遊戯王5D'sタッグフォース 満足の意志を継ぐ者 作:ゾネサー
チームサティスファクションはリーダーの鬼柳が立ち上げたチームで遊星、クロウ、ジャック、コナミをメンバーに加えサテライトの統一を目的として作られた。
彼らはサテライトの統一という目的を果たすためにとても充実した日々を送っていたが最後のエリアを統一したことでその目的を果たしてしまい、その後は鬼柳の命令で残党狩りという名目でデュエルディスクを付けている者を無闇に襲うようになった。だが、ただデュエルで楽しんでいる人を襲うことばかりでジャックとクロウはそのことに耐えかねてチームを抜けてしまう。
遊星とコナミはそれでも鬼柳を見捨てることが出来なかった。だがセキュリティがデュエルギャングの逮捕のためにDホイールを開発したことがきっかけとなり鬼柳がチームサティスファクションの最後の敵をセキュリティだと認定し、鬼柳は遊星とコナミにセキュリティを潰すことがチームサティスファクションのラストデュエルだと訴えかけた。
遊星とコナミはあまりに強大なセキュリティに突っ込もうとしている鬼柳を諦めさせるために1人ならそんな無謀なことはしないだろうと判断してチームを抜けた。
だが…鬼柳は弾けた。
鬼柳は1人でセキュリティ本部を襲い、そのことが理由となりセキュリティに追われる身になってしまった。そのことを知った遊星達は鬼柳の元に集まる。鬼柳は一緒に戦ってくれるとぬか喜びするも彼らはセキュリティと戦う気はなく、それでも鬼柳は仲間だからセキュリティから逃がしたいと伝えた。
セキュリティによって立てこもっていた廃ビルから追い出され鬼柳は1人のセキュリティに追い詰められてしまう。鬼柳はとっさにDホイールに飛びかかりそのDホイールを暴走させ、クラッシュさせた。そのDホイールに乗っていたセキュリティは重傷を負っていたがセキュリティを潰すことに捉われた鬼柳はさらに追撃を与えようとする。
しかし、駆けつけた遊星とコナミに間一髪止められた。
その後駆けつけたジャックとクロウと共に一時的に身を隠す彼らだったが見つかるのは時間の問題だった。そこで遊星は鬼柳を3人に任せ、ある選択をした。
遊星はあえて自らセキュリティの前に出て自分がサティスファクションのリーダーと告げ、本部を襲ったのは自分で他の4人は関係ないと言い鬼柳の代わりに捕まろうとする。
…が、既に鬼柳達が隠れていた場所は見つかり鬼柳も逮捕されてしまっていた。己の無力さを嘆く遊星にセキュリティの警官の1人がセキュリティを襲った彼の罪は重く2度と会えないであろうことを告げるとセキュリティに刃向かった報いだと言わんばかりに肩を叩いた。
不幸にもその会話は聞こえずセキュリティの警官に遊星が肩を叩かれた所を目撃した鬼柳は遊星が自分をセキュリティに売ったと誤解し、遊星に憎しみの感情を向けたまま逮捕されてしまう。
そして鬼柳は死ぬ直前、ダークシグナーへと誘う冥界の王に2つの願いを言ってダークシグナーへと転生した。この経緯を経て彼は遊星とコナミと戦おうとしている、誤解が生んだ悲しみのラストデュエルを。
「スピード・ワールドセット!あの第一コーナーを取ったやつが先行だ!さあ…デュエルだぁ!」
ライディングデュエルの専用フィールド魔法スピード・ワールドがセットされ、同時に先行を取ろうと3人がそれぞれ走り出す。1番に抜けていたのは遊星だったが鬼柳がDホイールごと体当たりを仕掛け、遊星は炎の壁にぶつかってしまう。
「うっ…!?」
「遊星!?」
なんとかクラッシュを免れるも大幅に減速してしまう遊星、だが鬼柳も遊星への恨みからか拘りすぎてコナミに抜かされてしまった。
「…いくぜ鬼柳!俺のターン、ドロー!俺はモンスターをセットしてカードを2枚伏せる。これでターンエンドだ!」
