羽川翼の親になった男の話   作:瑠璃ぃぃぃ

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第3話

猪狩の提案を聞いてから俺はミゾットスポーツに就職することに決めた

 

だが実際はかなり大変だった…急な就職希望もあって先生方には無理を言ってしまったし、プロ行きを断った理由を聞いてくる野次馬も相当いた…

と思いきや先日の猪狩の様に家に訪ねてくる奴も多かったし

 

つかアイツ等何で俺の住所知ってんの?教えた記憶無いんだけど…

 

 

と、まぁ色々な事があったけど…それから月日が経ち、俺は無事にミゾットスポーツに就職することが決まった。

 

卒業までの間は学校も休みなので翼ちゃんとなるべく一緒に過ごしている。

多少は翼ちゃんも落ち着いてきたのか、近所の買い物位には一緒にだが行ける様になっていた

 

そして今…

 

「これがグローブ…何か変な匂いがしますね…」

 

「大切に保管していたけど、やっぱオイルやら汗やらで匂いは完全にはとれないからなぁ…」

 

空き地でキャッチボールをしている

正確にはこれから始めるのだが…さて何でこうなったかと言うと…

 

 

ー以下回想ー

 

「隼さん」

 

「ん?」

 

「私も野球やってみたいです」

 

「良いぞー」

 

ー回想終わりー

 

たった四行の回想だった…

 

「取り敢えずゆっくり投げるから目を瞑ったりしないでしっかり見て捕ること」

 

「はい‼」

 

「じゃあいくよ」

 

軟式ボールだが下投げでゆっくり翼ちゃんに投げる

 

翼ちゃんは言い付け通りにボールをしっかり見ている

 

そして…

 

「うみゃ⁉」

 

頭に直撃した

 

「いや、しっかり見ててもグローブ構えなきゃ…」

 

しっかり見てたが動かずにボールに直撃した翼ちゃん

 

「うぅ~」

 

当たった場所を右手でさすっている翼ちゃん

少し涙目なのは不謹慎ながら可愛い

 

「痛いならやめとくか?」

 

 

「やだ‼やるの‼」

 

少し泣いているせいか子供っぽく…いや、子供だからこれが普通なんだよな…

 

「そうかそうか…なら今度は翼ちゃんがボール投げてみなよ。」

 

「えい‼」

 

「待って⁉投げるの早いよ⁉」

 

 

投げ方を説明してからって思っていたんだが…ちょっとムキになってないか?案の定ボールは変な所にいってるし…

 

「ご、ごめんなさい‼」

 

翼ちゃんが直ぐ様謝ってきた

 

「大丈夫。投げ方もちゃんと説明するから慌てないでね?」

 

さて、ボールを拾いにいくかな。

 

「ふーん…隼君が小さい女の子と一緒にいるとは聞いてたけど…本当なんだ」

 

「へ?」

 

ボールを拾いに行くと空き地の入り口に人がいたのか声が聞こえた

 

「久しぶりだね、隼君。」

 

そこにいたのは、甲子園の三回戦にて戦った女性エース

 

高校野球初の女性選手であり、女性初の甲子園出場者として今年の甲子園を湧かせた人がいた

 

早川あおい…そのひとである

 

 

「早川…」

 

「別に名前で良いよ?昔馴染みなんだし」

 

「まさか、甲子園のスターを名前呼びなんて…恐ろしや恐ろしや」

 

「なにそれ?そんなキャラだっけ?」

 

「気にするな」

 

「気になるよ」

 

「木になってろ」

 

「気に…ん?今何か違ったような…?」

 

 

閑話休題

 

「へぇーこの子が噂の…」

 

「なんだよ?噂って?」

 

「幼女趣味を拗らせた隼君が全力で引き取った女の子」

 

「今すぐその噂を広げた人間を教えろ。」

 

そいつは必ずぶち殺す…つか誰がロリコン拗らせただ‼

 

「え?違うの?」

 

「違うわ‼お前、俺の事何だと思ってやがる⁉」

 

そう言うと早川は満面の笑みで…

 

「困っている人がいると自分の事は後回しにしてでも人助けをする優しいお節介焼き…かな?」

 

早川……お前…

 

 

 

「死ぬほど似合わねぇな」

 

「表に出ろ」

 

もう表です(笑)

 

 

ー閑話休題ー

 

 

「それで?何の用だよ?」

 

 

確か早川もドラフトに指名されているはずだが…

 

「自主練がてら、ドラフト指名を断った隼君の様子を見にきたんだよ。」

 

「自主練って…まぁ、いいか」

 

 

こいつの地元から直江津までかなり遠いはずなんだが…

 

 

「こんにちは、ボクは早川あおいって言うんだ。君は?」

 

「えっ?その………はぅ……」

 

っと、俺が目を離した隙に自己紹介が始まっていた

 

 

「はわわわ…‼」

 

 

あ、翼ちゃんが目をぐるぐるにしながらパニクってる

 

「その娘は羽川翼ちゃん、俺の娘だよ」

 

流石に可哀相なので助け船を出す

 

まだ完全には治らないよなぁ…人見知り

 

「へ~翼ちゃんって言うんだ。可愛いね~」

 

羽川が翼ちゃんの頭を撫でようとするが…

 

 

「ひゃあ⁉」

 

っと叫んで俺の背中に隠れる

 

可愛いな、おい

 

 

「あれ?嫌われちゃったかな…?」

 

 

あはは…と苦笑している早川

 

「人見知りなんだよ。まぁ、徐々に慣れていけば良いさ」

 

 

そう答えて翼ちゃんの頭を撫でる

 

基本的に翼ちゃんは頭を撫でられるのが好きだが、人見知り…と言うより対人恐怖症が勝っているため他の人には絶対触らせないと言う感じなのである。

 

「ま、早川もめげずに翼ちゃんとゆっくりコミュニケーション取ってくれよ。」

 

 

「まぁ、しょうがないか…うん、これから宜しくね?翼ちゃん」

 

俺の背中越しだが頷いているようだ。

 

翼ちゃんも成長しているんだな…と考えつつ、晩飯を何にするかを考える俺だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの隼さん…キャッチボールは?」

 

 

「あ」




次回位から化物語キャラを増やしていきたいと思います

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