早川あおいと邂逅した後日、世間一般的に言う休日…日曜日である。
早朝ランニングをやっている最中、一人の女の子を見つけた
でかいリュックサックを背負って早朝から出歩いてる女の子…
通常ならば小学校の遠足か何かかと思うがあまりにもでかすぎるリュックサックだった
「やぁ、おはよう真宵ちゃん」
俺が挨拶をするとその少女…八九寺真宵ちゃんはこちらに振り向いた
「おや?隼さん、黒咲隼さんじゃありませんか。」
「真宵ちゃん、人を素材の数だけ強くなるような奴の名前で俺を呼ぶな。俺の名前は羽川隼だ。」
「失礼、かみました」
「違う、わざとだ」
「かみまみた」
「わざとじゃない⁉」
「髪焼いた?」
「パーマにする気ねぇよ‼」
閑話休題
この少女…八九寺真宵とは数年前からの付き合いであり、一緒にキャッチボールなどもやったことのある近所の子供だ。
少々言動がおかしいが少女なのである。
「そういえば、聞きましたよ?ドラフト指名を断ったそうですね?」
「良く知ってるね。何?そんなに噂になってるの?」
「直江津に住んでて隼さんと親しい人はほとんど知っていますよ。それに野球をやってる人なら尚更です。」
直江津高校初のプロ野球選手登場とまで言われてたんですからね…と続けて真宵ちゃんはこっちを見て笑顔を見せる
「それに私は隼さんのファンなんですから、知ってて当然ですよ。」
俺のファンとは初めて聞いた、と言うか居たんだ…などと考えていると
「私は隼さんの事が好きなんですから。」
ニッコリ笑顔で衝撃の真実を言った真宵ちゃん
「あぁ、俺も真宵ちゃんの事は好きだよ」
「ほう…因みにどのくらいですか?」
「真宵ちゃんのファンブックが出たら迷わず買うくらい」
「甘いですね隼さん。私だったら観賞用、保存用、実用と合わせて三冊は買いますね‼」
「俺の愛が真宵ちゃんに負けた…だと…‼」
「私の愛は限界突破なんてよゆーです。大気圏外です!」
因みにこれ…小学生と高校生の会話なんだぜ?
ー閑話休題ー
結局真宵ちゃんと話し込んでる内に結構な時間がたち…
「あ、そろそろ戻らないとな…」
「おや、このあとご予定でも?」
「そういう訳じゃないけど、翼ちゃんの朝食作ってやらないといけないからな。」
あの娘、休日でも決まった時間に起きるからなぁ…
「噂の娘さんですね?私もいずれ会ってみたいものです。」
「おぉ、そうしてくれよ。翼ちゃんもきっと喜ぶ。」
「はい‼それでは私はこれにて失礼します。」
元気良く返事をして真宵ちゃんは帰って行った…と思ったらこっちに振り返って両手をメガホンの形にして大声でとんでもないことを言った
「隼さーん‼私はー‼貴方の事がー‼本気で大好きですよー‼」
一回一回区切りを入れて大声での告白
真宵ちゃんはまだ小学生だが随分と大人びている…と言うか会話のレベルが非常に高く、へたな高校生より言葉使いが丁寧な子だ。
そんな子が真っ直ぐな思いを真っ直ぐな言葉で言い表す。
つまり何が言いたいかと言うと…
「割と本気で照れるから早朝からの告白はやめて欲しいものだ…」
実は真宵ちゃんからの告白は初めてではない
出会った時からこういうじゃれあいながら告白される事は多かった。
「その告白は10年後にお互い相手がいなかったら受け取らせて貰うよー」
その言葉が聞こえたのか両手を降っている真宵ちゃん。
真宵ちゃんには悪いが今は流石に…ねぇ
軽く心臓が高鳴っているが走って帰っているからおそらくそのせいだろう。
小学生にときめいてなんていないからな?
ほんとだぞ?
帰宅後…
「翼ちゃんごめんな、少し遅れちゃったね。今からご飯作るから」
「あれ?昨日のカレーがあるから朝食は大丈夫なんじゃ…?」
「あ」
他のキャラも出したいです…頑張ろう‼