コナミ&遊星 LP4000
フィールド 裏側守備表示1
セット2
手札3(コナミ) 手札5(遊星)
「守備固めかぁ?そんなんじゃ俺を倒せないぜコナミ!俺のターン、さあ来いインフェルニティ・デーモン!」
スタンバイフェイズにお互いscが1つ乗ったのを横目に鬼柳は2本のヤギのようなツノが生えた悪魔を呼び出す。
インフェルニティ・デーモン 攻撃力1800
「さあ…楽しませてくれよ?バトルだぁ!インフェルニティ・デーモンでセットモンスターに攻撃、ヘル・プレッシャー!」
デーモンが手をかざすと空に巨大な魔法陣が描かれ、そこから炎に覆われた手がコナミのセットモンスターに目掛けて出てきた。
「くっ…俺が伏せていたのはUFOタートルだ!」
UFOタートル 守備力1200
円盤を背負った亀が巨大な手で押しつぶされてしまった。
「ひゃははは!こんなもんかぁ?」
「まだだ!UFOタートルが戦闘で破壊されたことでデッキから攻撃力1500以下の炎属性モンスターを1体攻撃表示で特殊召喚出来る!俺が呼ぶのはこいつだ、人造木人
円盤が単体で手をすり抜けてコナミのフィールドを浮かび、そこから出た光がコナミの場を照らしたかと思うとそこには2本のタイヤに支えられた大型の木人が佇んでいた。
人造木人18 攻撃力500
「ちっ…モンスターを残しやがったか。まあいいカードを2枚伏せてターンエンドだ!さあ、お前のターンだぜ遊星!」
鬼柳 LP4000
フィールド 『インフェルニティ・デーモン』(攻撃表示)
セット2
手札3
sc1
「鬼柳…俺は絶対にお前を救ってみせる。俺のターン!俺はチューナーモンスター、ニトロ・シンクロンを召喚する!」
赤色の缶に手足が生え、頭部にメーターが付いたロボットが現れる。
ニトロ・シンクロン 攻撃力300
「へっ…早速シンクロかぁ?」
「俺はレベル5の人造木人18にレベル2のニトロ・シンクロンをチューニング!集いし思いがここに新たな力となる。光差す道となれ!シンクロ召喚!燃え上がれ、ニトロ・ウォリアー!」
ニトロ・シンクロンのメーターが右に振り切れ人造木人18を光で包み込むと巨大なタンクが尻尾についた緑色の戦士が参上する。
ニトロ・ウォリアー 攻撃力2800
「ニトロ・シンクロンがニトロと名のつくシンクロモンスターのシンクロ素材になったことでカードを1枚ドローする!」
「いきなり攻撃力2800とは飛ばすじゃねぇか遊星よぉ!」
「バトルだ!ニトロ・ウォリアーでインフェルニティ・デーモンに攻撃、ダイナマイト・ナックル!」
タンクの燃料を使って後ろに蒸気を噴射して高速で近づくと右ストレートがデーモンの左頬に炸裂した。
鬼柳 LP4000→3000 sc2→1
「くっ…」
「俺はこれでターンを終了する!」
「とりあえずこれで鬼柳の場のモンスターは消えた…。地縛神もダークシンクロもそうは出来ねえ!」
コナミ&遊星 LP4000
フィールド 『ニトロ・ウォリアー』(攻撃表示)
セット2
手札3(コナミ) 手札6(遊星)
sc2
「今度はこっちからいくぜぇ?俺のターン!俺はトラップカード、極限への衝動を発動する!このカードの効果で俺は手札を2枚墓地に送ることでフィールドに2体のソウルトークンを呼び出す!」
鬼柳が捨てたカードの魂だけが鬼柳のフィールドに浮かぶ.,
ソウルトークン 守備力0
「一気に2体のモンスターが…地縛神か!?」
「そいつはあとのお楽しみだ。俺は2体のモンスターをリリースし
鬼柳が召喚した幻影から最後の手札に手が伸びてきてモンスターをフィールドに引きずり出した。
