの場にモンスターはいない！ロードランナーでコナミにダイレクトアタック！」
ロードランナーが再び猛スピードで走り出す。
「墓地のクリアクリボーの効果発動！相手が直接攻撃してきた時、墓地のこのカードを除外することでカードを1枚ドロー出来る！」
「…！」
「そして引いたカードがモンスターならそいつを特殊召喚し、攻撃対象をそのモンスターへ変更する！行くぜ…ドロー！」
クリアクリボーがマトリョーシカのように割れると中から光が発せられた。
「よし…俺が引いたのは振り子刃の拷問機械だ！こいつを守備表示で特殊召喚！」
光から下半身が可動式の刃となって揺れているロボットが現れ、ロードランナーの進路に立ち塞がった。
振り子刃の拷問機械 守備力2000
「くっ…反射ダメージを受けるか」
「甘いぜ、遊星！俺はさらにトラップを発動させる！」
「何！？」
「トラップ発動、クロスカウンター！攻撃された守備モンスターの守備力が攻撃モンスターの攻撃力を超えていた場合、戦闘ダメージを倍にし、さらに攻撃モンスターを破壊する！」
猛スピードで突っ込んできたロードランナーに対して振り子刃の拷問機械は刃を動かし、背負っていたフレームごと弾き飛ばしてしまった。その衝撃に耐えきれず、ロードランナーはフィールドから消え去ってしまう。
「ぐっ…！ロードランナー…！」
遊星 LP3700→3500
「いくら戦闘で破壊出来なくなったロードランナーでもこれは耐えられなかったみたいだな！」
「やられた…そんな手で来るとはな。ジャスティス・ブリンガーではあのモンスターを倒すことは出来ない。俺はカードを1枚伏せてターンエンド！」
遊星 LP3500
フィールド 『ジャンク・ウォリアー』(攻撃表示) 『ジャスティス・ブリンガー』(攻撃表示)
セット1
手札2
sc0
「こっから反撃だ…俺のターン！」
コナミsc7→8 遊星sc0→1
「スピード・ワールド2の効果発動！scを7つ取り除くことでカードを1枚ドローするぜ！」
コナミsc8→1
「俺はジェネクス・コントローラーを召喚！」
「…！ここでジェネクス・コントローラーか…！」
頭の左右にアンテナがついたロボットがフィールドに降り立った。
ジェネクス・コントローラー 攻撃力1400
「行くぜ！俺はレベル6の振り子刃の拷問機械にレベル3のジェネクス・コントローラーをチューニング！」
ジェネクス・コントローラーが特殊な電波を飛ばすと振り子刃が収められ、そのまま変形させていった。
「闇のエレメントを司る者よ、欲を制御し力を希望に変えろ！シンクロ召喚！汽笛を鳴らせ、レアル・ジェネクス・クロキシアン！」
拷問機械は蒸気機関車へと変形し、中枢コアに送り込まれたジェネクス・コントローラーによって制御された。
レアル・ジェネクス・クロキシアン 攻撃力2500
「クロキシアンがシンクロ召喚に成功したことで効果発動！相手フィールドで一番レベルが高いモンスターのコントロールを得るぜ！」
「俺の場で最もレベルが高いのはレベル5のジャンク・ウォリアー…！」
クロキシアンの吹き出した蒸気が手の形となり、そのままジャンク・ウォリアーを握るようにして包み込んだ。そしてそのままコナミのフィールドへと引っ張られて行く。
「断ち切らせはしない！俺はジャスティス・ブリンガーの効果を発動する！1ターンに1度、相手フィールドの特殊召喚されたモンスターの効果を無効にすることが出来る！ジャスティススラッシュ！」
「何だって！？」
ジャスティス・ブリンガーは手に持っていた剣で蒸気を何度も切り裂き、手の形をしていた蒸気を分解させてしまった。
「これによりジャンク・ウォリアーのコントロールは移らない！」
「これで押し切れると思ったけど防がれたか…！なら、バトルだ！クロキシアンでジャスティス・ブリンガーに攻撃！」
ジャスティス・ブリンガーに向かう線路が現れ、クロキシアンはスピードを上げて突進していった。
「トラップ発動、スキル・サクセサー！ジャスティス・ブリンガーの攻撃力を400上昇させる！」
ジャスティス・ブリンガーの剣が僅かながら大きくなった。
ジャスティス・ブリンガー 攻撃力1700→2100
「それでも攻撃力はクロキシアンの方が上だ！」
必死に剣を振り下ろして抵抗するジャスティス・ブリンガーだったが、相手が蒸気機関車では分が悪くそのまま跳ねられてしまった。
「くっ…」
遊星 LP3500→3100
「俺はカードを2枚伏せてターンエンドだ！」
コナミ LP2200
フィールド 『レアル・ジェネクス・クロキシアン』(攻撃表示)
セット2
手札2
sc1
「俺のターン、ドロー！」
コナミsc1→2 遊星sc1→2
「バトルだ！ジャンク・ウォリアーでクロキシアンに攻撃！スクラップ・フィスト！」
ジャンク・ウォリアーがジェットエンジンを起動し、回転するように移動しながらクロキシアンに向かって拳を振り下ろした。
「ここだ！トラップ発動、
「何だと！？」
時空が歪んでいき、やがて歪みは空間に到達した。フィールドにいたジャンク・ウォリアーとクロキシアンは空間の歪みに巻き込まれてしまう。
ジャンク・ウォリアー 攻撃力4200→1300
レアル・ジェネクス・クロキシアン 攻撃力2500→2000
「反撃だ！クロキシアン！」
クロキシアンは振り下ろされた拳を進行方向を変えて回避し、体勢を崩したジャンク・ウォリアーに突進していった。
「この拳…届かせる！墓地のスキル・サクセサーの効果発動！このカードを墓地から除外することで自分のターンに限り、エンドフェイズまで俺の場のモンスターの攻撃力を800上昇させる。俺はジャンク・ウォリアーの攻撃力を上げる！」
ジャンク・ウォリアー 攻撃力1300→2100
「しまった！」
ジャンク・ウォリアーはすぐさま起き上がり、突進してきたクロキシアンにカウンターする形でアッパーを打ち込んだ。
「うっ…！」
コナミ LP2200→2100
「俺は場にモンスターをセットし、カードを1枚伏せる。これでターンエンドだ！この瞬間、スキル・サクセサーの効果は終了する！」
ジャンク・ウォリアー 攻撃力2100→1300
遊星 LP3100
フィールド 『ジャンク・ウォリアー』(攻撃表示) 裏側守備表示1
セット1
手札1
sc2
「俺のターン、ドロー！」
コナミsc2→3 遊星sc2→3
「トラップ発動、シンクロ・スピリッツ！俺の墓地のシンクロモンスターを除外し、そのモンスターのシンクロ素材になったモンスターをフィールドに呼び戻す！俺はクロキシアンを除外！戻ってこい、振り子刃の拷問機械！ジェネクス・コントローラー！」
