遊戯王5D'sタッグフォース 満足の意志を継ぐ者   作:ゾネサー

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ネオサティスファクションvs太陽。
コナミ君の拾ったカードデッキに通常モンスターが多いのは太陽の拾ったカードが通常モンスターばかりだったことを参考にしているので色々思うところがありますね。



とんだロマンチストですわね

公園で幸子のドロー特訓をした翌日、Bブロック予選第2試合チーム太陽vsチームネオサティスファクションの試合が始まろうとしていた。彼らはここで初めて昨日であった3人組が今日の試合での相手だということに気がつく。

 

「うーん…もし当たったらよろしくとは言ったけどいきなり当たるとはな」

 

「昨日Dホイールを直したのは敵に塩を送る行為だったかもしれませんわね」

 

「へっ、全力でぶつかってくる相手を俺たちの全力で押し返す!それだけだ!」

 

とはいえ気落ちすることはなく彼らは試合の準備を進めている。するとコナミはレーン横の待機スペースに見知った顔を見つけた。

 

「あれ?おーい、牛尾!」

 

「ん、ああ…コナミか」

 

セキュリティの服装に身を包んだ牛尾がDホイールを横に置いて会場を見渡していた。

 

「こんなところで何してんだ?」

 

「このWRGPはオートパイロット機能が切られているから万が一の時のために俺たちセキュリティが駆り出されているってわけよ。…それに」

 

「それに?」

 

牛尾が何かを促すような目で見てくるがコナミは特に何も思いつかなかった。

 

「…はあ。お前は同じブロックのチームのメンバーくらいは確認しておけよ」

 

「同じブロックというと確か…ユニコーンと太陽とセキュリティだったな。…あっ!」

 

「遅えよ。チームセキュリティなんてそのままの名前で出てやってんだから気づいてくれよ」

 

「いや、優勝候補のユニコーンに気を取られてな…。悪い悪い」

 

「全く…。この試合の後は俺たちとユニコーンの試合なんだよ。だから試合と兼ねてこうしてなんかあった時用に待機させられてるってわけだ」

 

彼は本当は試合に集中して願わくば遊星達と戦いたいと思っているが安全が第一という考えに反対する訳ではないので大人しくセキュリティの務めを果たしている。

 

「へー、そうだったのか。メンバーは?」

 

「俺と風間とサージェント相川だ。風間は反対側を見てるからここにはいねえが相川ならいるぞ。…そう言えばユニコーンとお前らとの試合のビデオを見て研究してた時に相川はやけにお前に興味を持っていたな」

 

「…俺に?なんでだ?」

 

「さあな。せっかくだ…ちょっと呼んできてやるよ」

 

そう言って牛尾はその場から離れていく。コナミはその間に相川がコナミに興味を持っていた理由を考えるもセキュリティの知り合いが牛尾くらいしかいないので見当もつかなかった。

 

「まあ、本人に聞けばいいか」

 

考えているうちに牛尾に呼ばれた相川が挨拶をしてきた。

 

「お初にお目にかかる。本官はチームセキュリティのメンバーの1人、サージェント相川というものだ。気軽に相川と呼んでもらって構わない」

 

「相川か。俺はコナミだ。それで牛尾が言ってたんだけど…ユニコーンとの試合で何か俺に気になることあったのか?」

 

「ああ。…その前に確認しておこう、ダイダロスブリッジで機皇帝というモンスターを扱うDホイーラー、ゴーストを倒したのはお前だったな?」

 

「ん、まあそうだけど。なんで知ってるんだ?」

 

「…ゴーストはWRGPの予選参加者を減らすために数々のDホイーラーを襲っていた。セキュリティが関わらないわけがないだろう、牛尾さんもデュエルを仕掛けて逮捕しようとしていたしな」

 

「そういやそうだったな…」

 

「そして本官は牛尾さんから機皇帝はシンクロキラーであるということを伝えられている。…単刀直入に聞こう。ユニコーンとの試合でお前が使った融合召喚、それはあの機皇帝の対策。そうだろう?」

 

「…!?よ、よく分かったな。まああれが正解かは俺も分からねえけど…今俺が出来る対策はそれくらいだからな」

 

コナミが今まで考えてきたシンクロキラーの機皇帝への対策、融合召喚。シンクロモンスターでないならば吸収されないという答えを出していたがまさか初対面の人にそのことを見抜かれるとは露ほども思っておらず、かなり驚いている。

 

「やはりな…。あの融合には特別な感情が入っていると思っていたのだ」

 