「さあショータイムだ!DTはシンクロ素材にする時レベルをマイナスとして扱う!俺はレベル2のインフェルニティ・ドワーフにレベル−10のナイトメア・ハンドをダークチューニング!漆黒の帳下りし時、冥府の瞳は開かれる。舞い降りろ闇よ!ダークシンクロ!いでよ、ワンハンドレッド・アイ・ドラゴン!」
ドワーフがナイトメア・ハンドの闇に無理やり包み込まれ同調すると体のあらゆる場所に目が生えたドラゴンが現れた。
ワンハンドレッド・アイ・ドラゴン 攻撃力3000
「レベルマイナスのシンクロモンスター…!?」
「さあ楽しもうじゃねぇか!ワンハンドレッド・アイ・ドラゴンは墓地の闇属性モンスターの効果をコピーして発動出来る!俺は極限への衝動のコストで墓地に送ったインフェルニティ・ネクロマンサーの効果をコピーする!こいつは俺の
「手札0の時に効果を発動出来るモンスター…!?このために鬼柳は手札を0に!」
鬼柳のフィールドに空いた穴からデーモンが這い上がってくる。
インフェルニティ・デーモン 攻撃力1800
「さらに手札が0の時にデーモンが特殊召喚に成功したことでデッキからインフェルニティカードを加えることができる!俺は今加えたカードを伏せて…バトルだ!こいつで血の海渡ってもらおうかぁ…ワンハンドレッド・アイ・ドラゴンでニトロ・ウォリアーに攻撃、インフィニティ・サイト・ストリーム!」
口から闇に染まったエネルギー弾を放ち、ニトロウォリアーを消し去った。
コナミ&遊星 LP4000→3800
「くっ…」
「まだまだ!俺が受けた苦しみはこんなもんじゃねえ!インフェルニティ・デーモンで遊星にダイレクトアタック、ヘル・プレッシャー!」
魔法陣から出てきた手が遊星を押しつぶそうとする。
「そうはいかねえ!永続トラップ発動、蘇りし魂!こいつの効果で墓地の通常モンスター、人造木人18を守備表示で特殊召喚する!」
遊星への攻撃に割って入るように木人の魂が蘇り盾となる。
人造木人18 守備力2500
大きな体で遊星を守る木人にかなわないと判断したのかデーモンが呼び出した手は魔法陣へと戻っていった。
「ち…デーモンの攻撃は中止だ!これでターンエンド!」
鬼柳 LP3000
フィールド 『ワンハンドレッド・アイ・ドラゴン』(攻撃表示) 『インフェルニティ・デーモン』(攻撃表示)
セット2
手札0
sc2
「あのシンクロモンスターを何とかしねぇと…俺のターン!よし、チューナーモンスタージェネクス・コントローラーを召喚だ!」
頭の左右にアンテナをつけたロボットがフィールドに現れた。
「俺はレベル5の人造木人18にレベル3のジェネクス・コントローラーをチューニング!炎のエレメントを司る者よ、燃え上がる心を制御し討ち倒れし同胞の意思を継げ!シンクロ召喚!燃え盛れ、サーマル・ジェネクス!」
ジェネクス・コントローラーがアンテナから電波を飛ばし木人の姿を溶鉱炉へと変えさせ、中枢コアへと装填された。
サーマル・ジェネクス 攻撃力2400
「攻撃力2400…狙いはデーモンか!だがなワンハンドレッド・アイ・ドラゴンがいる限りデーモンは何度でも蘇ってお前らを狙うぜ?」
「なら…まずはそいつを倒すまでだ!サーマル・ジェネクスは墓地の炎属性モンスターの数×200攻撃力をアップする。俺たちの墓地にはUFOタートル、人造木人18、ニトロ・シンクロン、ニトロ・ウォリアーの4体!」
墓地のモンスターの魂が溶鉱炉の中へと入っていき炎を拡大させると蒸気があふれんばかりに出るほど活発となった。
サーマル・ジェネクス 攻撃力2400→3200
「ワンハンドレッド・アイ・ドラゴンの攻撃力を超えてきやがったか…」
「鬼柳!俺たち4人はこのサーマル・ジェネクスを囲む4体のようにお前を慕っていた。俺たちは仲間じゃねえか!なんで俺たちが戦わなきゃなんねえんだ!」
「コナミ…!」