「…！」
蒸気機関車が2体のロボットを蒸気に乗せてフィールドへと押し戻した。
振り子刃の拷問機械 攻撃力1750
ジェネクス・コントローラー 攻撃力1400
「バトルだ！振り子刃の拷問機械でジャンク・ウォリアーに攻撃！断砕処刑！」
ジェットエンジンで回避を試みるジャンク・ウォリアーだったが振り子刃の拷問機械からアームが伸びていき、動きを封じられた状態で刃をまともに受けてしまった。
「ぐっ…！ジャンク・ウォリアー…！」
遊星 LP3100→2650
「ここは攻めるぜ！ジェネクス・コントローラーでセットモンスターに攻撃！」
ジェネクス・コントローラーが振り子刃の拷問機械のアームで投げ飛ばされ、遊星が伏せていたモンスターに突撃していった。
「俺が伏せていたのはチューニング・サポーター。守備力は…300だ」
チューニング・サポーター 守備力300
「よし！倒せるぜ！」
フライパンを帽子がわりにしている奇妙な小型ロボットにジェネクス・コントローラーが見事に突撃し、チューニング・サポーターは地に伏してしまった。
「くっ…」
「そして…俺はレベル6の振り子刃の拷問機械にレベル3のジェネクス・コントローラーをチューニング！」
「…！再びシンクロか…」
「白銀の翼はためかせ敵を魅了しろ！シンクロ召喚！降臨せよ、蒼眼の銀龍！」
蒼く澄んだ瞳を持つ神々しいドラゴンが上空からゆっくりとフィールドに舞い降りた。
蒼眼の銀龍 守備力3000
「銀龍が特殊召喚に成功したことで効果発動！銀龍は次のターンの終わりまで効果の対象にならず、効果では破壊されねえ！」
銀龍が咆哮を上げると不可視のヴェールによって包まれていき、不可侵領域を作り上げていた。
「く…！これでは倒せる手段がかなり限られてしまう…！」
「頼んだぜ、銀龍！俺はこれでターンエンドだ！」
コナミ LP2100
フィールド 『蒼眼の銀龍』(守備表示)
セット0
手札3
sc3
「俺のターン！」
コナミsc3→4 遊星sc3→4
「俺はチューナーモンスター、デブリ・ドラゴンを召喚する！」
翼も胴体も白く染め上げられたドラゴンが現れ、突風を巻き起こした。
デブリ・ドラゴン 攻撃力1000
「デブリ・ドラゴンが召喚に成功した時、墓地から攻撃力500以下のモンスターを呼び戻すことが出来る！俺はクリア・エフェクターを特殊召喚！」
突風によって地面に穴が開けられ、風によってクリア・エフェクターがフィールドに押し戻されてきた。
クリア・エフェクター 攻撃力0
「さらに永続トラップ発動、エンジェル・リフト！墓地からレベル2以下のモンスターを特殊召喚する！チューニング・サポーターを特殊召喚！」
チューニング・サポーターもクリア・エフェクターについてくるように風によって押し戻され、フィールドに帰還した。
チューニング・サポーター 攻撃力100
「そしてチューニング・サポーターはシンクロ素材とする場合、レベルを2として扱うことが出来る！」
「つまり合計レベルは…8？ってことは！」
「俺はレベル2となったチューニング・サポーターとレベル2のクリア・エフェクターにレベル4のデブリ・ドラゴンをチューニング！集いし願いが新たに輝く星となる。光さす道となれ！シンクロ召喚！飛翔せよ、スターダスト・ドラゴン！」
デブリ・ドラゴンを中心として3体のモンスターが同調していくとデブリ・ドラゴンの姿が進化していき、星屑のドラゴンが上空へと飛翔した。
スターダスト・ドラゴン 攻撃力2500
「来たな…遊星のエースモンスター！」
スターダストの登場に銀龍はさらに咆哮を上げ、敵対心を出していく。
「チューニング・サポーターがシンクロ素材になった時、俺はカードを1枚ドローする！俺はクリア・エフェクターの効果と合わせて2枚のカードをドローする！…場にカードを1枚伏せてターンエンドだ！」
「さすがのスターダストでも銀龍はそう簡単に超えられなかったみたいだな…」
遊星 LP2650
フィールド 『スターダスト・ドラゴン』(攻撃表示)
セット1
手札2
sc4
「行くぜ、俺のターン！」
コナミsc4→5 遊星sc4→5
「このスタンバイフェイズに銀龍のもう1つの効果が発動する！俺はスタンバイフェイズ毎に墓地から通常モンスターを特殊召喚することが出来る！この効果でジェネクス・コントローラーを復活させるぜ！」
銀龍の羽ばたきによってジェネクス・コントローラーがフィールドへ押し戻されてきた。
ジェネクス・コントローラー 攻撃力1400
「そして俺は
雷を自在に操る戦士がフィールドに見参した。
「E・HERO…か」
「俺はレベル4のE・HERO スパークマンにレベル3のジェネクス・コントローラーをチューニング！3つのエレメントを司るものよ、まばゆき希望を胸に明日への扉を開け！シンクロ召喚！輝け、
ジェネクス・コントローラーがアンテナから電波を飛ばすと戦士の体が変貌していき、人型のロボットへと成り代わる。中枢コアにはジェネクス・コントローラーが転送され、突き出した右手にある3つのランプの内、白色の光が発光した。
A・ジェネクス・トライフォース 攻撃力2500
(コナミのシンクロモンスターの攻撃力はどちらも2500。どちらかをスターダストと相打ちさせればダイレクトアタックを狙うことが出来るが…俺にはコナミがここで相打ちを狙っているとは思えない。ここからどう仕掛けてくる…？)
「光属性のモンスターをシンクロ素材にしたトライフォースの効果発動！1ターンに1度、墓地の光属性モンスター1体を裏側守備表示で場に呼び戻すことが出来る！」
「スパークマンを…いや、まさか…！」
「戻ってこい、エンシェント・ホーリー！」
思わず目をつぶってしまうほどの閃光と共に、白く長い胴体を持つドラゴンがフィールドに帰還した。
エンシェント・ホーリー・ワイバーン(裏側守備表示) 守備力2000
「これで俺が特に信頼してる3体のシンクロモンスターが場に揃った！行くぜ…！俺はフィールドの3体のシンクロモンスターをリリース！」
「何だと！？」
「こいつに3体のシンクロモンスターの力を集めるぜ…！古より封印されし悪魔よ、3体を合わせた力をその身で具現せよ！来てくれ…真魔獣ガーゼット！」
蒼眼の銀龍の白銀の翼、エンシェント・ホーリー・ワイバーンの長く白い胴体、A・ジェネクス・トライフォースの鍛え上げられた腕を引き継いだ新たな生命が誕生した。
真魔獣ガーゼット 攻撃力0
「これは…！」
