遊戯王5D'sタッグフォース 満足の意志を継ぐ者 作:ゾネサー
幸子達の退学が取り消されてから数日後、コナミは遊星達のガレージに来ていた。そこである作業をしながら自分の戦い方を見つめ直していた。
(シンクロキラーの機皇帝、この前はエンシェント・ホーリーと協力して何とかなったが…今度も上手くいくとは限らないな。もし次戦う時があるなら…その時までに何か新しい戦術が必要かなあ。とりあえずデッキに入れてみたあのカードで何とかなると良いんだけど…)
そんなことを考えているとコナミの作業があと少しというところになる。このタイミングでジャックが遊星達のガレージの近くにある喫茶店、『
「おお、コナミではないか。どれどれ…よし、ここからは俺に任せておけ」
「え?もうほとんど終わってるけど…」
「最後を締めくくるのはキングと相場が決まっている」
ジャックはコナミの作業道具を半ば強引に取り上げ、仕上げ作業に取りかかった。かくして彼らが進めていた作業が終わり、遊星がアキを呼び出した。
「遊星…これは?」
「アキのDホイールだ。クロウやコナミ、それにジャックも手伝ってくれたんだ」
デザインは遊星のDホイールと似ており全体的に赤いDホイール、『ブラッディー・キッス』がアキの前に差し出されていた。
「私のために?」
「そうだぜ。ブレーキは俺が組んだんだ!」
「ありがたく思うがいい。カウルは俺が塗った」
「カウル以外は全部俺が塗ったんだけど…」
「みんな…。ありがとう!」
十六夜アキ。彼女はこの前までライディングデュエルにあまり興味はなかったが、遊星と謎多き女性シェリーがライディングデュエルを通して分かり合っていたのを見て自分も遊星達と同じ風を感じたいと思い、Dホイールの試験を受けようと思っていた。既に基礎試験は遊星の協力もあってクリアしており、後は最後の試験で試験官にライディングデュエルで勝利すれば見事ライセンスを獲得できる。
「明日はいよいよライディングデュエルの試験だ。その前にこのDホイールに慣れるのも兼ねてアキには最後に誰かとライディングデュエルをしてもらおうと思う」
「ええ、分かったわ。誰とやれば良いのかしら?」
「俺とクロウはアキと何回か練習場でライディングデュエルをしている。だからジャックかコナミにやってもらおうと思っているんだが…」
「ふん!まだ慣れぬDホイールで俺に立ち向かうのは厳しかろう。頼んだぞコナミ」
「分かった。行くぞアキ!」
「ええ!」
そう言って2人は市街地のレーンへとDホイールを走らせた。WRGPに向けてネオドミノシティはライディングデュエルデュエルを推奨しており申請さえすればそのレーンはライディングデュエル専用のレーンとして使用することができる。
《デュエルが開始されます。デュエルが開始されます。ルート上の一般車両はただちに退避してください。レーンセレクション。使用可能な最適レーンをサーチ。デュエルレーン、セントラルに申請。オーソリゼーション》
遊星達が隣のレーンから2人を見守る中、デュエルレーンが決定されデュエルが開始される。
「 「 ライディングデュエル。アクセラレーション! 」 」
先攻は第一レーンを先に回った方となる。今のところアキがわずかにリードしていた。
「…悪く思うなよ!」
「えっ…きゃっ!」
コナミのDホイールがアキのDホイールと接触し、アキはバランスを崩してしまう。その隙にコナミは第一レーンを先に曲がり先攻をとった。
「コナミのやつ…いきなりラフプレイの洗礼ってわけか」
「確かにライディングデュエルではよくあるからな。あらかじめ教えておいた方が良いかもしれん」
「アキ…コナミのペースに飲まれるな」
先攻をとったコナミがドローし手早くターンを進めていく。
