サードライフ=インフィニット・ストラトス   作:神倉棐

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戦闘描写をいれると文章の量が桁違いに増えるな……


模擬戦の行方

〈32〉

 

6日後、ISによる模擬戦当日。時雨と一夏は第3アリーナのピットに居た。

 

「遂にこの日が来たな……」

「ああ……遂にだ」

「俺達はこの1週間頑張って来たよな……」

「それには同意する、ISがないから基礎練ばっかりだったけどとにかく詰め込んだ甲斐はあると思うよ。俺は機体の改造もなんとか成功したしね」

 

IS専用のスーツに身を包んだ時雨と一夏はピットにてお互いに頷き合う。因みに一夏のISスーツは何処かの男子陸上部みたいな露出肌面積の多い何それ防御力は何処行った?みたいなスーツであり、時雨のスーツはバルキリーに搭載されているEX-ギア・システムに対応した束特製の今時珍しいとされる白を基調(メイン)に黒の(ライン)の入った正統派全身スーツである。

がその前に何故模擬戦を目前に控えたこの2人が未だピットに残っているかと言うと、

 

「やっぱり来ないな……俺の機体(専用機)

「ああ。結局と言うかやはりと言うか、練習には間に合わなかったな」

 

一夏の専用機がまだ届かないからである。予定ではそろそろ着くはずだと千冬は言っていたがその彼女は受け渡し現場にIS学園側の責任者として立会いに行っているので今この場には居ない。

 

「おーい、2人共!応援に来たよ!ほら、箒も!」

「お、おい、押すな栞!……コホン、応援に来たぞ2人共」

「おう、ありがとな栞、箒」

「えへへ、当たり前じゃない。家族なんだから」

「そ、そうだな。時雨も友達だからな……ってなんだその意外そうな顔は」

「いや、箒さんが友達だと思ってくれてるとは思わなくて……いつも話し掛けては来てくれないし」

「なっ……」

「「箒……」」

 

そしてわざわざ観客席ではなくピットに2人の応援に来てくれた栞と箒はただ機体の到着と模擬戦開始を待つ一夏と時雨に対してそう話し掛け、まさかの事実に一夏と栞はため息を吐いた。まさか箒が時雨に今まで一度も自分から話しかけに行っていないとは考えもしていなかったのだ。むしろ一緒に特訓をしていたと言う絶好の機会があったはずであるのに1度も自分から話しかけに行かないとか予想だにできない事でもあるが。

 

「……ねぇ、箒。やっぱりまだ割り切れてない?」

「……いや、そう言う訳でもない訳でもないのだが……その自分から話し掛ける勇気と言うか踏ん切りが……」

「ええ……昔と同じ位人見知りが再発してる……なんでさ?」

「いや、私に言われてもだな……」

 

「何話してるんだ?あの2人?」

「さ、さあな……俺に聞かれても」

「?、お前もどうした一夏?」

 

小声でひそひそと話す栞と箒に頭に疑問符を浮かべた時雨の姿を見て鈍いな……と一夏は思う。実際は人の事言えないのではあるがその辺りは知らぬは本人ばかりと言う奴である。

と、そこへ急いで走ってきたのか息を切らせてピットへと山田先生が現れた。

 

「き、来ましたよ!織斑君の機体が届きました!」

 

全力で走って来たのか髪の乱れもだが呼吸が荒くそして顔が少し赤い。生徒の為に全力を尽くす教師の鑑とも言える姿であるが女性としてはあまりいただけない、なので先に1度呼吸と興奮を落ち着かせ冷静になって貰ってから話を聞いた。

 

「……ふぅ、済みません。お見苦しい所をお見せしました。と、先程も言いましたが織斑君の機体が到着しました。今織斑先生がここに向け運搬中ですが天羽君に伝言です、「織斑君の機体の到着が遅れた所為で時間が押している。予定を変更して先にオルコットと対戦を始めてくれ」との事ですが、よろしいですか?」

「大丈夫です。最適化(デフラグ)も終えてませんし一次移行(ファーストシフト)も済んでないですから仕方ありません」

 