「真魔獣ガーゼットの攻撃力はリリースしたモンスターの元々の攻撃力の合計になる！よって攻撃力は…！」
ガーゼットが3体のシンクロモンスターからエネルギーを受け取り、そのエネルギーによって余すところなく強化されていった。
真魔獣ガーゼット 攻撃力0→7100
「攻撃力7100…！？そうか、これはコナミが見つけたシンクロモンスターの力を合わせた戦い方なのか…！トラップ発動、スリップ・サモン！相手がモンスターの特殊召喚に成功した時、俺は手札からレベル4以下のモンスターを1体守備表示で特殊召喚することが出来る！来てくれ、ゼロ・ガードナー！」
ゼロの形をした磁石を運んでいるプロペラをつけたロボットがスターダストの隣に降り立った。
ゼロ・ガードナー 守備力0
「スターダストにゼロ・ガードナー…一緒に戦ったデュエルを思い出すぜ。バトルだ！真魔獣ガーゼットでスターダストに攻撃！ユニティフォース！」
真魔獣ガーゼットは翼を羽ばたかせ空を飛び白く長い胴体を揺らしながら、鍛え上げられた腕を存分に使い強力な一撃をスターダストに叩き込んだ。
「ゼロ・ガードナーの効果発動！ゼロ・ガードナーをリリースすることでこのターン発生する俺への戦闘ダメージを0にし、スターダストもバトルで破壊されない！」
叩き込まれた拳はゼロ・ガードナーの持っている磁石に誘導され、代わりにゼロ・ガードナーが受けていた。
「真魔獣ガーゼットの攻撃を躱したか…だけど次のターンで決めるぜ！俺はこれでターンエンド！」
コナミ LP2100
フィールド 『真魔獣ガーゼット』(攻撃表示)
セット0
手札2
sc5
「俺の…ターン！」
コナミsc5→6 遊星sc5→6
「俺はチューナーモンスター、異次元の精霊を召喚する！」
まだ赤ん坊の年齢である幼い精霊がフィールドに浮遊しだした。
異次元の精霊 攻撃力0
「俺の場にチューナーモンスターが存在する時、手札のブースト・ウォリアーは特殊召喚することが出来る！」
ブーストエンジンを背負った戦士がフィールドを飛び回った。
ブースト・ウォリアー 守備力200
「これは…！」
「レベル1のブースト・ウォリアーにレベル1の異次元の精霊をチューニング！集いし願いが新たな速度の地平へ誘う。光さす道となれ！シンクロ召喚！希望の力！シンクロチューナー、フォーミュラ・シンクロン！」
音速の速さでレーシングカーのような姿をしたロボットが現れ、タイヤを回転させて火花を散らした。
フォーミュラ・シンクロン 攻撃力200
「フォーミュラ・シンクロンがシンクロ召喚に成功したことでカードを1枚ドローする！」
「シンクロチューナー…来るのか、あのモンスターが！」
「……クリア・マインド！」
遊星は心を落ち着かせ、自身の得た新たな境地に至った。
「レベル8のスターダスト・ドラゴンにレベル2のフォーミュラ・シンクロンをチューニング！集いし夢の結晶が新たな進化の扉を開く。光さす道となれ！」
遊星のDホイールが加速して行くとスターダスト・ドラゴンとフォーミュラ・シンクロンが同調した瞬間に、遊星もどこかへと消えてしまった。
「消えた！？」
「…アクセルシンクロオオォー！生来せよ、シューティング・スター・ドラゴン！」
消えたと思われた遊星が後ろから現れ、スターダストが進化した姿、シューティング・スター・ドラゴンを引き連れていた。
シューティング・スター・ドラゴン 攻撃力3300
「これがアクセルシンクロか…！だけど攻撃力は真魔獣ガーゼットの方が上だ！」
コナミが見出したシンクロモンスターの力を合わせて戦う可能性と遊星が見出したシンクロモンスターの力を合わせて戦う可能性、それぞれの魂が向かい合っていた。
(このカードに賭ける！)
「…俺は場にカードを1枚伏せてターンを終了する！」
遊星 LP2650
フィールド 『シューティング・スター・ドラゴン』(攻撃表示)
セット1
手札0
sc6
「俺のターン！」
コナミsc6→7 遊星sc6→7
(遊星のシューティング・スター・ドラゴンは確か自身をエンドフェイズまで除外することで攻撃を無効にすることが出来る。…だけどそれは1度だけだ！)
「俺は華麗なる
ドレスを身につけた魅惑的なレディが現れると何枚かのカードが前で回りだし、スパイ—Cはベルトから取り出したナイフを投擲して1枚のカードを貫いた。
華麗なる密偵—C 攻撃力1200
「スパイ—Cは召喚に成功した時、相手のエクストラデッキのカードをランダムに1枚選択し、その攻撃力で効果を変える！
「…選ばれたのはターボ・ウォリアー。攻撃力は2500だ」
「選ばれたモンスターの攻撃力が2000以上だった時、スパイ—Cの攻撃力は1000上昇するぜ！」
華麗なる密偵—C 攻撃力1200→2200
「よし…バトルだ！真魔獣ガーゼットでシューティング・スター・ドラゴンへ攻撃！ユニティフォース！」
「そうはさせない！シューティング・スター・ドラゴンの効果発動！このモンスターを除外することで攻撃を無効にする！」
真魔獣ガーゼットが振り下ろそうとした拳をシューティング・スター・ドラゴンは翼で受け止め、その後異次元へと消えていった。
「これでフィールドはがら空きだ！さらにスパイ—Cで…」
「…この時を待っていた！トラップ発動、ゼロ・フォース！」
遊星が発動したトラップからゼロの形をしたリングが無数に飛びだし、コナミの場にいた2体のモンスターを押さえつけた。
「ゼロ・フォースは俺の場のモンスターが除外された時に発動できる。その効果で…フィールドの全てのモンスターの攻撃力を0にする！」
「な…何だと！？」
リングによって2体のモンスターから力が失われていき、どちらも地に膝をつけてしまった。
真魔獣ガーゼット 攻撃力7100→0
華麗なる密偵—C 攻撃力2200→0
「スパイ—Cと真魔獣ガーゼットの攻撃力が…！く…スピード・ワールド2の効果発動！scを7つ取り除くことでカードを1枚ドローする！…俺は2枚のカードを伏せてターンエンドだ！」
コナミ sc7→0
「この瞬間、除外されたシューティング・スター・ドラゴンはフィールドに戻る！」
シューティング・スター・ドラゴンはゼロ・フォースの影響を受けていない状態でフィールドに帰還した。
シューティング・スター・ドラゴン 攻撃力3300
コナミ LP2100
フィールド 『真魔獣ガーゼット』(攻撃表示) 『華麗なる密偵—C』(攻撃表示)
セット2
手札1
sc0
「俺のターン！」
コナミsc0→1 遊星sc7→8
