遊戯王5D'sタッグフォース 満足の意志を継ぐ者   作:ゾネサー

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オゾンより下なら問題ない

ブレイブと交代し、チームラグナロクのラストホイーラー、ハラルドがピットから出てくる。彼の表情は以前のようにネオサティスファクションを試すようなものではなかった。

 

「見事なものだ。ドラガン、そしてブレイブの神をも自らの知恵を駆使し乗り越えてしまうとは」

 

「来ましたわね…ハラルド」

 

「今こそ前言を撤回しよう。君たちは確かにイリアステルと戦う資格を持っている。だが…私たちとてその資格を持っている」

 

星界の3極神に認められた証、ルーンの瞳がハラルドの左眼に現れる。

 

「ふふ…おかしなことを言いますのね。資格など与えられる物ではなく自らの手で掴み取るものですわ」

 

「なるほど…君はそういう考えをするのだな。だが、私にとってはそうとも言えないのだ。私の家には世界が破滅するという伝承が伝えられていてね。幼い頃からその脅威と戦う運命だと教えられ、そして私もそれを信じ、日々研鑽を重ねてきた。このデュエルでそれを証明してみせよう」

 

「望むところですわ」

 

「 「 デュエル! 」 」

 

「私のターン、ドロー!」

 

ハラルド sc(スピードカウンター)4→5 幸子 sc5→6

 

「現れよ、我が神の使い…極星天ヴァルキュリア!」

 

背中から2本の白い羽根が生えた小さな天使がフィールドに舞い降りる。

 

極星天ヴァルキュリア 攻撃力400

 

「ヴァルキュリアの召喚に成功した時、相手フィールドにモンスターが存在し、私の場に他のカードが存在しない場合、手札の極星モンスター2体を除外することで私のフィールドに2体のエインヘリアル・トークンを呼び出すことができる!私は手札の極星天ヴァナディースと極星天ミーミルを除外!最終戦争ラグナロクに備え、その魂を捧げよ!」

 

戦死した2人の勇者の魂が召集され、ヴァルキュリアを囲んだ。

 

エインヘリアル・トークン×2 攻撃力1000

 

「まさか…もう神を呼び出すというのですか!?」

 

「そうだ!私が最も信頼せし神を乗り越えなければ君たちに勝利はない!私はレベル4のエインヘリアル・トークン2体とレベル2の極星天ヴァルキュリアをチューニング!」

 

ヴァルキュリアが腰に携えていた短剣で光の輪を描くと、ヴァルキュリア自身と2つの魂を包み込み高速回転した。

 

「北辰の空にありて、全知全能を司る皇よ!今こそ、星界の神々を束ね、その威光を示せ!シンクロ召喚!天地神明を統べよ、最高神、極神聖帝オーディン!」

 

魂が天へと捧げられていくと思わす目をつぶってしまうほどまばゆい光がフィールドに降り注がれる。するとトールやロキよりも遥かに大きい巨躯(きょく)の体をしている長い白ひげを蓄え、つばの広い帽子を被った槍を持つ隻眼の神が現れていた。

 

極神聖帝オーディン 攻撃力4000

 

「1ターン目から攻撃力4000のモンスターを呼び出すなんて…!?」

 

「その様子ではもはや君に対抗策は残っていないようだな。バトルだ!オーディンでトリシューラを攻撃する!ヘブンズ・ジャッジメント!」

 

オーディンの持つ槍がトリシューラにむかって放たれ、右翼を貫いた。

 

「この男…強いですわね。後は庶民に託すしかないようですわ」

 

幸子 LP1200→0

 

トリシューラが崩れていき、墓地へと繋がる穴へと沈んでいく。だが、その穴から現れる者がいた。

 

「何だ…?」

 

「ふ…庶民への置き土産ですわ」

 

その者は手に2丁の拳銃を持った小人だった。

 

インフェルニティ・リベンジャー 守備力0

レベル1→9

 