何やってんだよしっかりしろよ倉持技研だとは思うものの実際時間が押しているのだから仕方ない、時雨の了承を受けて山田先生は対戦相手であるオルコットにも理由を説明し対戦相手の変更の了承を貰う。山田先生が模擬戦を開始する為に色々と準備をしていると漸くそこに1機の機体の搬入に付き添っていた千冬が現れる。

 

「織斑、お前の機体だ。今すぐ装着、準備を開始しろ。……済まないな天羽、初期化(フォーマッティング)調整(フィッティング)が済んでいない機体を出撃す訳にもいかないからな」

「いいえ、山田先生にも言いましたが気にしないで下さい。では行きます」

 

カタパルトに打鉄改の両足をセットし時雨はその衝撃に備える。

 

「射出準備完了、射出タイミングは天羽君に譲渡します」

「了解。天羽 時雨、打鉄改、出撃する」

 

山田先生から受け取った発射トリガーを天羽は弾く。途端に急加速により発生したGが身体を押さえつけるように発生するがそれは時雨にとっては普通であり当たり前のもの、そのままピットのゲートをくぐりアリーナへと飛び立ったその翼は華麗にバレルロールを決めその低い空を羽搏いた。

 

 

◆◇◆

 

 

第3アリーナ上空、その黒鉄の翼は其処に在った。

 

「ふむ……悪くない、な」

 

手を開いたり閉じたりして動作確認をする時雨は機体が満足のいくレベルでしっかりと動いている事を確認し意識を目の前にいる相手(セシリア・オルコット)に向ける。

 

「逃げずに来ましたのね」

 

眼前に滞空する蒼いIS、蒼き涙の名を冠した『ブルー・ティアーズ』の操縦者セシリア・オルコットは優雅に腰に手を当てたポーズをしながらそう言った。

 

「最後のチャンスを差し上げますわ。この模擬戦、国家代表候補生である私が圧倒的有利であるのは自明の理。ですから地に堕ちる惨めな姿を晒したくなければ、今ここは棄権なさり他の試合での決着に賭けるべきであると提案しますわ」

 

戦闘開始前の最終勧告であろう言葉を彼女は時雨に掛ける。所々相手を見下しながらも思い遣るような優しさが出でいる所を見ると彼女もまたそこまで女尊男卑に染まった女性と言う訳ではないのだろう。

だが時雨はその勧告に乗る事はない。

 

「残念だけどお断りするよ。君の勧告は正しい、確かにこの場は棄権し他の決着でもって対抗する事が最もリスクの低い遣り方だろう。でも時に人は(リスク)(メリット)だけでは動かない、特に男はね」

「……馬鹿ですわ」

「その通りだよ。だからこそこんな真似ができるのさ」

 

時雨の言葉に何処か呆れと少しの寂しさを持った言葉をオルコットは零す。だが次の瞬間には真剣な表情へと戻りその手に持った大形レーザー狙撃銃『スターライトmkⅢ』を構える、時雨もまたアサルトライフルである『焔備改』を取り出し構えた。

 

さあ、踊りなさい(Shall we dance?)。私、セシリア・オルコットとブルー・ティアーズが奏でる円舞曲(ワルツ)で!」

喜んで、御嬢様(I would love to.)。空の舞踏は如何ですか?」

 

同時に構えられた銃口がこちらも同時に火を吹いた。

 

 

◆◇◆

 

 

その頃の試合の公平を期す為一夏が機体ごと退場させられたピットでは千冬達が画面に映る時雨とオルコットの弾丸の応酬を観戦していた。

 

「これは……凄いな」

「確かに、オルコットさんもだけど時雨君も凄い応酬だね」

 

箒と栞は互いに撃たれるその弾丸の正確さとその回避能力の高さに驚き舌を巻く。特に実際はIS搭乗時間が一夏より更に低い僅かな時間でありしかも搭乗機が性能が抑えられた訓練機の筈なのだが今の彼の動きを見てそれを信じられる者はおそらくいないだろう。一体どんな詐欺なのだと言うレベルである。

それに対して同じくその試合を観戦していた千冬と山田先生であるが僅かに千冬が顔を顰めている事に気付いた付き合いの長い後輩である山田先生は彼女にどうしたのかと問いかける。

 