「この瞬間、トラップ発動！捨て身の宝札！俺の場の攻撃表示モンスター2体の攻撃力の合計が相手フィールドの最も攻撃力が低いモンスターより低い場合、俺はカードを2枚ドローする！ただしこのカードを使用したターン、俺は召喚を封じられる！」
「コナミはこの状況でも諦めていない…何か防ぐ手があるのか。ならば！シューティング・スター・ドラゴンの効果発動！デッキの上から5枚のカードをめくり、その中にいるチューナーモンスターの数だけ攻撃することが出来る！」
「…！」
「1枚目。チューナーモンスター、アンノウン・シンクロン！2枚目。非チューナーモンスター、サルベージ・ウォリアー。3枚目。チューナーモンスター、ターボ・シンクロン！4枚目。トラップカード、くず鉄のかかし。5枚目。チューナーモンスター、チェンジ・シンクロン！」
「3枚のチューナーか…！」
「よってシューティング・スター・ドラゴンはこのターン、3回攻撃することが出来る！バトルだ！」
シューティング・スター・ドラゴンは虹色に発光して分身を作り、3体のシューティング・スター・ドラゴンが攻撃体勢に入った。
「そうはさせねえ！永続トラップ発動、ガリトラップ—ピクシーの輪—！俺の場に攻撃表示のモンスターが2体以上存在する時、相手は攻撃力が一番低いモンスターには攻撃できねえ！」
コナミの場にピクシーという妖精が光の輪を作り出し、コナミの場の全てのモンスターをその輪で囲んだ。
「何だと！？コナミの場のモンスターはゼロ・フォースによってどちらも攻撃力は0…！」
「これでシューティング・スター・ドラゴンといえども攻撃は出来ねえぜ！」
シューティング・スター・ドラゴンは光の輪によって近づくことができず、分身を消してしまった。
「くっ…！ターンエンドだ！」
遊星 LP2650
フィールド 『シューティング・スター・ドラゴン』(攻撃表示)
セット0
手札1
sc8
「何とか紙一重で防げたな…俺のターン、ドロー！」
コナミsc1→2 遊星sc8→9
「ガリトラップの効果は俺の場に2体以上の攻撃表示のモンスターがいねえと適用されねえ…。俺はカードを2枚伏せて、スパイ—Cと真魔獣ガーゼットを攻撃表示にしたままターンエンドだ！」
コナミ LP2100
フィールド 『真魔獣ガーゼット』(攻撃表示) 『華麗なる密偵—C』(攻撃表示)
セット2 『ガリトラップ—ピクシーの輪—』
手札2
sc2
「…俺のターン！」
コナミsc2→3 遊星sc9→10
「選択を誤ったな、コナミ！俺はスピード・ワールド2の効果を発動！10個のscを取り除きフィールドのカードを1枚破壊する！俺が狙うのはガリトラップ—ピクシーの輪—だ！」
遊星sc10→0
「…！しまった…！」
ピクシーが作り上げた輪は落雷によって分断されてしまい、機能しなくなってしまった。
「そして俺はシューティング・スター・ドラゴンの効果を発動する！」
「ここで遊星がチューナーを引かなければシューティング・スター・ドラゴンはこのターン攻撃することは出来ねえ…！」
「行くぞ！1枚目。チューナーモンスター、ハイパー・シンクロン！2枚目。非チューナーモンスター、マックス・ウォリアー。3枚目。トラップカード、スターライト・ロード。4枚目。チューナーモンスター、ブライ・シンクロン！5枚目。チューナーモンスター、エフェクト・ヴェーラー！」
「げっ！また3枚も引きやがった…！」
シューティング・スター・ドラゴンは再び分裂し、3体のドラゴンが攻撃体勢に入った。
「バトルだ！シューティング・スター・ドラゴンで真魔獣ガーゼットに攻撃！スターダスト・ミラージュ！」
分身のシューティング・スター・ドラゴンが手足を折りたたんで直線的な形態へ変形し、弾丸の如き鋭さで身動きの取れない真魔獣ガーゼットに突撃した。
「これを食らったら負ける…！そうはさせねえ！永続トラップ発動、死力のタッグ・チェンジ！」
「…！」
シューティング・スター・ドラゴンの突撃を食らう直前、何者かが真魔獣ガーゼットを突き飛ばすことで突撃を回避していた。
「死力のタッグ・チェンジは俺の攻撃表示モンスターが戦闘で破壊される時、そのダメージを0にして手札の戦士族モンスターを特殊召喚することが出来る！俺はこの効果で戦闘ダメージを0にし、カード・ブロッカーを守備表示で特殊召喚！」
真魔獣ガーゼットを突き飛ばしたのは盾を構えた小さな戦士だった。
カード・ブロッカー 守備力400
「躱したか…だが、まだ攻撃は残っている！シューティング・スター・ドラゴンで華麗なるスパイ—Cを攻撃！」
もう一つの分身が手足を折りたたみ、真魔獣ガーゼットと同じく身動きが出来ないスパイ—Cに突撃していった。
「まだだ！カード・ブロッカーの効果発動！俺のモンスターが攻撃された時、攻撃対象をこのモンスターに変更出来る！」
小さな戦士は動けなくなったスパイ—Cをかばうように盾を構え、シューティング・スター・ドラゴンの攻撃に備えた。
「それでもシューティング・スター・ドラゴンはもう1度攻撃することが出来る！3回目の攻撃で決着をつける！」
「く…！カード・ブロッカーの効果発動！攻撃対象になった時、デッキの上から3枚のカードを送ることでこのターンが終わるまで守備力を1500アップできる！」
3枚のカードの力がカード・ブロッカーの盾に託されていき、エネルギーを受け取った盾は見る見るうちに大きくなっていった。
カード・ブロッカー 守備力400→1900
しかしシューティング・スター・ドラゴンの突撃の威力は凄まじく、少し大きくなった盾では防ぐことは叶わず突撃によって盾にヒビが入り、そのまま盾を構えているカード・ブロッカーごと飛ばされそうになる。
「…よし！俺は今墓地に送られたシールド・ウォリアーの効果を発動するぜ！」
「何！？」
ヒビの入った盾にシールド・ウォリアーの魂が注がれたことで盾に入っていたヒビは修復され、より強固な硬さを手に入れていた。
「シールド・ウォリアーを墓地から除外することで一度だけ俺のモンスターの戦闘破壊を防ぐことが出来る！」
急激に硬くなった盾に突撃していたシューティング・スター・ドラゴンの分身は弾かれ、そのまま消えてしまった。
「防がれたか…。ならばせめてカード・ブロッカーだけでも…いや、それも不可能なのか…！」
「気づいたか、遊星！そうだぜ…もう1度攻撃すればカード・ブロッカーに攻撃が誘導され、その守備力はさらに1500アップする！つまり守備力は3400となり、シューティング・スター・ドラゴンの攻撃力を超える！」
「く…！バトルを終了する！」