「わたくしの手札が0枚の時にモンスターが戦闘破壊されたことで墓地のインフェルニティ・リベンジャーの効果を発動していましたの。レベルを破壊されたトリシューラと同じにし、墓地からこのモンスターを特殊召喚したのですわ」

 

「インフェルニティ…?そうか、そのモンスターは鬼柳から君へと受け継がれていた…!」

 

「そういうことですわ。これはチーム戦。個々の力で神に勝てなかろうとチームワークで乗り越えればいいのです」

 

「ほう…面白い」

 

するべきことを終えた幸子はネオサティスファクションのピットへと帰っていった。

 

ハラルド LP4000

 

フィールド 『極神聖帝オーディン』(攻撃表示)

 

セット0

 

手札3

 

sc5

 

ピットへと戻った幸子はコナミのDホイールに自分が残したセットカードと鬼柳のカードを託す。

 

「庶民、勝ってきなさい」

 

「ああ、任せとけ!」

 

コナミはピットから出ていき、ハラルドへと追いつく。

 

「待たせたなハラルド!」

 

「…不思議だな。私たちと君たちが出会った日から数日しか経っていないというのに君たちは大きく成長している。試練を乗り越えた者のみが得ることの出来る強さ…というわけか。コナミよ、1つ聞きたいことがある」

 

「何だ?」

 

「以前君の中に生じていた迷い…それが薄れている。どのような心境の変化があったのか聞かせてくれないか?」

 

「変化も何も俺は何も変わってないぜ!ただ…今までのデュエルを見てて気づいたのさ。俺は鬼柳やお前たちみたいに不思議な力は持ってない。エンシェント・ホーリーの力を借りなきゃあの空中に浮かぶ物体も見えねえ。だけど…それでも戦うことは出来る!なら迷うことはねえ!俺は俺に出来ることをするだけだ!」

 

「なるほど。各々が自分に出来ることを最大限に発揮する。それが出来るから君たちは強いのかもしれないな。そしてそれこそが人の持つ可能性なのかもしれない。…ならば私も私に出来る最大限の力を発揮する!来いコナミ!」

 

「行くぜハラルド!」

 

「 「 デュエル! 」 」

 

「俺のターン、ドローだ!」

 

ハラルド sc5→6 コナミ sc6→7

 

「ハラルドのフィールドには攻撃力4000の化け物がいやがる。どうすっかな。…よし、決めた!俺はトラスト・ガーディアンを召喚するぜ!」

 

背中にピンク色の羽根が生えた天使がリベンジャーの隣に降り立つ。

 

トラスト・ガーディアン 攻撃力0

 

「そしてインフェルニティ・リベンジャーを攻撃表示に変更!」

 

「何だと?」

 

腕をクロスさせ体を守っていた小人が、2丁の拳銃を取り出し神に対して向けた。

 

インフェルニティ・リベンジャー 攻撃力0

 

「俺は2枚のカードを伏せてターンエンドだ!」

 

「攻撃力0のモンスターを2体も攻撃表示で場に残すだと…?」

 

コナミ LP4000

 

フィールド 『インフェルニティ・リベンジャー』(攻撃表示)

 

セット3

 

手札3

 

sc7

 

「私のターン!」

 

ハラルド sc6→7 コナミ sc7→8

 

「永続トラップ発動!ガリトラップ—ピクシーの輪—!俺の場に攻撃表示モンスターが2体以上いる時、1番攻撃力の低いモンスターは攻撃の対象に出来ない!」

 

コナミの場のモンスターの周りに妖精によってヴェールがかけられ、手出しできないように保護された。

 

「君の場のモンスターの攻撃力は同じ。故に私は攻撃自体を封じられたということか」

 

「そういうことだ!」

 

「悪くない策だ。だが、神はその上をいく!私はオーディンの効果を発動する!最高神の力をとくとみよ!インフルーエンス・オブ・ルーン!」

 