「…………」

「あれ?織斑先生?如何なさいましたか?」

「……やはり天羽の反応速度に機体(訓練機)が付いていけていない。あのままでは機体の方が先に根を上げる(壊れる)ぞ」

「えっ?」

 

千冬の答えに山田先生は一瞬それが理解出来ないように答えに詰まる、だがすぐにその言葉を理解し驚いた。

 

「ええっ⁉︎それは本当ですか⁉︎」

「?、何があったんですか?」

「天羽君の動きにISが付いていけてないとはどういう事なんですか?」

「正しく言えば『IS』がでなく『訓練機』がだ。天羽の反応速度は常人より遥かに早くそしてその行動に移すまでのタイムラグはより小さい、そのタイムラグはおそらく0.15は下らないだろう。だがその分一般用に性能に制限の掛けられた訓練機には要求に答えられない、天羽も手加減をしているようだがほんの少しでも加減を間違えれば直ぐにでも機体はお釈迦になるぞ?」

 

山田先生の声に疑問を持った2人もまた千冬の話を聞き驚愕する。だがこちらは余り実感が湧かないからなのかそれを理解できている山田先生よりかは反応が低い、だがそう思ってしまうのも無理はない、そもそも性能に制限の掛けられた訓練機であろうと加減せねば壊してしまうレベルの搭乗者単体としての能力を持つ人間等彼女達の目の前にいる織斑 千冬(ブリュンヒルデ)か細胞レベルでオーバースペックな篠ノ之 束(天災)くらいしかいなかったのだ。と言う事はつまり天羽もまたそれだけ人間から外れた位置にいるという事でもある。

 

「はわわわ……とんでもない事を聞いてしまった気がします……」

「とにかく時雨君って千冬さん……織斑先生と同じくらい凄いって事?」

「それって明らかに……イエ、ナンデモナイデス。ハイ」

 

千冬を化物呼ばわりしそうになった箒が千冬の極寒の流し目に片言になると言うトラブルもあったが一同はスルーする。心で思う程度なら千冬とて許すが口に出すのは禁忌(タブー)なのだ。流石に本人とて他人よりも思いっきりぶち切って色々おかしい力を持っている事は理解しているが一応心は他人と同じ硝子である……おいそこ、強化ガラスとか言うな締めるぞ?

 

「そんな事より試合を観ておけ。きっと参考にならない(・・・・・・・)とても重要な試合を観れるだろうからな」

「参考に、ならない?」

 

はぁ、全く……とため息を零した後に続けられた千冬の言葉に復活した箒が反応する。参考になると言うならば重要であると言う事は理解できるが参考にならないとは一体どういう事なのか?

 

「簡単だ、まずお前達では再現出来ない馬鹿みたいな事しかやらないからだ」

 

彼女達もその言葉の意味する事をすぐにでも目撃する事になる。

 

 

◆◇◆

 

 

模擬戦開始から10分、いまだ撃ち合いを続けている【打鉄改(2人目の男性搭乗者)】に対し有効な損害を与えられていないセシリア・オルコットは内心焦っていた。

 

「くっ⁉︎……如何してこんなに当たりませんの!」

 

彼女は自らの得物である大型レーザー狙撃銃『スターライトmkⅢ』を打鉄改に向け連射するがその全ては躱されるか若しくは本来ならば有り得ない(・・・・・)ほど自由自在に稼働する非固定武装(アンロック・ユニット)である大盾に阻まれるか的確な角度を以って弾かれほんの微々たる量しかエネルギーを削れていない。

 

「それに!」

 

射撃から直ぐにスラスタを使い狙撃位置を変更、そしてその移動した瞬間に元いた場所を2条(・・)の閃光が通過する。

 

「色々と魔改造が過ぎますわっ‼︎盾の裏に機銃とIS刀を直接装備(マウント)するなんて!」

 

回避した先で相手の次の移動位置を予想して放つ偏差射撃でもってレーザーを撃つがそれも盾に弾かれてお返しとばかりに放たれる搭乗者の左右に浮遊する盾の裏に1つずつIS刀と一緒に装備された20㎜機銃が火を吹き彼女の機体を追う。曳光弾の混じったその光の筋を掻い潜り彼女も撃ち返すが回避か防御で弾かれ埒があかない、幾ら非固定武装の盾の表面をレーザーで融解させても本体に直撃しなければシールドエネルギーは減らないからだ。故に彼女には焦りが募っていく。