本体のシューティング・スター・ドラゴンが攻撃することは叶わず、虹色に発光させていた体も元に戻ってしまった。
「カードを1枚伏せ…ターンエンドだ」
「この瞬間、カード・ブロッカーの守備力は元に戻るぜ」
カード・ブロッカー 守備力1900→400
遊星 LP2650
フィールド 『シューティング・スター・ドラゴン』(攻撃表示)
セット1
手札1
sc0
「…俺のターン！」
コナミsc3→4 遊星sc0→1
「カード・ブロッカーによって墓地に送られたキラー・スネークの効果発動！このカードはスタンバイフェイズに墓地から手札に戻すことが出来る！そしてsp—エンジェル・バトンを発動！scが2以上の時に発動出来るぜ。俺はデッキから2枚のカードをドローし、1枚のカードを墓地へ送る！俺は今加えたキラー・スネークを墓地に！」
コナミは天使からもたらされたカードを手札に加え、代わりに1枚のカードを礼として差し出した。
「よし…俺はスパイ—Cとカード・ブロッカーをリリースするぜ！アドバンス召喚！来てくれ…リボルバー・ドラゴン！」
頭と手に当たる部分に合計3つの銃砲身が置かれたロボットがフィールドに着地し、鈍く重い音を響かせた。
リボルバー・ドラゴン 攻撃力2600
「そのモンスターは…アキとの戦いで融合召喚に使用したモンスターか。だが、シューティング・スター・ドラゴンの方が攻撃力は上だ」
「ならシューティング・スター・ドラゴンを対象にリボルバー・ドラゴンの効果を発動するぜ！1ターンに1度、コイントスを3回行い2回以上が表だった時、選択したモンスターを破壊出来る！ロシアン・ルーレット！」
リボルバー・ドラゴンの銃砲身がシューティング・スター・ドラゴンに向けられ、撃ち落とす準備を完了させた。
「…！ならばシューティング・スター・ドラゴンのもう一つの効果を発動！1ターンに1度、フィールド上のカードが破壊される効果が発動された時、その効果を無効にして破壊することが出来る！」
シューティング・スター・ドラゴンが自身を狙うロボットに突撃しようと体勢を整えようとする。しかし、構えられた銃を目にすると途端に動きを止めてしまった。
「なっ…どうしたシューティング・スター・ドラゴン！？」
「…残念だったな、遊星！俺は確かにシューティング・スター・ドラゴンを対象にリボルバー・ドラゴンの効果を発動した。だけどリボルバー・ドラゴンはコイントスに成功しないと対象にしたモンスターを破壊出来ねえ。つまり発動した時点では破壊出来るかどうかは確定してねえのさ！だからフィールドのカードを破壊する効果を無効にするシューティング・スター・ドラゴンの効果は破壊するか分からねえリボルバー・ドラゴンに使うことは出来ねえ！」
「そういうことか…！」
「さあ…フィールドにコインが舞うぜ！」
3枚のコインがフィールドに出現し、天高くに飛ばされた。そしてコインが1枚ずつフィールドに落ち、その結果を示した。
「よし…表だ！」
2枚目のコインもフィールドに跳ね、一つの面を上に向けた。
「…裏か。次のコインが勝負だな、コナミ」
「ああ！頼んだぜ…！」
そして3枚目のコインがゆっくりと天から落ち、カランカランという音と共に結果を示した。
「…ふっ」
「う、裏ぁ！？」
リボルバー・ドラゴンがシューティング・スター・ドラゴンに向けて銃弾を放つ。しかし、それは不発弾だった。
「表になったのは1枚だったため、シューティング・スター・ドラゴンは破壊されない。残念だったな」
「ちくしょう…今のは当たって欲しかったぜ。でも落ち込んでる場合じゃねえ！次の作戦だ！手札からsp—起爆化を発動！こいつは俺のscが2以上の時、俺の場の魔法・罠カードを1枚破壊することで発動出来る！俺は死力のタッグ・チェンジを破壊し、その効果でシューティング・スター・ドラゴンを守備表示に変更する！」
(どうする…シューティング・スター・ドラゴンの効果で破壊効果を含む起爆化を…いや、ステータスで上回られたとしても攻撃を無効にする効果がある以上問題はない。効果を使わせに来ている可能性を考えれば使わない方がいい)
死力のタッグ・チェンジが破壊されると爆風が発生し、シューティング・スター・ドラゴンは爆風によって体勢を崩してしまった。
シューティング・スター・ドラゴン 守備力2500
(やっぱりシューティング・スター・ドラゴンの効果は温存してきたな。昔から遊星のデュエルを見てる俺には分かるぜ…お前は効果を使わなくても大丈夫なら無理して使おうとはしないってな！)
「バトルだ！リボルバー・ドラゴンでシューティング・スター・ドラゴンに攻撃！
リボルバー・ドラゴンが再びシューティング・スター・ドラゴンに銃砲身を向けると、今度はしっかりと銃弾が放たれた。
「そうはいかない！シューティング・スター・ドラゴンの効果発動！自身を除外することで攻撃を無効にする！」
体勢を崩して地に降りていたシューティング・スター・ドラゴンは翼を羽ばたかせ、上空に空いた異次元への穴へと避難しようとした。
「それは読んでいたぜ！トラップ発動、ゴーゴンの眼！」
コナミの発動したトラップからメデューサの目が出現し、それと目を合わせてしまったシューティング・スター・ドラゴンの翼が石化してしまった。
「何！？」
「ゴーゴンの眼はこのターンが終わるまでフィールドの守備表示モンスターの効果を無効にする！起爆化によってシューティング・スター・ドラゴンは守備表示！これで逃げられないぜ！」
「しまった！守備表示にしたのはステータスで上回るためだけではなく、ゴーゴンの眼とのコンボを兼ねていたのか…！」
翼が石化して動けなくなってしまったシューティング・スター・ドラゴンは攻撃を躱す事ができず、銃弾によって撃ち抜かれてしまった。
「シューティング・スター・ドラゴン！くっ…！」
「やったぜ…！ついにシューティング・スター・ドラゴンを倒した！俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ！」
「く…トラップ発動！
墓地から眩い光と共にスターダスト・ドラゴンが帰還した。
スターダスト・ドラゴン 攻撃力2500
「スターダストが復活したか…だけどスターダストじゃリボルバー・ドラゴンを倒すことは出来ねえぜ！今度こそターンエンドだ！」
コナミ LP2100
フィールド 『リボルバー・ドラゴン』(攻撃表示)
セット1
手札0
sc4
(コナミの言う通り、スターダスト・ドラゴンではリボルバー・ドラゴンを倒すことは出来ない。次のドローが勝負……！？)