オーディンが槍を地面へと突き刺すとその衝撃でオーディンの前へと貼られていたヴェールが打ち砕かれた。

 

「オーディンは1ターンに1度、私のエンドフェイズまで私の場の(オーディン)に魔法・罠カードの効果を受けなくさせることが出来る!これで君の場に築かれた不可侵領域に神は踏み込むことが出来る!」

 

「何ぃ!?」

 

「加えて私はさらなる神の使い、デュナミス・ヴァルキリアを呼び出させてもらう!」

 

鎧を身にまとった天使がフィールドへと降り立った。

 

デュナミス・ヴァルキリア 攻撃力1800

 

「バトルだ!オーディンでインフェルニティ・リベンジャーへと攻撃する!ヘブンズ・ジャッジメント!」

 

オーディンは巨体を揺らし、リベンジャーの放った弾丸を槍で叩き落としながらリベンジャーを突き刺した。

 

「やったか…?」

 

「まだだ!そう簡単には終わらせねえ!永続トラップ発動、死力のタッグ・チェンジ!俺の攻撃表示モンスターが戦闘で破壊される時、発生する戦闘ダメージを0にし、手札のレベル4以下の戦士族モンスターを特殊召喚することが出来る!来てくれ、カード・ブロッカー!」

 

リベンジャーの銃が暴発し、槍がわずかに浮く。その隙に小さな戦士がリベンジャーを墓地へと弾き飛ばし、難を逃れた。

 

カード・ブロッカー 守備力400

 

「かわしたか。だが、君の場に攻撃表示モンスターが2体以上存在しなくなったことでガリトラップの効果は消える。デュナミス・ヴァルキリアでトラスト・ガーディアンを攻撃すれば…」

 

「カード・ブロッカーはその攻撃の対象を自身に変更できるぜ!そして攻撃の対象になるたびに守備力を1500ずつアップできる!」

 

「そうくるか。私はこれでターンを終える」

 

ハラルド LP4000

 

フィールド 『極神聖帝オーディン』(攻撃表示) 『デュナミス・ヴァルキリア』(攻撃表示)

 

セット0

 

手札3

 

sc7

 

「俺のターン、ドロー!」

 

ハラルド sc7→8 コナミ sc8→9

 

「俺はスピード・ワールド2の効果を発動!scを7つ取り除くことでカードを1枚ドローする!…来た!」

 

コナミ sc9→2

 

「俺はカード・ブロッカーをリリースしてガジェット・ソルジャーを召喚する!」

 

体にガジェットが組み込まれた機械兵がロケットランチャーを担ぎながら現れた。

 

ガジェット・ソルジャー 攻撃力1800

 

「そしてレベル6のガジェット・ソルジャーにレベル3のトラスト・ガーディアンをチューニング!白銀の翼はためかせ敵を魅了しろ!シンクロ召喚!降臨せよ、蒼眼の銀龍!」

 

まるで雪のような色の翼と海のような色の瞳をしたドラゴンがコナミの場に飛翔した。

 

蒼眼の銀龍 守備力3000

 

「このドラゴンから力を感じる…。この力は精霊界のものか」

 

「そうだぜ。俺は何度もこいつに助けられてきた…今回も頼むぜ!銀龍は特殊召喚に成功した時、次の相手のエンドフェイズまで効果の対象にならず、効果では破壊されねえ!」

 

「ほう…神にも匹敵する耐性を得るというわけか」

 

「俺はこれでターンエンドだ!」

 

コナミ LP4000

 

フィールド 『蒼眼の銀龍』(攻撃表示)

 

セット1 『ガリトラップ—ピクシーの輪—』 『死力のタッグ・チェンジ』

 

手札4

 

sc2

 

「私のターン!」

 

ハラルド sc8→9 コナミ sc2→3

 

「私はオーディンの効果を発動する!インフルーエンス・オブ・ルーン!」

 

再びオーディンはルーンの瞳の加護を受けた。

 

