遊戯王5D'sタッグフォース 満足の意志を継ぐ者   作:ゾネサー

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新しい章に入ってTF要素も段々増えていきます。お楽しみに。


第2章 WRGPに向けた戦い
もっと言葉のキャッチボールをしろよ


遊星達がシグナーとダークシグナーの戦いに終止符を打ちサテライトに平和がもたらされた。コナミによって気絶させられたディヴァインはセキュリティによって収容所送りとなりアキの身に危険が及ぶことはないだろう。そんな戦いから半年後、コナミは何をしていたかというと…。

 

「おーいガキども集まれー!海野財閥からのカードの寄付だぞー!いらないなら俺がもらうぞー!」

 

「…庶民にはあげませんわよ?」

 

マーサやクロウが面倒を見ていた子供達を集め、カードをあげていた。ダークシグナーとの戦いが終わるや否や海野財閥によるサテライトへの援助が始まり、今では貧困によって苦しむ人はほとんどいない。遊星がゴドウィンと取り付けていた約束によってシティとサテライトをつなぐダイダロスブリッジが完成したのも大きい。

 

「サテライトも平和になったなー。ありがとな幸子」

 

「礼はいらないですわ。それよりあの時急にいなくなってから何の連絡もしなかったことを謝って欲しいですわね」

 

「いや…あはは」

 

精霊世界に飛ばされ、帰ってきてからは鬼柳の元へ向かうので精一杯で幸子に何も言っていなかったことを根に持たれていた。

 

「はあ…まああの時は色々大変だったみたいですからいいですわ」

 

そんな話をしているとカードを配り終わった。子供達は自分の手に入れたカードを見せ合い無邪気にはしゃいでいる。

 

「そういえば彼らは今はシティに住んでいるらしいですわね」

 

「ああ…遊星達か。マーサの知り合いのゾラっていうおばさんに家を貸してもらったらしい。確かなんか大会に出るみたいだぞ」

 

「大会…ということは十中八九WRGP(ダブリュー・アール・ジー・ピー)でしょうね」

 

「どんな大会なんだ?」

 

「知りませんの?世界レベルのデュエリストを集めて行われるチーム形式のライディングデュエルの大会ですわ。この一大イベントに私の財閥もかんでいますのよ」

 

「ああ…お前の財閥ってDホイールを作ってるんだっけ?」

 

「そうですわ。ボルガー&カンパニー社には及びませんが次点でうちの財閥が優秀ですの。このイベントに乗らない手はありませんわ」

 

カードを配るのが終わったため1度海野財閥がサテライトでの活動の拠点として建設した施設に戻ろうと2人ともDホイールに乗りこむ。

 

「また来てねー!」

 

「コナミー!今度俺ともデュエルしろよなー!」

 

「コナミ兄ちゃん、クロウ兄ちゃんにはリリは大丈夫だって伝えといて欲しいですの」

 

「おう!」

 

子供達の声を後ろに2人はDホイールを走らせる。

 

「それにしても幸子がDホイールに乗れるなんてな」

 

「お父様にDホイール製造会社の娘がDホイールに乗れないのは恥ずかしいからという理由でやらされたのですが…、まあ結果としてやっておいて良かったですわね」

 

「そっか」

 

「それに今からDホイールに乗ろうとすると大会の影響で資格を取ろうとする人が多いせいで色々と試験が大変らしいですわ」

 

「へー。…俺資格持ってないけど?」

 

「大丈夫ですわ。どちらかというと大会の影響でDホイールの事故が起きやすくならないように抑止するシステムらしいですから」

 

「良かった…」

 

そんな話をしていると目的地に着いた。幸子はDホイールを降り、コナミに話しかける。

 

「とりあえずサテライトへの援助活動は一段落つきましたわ。WRGPの参加はマーカーがついていてもサテライト出身の者でも参加できるようですし世間的にも格差は薄くなるでしょう」

 

「そうか…。やっとこんな時が来たんだな」

 

コナミはサテライトの様子をサテライトを制覇したチームの一員として様々なものを見てきた。暗く誰も希望を持たないサテライトの姿を。だが、そんな時代は終わった。サテライトの者でも自由にやりたいことができる世の中になったのだ。鬼柳にそのことを伝えたい。だが他のダークシグナー達は復活を果たしたらしいが、彼は行方が不明なためそれは叶わない。

 

「庶民はこれからどうしますの?」

 

「俺もシティに行ってくるぜ、遊星達にも久しぶりに会いたいしな。暇だったらWRGPにも参加するかもな?」

 

「そうですか。まあWRGPは最低3人のメンバーは必要ですから庶民に集められるかどうか」

 

「3人かあ…まあ気長に探すとするさ。幸子はどうするんだ?」

 

「当然サテライトでの活動の細かい手続きを終えたらシティに戻りますわ。今度はWRGP関連の仕事がありますので」

 

「ええ!大変だな!お前学校とか行ってないのか?」

 

「デュエルアカデミアに通っていますわよ?仕事があるので特別に試験だけ受けて単位を貰っていますの」

 

「授業を受けなくて試験わかんのか?」

 

「わたくしを誰だと思っていますの?」

 

「…はいはい」

 

ドヤ顔で胸を張る幸子にまたかといった表情で適当に返事をするコナミ。半年間似たようなやり取りを何度もやっているので慣れてきている。

 

「ムキー!なんですのその態度は!」

 

「じゃあなー!またいつかな!」

 

「ちょ…!待ちなさい庶民!」

 

面倒なことになる前にさっさとその場を離れるコナミ。慣れたサテライトの地を走りダイダロスブリッジを通ってシティへと向かう。…そんな時だった。

 

「オイ」

 

「ん?」

 

「オレトデュエルシロ」

 

「な!?」

 

並走してきた奇妙なDホイーラーがデュエルを仕掛けてくる。これだけならサテライトではチンピラが良くやってくるが驚いたことに強制的にコナミのDホイールもデュエルモードになっていた。

 

「強制的にスピード・ワールド2が展開された…!強制的にデュエルさせると言えばセキュリティだがこいつはどう見たって違う!なんだお前は!」

 

「デュエルシロ」

 

「話が通じねえ…!ならやるしかねえか!行くぜ!」

 

Dホイールのデュエルディスクを展開しライディングデュエルの体勢に入った。突然デュエルを申し込んできたDホイーラーの目的も分からずそのままデュエルを始める。

 

「 「 デュエル! 」 」

 

 


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