「そう…俺も仲間だと思っていた。だけどあの時の遊星の裏切りで全てが崩れたんだよ、その4体のモンスターが1体でも欠けていればこいつを倒せねえようになぁ!」
「そんなことはねぇ!遊星はお前を裏切っていないしお前もまだ俺たちの仲間だ!バトル…サーマル・ジェネクスでワンハンドレッド・アイ・ドラゴンに攻撃!」
溶鉱炉から得たエネルギーを使い、高熱の水蒸気を分散させドラゴンのドラゴンの全ての目をめがけて放った。
「へっ…あの時チームサティスファクションは崩壊した。もう元には戻せねぇんだよ。トラップ発動、インフェルニティ・ブレイク!俺の手札が0枚の時墓地のインフェルニティカード…ドワーフを除外することでお前の場のカードを1枚破壊する。俺が破壊するのはサーマル・ジェネクスだ!消えな!」
鬼柳が発動したトラップから発生した衝撃波がサーマル・ジェネクスを襲う。放った水蒸気はかき消され、溶鉱炉も壊れてしまった。
「鬼柳…俺があの時した選択でお前を追い込んでしまったのはすまないと思っている。だが俺にとってお前は仲間なんだ!」
「そうだ…今からだって遅くはねぇ!トラップ発動、リボーンパズル!こいつは俺のモンスター1体のみが効果で破壊された場合そのモンスターをもう1度呼び戻すことができる!」
時間が遡ったかのように溶鉱炉の壊れたピースが戻っていき、元の状態へと復元された。
サーマル・ジェネクス 攻撃力3200
「なに…?」
「この1撃で目を覚まさせてやる…。サーマル・ジェネクス、もう1度攻撃だ!」
再び水蒸気を分散させ、ワンハンドレッド・アイ・ドラゴンの目を覆う。1つも見える目がなくなってしまったドラゴンは崩れ落ちてしまった。
鬼柳 LP3000→2800
「さらにサーマル・ジェネクスの効果で墓地のジェネクスモンスターの数×200のダメージを受けてもらうぜ!墓地にいるのはジェネクス・コントローラー1体!」
鬼柳 LP2800→2600
「くっ…今のは効いたぜ。だが俺の手札が0枚の時にモンスターが戦闘で破壊されたことで墓地のインフェルニティ・リベンジャーを特殊召喚できる!」
2丁の銃を手に持った人相の悪いモンスターが墓地から這い出てくる。
インフェルニティ・リベンジャー 守備力0
「俺は何としても遊星に復讐する…俺が受けた痛みをお前にも受けさせる。邪魔をするならコナミにも受けてもらうぜ、こいつの力をな!ワンハンドレッド・アイ・ドラゴンが破壊されたことで俺はデッキから好きなカードを1枚加えることができる…俺が加えるのはこいつだ」
ワンハンドレッド・アイ・ドラゴンの残滓が鬼柳のデッキから1枚のカードを取り出す。それを受け取った鬼柳は2人に見えるようにそのカードを手に持った。
「地縛神か…!」
「くっ…地縛神。俺は…」
地縛神が見えると途端に遊星の体が震えた。呼吸は荒く、Dホイールを握っている手も汗で濡れている。
「遊星、この前のデュエルでお前はこのカードに恐怖を抱いたはずだ。その恐怖を今回はたっぷり味わせてやるよ」
「遊星…。俺はカードを2枚伏せてターンエンドだ!」
コナミ&遊星 LP3800
フィールド『サーマル・ジェネクス』(攻撃表示)
セット2 『蘇りし魂』(使用済み)
手札2(コナミ) 手札6(遊星)
sc4
「俺のターン、ドロー!なあセキュリティに捕まったやつがどんな目にあうかお前らは知ってるか?俺はセキュリティに捕まった後、数え切れないほど看守から暴力を受けた」
「鬼柳…」
「俺たちは何回も面会にいったがお前に会うことは出来なかった…。そんな目にあっていたのか」
「だがそんなのはいくらでも耐えられた。だがやつらはなあ…俺の命より大事なデッキを奪ったんだ!あの屈辱…今でも忘れねぇ。お前たちにもその恐怖を味わせてやるよ…地縛神の力でな!2体のインフェル二ティと人々の魂を生贄に…降臨せよ!地縛神