「行くぜ。俺はギガテック・ウルフを召喚!カードを1枚伏せてターンエンド!さあ、お前のターンだ!」
鉄屑によって作られたオオカミがコナミの場に現れ、後ろに1枚のセットカードが伏せられアキのターンになった。しかし先ほどのラフプレイの影響で少しDホイールがぐらついている。
ギガテック・ウルフ 攻撃力1200
コナミ LP4000
フィールド 『ギガテック・ウルフ』(攻撃表示)
セット1
手札4
「くっ…私のターン!」
コナミ sc0→1 アキ sc0→1
「これは…
2方向に分かれる緑のツタの片方からはピンクの花、もう片方にはトゲがびっしり生えた手榴弾のようなものが垂れ下がっている。
イービル・ソーン 攻撃力100
「攻撃力100か…それで何を仕掛けてくる?」
「イービル・ソーンの効果を発動!自身をリリースすることで相手に300のダメージを与え、デッキからイービル・ソーンを2体攻撃表示で特殊召喚する!」
手榴弾のようなものが爆発し、生えていたトゲが飛び散ってコナミを襲う。そしてピンクの花から2本のツタが生え出てきた。
「いきなり仕掛けてきたか…だけどこの程度!」
コナミ LP4000→3700
イービル・ソーン×2 攻撃力100
「さらに私はspーエンジェル・バトンを発動!この効果で…」
アキが手札のspを場に置くとDホイールの画面からエラーが出てアキの手札にspが戻ってくる。
「はぁ?何やってんだ十六夜のやつ〜!」
「ふん…spを使うにはscが必要だ」
「かなり動揺しているな…」
「そうだった…scを忘れてた」
「あんまりもたついてると失格になるぜアキ!」
「…!わ、私はカードを2枚伏せてターンエンド!」
アキ LP4000
フィールド 『イービル・ソーン』×2(攻撃表示)
セット2
手札3
「俺のターン!」
コナミ sc1→2 アキ sc1→2
「俺はジェネクス・コントローラーを召喚!行くぜアキ!俺はレベル4のギガテック・ウルフにレベル3のジェネクス・コントローラーをチューニング!3つのエレメントを司るものよ、炎の力を拳に宿しあらゆる敵を焼却せよ!シンクロ召喚!燃やし尽くせ
ジェネクス・コントローラーが左右のアンテナから電波を飛ばしギガテック・ウルフを変形させると中枢コアへと組み込まれていく。そして3つのランプのうちオレンジ色のランプが点灯した。
A・ジェネクス・トライフォース 攻撃力2500
「もうシンクロを決めてきた…早い!」
「容赦はなしだ!バトル!トライフォースでイービル・ソーンに攻撃!」
トライフォースの右手から火炎放射が放たれた。
「だけど私だってそう簡単にはやられない!トラップ発動、
イービル・ソーンのトゲが繁殖し、火炎放射を防ぐとトライフォースを絡め取り破壊した。
「やった…!」
「spが使えない状況ならトラップで俺のモンスターを破壊する…。悪いがそれは読めていた!トラップ発動、リボーン・パズル!自分のモンスター1体のみが効果で破壊された時、そのモンスターを復活させる!」
「なんですって!?」
破壊されたトライフォースのカケラが集まっていき元の状態へと復元されていく。先ほどと違うところはランプが点灯していないことぐらいだろうか。
A・ジェネクス・トライフォース 攻撃力2500
「そしてトライフォースでもう1度イービル・ソーンに攻撃だ!」
トライフォースの重いパンチがイービル・ソーンをツタごと地面から引っこ抜いた。
「きゃあっ…!」
アキ LP4000→1600
「よし…大ダメージだ!俺はカードを1枚伏せてターンエンド!」
コナミ LP4000
フィールド 『A・ジェネクス・トライフォース』(攻撃表示)
セット1
手札3
sc2
「やはりライディングデュエルに慣れているコナミの方が一枚上手か…」