遊星がドローしようとした瞬間、遊星の右腕に刻まれた赤き龍の痣が輝きだした。
「これは…！？」
5D'sのピットにいたジャック、クロウ、アキ、龍可、龍亞の痣も同時に輝きだしたかと思うと、彼らの痣が遊星の元へ集まっていった。
「…そうか。お前も俺と共に戦ってくれるのか…赤き龍！」
遊星の背中に6人の赤き龍の痣が刻まれていくと、遊星のデッキの一番上のカードが光り輝いた。
「俺の…ターン！」
コナミsc4→5 遊星sc1→2
「手札からsp—ヴィジョン・ウィンドを発動！scが2以上ある時、墓地のレベル2以下のモンスターを1体特殊召喚する！俺はチューニング・サポーターを呼び戻す！」
頭にフライパンを被った小型の機械がフィールドに帰還した。
チューニング・サポーター 攻撃力100
「そして手札からこのモンスターを召喚する！現れよ…救世竜 セイヴァー・ドラゴン！」
遊星の場に温かみを感じさせる光を放つ小さな竜が出現した。
救世竜 セイヴァー・ドラゴン 攻撃力0
「これは遊星と一緒に鬼柳と戦った時の…！ってことは…！」
「俺はレベル1のチューニング・サポーターとレベル8のスターダスト・ドラゴンにレベル1の救世竜 セイヴァー・ドラゴンをチューニング！集いし星の輝きが、新たな奇跡を照らし出す。光さす道となれ！シンクロ召喚！光来せよ、セイヴァー・スター・ドラゴン！」
救世竜 セイヴァー・ドラゴンによってスターダスト・ドラゴンとチューニング・サポーターが光の輪に包まれていくと、透き通った胴体を持つ神々しいドラゴンが姿を現した。
セイヴァー・スター・ドラゴン 攻撃力3800
「チューニング・サポーターがシンクロ素材となったことでカードを1枚ドローする！」
「くっ…！シューティング・スター・ドラゴンの次はこいつか…！」
「行くぞ、コナミ！セイヴァー・スター・ドラゴンの効果発動！相手モンスター1体の効果を無効にし、その効果を得る！サブリメーション・ドレイン！」
セイヴァー・スター・ドラゴンが羽を広げるとリボルバー・ドラゴンから光が出現し、吸収されていった。
「そして俺は吸収したリボルバー・ドラゴンの効果を発動する！」
「…！」
フィールドに3枚のコインが舞った。
「このコインの内、2枚以上が表ならばリボルバー・ドラゴンは破壊される！」
今度は3枚のコインは同時に落ち、その結果を示した。
「裏、表…表か！」
「よってリボルバー・ドラゴンは破壊される！」
セイヴァー・スター・ドラゴンが放ったエネルギー弾はリボルバー・ドラゴンに直撃し、リボルバー・ドラゴンは破壊されてしまった。
「これでコナミの場のモンスターはいなくなった…。このダイレクトアタックで決める！」
「…それはどうかな？」
「何！？」
「このトラップで決めてやる！トラップ発動！ヘイト・クレバス！」
遊星のフィールドに氷河が出現すると現れた裂け目に向かって強烈な風が吹き、セイヴァー・スター・ドラゴンが吸い込まれていく。
「ヘイト・クレバスは俺の場のモンスター1体が破壊されて墓地へ送られた時に発動出来る！相手フィールドのモンスター1体を墓地に送り…その攻撃力分のダメージを遊星に与える！」
「…！セイヴァー・スター・ドラゴンの攻撃力は3800…！」
「これで終わりだ！」
吸い込まれてしまったセイヴァー・スター・ドラゴンは遊星の頭上に出来た異次元の穴から現れ、そのまま落ちていった。
「く…やらせるわけにはいかない！セイヴァー・スター・ドラゴンのもう一つの効果発動！相手がカードの効果を発動した時、このカード自身をリリースすることでその発動を無効にし、相手フィールドのカードを全て破壊する！スターダスト・フォース！」
「な…これも躱すのか！」
セイヴァー・スター・ドラゴンは自らの意思で消えていくと、コナミの場のカードもそれに伴い全て消えていった。
「これで俺と遊星の場のカードは全て消えた…！ここからはドロー勝負か！」
「く…俺はこれでターンエンド！」
「…！この瞬間、墓地のキラー・スネークは自身の効果で除外されるぜ。しめた…完全にがら空きだ。ここを逃す手はねえ…！」
遊星 LP2650
フィールド 無し
セット0
手札1
sc2
「俺のターン、ドロー！」
コナミsc5→6 遊星sc2→3
「いいカードだぜ…！sp—シフト・ダウン発動！scを6つ取り除くことでカードを2枚ドローする！」
コナミsc6→0
「よし！俺はギガテック・ウルフを召喚するぜ！」
鉄屑で作られたオオカミがフィールドに降り立ち、遠吠えをあげた。
ギガテック・ウルフ 攻撃力1200
「バトルだ！ギガテック・ウルフで遊星にダイレクトアタック！」
鉄屑で作られたオオカミが金属音を響かせながら向かっていき、体当たりを仕掛けた。
「ぐっ…！」
遊星 LP2650→1450
「これでライフが逆転したぜ…俺はカードを1枚伏せてターンエンド！」
コナミ LP2100
フィールド 『ギガテック・ウルフ』
セット1
手札0
sc0
「俺のターン！」
コナミsc0→1 遊星sc3→4
「sp—オーバー・ブーストを発動！scを4上昇させる！ただし、このターンの終わりにscが1となるが…俺は続けてスピード・ワールド2の効果を発動する！scを7つ取り除き、カードを1枚ドローする！」
遊星sc4→8→1
「俺はスピード・ウォリアーを召喚する！」
「ここで来たか…！」
小さな戦士が現れ、フィールドをスケートをするかのように滑らかに走りだした。
スピード・ウォリアー 攻撃力900
「バトルだ！スピード・ウォリアーでギガテック・ウルフに攻撃！ソニック・エッジ！」
「攻撃力はこっちの方が上。だけど確かスピード・ウォリアーは…」
「そうだ！スピード・ウォリアーは召喚したターンのバトルフェイズに攻撃力を倍にする！」
スピード・ウォリアー 攻撃力900→1800
スピード・ウォリアーは目にも留まらぬスピードでギガテック・ウルフに急接近し、アッパーによってギガテック・ウルフを吹っ飛ばした。
「うっ…！これでライフはほとんど互角か…」
コナミ LP2100→1500
「俺は場にカードを1枚伏せ、ターンを終了する！ここでスピード・ウォリアーの攻撃力は元に戻る！」
スピード・ウォリアー 攻撃力1800→900
遊星 LP1450
フィールド 『スピード・ウォリアー』(攻撃表示)
セット1
手札0
sc1
「俺のターン！」
コナミsc1→2 遊星sc1→2