2体のモンスターとサテライトの人間の魂を吸いとって巨大な闇に覆われたモンスターが降臨する。その体には鬼柳の痣と同じ模様が刻まれていた。
地縛神 CocapacApu 攻撃力3000
「これが鬼柳の地縛神…」
「地縛神から感じる恐怖、これがお前の感じてきた恐怖なのか…」
「さらに俺は手札からサーマル・ジェネクスを対象に
「なんだと!?」
鬼柳が発動したカードから出てきた薬草はサーマル・ジェネクスのエネルギーを吸い取り、そのエネルギーで鬼柳のライフを癒す。
サーマル・ジェネクス 攻撃力3200→1600
鬼柳 LP2600→4200
「さあバトルだ!我が神コカパクアプよ、サーマル・ジェネクスをぶっ倒しやがれ!」
コカパクアプが地面に衝撃を加えるとそこからサーマル・ジェネクスに向かって地割れが発生し、やがてサーマル・ジェネクスのいる地面に到達してしまう。
「くっ…俺は永続トラップ、バックファイアを発動する!俺たちの炎属性モンスターがやられる度に相手に500のダメージを与える!」
「それがどうした!」
サーマル・ジェネクスは地面から発生した衝撃波でレーンの外へと放り出させ、炎の壁にぶつかってしまう。
コナミ&遊星 LP3800→2400 sc6→5
鬼柳 LP4200→3700
「まだ終わりじゃねえ!コカパクアプが相手モンスターを戦闘で破壊した時、そいつの攻撃力分のダメージを与える!くらいなコナミ!」
「コナミ!」
壁に跳ね返って来たサーマル・ジェネクスがコナミのDホイールめがけて落ちてくる。これを受ければクラッシュは免れない、そんな時コナミの前に無数の小さなモンスターが現れサーマル・ジェネクスを一時的に支えた。
「なにが起こってやがる…!」
「俺は地縛神の効果に対して手札のクリアクリボーの効果を発動していたのさ!こいつは手札から捨てることで効果ダメージを与えるモンスター効果の発動を無効にできる!」
コナミはクリアクリボーがサーマル・ジェネクスを支えている間にDホイールを走らせ、くぐり抜けた。
「ち…だが地縛神はダイレクトアタックできる。次のターンで終わりだ!ターンエンド!」
鬼柳 LP3700
フィールド 『地縛神CocapacApu』(攻撃表示)
セット1
手札0
sc4
「鬼柳…これがお前の感じた恐怖だと言うのなら俺は逃げない!地縛神を倒すことでその恐怖を乗り越えてみせる!俺のターン!俺はspーエンジェル・バトンを発動する。俺のscが2個以上ある時カードを2枚ドローし、1枚を墓地へと送る」
遊星はデッキから新たに2枚のカードを引き、1枚のカードを墓地に送った。だがその手札では鬼柳に立ち向かうには力不足だった。
「くっ…」
「威勢のいいこと言って打つ手なしかあ?情けねえな遊星よぉ!」
「へっ…遊星。タッグデュエルで信頼できるのはデッキだけじゃないだろ?トラップ発動、シンクロ・スピリッツ!墓地のサーマル・ジェネクスを除外することでそのシンクロ素材にしたモンスターを呼び戻す!」
ロボットと木人が溶鉱炉から吹き出た蒸気によりフィールドへと押し戻される。
ジェネクス・コントローラー 攻撃力1400
人造木人18 守備力2500
「!…そうだったな。鬼柳、俺たちの絆で地縛神を乗り越えてお前を救い出してみせる!俺はレベル5の人造木人18にレベル3のジェネクス・コントローラーをチューニング!集いし願いが新たに輝く星となる。光さす道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ、スターダスト・ドラゴン!」
2体が同調して現れたのは白き翼を持つ星屑の龍。翼を広げて咆哮をあげる。