「これで君のモンスターを守る術はない。バトルだ!オーディンよ、精霊界のドラゴンを攻撃せよ。ヘブンズ・ジャッジメント!」

 

オーディンが槍を天へと突き刺す。すると幾千ものあられが雲より降下したかと思うと一本の氷の槍へと変化していき、銀龍へと向かっていった。

 

「そうはさせないぜ!トラスト・ガーディアンをシンクロ素材にしたモンスターは1ターンに1度だけ、攻守を400下げることで戦闘では破壊されない!」

 

「モンスター効果を自分のモンスターにかけていたのか…!」

 

銀龍は傷つきながらも氷の槍を弾き飛ばした。

 

蒼眼の銀龍 守備力3000→2600

攻撃力2500→2100

 

「神の攻撃をしのいだか…。ターンを終了する!」

 

ハラルド LP4000

 

フィールド 『極神聖帝オーディン』(攻撃表示) 『デュナミス・ヴァルキリア』(攻撃表示)

 

セット0

 

手札4

 

「俺のターン!」

 

ハラルド sc9→10 コナミ sc3→4

 

「このスタンバイフェイズに銀龍の効果が発動する!墓地の通常モンスターを1体特殊召喚できるぜ!ガジェット・ソルジャーを特殊召喚だ!」

 

銀龍が唸りを上げると機械兵がクレーンに引っ張られ、フィールドへと戻ってきた。

 

ガジェット・ソルジャー 攻撃力1800

 

「そして俺はチューナーモンスター、サニー・ピクシーを召喚!俺はレベル6のガジェット・ソルジャーにレベル1のサニー・ピクシーをチューニング!聖なる命の灯火、今ここに永遠(とわ)に輝く星となる!シンクロ召喚!降誕せよ、エンシェント・ホーリー・ワイバーン!」

 

白く長い胴体を持ったドラゴンがオーディンには及ばずとも天へと届こうかという長い体を携え、降誕した。

 

エンシェント・ホーリー・ワイバーン 攻撃力2100

 

「この力はまさしく精霊そのもの…。これが君の力なのか」

 

「ああ。こいつらは俺が精霊界にいった時からずっと俺を支えてくれた!俺はこいつらと共に戦う!」

 

「ふっ…その力も我が神オーディンには及ばないようだな」

 

「それはどうかな?エンシェント・ホーリーは相手よりライフが上回っていればその分攻撃力を上げることが出来るんだぜ!」

 

「だが、今互いのライフは互角!」

 

「俺はシンクロ素材になったサニー・ピクシーの効果を発動するぜ!このモンスターが光属性モンスターのシンクロ素材に使用されたことで俺はライフを1000ポイント回復する!」

 

妖精がコナミに光の粉をふりかけるとコナミのライフが回復していった。

 

コナミ LP4000→5000

 

エンシェント・ホーリー・ワイバーン 攻撃力2100→3100

 

「そしてエンシェント・ホーリーでデュナミス・ヴァルキリアに攻撃!エターナル・ライフ!」

 

「…!」

 

エンシェント・ホーリーがコナミのライフを光へと変えていき、ヴァルキリアを包みこむ。やがてヴァルキリアは天へと昇っていった。

 

ハラルド LP4000→2700

 

エンシェント・ホーリー・ワイバーン 攻撃力3100→4400

 

エンシェント・ホーリーはさらに大きくなっていき、ついにオーディンの頭上をとった。

 

「これが君の狙いか…!」

 

「へっ、どうだ!俺はカードを2枚伏せてターンエンドだ!」

 

コナミ LP5000

 

フィールド 『蒼眼の銀龍』(守備表示) 『エンシェント・ホーリー・ワイバーン』(攻撃表示)

 

セット3 『ガリトラップーピクシーの輪ー』 『死力のタッグ・チェンジ』

 

手札2

 

sc4

 

「私のターン!」

 

ハラルド sc10→11 コナミ sc4→5

 

(このターン、私はスピード・ワールド2の効果でscを10個取り除くことでフィールド上のカードを1枚破壊することが出来る。この効果でエンシェント・ホーリーを破壊するか…?いや、仮にそうしたとしてもトラスト・ガーディアンの加護を受けている銀龍を倒す術はない。私は…このターン私自身の運命を賭ける!)

