遊戯王5D'sタッグフォース 満足の意志を継ぐ者   作:ゾネサー

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今回あるものに挑戦してみましたがなかなか作るのが難しいですね。


伏せカードが変わっていないか確認しなかっただけだ

秀行を連れて治安維持局へと向かうコナミ、拝借した青帽子を深く被りあまり顔が見えないようにしている。格好もセキュリティの服装を借りているため、おそらくばれないだろう。そう思いつつDホイールのマップ機能で治安維持局の位置を確認する。

治安維持局ならば遊星が捕まっている収容所を調べられるだろう、欲を言えばもっと細かい情報も欲しい。そんなことを考えているうちに治安維持局に到着した。

 

「ムッ…どうしたのですか。あの赤帽子の行方は分かったのですか!見つかっていないのなら、さっさと探してきなさい!」

 

治安維持局の前で仁王立ちしているのはイェーガー、彼は昨晩のセキュリティの失態を相当怒っているようだ。

 

「あの赤帽子はまだ見つかっていませんが、今朝起きたアカデミアの学生のカードを奪った事件の容疑者を捉えてまいりましたので、1度本局に戻らせていただきました」

 

コナミは事前に用意しておいたセリフを素の口調が出ないように話す。

 

「おお…今朝起こった事件をこんなにも早く!素晴らしいですね、その者の取り調べが終わりましたらその調子で赤帽子の行方をさっさと見つけるように。…ん?Dホイールの後方に無理やりつけてくるとは野蛮な捉え方ですねぇ」

 

「…!この者が抵抗したので咄嗟に気絶させ、目を覚ます前に早急に本局に連れてきた方がいいかと思いまして」

 

「なるほど。まあ、いいでしょう。通りなさい」

 

なんとかイェーガーの許可を貰い、治安維持局への侵入に成功した。Dホイールを駐車場に止めて、秀行を担いで中へと入る。だが、中は無人でセキュリティはいなかった。

 

「あっ…そうか!あのピエロ野郎が全員俺と秀行の探索に回してるから中には誰もいねぇのか!ラッキーだぜ!」

 

そうと分かると秀行をそこらへんの椅子に縛っておき、帽子のつばも上げて中を探索する。遊星の居場所や近況が分かるものを探していくと奥の方に1つの部屋を見つけた。

 

「『セキュリティ専用監視ルーム』…?」

 

そこは以前イェーガーやゴドウィンが遊星とコナミがジャックと会っているところを捉えた監視カメラの映像を見ていた場所である。

 

「確かクロウによると収容所はセキュリティが管轄しているって言ってたな。ここなら遊星のいる収容所が分かるかもしれねえ!」

 

早速部屋に入ろうとするコナミ、だがその部屋にはロックが掛かっていた。

 

「くっ…ダメか。でもどこにあるか分かんねえ鍵なんか探してる暇ねえぞ…」

 

ここでコナミは部屋のドアのすぐ横に設置してある1つの機械に気付く。

 

「ん…なんじゃこりゃ」

 

そこにあるパネルをタッチすると突然デュエルシュミレート画面が出てきた。プログラムされていた電子的な声がコナミに問いかけてくる。

 

《詰めデュエルを解いてロックを解除しますか?》

 

「な…詰めデュエルだと?」

 

詰めデュエルとはあるデュエルの局面から始まり、自分のメインフェイズ1からターン終了時までに勝利条件を満たすことを目的とするデュエルである。セキュリティは大事な情報を守る際に詰めデュエルによって保護を行っているようだ。

 

「これを解けばいいのか…よしやるぜ!」

 

《了解しました。この条件で1ターンで勝利して下さい。なお3回間違えた場合には侵入者と判断し、この機械から大きな警報が出た上で、全セキュリティへ通達が送られるのでくれぐれも間違えないように注意して下さい》

 

「え…!何回も間違えても大丈夫ってわけでもないのか!」

 

画面には詰めデュエルの様子が映し出される。

 