スターダスト・ドラゴン 攻撃力2500
「来たな、遊星のエースモンスター!だがそんなモンスター地縛神の敵じゃないぜ!」
「いや…忘れたとは言わせないぜ鬼柳!地縛神は攻撃の対象に出来ない。なら、今攻撃の対象になるのは鬼柳自身だ!」
白き龍が鬼柳を狙って攻撃の体勢に入る。だがその前に遊星は新たなモンスターを召喚した。
「俺はさらにゼロ・ガードナーを召喚する!」
ゼロの形をした磁石を運んでいるプロペラを身につけたロボットがスターダストの隣に降り立つ。
ゼロ・ガードナー 攻撃力0
「バトルだ!スターダストで鬼柳に攻撃!響け、シューティング・ソニック!」
スターダストは風を集めて音速波を鬼柳めがけて放った。
「甘いな遊星!永続トラップ発動、鎮守の煌画!」
「まずい!あれは攻撃の対象を地縛神に変更するカード!このままじゃスターダストが反撃をくらっちまう!」
音速波が導かれるように地縛神へと向かうも弾かれ、地縛神がスターダストを押しつぶそうとしてくる。
「そうはさせない!ゼロ・ガードナーをリリースし効果を発動する!このターン俺たちへの戦闘ダメージは0になりモンスターも戦闘で破壊されない!」
ゼロ・ガードナーは磁石を持って地縛神を誘導し、スターダストの身代わりとなった。
「ほう…かわしたか。だがいつまでもつかな?」
「俺は墓地のADチェンジャーを除外し効果を発動する!スターダストの表示形式を守備表示へと変更!さらにカードを2枚伏せてターンエンド!」
(俺が伏せたカードの内1枚はくず鉄のかかし…攻撃を止めることができるが地縛神は俺たちの魔法や罠カードの効果を受けない…)
コナミ&遊星 LP2400
フィールド 『スターダスト・ドラゴン』(守備表示)
セット2『バックファイア』 『蘇りし魂』(使用済み)
手札1(コナミ) 手札4(遊星)
sc5
「さあてと…俺のターン、ドロー!さて…遊星とスターダストどっちを狙うとしようか。…スターダストを守る策を用意していたら地縛神の効果ダメージもねえ、なら選択は1つ…行くぜ遊星!この俺がいる受けた苦しみをお前にも味わせてやるよ!」
遊星は手札にある1枚のモンスター牙城のガーディアンを見つめる。このカードを手札から墓地に送ることでスターダストの守備力を1500あげ、地縛神からスターダストを守る算段だったがそれを見抜かれてしまった。
「バトル!コカパクアプよ、宿敵シグナーに裁きの鉄槌を振り下ろせ!」
コカパクアプが腕を振り上げ、遊星を狙ってその巨大な腕を振り下ろした。
「遊星!」
「そうはさせない!手札の速攻のかかしを墓地へ捨てることで俺への直接攻撃は無効になり、バトルフェイズを終了させる!」
かかしが加速して振り下ろさせる前に地縛神にぶつかり軌道を逸らさせる。
「そうだ…もっと足掻け!足掻けば足掻くほどお前はもっと地縛神の恐怖を味わう!ターンエンド!」
鬼柳 LP3700
フィールド 『地縛神CocapacApu』(攻撃表示)
セット0 『鎮守の煌画』
手札1
sc6
「俺のターン、ドロー!鬼柳を地縛神から解放するには…俺に出来るのはこれだ!カード・ブロッカーを召喚!こいつは召喚した時守備表示になる!」
剣や盾など一式の装備を身にまとった小さな剣士が盾を突き出しながら表れる。
カード・ブロッカー 守備力400
「そんなモンスターで何ができる!」
「スターダストを守れるのさ!こいつは俺たちのモンスターが攻撃の対象になった時こいつに攻撃対象を変更できる!俺はこれでターンエンド!遊星、この勝負はあの時の勘違いが原因だ…ならケリをつけるには俺じゃダメだ」
「コナミ…分かった。必ず鬼柳を元に戻してみせる!」
コナミ&遊星 LP2400