「トラップ発動、補充要員！俺の墓地に5体以上のモンスターがいる時、墓地から攻撃力1500以下の通常モンスターを3体まで手札に加えることができる！俺は墓地からジェネクス・コントローラー、ギガテック・ウルフ。そしてカード・ブロッカーの効果で墓地に送られていた人造木人
「一気に戦力を補充してきたか…！」
「そして今手札に加えたジェネクス・コントローラーを召喚！」
頭の左右にアンテナがついたロボットが今日何度目かになる登場を果たした。
ジェネクス・コントローラー 攻撃力1400
「バトルだ！ジェネクス・コントローラーでスピード・ウォリアーに攻撃！」
ジェネクス・コントローラーが電波を飛ばすとスピード・ウォリアーは突然進行方向を変えられてしまい、そのままのスピードで地面と衝突してしまった。
「トラップ発動、スピリット・フォース！俺への戦闘ダメージを0にし、その後俺の墓地に存在する守備力1500以下の戦士族チューナーを手札に戻す！」
「何…まさか！」
「俺は守備力500のジャンク・シンクロンを手札に戻す！」
「ジャンク・シンクロン…！やべえ…俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ！」
コナミ LP1500
フィールド 『ジェネクス・コントローラー』
セット1
手札2
sc2
「俺のターン、ドロー！」
コナミsc2→3 遊星sc2→3
「sp—エンジェル・バトンを発動！scが2以上の時、デッキからカードを2枚ドローし、その後1枚のカードを墓地へ送る！」
遊星は天使からもたらされたカードを手に脳内で戦略を構築し、1枚のカードを墓地に送った。
「そして墓地へ送ったトラップカード、リミッター・ブレイクの効果発動！」
「何だと！？」
「リミッター・ブレイクは墓地へ送られた時、手札・デッキ・墓地のいずれかからスピード・ウォリアーを特殊召喚する！墓地から蘇れ！」
リミッター・ブレイクによって墓地からフィールドへの道が出来上がり、道を滑るように走ってスピード・ウォリアーが帰還した。
スピード・ウォリアー 攻撃力900
「そしてジャンク・シンクロンを召喚する！さらに効果によってクリア・エフェクターを呼び戻す！」
ジャンク・シンクロンが手をかざすとクリア・エフェクターが光の穴を通ってフィールドに帰還する。幾度となく呼ばれたクリア・エフェクターの顔には疲労が伺え、倒れそうになるクリア・エフェクターをスピード・ウォリアーが支えた。
ジャンク・シンクロン 攻撃力1300
クリア・エフェクター 守備力900
「くっ…ここに来てもう1度シンクロか…！」
「俺はレベル2のスピード・ウォリアーとレベル2のクリア・エフェクターにレベル3のジャンク・シンクロンをチューニング！集いし怒りが忘我の戦士に鬼神を宿す。光さす道となれ！シンクロ召喚！吠えろ、ジャンク・バーサーカー！」
ジャンク・シンクロンがバックパックのエンジンを起動するとスピード・ウォリアーがクリア・エフェクターと共に光の輪に包まれていき、鉄球のついた武器を手にした体が赤く染まった鬼を呼び出した。
ジャンク・バーサーカー 攻撃力2700
「クリア・エフェクターがシンクロ素材となったことでカードを1枚ドローする！そして俺はジャンク・バーサーカーの効果を発動！」
「…！」
「ジャンク・バーサーカーは墓地のジャンクと名のつくモンスターを除外することで相手モンスターの攻撃力をその攻撃力分下げることが出来る！俺はジャンク・ウォリアーを除外し、ジェネクス・コントローラーの攻撃力を下げる！」
ジャンク・ウォリアーの魂がジェネクス・コントローラーにまとわりつき、その動きを封じた。
ジェネクス・コントローラー 攻撃力1400→0
「ジェネクス・コントローラーの攻撃力が…！？」
「バトルだ！ジャンク・バーサーカーでジェネクス・コントローラーに攻撃！」
動きを封じられたジェネクス・コントローラーに向かってジャンク・バーサーカーは武器を振り下ろし、鉄球を直撃させた。
「負けてたまるか…！トラップ発動、ガード・ブロック！戦闘ダメージを0にし、カードを1枚ドローする！」
ダメージによって発生した衝撃は不可視の障壁によって防がれた。
「これも防いだか…！」
(このデュエル…互いに全てを出し尽くしている。決着がつかないのは俺とコナミの力の持つ可能性がほぼ互角だということか。だが…そろそろ決着がつくだろう。俺達の持てる可能性を…最後までぶつけ合う！)
遊星 LP1450
フィールド 『ジャンク・バーサーカー』(攻撃表示)
セット1
手札1
sc3
「俺のターン、ドロー！…このカードは」
コナミsc3→4 遊星sc3→4
「遊星…俺はこのカードで勝負に出るぜ！」
「…！仕掛けてくるか…！」
「行くぜ！手札からsp—スピード・フュージョンを発動！scが4以上の時、俺の手札・フィールドのモンスターで融合召喚することが出来る！」
「融合召喚…！」
「俺は手札のギガテック・ウルフと人造木人18で融合！鉄で作られしオオカミよ、人の手で作られし木人よ…その無垢なる力を一つにし、始祖のドラゴンを顕現させよ！融合召喚！これが俺の新たな可能性！来てくれ…始祖竜ワイアーム！」
オオカミと木人が渦によって一つになっていくと、渦より現れたのは蛇のような体に竜の頭、そしてコウモリの翼を持った四肢を持たないドラゴンだった。
始祖竜ワイアーム 攻撃力2700
「これが…コナミの最後の切り札か！」
「そうだ！俺はこのモンスターで遊星に勝つ！バトルだ！始祖竜ワイアームでジャンク・バーサーカーに攻撃！」
始祖竜ワイアームは息を大きく吸うと一気にブレスを吐き出した。対抗するべく、ジャンク・バーサーカーは手に持っていた武器を投擲し鉄球を直撃させた。
「互いに攻撃力は2700…相打ちか？」
「いいや、そうはいかねえぜ！始祖竜ワイアームの効果発動！このモンスターは通常モンスター以外とのバトルでは破壊されねえ！」
「何…！？」
始祖竜ワイアームは鉄球をもろともせず、ブレスによってジャンク・バーサーカーを焼き尽くしてしまった。
「くっ…」
「よし…ジャンク・バーサーカーを倒したぜ！俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ！」
コナミ LP1500
フィールド 『始祖竜ワイアーム』(攻撃表示)
セット1
手札0
sc4
「あのモンスターを超えなければコナミに勝つことは出来ない…デッキよ、俺の声に応えてくれ…ドロー！」
コナミsc4→5 遊星sc4→5
「…このカードは！」
「…？どうした…遊星？」