相手 LP8000

 

フィールド モンスター無し

 

セット1

 

手札0

 

墓地0

 

デッキ0

 

 

コナミ LP200

 

フィールド モンスター無し

 

セット3

 

手札7

 

墓地0

 

デッキ3

 

「…は!?相手のフィールドにモンスターがいないとはいえ、こっちのフィールドにもモンスターはいないし相手のライフが8000だと!」

 

コナミは頭を抱える。勢いよく始めてみたものの、コナミは最近デュエリストになったばかりなので詰めデュエルも初めてであまり要領が分からないのだ。

 

「悩んでても仕方ねえ!こういうのはとりあえずやってみないと始まんねえからな!」

 

コナミはまず手札のカードに注目する。手札にあるのは魔法カード4枚、モンスターカード3枚である。

 

「普段のデュエルを思い出せ…とりあえず出せる中で1番攻撃力の高いモンスターを出すんだ。よし、こいつは強力だぜ!俺は手札からジェネティック・ワーウルフを召喚だ!」

 

コナミが画面に映っている手札の1枚を押すと、そのモンスターが召喚される。現れたのは遺伝子を操作され、人と狼を一体化させた人狼。レベル4の通常モンスターだが、その攻撃力は2000と高い。

 

ジェネティック・ワーウルフ 攻撃力2000

 

《この瞬間、トラップカードを発動します。奈落の落とし穴、発動。

このトラップカードは相手が攻撃力1500以上のモンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時に発動が可能です。その効果により召喚されたジェネティック・ワーウルフは破壊され、除外されます》

 

突如地面に地獄にでも続いていそうなほど深い穴が出現し、そこから青緑色のモンスターが出てきて人狼を穴に引きずり込んだ。

 

「なっ…なにー!?」

 

思いっきり罠に踏み込んでしまい、フィールドのモンスターが消えてしまう。召喚権を失ったため、コナミが使えるものは限られてくる。

 

「ええい!なら手札の魔法か、伏せてあるトラップだ!」

 

手札にある4枚の魔法カードを確認する。その内2枚は同じカードであったので先に見てみるようだ。

 

「えーと…何々?モウヤンのカレー…効果はライフポイントを200回復する。…え?終わりかよ!というかこいつサテライトで拾ったっけな…さすがにデッキには入れなかったけどなー」

 

コナミが以前使用したスパイーCのイラストにも描かれているので、意外とコナミと縁があるのかもしれない。コナミは次の魔法カードを確認するようだ。

 

「えーと…魔法石の採掘。効果は手札を2枚捨てることで自分の墓地に存在する魔法カード1枚を手札に加える、か。なるほどな、さてはカレーはこのカードのコストか」

 

コナミは墓地を確認してみるも自分の墓地にカードはない。

 

「…?よく分かんねえな、もう1枚の魔法カードは装備魔法、巨大化か。こいつの効果は俺のライフが相手より下の場合、装備モンスターの攻撃力は元々の攻撃力を倍にした数値になる。逆に俺のライフが相手より上なら装備モンスターの攻撃力は元々の攻撃力を半分にした数値になる…と。ジェネティック・ワーウルフに付けられれば攻撃力4000の化けもんなのになあ…」

 

そう思うも人狼は奈落へと引きずり込まれてしまった。

 

「分かんねえ…後は伏せカード3枚だけか」

 

コナミは伏せられているトラップカード3枚に望みを託し、効果を確認していく。

 

「えーと、デステニー・デストロイ。このカードの効果で自分のデッキのカードを上から3枚墓地に送る。…あっ!魔法石の採掘は墓地の魔法カードを手札に加えられる。このカードとのコンボか!俺はデステニー・デストロイを発動だ!」

 

デッキから3枚のカードが墓地へ送られていく。送られたのは3枚の魔法カード、コナミはその3枚のカードを確認する。

 