フィールド 『スターダスト・ドラゴン』(守備表示) 『カード・ブロッカー』(守備表示)
セット2『バックファイア』 『蘇りし魂』(使用済み)
手札1(コナミ) 手札3(遊星)
sc7
「俺のターン!コナミ、モンスターを守ったって意味はねえのさ!忘れてねえよな地縛神はダイレクトアタックできる!やれコカパクアプ!」
今度はコカパクアプはコナミに近づき、その腕を振り上げて狙いを定める。だが度重なる地縛神の攻撃でレーンはボロボロになっており鬼柳が走っていた地面が脆くなっていたのか崩壊してしまう。
「な…!うわっ!?」
バランスを崩してクラッシュしそうになる鬼柳、とっさに2人は手を伸ばした。
「鬼柳…!俺に捕まれ!」
「大丈夫か鬼柳!」
「お前ら…!?」
バランスをギリギリ保ちながら2人を見て驚愕する鬼柳。だが崩壊した地面が邪魔をして2人はうまく近づくことはできない。
「鬼柳…俺はあの時自分が犠牲になることでお前を救うことができると思い上がっていた!だがそれは間違いだった!俺は今度こそお前を救ってみせる…絶対に!」
「遊星…!?お前は本当に俺を裏切ってないのか…?俺は…何を信じればいいんだ!」
「俺たちの絆を信じてくれ!ずっと俺たちは仲間だ、それだけはいつだって変わらねえ!墓地のクリアクリボーの効果を発動、相手が直接攻撃してきた時に墓地のこのカードを除外することでカードを1枚ドローする。そのカードがモンスターカードならそいつに攻撃を誘導できる!」
クリアクリボーがその身をマトリョーシカのように割り中から1枚のカードを取り出す。そのカードは…モンスターカードだった。
「よし…!俺はギガテック・ウルフを守備表示で特殊召喚!ギガテック・ウルフ、鬼柳とは反対側のレーンに走ってくれ!」
ギガテック・ウルフ 守備力1400
鉄屑で作られた狼は金属音を響かせながら鬼柳とは反対側のレーンへ移動する。さらにクリアクリボーが攻撃をギガテック・ウルフへと誘導させた。それによって鬼柳の付近に発生していた地崩れは収まり、クラッシュを免れた。
「コナミ…。くっ、コカパクアプは相手モンスターを戦闘で破壊した時その攻撃力分のダメージを与える!」
コナミはギガテック・ウルフが粉砕されて飛んできた鉄屑をその身に受けるもバックファイアによる爆発で直撃を免れた。
コナミ&遊星 LP2400→1200 sc8→7
鬼柳 LP3700→3200
「へっ…この程度!」
「遊星…コナミ。すまねえ!本当は分かっていたんだ…遊星が俺を裏切るようなやつじゃないってことは…。なのに俺は仲間を信じられなかった!ちくしょう…!」
「鬼柳、今からでも遅くはない!こんな戦いはやめてもう1度やり直そう!」
「こんな俺を許してくれるのか遊星…!?俺は…!このデュエルをサレンダー…うっ!?」
鬼柳がデッキの上に手を置こうとするが突然苦しみ出してしまう。
「どうした鬼柳!」
「…戦う意思がないのならば私が直接貴様らと戦ってくれる」
「…!誰だ!鬼柳に何をした!」
「我は冥界の王…シグナーと相反するダークシグナーを統括するものだ。先ほどぶりだな遊星」
「これは…ボマーが操られた時と同じ!冥界の王、鬼柳の体を解放しろ!」
「断る。この戦いはシグナーとダークシグナーの戦い、勝者が出るまで戦いは終わらぬ」
「くっ…誰かが鬼柳を操ってやがるのか。遊星、鬼柳を解放するにはあいつを倒すしかねえ!」
「やれるものならやってみるがいい。私はこれでターンエンドだ。次のターンの地縛神の攻撃を防ぐ手立てはあるまい、すぐに終わらせてくれる」
冥界の王 LP3200
フィールド 『地縛神CocapacApu』(攻撃表示)
セット0 『鎮守の煌画』
手札2
sc8
「鬼柳…俺はお前を救いたい!絶対に…!」