 

「私はスピード・ワールド2の効果を発動する!取り除くscは…4つだ!」

 

ハラルド sc11→7

 

「4つってことは…」

 

「私の手札のsp(スピードスペル)1枚につき、相手に800のダメージを与える!私の手札には1枚!」

 

ハラルドのDホイールから衝撃波が放たれ、コナミのDホイールに直撃する。

 

「俺のライフが減った…。そうか、狙いはエンシェント・ホーリーか!」

 

コナミのライフが減ったことでエンシェント・ホーリーの胴体も縮んでいき、オーディンより小さくなってしまう。

 

コナミ LP5000→4200

 

エンシェント・ホーリー・ワイバーン 攻撃力4400→3600

 

「そして私は手札からsp—パワー・バトンを発動する!このカードは私のscが6以上の場合に発動が出来る。次のターンのドローを放棄する代わりにデッキからモンスターカードを1枚墓地に送り、オーディンの攻撃力をダメージステップ時に墓地へ送ったモンスターの攻撃力分上げる!私が墓地へと送ったのは…攻撃力4000の極星邪狼(じゃろう) フェンリル!」

 

「な…攻撃力4000のモンスターを墓地へ送ったということは!」

 

「そう…オーディンの攻撃力は8000となる!そしてオーディンの効果を発動、インフルーエンス・オブ・ルーン!これで君の伏せているカードもオーディンには通用しない!」

 

オーディンが三たび、ルーンの瞳の加護に守られた。

 

「コナミよ…君の力は確かに認めるべきものだ。だが、神には及ばない!バトルだ。オーディンでエンシェント・ホーリーに攻撃!終わりだ…ヘブンズ・ジャッジメント!」

 

オーディンは巨大な槍をエンシェント・ホーリーの長い胴体の一点をめがけて振り下ろそうとした。

 

「ハラルド…俺は神に挑戦する!」

 

「神に…挑戦だと?」

 

「行くぜ。永続トラップ発動、女神の加護!俺はライフを3000回復する!ただしこのカードがフィールドから離れた時、俺は3000のダメージを受ける!」

 

天から降り注ぐ暖かい光がコナミのライフを癒していく。

 

コナミ LP4200→7200

 

エンシェント・ホーリー・ワイバーン 攻撃力3600→6600

 

それに伴い、エンシェント・ホーリーは天を貫き、オーディンよりもさらに高い場所へと君臨する。

 

「ライフを回復したか…。だが攻撃力はオーディンが上回る!ダメージステップに入ったことでオーディンはフェンリルの力を受け継ぐ!」

 

フェンリルの力を得たオーディンもさらなる高みへと昇華していき、天を貫いたばかりかオゾン層の手前まで来るほど巨大となってしまった。

 

極神聖帝オーディン 攻撃力4000→8000

 

「オーディンよ。精霊の力を超え、神の威光を示せ!」

 

ついにオーディンの槍がエンシェント・ホーリー・ワイバーンへとめがけて振り下ろされた。

 

「…来たぜ!幸子、お前が伏せてくれたカードを使う時だ!」

 

「何…!?」

 

「トラップ発動、援護射撃!俺のモンスターが攻撃されたダメージステップ時に発動出来る!攻撃を受けたモンスターはダメージ計算時まで俺のフィールドにいる他のモンスター1体の攻撃力分、攻撃力を上げる!」

 

「君の場にいるモンスターは…まさか」

 

「銀龍!エンシェント・ホーリー!お前たちの力を1つに!」

 