「えーと結束 UNITY(ユニティー)、こいつの効果は…自分フィールドのモンスター1体の守備力は自分フィールドの表側表示で存在するモンスター全ての元々の守備力を合計した数値になる。…?守備固めても意味ないな、次」

 

コナミは2枚目に送られたカードを確認する。

 

「友情 YUーJYO(ユウジョウ)、こいつは相手プレイヤーに握手を申し込み、相手が応じた場合お互いのライフポイントは現時点のお互いのライフポイントを合計して半分にした数値になる。ただし自分の手札に結束 UNITYが存在する場合相手は握手に応じなくてはならない。へぇー、こんなカードもあるんだな」

 

続いて3枚目を確認する。

 

「3枚目は治療の神 ディアン・ケト、自分はライフを1000ポイント回復する。おー、1000か。なかなか回復するな」

 

コナミが呑気にカードの効果を読んでいると、機械から声が聞こえてきた。

 

《デステニー・デストロイのさらなる効果、この効果で墓地に送った魔法・罠カード1枚につき1000ポイントダメージを受ける。これによりあなたは3000ダメージを受けます》

 

「え?」

 

コナミ LP200→0

 

《1回目失敗です。あと2回以内にクリアして下さい》

 

再び詰めデュエルの最初の画面に戻ってきた。

 

「デステニー・デストロイにあんな効果があったとは…。ちくしょう、ここでクリアしてやる!」

 

コナミは再び手札に注目する。

 

「俺は手札から攻撃力が1番高いジェネティック・ワーウルフを召か…したらダメか」

 

ギリギリで思い留まり残りの2体のモンスターに注目する。

 

「えーと、堕天使ナースーレフィキュル。レベルは4で攻撃力は1400か。こいつが場にいる限り相手のライフポイントが回復する効果は相手のライフポイントにダメージを与える効果になる、か。うーん、こいつじゃダメだ」

 

もう1枚のモンスターに注目するとそれは見覚えのあるモンスターだった。

 

「ん…こいつはスピード・ウォリアー!遊星の愛用カードじゃねえか。待ってろ遊星、もう少しで見つけてやるからな。レベルは2で攻撃力は900、でもこいつは召喚したターンのバトルフェイズに、バトルフェイズ終了時までこのカードの攻撃力を元々の攻撃力の倍の数値にする効果を発動できるんだ。さすがに覚えてるぜ」

 

しかしこれでは削りきれないと判断したのか、先ほど確認しそびれた残りの2枚の伏せカードに目を通す。

 

「えーと、ライフチェンジャー。お互いのライフに8000ポイント以上の差があった場合に発動できて、お互いのライフを3000にするのか。

んー、ダメだ!ライフ差が8000以上ねえ!」

 

そして、コナミは最後の伏せカードに希望をかける。

 

「頼むぜ…こいつは自分より相手のライフポイントが7000以上少ないときに発動出来る。これか!トラップカード、自爆スイッチ発動!…ん?自爆?」

 

コナミが発動したカードにより相手のライフが0になる。

 

「おお?やったか!」

 

同時にコナミのライフも0になった。

 

《自爆スイッチを発動した場合、お互いのライフポイントは0になります。ただし、勝利条件を満たしていないため失敗になります。あと1回でクリアして下さい》

 

「何ー!?」

 

こうしてコナミは背水の陣となってしまった。




拙い詰めデュエルですが良かったら解いてみてください。

相手 LP8000

フィールド モンスター無し

セット 『奈落の落とし穴』

手札0

墓地0

デッキ0


コナミ LP200

フィールド モンスター無し

セット 『デステニー・デストロイ』 『ライフチェンジャー』 『自爆スイッチ』

手札 『ジェネティック・ワーウルフ』 『堕天使ナースーレフィキュル』 『スピード・ウォリアー』
『モウヤンのカレー』×2 『魔法石の採掘』 『巨大化』

墓地0

デッキ 『結束 UNITY』 『友情 YUJYO』 『治療の神 ディアンケト』

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