遊星の友を見捨てず救いたいという思いに共鳴して遊星にある変化が起こる。
「遊星の背中に…でっかい赤いアザが…!?」
シグナーの力が遊星に集結し遊星のデッキの1番上のカードが光り輝く。
「俺の…ターン!」
そのカードを引く遊星、彼の目には迷いや恐怖はなく友を救うという思いが映っていた。
「このカードは…。このカードで俺たちの絆を取り戻す!永続的トラップ、エンジェル・リフトを発動し墓地からレベル2以下のモンスター…速攻のかかしを特殊召喚する!さらに手札から救世竜セイヴァー・ドラゴンを召喚!」
遊星のフィールドにまばゆい光を放つ小さな竜が現れる。
速攻のかかし 攻撃力0
セイヴァー・ドラゴン 攻撃力0
「行くぞ!俺はレベル1の速攻のかかしとレベル8のスターダストにレベル1のセイヴァー・ドラゴンをチューニング!集いし星の輝きが、新たな奇跡を照らし出す。光さす道となれ!シンクロ召喚!光来せよ、セイヴァー・スター・ドラゴン!」
セイヴァー・ドラゴンによって包み込まれた輪から神々しき光を放つドラゴンが出現した。
セイヴァー・スター・ドラゴン 攻撃力3800
「バカな…!?そのドラゴンは…赤き竜の化身!?」
「俺たちの絆は何者にも途絶えさせはしない!セイヴァー・スター・ドラゴンの効果発動、相手モンスターの効果を無効にしその効果を吸収する!地縛神の効果を吸収する、サブリメーション・ドレイン!」
セイヴァー・スター・ドラゴンが羽を広げ、そこに地縛神の光を吸収し蓄える。
「よし…いけ遊星!」
「セイヴァー・スター・ドラゴンで地縛神CocapacApuに攻撃!轟け、シューティング・ブラスター・ソニック!」
蓄えた光を1点に集め、それを地縛神を覆うように放った。包み込んだ光が消える頃には地縛神は消えていた。
「地縛神が敗れるだと…」
「さらにセイヴァー・スター・ドラゴンが地縛神から吸収した効果を発動!戦闘で破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える!」
「…!しまった!」
セイヴァー・スター・ドラゴンがその幾千もある翼を使い、鬼柳の体をDホイールごと覆う。やがてその場から離れて飛翔していくが鬼柳のDホイールは停止していた。
冥界の王 LP3200→0
デュエルが終了すると遊星とコナミは急いで鬼柳の元へと走る。
「鬼柳ー!」
「遊星…コナミ」
「良かった…意識が戻ったんだな!」
だが、シグナーとダークシグナーの戦いに敗れた影響で鬼柳の体から小さな光が天に向かって消えていく。
「へ…お迎えが来ちまったようだな。俺はダークシグナーに転生する時2つ願いを言ったんだ…。1つは遊星への復讐だが…、もう1つはあの時出来なかったチームサティスファクションのラストデュエルをしたいってな。情けねえよな…結局俺はお前を、お前らを恨みきれなかったんだ」
「そんなことはない!鬼柳…お前は俺たちの仲間だ!」
「そうだよ!またこんな形じゃなくてやろうじゃねえか!もっと楽しいチームサティスファクションのラストデュエルを!それで満足しようじゃねえか!」
「2人とも…ありがとな。でも俺はもうダメみたいだ。こんなんじゃ…満足できねえよな」
鬼柳の体が次第に透明になっていき、鬼柳の体を支えていた遊星の手に重さが感じられなくなっていった。
「鬼柳ーーーーー!」
2人は鬼柳がいなくなったことを嘆き、悲しむ。互いに言葉をかわすことはなかったがその思いは同じだった。鬼柳の思いを利用して仲間同士で傷つけ合う戦いをさせたダークシグナー…及び冥界の王を絶対に許さず、必ずこの戦いに勝利してサテライトに平和をもたらし、それで満足できる未来へと歩を進めると。
ところでニトロと名のついたシンクロモンスターの新規はまだでしょうか…?