「よくそんなことまで分かるな…もしかしてあんたも融合使いなのか?」

 

「その通りだ。そして…ここからが本題だ。牛尾さんほどのデュエリストがやられた機皇帝の対策はセキュリティでも当然考えられている。あのゴーストはロボットだった…つまりこのWRGPにそれを作ったものが何らかの形で関わってくると見て間違いないしな」

 

「それで…何か対策は見つかったのか?」

 

「セキュリティとして答えは出ていない。だが…本官にはある」

 

「…!い、いったいどんな答えを?」

 

「それは簡単には教えられないが…ヒントをやるならば、お前の使う融合召喚のさらに先をいく融合召喚とでも言おうか」

 

「俺の融合召喚の先をいく融合召喚だって!?気になるな…教えてくれない?」

 

「ダメだ、やすやすと教えられるようなものではないのでな。…だが」

 

「だが?」

 

相川は少し考えた後、コナミにこう告げた。

 

「もし本官のチームにお前のチームが勝つようなことがあれば…プロトタイプで良ければ伝授を考えよう」

 

「プロトタイプとか伝授とかよく分からねえけど…。俺は…じゃない、俺たちは負ける気はないぜ!」

 

「そうか、覚悟のほどは分かった。だが、そろそろピットに戻った方がいい。試合開始の時に走者以外のメンバーがピットに入ってないと不戦敗になるからな」

 

「え?…やべっ!もうこんな時間か!また今度の試合でな!」

 

残り試合開始3分前、ギリギリでコナミはピットに戻ってきた。

 

「遅いぞコナミ。不戦敗になんてなったら満足できねえぜ!」

 

「わ、悪い。ちょっとな。幸子は?」

 

「もうレーンの方に行ったぜ。今回もあいつがファーストホイーラーだからな。…そうだ。幸子が昨日お前に返し忘れた200枚くらいのカードをそこに置いてるから崩さないように気をつけろよ」

 

「そう言えば忘れてたな。気をつけるぜ」

 

試合開始1分前、MCの実況が会場に響き渡った。

 

「予選Bブロック第2試合がいよいよ始まるぞー!優勝候補のチームユニコーンを倒した今大会のダークホース、チームネオサティスファクションと実力が未知数なチーム太陽が対決だ!」

 

デュエルを今か今かと待っている観客の歓声で会場が盛り上がる中、いよいよスタートのカウントダウンが始まる。ファーストホイーラーの幸子と吉蔵が並びあい、緊張感が走っていた。

 

「君にはジンを助けてもらった恩があるけど、全力で行かせてもらうよー!」

 

「もちろんですわ。わたくし達も全力で立ち向かうとしましょう」

 

最後のカウントダウンが点滅し、お互いDホイールを走らせる。性能は幸子の方が圧倒的によく、順当に幸子が先攻かと思われたが…。

 

「うわわっ!危ない!」

 

「…え?きゃあ!」

 

第一レーンへと差し掛かる寸前、Dホイールがあまりうまく曲がらなかったのか幸子のDホイールの後方へそのまま吉蔵のDホイールが突っ込んでしまう。

 

「おーっと!チーム太陽の吉蔵、激しいタックルで海野選手のDホイールのバランスを崩したぞー!」

 

「ご、ごめん!わざとじゃないんだ!」

 

「うぐぐ…分かってますわ」

 

レーンへ差し掛かったところでぶつかったため幸子は外へと押し出されてしまいリカバリーに時間がかかってしまう。結果、そのままチーム太陽の先攻でデュエルが始まる。

 

「よし、先攻をとったぞ!」

 

「いけ、ヨシ!」

 

「 「 デュエル! 」 」

 

「俺のターン、ドローだ!」

 

吉蔵 sc(スピードカウンター)0→1 幸子 sc0→1

 

「来た…。俺はキーメイスを召喚!」

 

「キーメイスですって?」

 

フィールドを待ったのはとても小柄な妖精。手にはステッキを持っており、そこから降り注がれる光の粉が太陽の光でキラキラと輝いている。

 

キーメイス 攻撃力400

 

「何と、チーム太陽の吉蔵!レベル1で攻撃力か400しかない通常モンスターを攻撃表示で召喚だー!」

 

「俺はカードを2枚伏せてターンエンドだ!」

 

吉蔵 LP4000

 

フィールド 『キーメイス』(攻撃表示)

 

セット1

 

手札4

 

sc1

 