「コナミ…俺はこのデュエルで分かったことがある。デュエルの可能性は…そのまま人の持つ可能性に繋がるんだ」
「と言うと…？」
「俺達はイリアステルの野望を止めるためにシンクロキラーの機皇帝を始めとして様々なものを超えていった。そして俺達は超える度に一つ…また一つと強くなれた。だが…俺とコナミが見出した答えがそれぞれ違うように、可能性は人の数だけあるんだ」
「あ……」
「俺は信じる。人が自分の可能性を見失わない限り、決して絶望の未来が訪れることはないと！」
「…そうだな。俺達には一人一人違う可能性を持ってるんだ。無限大の可能性を持ってるんだ…今ある力に満足なんか出来ねえ！もっと強くなりたい…そんな気持ちを忘れなければ絶対にそんな未来は訪れねえ！」
「ああ…その通りだ。そしてだからこそ…」
「俺は…」
「 「 お前に勝ちたい！ 」」
互いに持てる力をぶつけ合った2人はさらに強くなりたいと望んでいる。まだ2人は…満足していなかった。
「行くぞ、コナミ！」
「来い、遊星！」
「リバースカードオープン！トラップカード、ロスト・スター・ディセント！このカードの効果により墓地のスターダスト・ドラゴンを効果を無効にし、守備力0の状態で特殊召喚する！」
地面を突き破り、星屑のドラゴンが
スターダスト・ドラゴン 守備力0
「いくらスターダストでもその状態じゃ戦えねえぜ！」
「ふ…もちろん分かっている。だから俺はこのカードでスターダストのさらなる可能性を引き出してみせる！俺は手札からこのカードを発動する！sp—スピード・フュージョン！」
「なっ…なにぃ！遊星が融合召喚だって！？」
「お前がアキと戦った時のデュエルがヒントとなった。アクセルシンクロを習得したため、機皇帝の対策として使うことはなかったが…今ならば俺には見える！このカードの持つさらなる可能性が！俺はフィールドのスターダスト・ドラゴンと手札のソニック・ウォリアーを融合させる！」
星屑のドラゴンが音速のスピードを持つ戦士と渦により交わり、一つになっていく。
「融合召喚！到来せよ、波動竜騎士 ドラゴエクィテス！」
渦から波動が発されると、巨大な槍をかついだ竜騎士が見参していた。
波動竜騎士 ドラゴエクィテス 攻撃力3200
「これが遊星の融合モンスターか…だが、始祖竜ワイアームはバトルでは破壊されねえ！」
「波動竜騎士 ドラゴエクィテスの効果発動！1ターンに1度、墓地のドラゴン族シンクロモンスターを除外することでその効果を得る！」
「…！セイヴァー・スター・ドラゴンの効果をコピーして効果を無効にするつもりか！だけど甘いぜ！始祖竜ワイアームは自身以外のモンスター効果を受け付けない！」
「いいや…俺が効果を得るのはセイヴァー・スター・ドラゴンじゃない！」
「何だって？」
「俺が選択するのは…シューティング・スター・ドラゴンだ！」
「…！融合モンスターにアクセルシンクロモンスターの効果を与えた…！？」
シューティング・スター・ドラゴンの魂が波動となって竜騎士に受け継がれ、その効果を得た。
「そして得たシューティング・スター・ドラゴンの効果を発動する！デッキの上から5枚のカードをめくり、その中のチューナーモンスターの数だけ攻撃することが出来る！」
「…！そうか、いくら始祖竜ワイアームが戦闘で破壊されなくてもダメージは受ける。1回につき俺が受けるダメージは500。つまり…遊星が3体のチューナーを引けば俺のライフは0…！」
「そうだ。この効果で決着をつける…1枚目！…チューナーモンスター、ドリル・シンクロン！」
「くっ…あと2枚か」
「2枚目！…非チューナーモンスター、ボルト・ヘッジホッグ！」
「ふぅ…」
「3枚目！…くっ、トラップカード、スクランブル・エッグ！」
「あと2枚のカードが勝負だ…！」
「4枚目！…チューナーモンスター、スチーム・シンクロン！」
「…！」
「5枚目！………チューナーモンスター！モノ・シンクロンだ！」
「なっ…！」
遊星が引いたカードのうち、3枚のカードがチューナーだったことで竜騎士の持っている槍が3つに増え、3回の攻撃が可能になった。
「コナミ…この勝負、俺の勝ちだ！バトル！波動竜騎士 ドラゴエクィテスで始祖竜ワイアームに3連続攻撃！スパイラル…ジャベリン！」
竜騎士が3本の槍を回転させ、ジャイロ回転で始祖竜ワイアームに投擲した。螺旋状に回転する槍はスピードを増していき、始祖竜ワイアームにめがけて向かっていった。
「遊星、正直俺は遊星が融合召喚してくるとは思ってなかった…けどな」
「…？」
「どうやら俺のデッキは…この展開に応えてくれたようだぜ！これで終止符を打つ！トラップ発動、決戦融合—ファイナル・フュージョン！このカードは俺の場の融合モンスターと相手の場の融合モンスターがバトルする時に発動出来る！その効果で攻撃を無効にし…お互いに場の融合モンスター2体の攻撃力の合計分のダメージを受ける！」
「何…！？そんなことしたら俺達のライフは…！」
「悪いな…遊星。俺はこう見えても結構負けず嫌いなんだ！」
始祖竜ワイアームは槍を躱すと翼で竜騎士に攻撃する。竜騎士も迎え撃つように己の拳を翼にぶつけ、2体のモンスターが正面からぶつかり合ったことで衝撃波が発生した。
「2体のモンスターの攻撃力の合計は5900！5900ダメージ分の衝撃波が俺達を襲うぜ！」
「互いに受け切れるライフではない。引き分け…ということか」
「そういうことだ！」
「そう言えば…お前に一つ言っていなかったことがあったな」
「…？何のことだ？」
「俺も…こう見えても負けず嫌いだということだ。波動竜騎士 ドラゴエクィテスの最後の効果発動！このカードが攻撃表示で存在する時、相手のカード効果によって発生するダメージは代わりに相手が受ける！ウェーブ・フォース！」
「え……な、なんだとぉ！？ってことは…」
「決戦融合の効果ダメージをコナミは一人で引き受けることになる！よって…お前が受けるダメージは11800だ！」
遊星の方向に発生した衝撃波が竜騎士の作り出した波動の障壁によってコナミの方向に返されていく。コナミは自身の方向に発生していた衝撃波と共にその衝撃波を受けたのだった。
「はは…。これもデュエルの持つ可能性…ってことか。…うおおっ！？」
コナミ LP1500→0
「……け、決着！この激戦を制したのは…不動遊星！よってWRGPの優勝チームは…5D'sだー！」
こうして彼らの戦いは幕を閉じたのだった。
これでこの小説内のライディングデュエルはラストです。ライディングデュエルは…ね。