「だけど十六夜もこっから逆転の余地はあるぜ!」
「このターンが正念場だ…。隙を見せるな!ここから切り返しだ!」
「行くわ、私のターン!」
コナミ sc2→3 アキ sc2→3
「私はspーエンジェル・バトンを発動!私のscが2以上の時カードを1枚ドローし、その後手札の1枚のカードを墓地へ!」
アキは天使によってもたらされた新たなカードで逆転の活路を見出した。
「手札の薔薇の妖精の効果発動!カード効果によって手札に加わった場合、特殊召喚することができる!」
4つの小さな翼が生えたピンク色の小型な妖精が舞い降りてきた。
薔薇の妖精 攻撃力600
「さらに私はナチュル・ローズウィップを召喚!そしてレベル1のイービル・ソーンとレベル3の薔薇の妖精にレベル3のナチュル・ローズウィップをチューニング!冷たい炎が世界の全てを包み込む。漆黒の花よ、開け!シンクロ召喚!咲き乱れよ、ブラック・ローズ・ドラゴン!」
3体のモンスターが1つになり薔薇によって翼が形成されたドラゴンがフィールドに現れた。
ブラック・ローズ・ドラゴン 攻撃力2400
「ブラック・ローズ・ドラゴン…これがお前の切り札か!だがトライフォースの方が攻撃力は上!」
「そうはいかないわ!ブラック・ローズ・ドラゴンの効果発動!このカードがシンクロ召喚に成功したとき…フィールドの全てのカードを破壊する!ブラック・ローズ・ガイル!」
「…え?」
フィールドを薔薇が包み込み暴風が吹き荒れ全てを吹き飛ばそうとする。
「と、トラップ発動!苦渋の黙札!トライフォースをリリースし、トライフォース以外の同じ属性、種族、レベルのモンスターをデッキか墓地から手札に加える!俺はデッキからリボルバー・ドラゴンを手札に!」
「なら私もトラップカード、シンクロ・バックを発動!私のフィールドのブラック・ローズ・ドラゴンをエクストラデッキに戻し、次の私のスタンバイフェイズに再び特殊召喚する!」
ブラック・ローズ・ドラゴンとトライフォースは共にフィールドから消え去り、暴風も収まった。
「まさかこんな荒技でくるとはな…。だけどお前のフィールドにモンスターはいない!次のターンで…!」
「それはどうかしら?私は墓地の
地面からツタが生えてきたかと思うと地面が割れて巨大な赤い口を持ったモンスターが出てきた。
ギガプラント 攻撃力2400
「…!やべえ!」
「やりなさいギガプラント!ダイレクトアタック!」
ギガプラントがコナミに襲いかかるとコナミはその攻撃をもろに受けてしまう。
「うおおっ!や、やるな…!」
コナミ LP3700→1300
「やった…。私はカードを1枚伏せてターンエンド!」
アキ LP1600
フィールド 『ギガプラント』(攻撃表示)
セット1
手札0
sc3
「よし…やりやがった!」
「これはさすがにコナミも苦しいか」
「だが次のターンコナミのscは4だ…。まずいかもしれない」
「俺のターン!…良し!」
コナミ sc3→4 アキ sc3→4
「残念だったなアキ!俺はスピード・ワールド2の効果を発動、俺はscを4つ取り除く!」
「…!この効果は…!」
「俺の手札のspの数×800のダメージをアキに与える!俺の手札には…2枚!よって1600のダメージを与える!」
コナミのDホイールからアキに向かって衝撃波が放たれる。
「アキ…!」
「…それを」
「…?」
「それを待っていたわ!トラップ発動、リフレクト・ネイチャー!このターン相手が発動したライフポイントにダメージを与える効果はあなたのライフにダメージを与える効果へと変わる!」
「…!」
「おお!バーン効果の対策カードを伏せていたか!やるではないか!」
「やったぜアキ!」
「これで1600のダメージはあなたに跳ね返る!」