「何のつもりかは知りませんが…わたくしのターン!」

 

吉蔵 sc1→2 幸子 sc1→2

 

「わたくしはオーシャンズ・オーパーを召喚ですわ!」

 

赤い金魚のような魚が海を守るためにヒレで槍を持ちながら現れる。

 

オーシャンズ・オーパー 攻撃力1500

 

「キーメイスの攻撃力は400。一気にダメージを与えてさしあげますわ!」

 

「そうはいかないよ!トラップ発動、隠れ兵!相手がモンスターを召喚した時に手札からレベル4以下の闇属性モンスターを特殊召喚出来るよ!来て、手をつなぐ魔人!」

 

小さな体をした悪魔が、自身のサイズに合っていないような大きな手を振りながら飛び出してきた。

 

手をつなぐ魔人 守備力1600

 

「俺の場に手をつなぐ魔人がいる時には他のモンスターを攻撃の対象にはできないんだ!」

 

「…!キーメイスへの攻撃が封じられましたか…。まあいいでしょう。ターンエンドですわ!」

 

幸子 LP4000

 

フィールド 『オーシャンズ・オーパー』(攻撃表示)

 

セット0

 

手札5

 

sc2

 

「俺のターン!」

 

吉蔵 sc2→3 幸子 2→3

 

「俺はキーメイスを守備表示に変えるよ!」

 

キーメイスが守備隊形を取った時、隣にいた小さな悪魔が手を繋いできた。

 

キーメイス 守備力300

 

「さらに手をつなぐ魔人は俺の場にいるこのカード以外の表側守備表示モンスターの元々の守備力分だけ守備力をあげるんだ!」

 

「む…厄介ですわね」

 

繋いだ手から小さな悪魔へとエネルギーが伝わって悪魔がパワーアップしていく。

 

手をつなぐ魔人 守備力1600→1900

 

「そしてプリヴェント・ラットを召喚だー!」

 

毛が集まり硬い皮のようになっているネズミがフィールドを歩き出す。

 

プリヴェント・ラット 攻撃力500

 

「カードを1枚伏せてターンエンドだ!」

 

「プリヴェント・ラットの守備力は2000…あのモンスターを守備にされれば突破は容易ではないですわね」

 

吉蔵 LP4000

 

フィールド 『キーメイス』(守備表示) 『手をつなぐ魔人』(守備表示) 『プリヴェント・ラット』(攻撃表示)

 

セット1

 

手札2

 

sc3

 

「ですが今の守備力は1900。突破できない数値ではないですわ!わたくしのターン!」

 

吉蔵 sc3→4 幸子 sc3→4

 

「わたくしはオーシャンズ・オーパーをリリースして暗黒大要塞鯱をアドバンス召喚しますわ!」

 

幸子のフィールドが大波に飲まれていくとそこには巨大なシャチとその上に築き上げられた要塞がそびえ立っていた。

 

暗黒大要塞鯱 攻撃力2100

 

「バトル!暗黒大要塞(ジャチ)で手をつなぐ魔人へと攻撃!」

 

シャチの上にそびえ立つ要塞から手をつなぐ魔人に向かって大砲が発射された。

 

「やらせないよ!トラップ発動、城壁!手をつなぐ魔人の守備力をエンドフェイズまで500上げるよ!」

 

手をつなぐ魔人 守備力1900→2400

 

「なっ…!」

 

大砲の弾は城壁によって阻まれ、城壁から放たれた弓矢がシャチをかすめた。

 

幸子 LP4000→3700

 

「くっ…やってくれましたわね。わたくしはこれでターンエンド!」

 

時間がたつと城壁は地面の中へと沈んでいった。

 

手をつなぐ魔人 守備力2400→1900

 

幸子 LP3700

 

フィールド 『暗黒大要塞鯱』(攻撃表示)

 

セット0

 

手札5

 

sc4

 

「俺のターン!」

 

吉蔵 sc4→5 幸子 sc4→5

 

「俺はプリヴェント・ラットを守備表示にするよ!」

 

「く…!」

 

ネズミが手を差し出すと小さな悪魔がその手を包み込むように握った。

 

プリヴェント・ラット 守備力2000

 

手をつなぐ魔人 守備力1900→3900

 

(徹底的に守備を固めていますわね…ですが守ってばかりでは勝てませんわ。ここからどう仕掛けてくるのでしょうか…?)