銀龍が号砲を上げ、自身のエネルギーをエンシェント・ホーリー・ワイバーンへと託していく。するとエンシェント・ホーリーの胴体が伸びていき、ついにはオゾン層をも貫いてしまう。

 

エンシェント・ホーリー・ワイバーン 攻撃力6600→8700

 

「攻撃力…8700だと!?」

 

「反撃だ!エンシェント・ホーリー!エターナル・ライフ!」

 

オゾン層を突き破り宇宙へと顔を出したエンシェント・ホーリーは宇宙のエネルギーを吸収していき、神に向けて解き放った。

 

「馬鹿な…神が敗れるとは!」

 

ハラルド LP2700→2000

 

吸収したエネルギーを全て解き放ったエンシェント・ホーリーの体は縮んでいき、宇宙から帰還した。

 

エンシェント・ホーリー・ワイバーン 攻撃力8700→9400→7300

 

「やったぜエンシェント・ホーリー!銀龍もよくやったぜ!」

 

「見事だ…だが神は破壊されようと再びフィールドに復活する!」

 

「だけど攻撃力はエンシェント・ホーリーの方が上だぜ!」

 

「まだだ…。スピード・ワールド2の効果を発動!scを7つ取り除くことで1枚カードをドローする!…ドロー!」

 

ハラルド sc7→0

 

「…ふ。私は場に1枚カードを伏せてターンを終了する!だが、このエンドフェイズに神は蘇る!そしてオーディンの生還に成功したことで私は1枚のカードをドローする!」

 

天を覆っていた雲が消えていき、光と共にオーディンが再び場に戻っていく。だがオーディンがフィールドに足をつける瞬間、突然地面が亜空間に繋がった。

 

「何だと!?一体何が…?」

 

「ハラルド!俺はオーディンが戻って来る前にこのカードを発動していたのさ!永続トラップ、夜霧のスナイパーをな!このカードは発動時、1体のモンスターカードを宣言する。そしてそのモンスターがフィールドに呼び出された時、このカードと宣言したモンスターを除外する!」

 

「まさか…君が宣言したのは!」

 

「そう…極神聖帝オーディンだ!」

 

オーディンはゆっくりと亜空間へと沈んでいき、やがてその姿が見えなくなってしまった。

 

「1度場を離れてしまったオーディンはルーンの瞳の加護を受けていない…この僅かな隙を撃ち抜いたというのか。見事だ。コナミ、君の知恵は私とオーディンをも上回ったのだ」

 

「俺だけの力じゃないぜ。鬼柳や幸子、銀龍やエンシェント・ホーリーが俺に力を貸してくれたからさ」

 

「それこそが君の持つ可能性なのかもしれないな…」

 

ハラルド LP2000

 

フィールド 無し

 

セット1

 

手札5

 

sc0

 

「俺のターン!銀龍の効果でガジェット・ソルジャーが戻ってくるぜ!」

 

ハラルド sc0→1 コナミ sc5→6

 

ガジェット・ソルジャー 攻撃力1800

 

「そして…バトルだ!エンシェント・ホーリーでハラルドにダイレクトアタック!」

 

(今私が伏せているのは極星宝メギンギョルズ。このカードは極神か極星モンスター1体の攻撃力を倍にすることができる。…だが、私の場にはオーディンはいない。私に…打つ手はない)

 

「エターナル…ライフ!」

 

エンシェント・ホーリーの放った光がハラルドを包み込んだ。

 

「鬼柳京介、海野幸子、そしてコナミ。君たちならイリアステルの野望を止めることが出来るかもしれない。この使命、君たちに託そう…!」

 

ハラルド LP2000→0

 

こうしてチームラグナロクとチームネオサティスファクションの長き戦いに終止符が打たれたのだった。

 




ちなみに北欧神話では最終戦争ラグナロクでオーディンはフェンリルに呑み込まれたとされているそうです。フェンリルと協力しようとしてオーディンがやられてしまったのは皮肉な運命だなと思いました。

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