アキの場に現れた反射板が衝撃波をそのままコナミへと返した。
「やった…。コナミに勝った!」
だが衝撃波がコナミに当たる寸前、1体のモンスターがその衝撃波に立ち向かった。
「まだだ!手札からハネワタの効果を発動!このカードを手札から捨てることでこのターン俺が受ける効果ダメージを0にする!」
「な…!?」
羽が生えた毛むくじゃらのモンスターがその衝撃波を受け止めると墓地へと消えていく。
「十六夜の反撃を防いだか…。コナミもなかなかやるな」
「助かったぜハネワタ…!だけどまだピンチだ…」
「あ…scは0、これならspは使えない。なら使える手札は2枚!しかも1つは最上級モンスター、それでどう向かってくるの?」
「いや…まだ行けるぜ!俺はspーオーバー・ブーストを発動!」
「scが0なのにspを!?」
「このカードはscに関係なく発動できる数少ないsp!その効果で俺はscを4つ置く。ただしエンドフェイズにscは1になる!」
コナミ sc0→4
先ほど大幅に減速したコナミのDホイールがアキのDホイールに追いついてくる。
「さらに俺も使わせてもらうぜ、spーエンジェル・バトン!カードを2枚ドローし…1枚を墓地へ!カード・ブロッカーを召喚だ!こいつは召喚したとき守備表示になる!カードを1枚伏せてターンエンド!」
小さな騎士が盾を構えてコナミを守るように立ちふさがる。
カード・ブロッカー 守備力400
(あのモンスター…そして今エンジェル・バトンで墓地に送ったカード。あれは…)
コナミ LP1300
フィールド 『カード・ブロッカー』(守備表示)
セット1
手札1
sc4→1
「私のターン!」
コナミ sc1→2 アキ sc4→5
「このスタンバイフェイズにシンクロ・バックの効果でブラック・ローズ・ドラゴンが特殊召喚される!」
天に空いた穴から薔薇のドラゴンが帰還する。
ブラック・ローズ・ドラゴン 攻撃力2400
「くっ…戻ってきたか」
「私が引いたカードは…sp!私はスピード・ワールド2の効果でscを4つ取り除き、あなたに800のダメージ!」
アキ sc5→1
今度はアキのDホイールから衝撃波が放たれる。
「うおっ…!」
コナミ LP1300→500
「さらに私はギガプラントを再度召喚!」
「フィールドにいるモンスターを召喚し直しただと!?」
「ギガプラントはデュアルモンスター…2度目の召喚により真価を発揮する!ギガプラントの効果を発動!手札か墓地から植物族か昆虫族モンスターを特殊召喚する!」
「手札はsp…ってことは墓地からか!」
「私はイービル・ソーンを攻撃表示で特殊召喚!」
2本のツタがギガプラントの近くに生えてくる。
イービル・ソーン 攻撃力100
「このまま攻撃してくるか…!」
「ふふ…甘いわ。私はブラック・ローズ・ドラゴンのもう1つの効果を発動!墓地の植物族モンスター、イービル・ソーンを除外することであなたのフィールドの守備モンスターを攻撃表示にして攻撃力を0にする!ローズ・リストリクション!」
「何だと!?」
ブラック・ローズ・ドラゴンから出てきたツルがカード・ブロッカーを絡め取り、盾を構えられない状態にする。
カード・ブロッカー 攻撃力0
「あなたの狙いは分かっているわ。カード・ブロッカーを墓地のシールド・ウォリアーで守ってこのターンを防ごうとしているのでしょう?でもその作戦は通じないわ!」
「う…!」
「さあ…これで最後よ!ブラック・ローズ・ドラゴンで攻撃!ブラック・ローズ・フレア!」
薔薇のドラゴンの口から無防備な騎士にむかって赤色の光線が放たれた。
「くっ…カード・ブロッカーの効果発動!攻撃対象になった時デッキの上から3枚のカードを墓地へ送り守備力を1500アップする!」
「でもそれは無意味よ!」