 

「そして俺はスピード・ワールド2の効果を発動だ!」

 

「…!」

 

「scを4つ取り除いて手札のsp(スピードスペル)1枚につき相手に800のダメージを与えるよ!俺の手札には1枚!」

 

吉蔵のDホイールから放たれた衝撃波が幸子のDホイールを襲った。

 

幸子 LP3700→2900

 

吉蔵 sc5→1

 

「そういうことですか…!徹底的に防御を固め、大会規定により破壊することができないスピード・ワールド2の効果ダメージで堅実にライフを削っていく戦略!」

 

「カードを2枚伏せてターンエンドだ!」

 

吉蔵 LP4000

 

フィールド 『キーメイス』(守備表示) 『手をつなぐ魔人』(守備表示) 『プリヴェント・ラット』(守備表示)

 

セット2

 

手札1

 

sc1

 

「ですがわたくしがそう簡単にやられるとは思わないことね。わたくしのターン!」

 

吉蔵 sc1→2 幸子 5→6

 

「来なさい、魚雷魚!」

 

魚型の爆弾がシャチの上の要塞へと置かれる。

 

魚雷魚 攻撃力1000

 

「さらに暗黒大要塞鯱の効果を発動!わたくしのフィールドの魚雷魚をリリースすることでフィールド上のモンスター1体を破壊しますわ!当然狙うのは手をつなぐ魔人!」

 

魚雷がセットされ、シャチの口の部分から発射されるとまっすぐ悪魔へと向かっていった。

 

「わわっ!そんなことはさせないよ!永続トラップ発動、スクラム・フォース!俺の場に表側守備表示モンスターが2体いる場合、俺の守備モンスターは相手の効果の対象にならず、相手の効果で破壊されない!」

 

「なんですって…これも防ぐというの!?」

 

手を繋いだモンスター達が必死に魚雷を弾き飛ばし難を逃れた。

 

「カードを1枚伏せて…ターンエンドですわ!」

 

幸子 LP2900

 

フィールド 『暗黒大要塞鯱』(攻撃表示)

 

セット1

 

手札4

 

sc6

 

「よし…いい感じだ!俺のターン!」

 

吉蔵 sc2→3 幸子 sc6→7

 

「俺はウィング・エッグ・エルフを召喚だー!」

 

空中に卵が浮いたかと思うと中央のあたりが割れていき、そこから天使の羽が生えてきた。中からは小さな天使が様子を伺っている。

 

ウィング・エッグ・エルフ 攻撃力500

 

「ターンエンドだ!」

 

吉蔵 LP4000

 

フィールド 『キーメイス』(守備表示)『手をつなぐ魔人』(守備表示) 『プリヴェント・ラット』(守備表示) 『ウィング・エッグ・エルフ』(攻撃表示)

 

セット1 『スクラム・フォース』

 

手札1

 

sc3

 

「ウィング・エッグ・ウルフの守備力は1300。これ以上手をつなぐ魔人の守備力が上がってしまえば手がつけられなくなりますわ!このターンが勝負…ドロー!」

 

吉蔵 sc3→4 幸子 sc7→8

 

「わたくしはスピード・ワールド2の効果を発動致しますわ!scを4つ取り除くことで手札のsp1枚につき800のダメージを!わたくしの手札には2枚!」

 

「うわわっ!君もその効果を!?」

 

今度は幸子のDホイールから吉蔵のDホイールへ衝撃が放たれた。

 

吉蔵 LP4000→2400

 

幸子 sc8→4

 

「うう…もう一回受ければライフが800に!」

 

「わたくしは手札からsp—サモン・スピーダーを発動します!scが4以上の時手札のレベル4以下のモンスターを特殊召喚できますわ。来なさい、砲弾ヤリ貝!」

 

「えっ…もう1回使わないの?」

 

先端が鋭く尖っている貝が要塞の上に置かれた。

 

砲弾ヤリ貝 攻撃力1000

 

「そして暗黒大要塞鯱の効果を発動!自分フィールドの砲弾ヤリ貝を1体リリースすることでフィールドの魔法・罠カードを1枚破壊できますわ!わたくしが狙うのは…その伏せカード!」

 

要塞の砲身にセットされたヤリ貝が発射され、吉蔵が伏せていたカードを貫いた。

 

「ああっ!攻撃の無力化が!」

 

「うかつに突っ込んでいればバトルフェイズを強制終了されていましたわね…」

 

「で、でも!俺のフィールドには守備力3900の手をつなぐ魔人がいるんだよ!しかもこいつ以外には攻撃出来ない!」

 