カード・ブロッカーの盾が巨大化する。しかし今の彼はそれを構えることができないためそれで身を守ることは叶わなかった。そのまま無防備な戦士にブラック・ローズ・ドラゴンの光線が直撃した。
「これで…」
「悪いな。まだ終わらせねえ!トラップ発動、ガード・ブロック!戦闘ダメージを0にし、カードを1枚ドローする!」
「まだ倒れないというの…!?」
コナミはカード・ブロッカーが破壊された衝撃を、Dホイールを横の壁を利用してジャンプさせることでかわした。
「だけどこれであなたの場は空いた!ギガプラントでダイレクトアタック!」
ギガプラントがその巨大な体を揺らし、地響きを発生させた。
「勝負だアキ!墓地のクリアクリボーの効果発動!相手からダイレクトアタックされた時、墓地のこいつを除外することでカードを1枚ドローする!そしてそのカードがモンスターカードなら特殊召喚し、そいつとバトルさせる!」
地響きに割って入り、毛むくじゃらのモンスターが出てきた。
「そんなカードをいつの間に…!あっ…カード・ブロッカーの効果で落としていたというの!?」
「その通り!行くぜアキ。…ドロー!…引いたのはモンスターカード、ブローバック・ドラゴンだ!こいつを特殊召喚!」
クリアクリボーの効果で何ともメカメカしいモンスターが空から降ってくる。そしてそのモンスターに地響きが衝突した。
ブローバック・ドラゴン 守備力1200
「モンスターを引いた…!だけどギガプラントで倒せる!」
「いいや、倒させない!墓地のシールド・ウォリアーを除外して戦闘での破壊を免れる!」
「うっ…」
地響きが衝突するもロボットが破壊されることはなかった。
「これを防ぐなんて…私はイービル・ソーンをリリース!あなたに300のダメージを与えてターンエンド!」
「ぐっ…!もう1回それを食らえば終わりか…」
コナミ LP500→200
アキ LP1600
フィールド 『ブラック・ローズ・ドラゴン』(攻撃表示) 『ギガプラント』(攻撃表示)
セット0
手札1
sc1
「俺のターン!」
コナミ sc2→3 アキ sc1→2
「ギガプラントを対象にブローバック・ドラゴンの効果発動!3つのコイントスのうち2回以上のコイントスが表ならそいつを破壊する!これは1ターンに1度出来るぜ!」
「ここでギャンブルを…!」
フィールドに3つのコインが出てきてそれぞれの結果が出る。
「表、裏、表…成功だ!」
ブローバック・ドラゴンの口から出てきた銃口から放たれた銃弾がギガプラントを貫いた。
「このまま守備だとブラック・ローズ・ドラゴンの効果を食らっちまう…ブローバック・ドラゴンを攻撃表示に!カードを1枚伏せてターンエンド!」
ブローバック・ドラゴン 攻撃力2300
コナミ LP200
フィールド 『ブローバック・ドラゴン』(攻撃表示)
セット1
手札2
「このターンで仕留めないと…私のターン!」
コナミ sc3→4 アキ sc2→3
「十六夜のscは3…まだ効果ダメージを与える効果を使うことはできないか」
「だが逆に言えばコナミは次のターンまでに決めないといけない」
「フィールドにはブラック・ローズ・ドラゴンがいる…このまま押し切れるだろ!」
「私はローズ・バードを召喚する!」
葉っぱをまとった翼を持つモンスターがブラック・ローズ・ドラゴンの隣に降りてきた。
ローズ・バード 攻撃力1800
「…!」
「バトル!ブラック・ローズ・ドラゴンでブローバック・ドラゴンに攻撃!ブラック・ローズ・フレア!」
ブラック・ローズ・ドラゴンから赤い光線がブローバック・ドラゴンに降り注がれた。
「くっ…!」
コナミ LP200→100
「通った…!さらにローズ・バードで…!」
「そうは行くか!トラップ発動、時の機械ータイム・マシーン!バトルで破壊されたモンスターを同じ表示形式でフィールドに戻す!」
タイム・マシーンの扉が開くとそこからブローバック・ドラゴンか無傷の状態で出てきた。
ブローバック・ドラゴン 攻撃力2300
「仕留められなかった…!私はこれでターンエンド!」
アキ LP1600
フィールド 『ブラック・ローズ・ドラゴン』(攻撃表示) 『ローズ・バード』(攻撃表示)
セット0
手札1
「このターンで勝負だ!俺のターン、ドロー!…!」
コナミ sc4→5 アキ sc3→4
「ブローバック・ドラゴンの効果発動!対象はブラック・ローズ・ドラゴン!」
3枚のコインがフィールドを舞う。
「結果は…表、裏、裏!外れた!」
ブローバック・ドラゴンの銃口からブラック・ローズ・ドラゴンに向かって放たれるもそれは不発弾。薔薇のドラゴンを撃ち抜くことはなかった。
「これでブラック・ローズ・ドラゴンを破壊することは…」
「…アキ。機皇帝の話は聞いてるか?」
「え?ええ…ゴーストの使ったシンクロキラーね。それがどうかした?」
「俺はその対策を考えてた…。対策になるかは分からんがこれが今の俺に出せる1つの答えだ!俺は手札からspースピード・フュージョンを発動!俺のscが4以上の時、俺は手札・フィールドのモンスターで融合召喚ができる!」
「融合召喚!?」
(融合召喚…。あの謎のDホイーラーに教えられたアクセルシンクロとは違うコナミの機皇帝への答えか…!)
「俺はフィールドのブローバック・ドラゴンと手札のリボルバー・ドラゴンで融合!不発の銃を持つものよ、暴発の銃持つものと交わりて新たな存在へと生まれ変われ!融合召喚!あらゆるものを撃ちぬけ、ガトリング・ドラゴン!」
車輪に乗った機械龍がフィールドに舞い降りた。背中にはいくつもの銃を背負っている。
ガトリング・ドラゴン 攻撃力2600
「おお…!初めてやってみたけどこれが融合召喚か…!」
コナミは初の融合召喚に打ち震えていた。
「攻撃力2600…!だけど私のモンスターが破壊されても次のターンにスピード・ワールド2の効果を使えば…!」
「ガトリング・ドラゴンの効果発動!俺は3つのコイントスをする!そして表だった数と同じ数、フィールドのモンスターを破壊する!」
「…!このコイントスが勝負…!」
フィールドに
「表、裏、そして…表!よって俺はブラック・ローズ・ドラゴンとローズ・バードを破壊!ガトリング・ショット!」
「そんな…!」
ガトリング・ドラゴンから3つの銃撃が放たれる。そのうち1つは不発弾。残りの2発がアキのモンスターを貫く。
「バトルだ!ガトリング・ドラゴンでアキにダイレクトアタック!貫け、ガトリング・キャノン!」
幾千もある銃がアキのDホイールに向けて放たれる。中には不発弾もあったがそれを気にさせない数の銃撃がアキを襲った。
「きゃああ!」
アキ LP1600→0
勝負は決し、2人のDホイールはストップする。
「ふう…負けちゃったわね」
「でもいいデュエルだったぜ。また機会があったらやろう。試験頑張れよ!」
「ええ、楽しかった。またあなたとも風を感じたいわ」
ライディングデュエルで通じ合った2人は握手をした。そんな彼らを迎えに行く遊星達…その後ろに1つの影があった。
「まだ彼女が未熟なライディングデュエルとはいえシグナーへの勝利。やはり彼のことはもう少し注視すべき…」
彼女はデュエルを見届けるとどこかへ去って行ってしまった。
ちなみにアキは枚数も厳守してアニメで使用したカードの中からOCG化されたカードのみでデッキを組もうとすると40枚に届かないんですよね。漫画のカードも同じ条件で入れて合わせて44枚だったかな?ヒロインの使用カードも出来たら多めにOCG化して欲しいですね〜。