「承知の上ですわ!わたくしはアームズ・シーハンターを召喚!」

 

2本のヤリを手に持った半魚人がフィールドに降り立った。

 

アームズ・シーハンター 攻撃力1800

 

「そして…バトル!アームズ・シーハンターで手をつなぐ魔人へ攻撃!」

 

「ええ!?」

 

アームズ・シーハンターは左手に持っていたヤリで小さな悪魔を突いたが、力及ばず弾かれてしまう。

 

幸子 LP2900→800

 

「くうっ…!」

 

「ふ、ふぅ…良かった。何かしてくるかと思ったよ」

 

「甘いですわね。すでに何かしていますわ」

 

悪魔の握力が弱っていき、掴んでいた仲間の手を離してしまう。どうやらシーハンターがさしたヤリは毒が仕込まれていたようだ。

 

手をつなぐ魔人 守備力3700→1600

 

「アームズ・シーハンターがこのカード以外に水属性モンスターがいる時に戦闘を行った場合、このカードと戦闘を行ったモンスターの効果をダメージ計算後に無効化しますわ!」

 

「む、無効だって!スクラム・フォースじゃ凌げない!」

 

「そして…手をつなぐ魔人の効果が無効になったことで他のモンスターへ攻撃が出来ますわ!暗黒大要塞鯱でウィング・エッグ・エルフに攻撃!」

 

今まで攻撃が通らなかったことでシャチがイライラしてきたのか、大津波を起こして卵ごと天使をどこかへ流してしまった。

 

吉蔵 LP2400→800

 

「ああっ!しまった!」

 

「そしてわたくしは…。いえ、これでターンエンドですわ!」

 

「おおっと!見事チーム太陽のロックを突破した海野選手だがこれはプレイングミスか!?もう1度スピード・ワールド2のscを4つ取り除く効果を使えばこのターンで吉蔵選手を倒すことが出来たぞー!」

 

幸子 LP800

 

フィールド 『暗黒大要塞鯱』(攻撃表示) 『アームズ・シーハンター』(攻撃表示)

 

セット1

 

手札2

 

sc4

 

「うう…なんだか怖いなあ。俺のターン!」

 

吉蔵 sc4→5 幸子 sc4→5

 

「と、とりあえずカードを1枚セット!そして…スピード・ワールド2の効果を発動!scを4つ取り除いて相手に手札のsp1枚につき800のダメージを与えるよ!」

 

吉蔵のDホイールから幸子に向かって衝撃波が放たれた。

 

「ふ…このわたくしがプレイングミスですって?とんだロマンチストですわね。トラップ発動、リフレクト・ネイチャー!このターン相手が発動したダメージを与える効果は相手ライフにダメージを与える効果となりますわ!」

 

「し、しまったあ!」

 

幸子が発動したトラップから反射板が出てきて衝撃波を吉蔵の方へと弾き返した。

 

吉蔵 LP800→0

 

吉蔵 sc5→1

 

「決まったー!海野選手のカウンターによって吉蔵選手のライフが0になったぞ!チーム太陽はセカンドホイーラーへと交代だー!」

 

(このWRGPに出場してきた以上、恐らくこのスピード・ワールド2でのバーン戦術以外にも何か狙いがあるはず。それを見極めるためにもここはわたくしが粘って2人に繋げるのが1番チームのためになるはずですわ)

 

ライフが0になった吉蔵はピットへ帰っていく。

 

「ごめん!負けちゃった!」

 

「いや、十分だよ。あとは俺たちに任せてくれ」

 

「今、何ターン経ったかな?」

 

「5ターンさ。そして次のジンのターンで6ターン目に入る」

 

「よし、太郎。最高の形でお前へ繋いでやるぜ!」

 

セカンドホイーラーの甚兵衛が吉蔵と交代する。吉蔵からシールを貰った甚兵衛はそのまま吉蔵が載っていたDホイールに乗ってレーンへと出てきた。彼らは決して裕福ではないので1つのDホイールしか用意できなかったのだ。

 

「あんたには借りがあるが…。俺は手加減しないぜ!」

 

「ええ、かかってきなさい。わたくしがコテンパンにやっつけてさしあげますわ!」

 

「 「 デュエル! 」 」

 

奇妙な戦術をとるチーム太陽。彼らとの対決はここからどうなっていくのだろうか…。

 




太陽はノーマルカードのみでデッキを作ったという設定がありますがアニメで使っていた隠れ兵が金文字でウルトラレアなのは内緒。

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