 

「くっ‼︎」

 

時雨の放った焔備の実体弾がオルコットの機体に直撃しまた彼女のシールドエネルギーを減衰させる、撃ち合いに夢中になり過ぎた所為でエネルギー残量は既に3分の2を切っていた。

 

「……認めましょう、貴方は強い。だからこそ私は負けられない!お行きなさい『ブルー・ティアーズ』!」

 

そして遂にオルコットは時雨を完全に認める事にした。彼女の掛け声と共に機体に装備(マウント)されていた非固定武装(アンロック・ユニット)の一部が分離して独立して動き出し時雨に向けその先端(銃口)を向ける、今彼女が時雨に向けるその眼は今まで以上に鋭く『鷹の眼』と言っても過言ではない。

 

「私の機体(IS)はBT兵器『ブルー・ティアーズ』を搭載した試作実験機でありながらもその高い性能から実戦投入されたその一号機。故にその切り札(ビッド)を切ったからにはこれからは今までのようにはいきませんわ。踊りなさい『ブルー・ティアーズ』!」

 

 

◆◇◆

 

 

「その切り札(ビッド)を切ったからにはこれからは今までのようにはいきませんわ。踊りなさい『ブルー・ティアーズ』!」

 

オルコットの掛け声に合わせ計4つのビッドが展開され時雨に向けその銃口からレーザーを放つ。まるで雨のようにレーザーが降り注ぐ為に時雨はアサルトライフルを構える暇もなく旋回や急降下・急上昇を行い回避に徹するしかない。しかし被弾量が増えたかと言われればそうでもない、確かに銃口が4倍になった事で防御を越え装甲に当たりシールドエネルギーを減らす回数は増えているもののそれは増える前の2倍程度しか増えていないのだ。

 

「くっ、ここまで当たらないなんてっ!なんという回避能力、いえ操縦能力ですの⁉︎本当に貴方搭乗時間が2時間しかない初心者なんですの⁉︎詐欺じゃありません⁉︎」

「いや、事実だよ。本当に俺は起動させた時と借り物の機体で本当に動かせるのかチェックをした時位しか乗ってない」

 

本当だ、実際に時雨のIS搭乗時間は同じ男性搭乗者である一夏よりも少ない初心者である。だが時雨が今何故こんな風に戦えているのかと言えばそれは時雨が戦い慣れているから(・・・・・・・・・)に他ならない。空戦?向こう(前世)では魔法で飛んでやった事もあれば騎竜に乗った事も天竜に乗って戦った事もある。命懸けで鎬を削った回数など覚えてなどいない位に、

 

「でも生憎戦うのは得意でね、例えばこんな戦い方だって出来る」

 

バシュッ───────ガキィンガキィン

 

「なっ⁉︎ティアーズがっ⁉︎」

 

それ故に時雨にとって空戦はある意味ホームグランド(初心者ではなく玄人である)とも言える。だからこそバルキリーだけでなくISにおける空戦において時雨は誰よりも一歩先を行ける(上手に戦える)

 

「スラッシュハーケン」

 

撃ち落とされるティアーズ、それを撃ち落としたのは時雨の機体の両腕の手の甲の上に装備されていたワイヤーアンカー、別名スラッシュハーケン。それがティアーズの推進部を撃ち抜き墜落させ、更にその事にオルコットが気を取られた隙に腰の部分にも装備されていたそれを今度はブルー・ティアーズ本体の脚部にハーケンを引っ掛けその巻き戻しの強力な牽引力を推進力に変え打鉄改は彼女に向け急接近し、

 

「藤堂さん直伝陽昇流(ひのぼりりゅう)誠壱式旋風脚(まこといちしきせんぷうきゃく)、略してくるくるキック!」

 

そしてそのふざけたような技名と共に呆れるほど強烈な左回し蹴りをブルー・ティアーズへと叩き込んだ。オルコットは反射的に大型レーザー狙撃銃を盾にするがその衝撃はどうする事も出来ず数メートル先まで後退させられる、追撃に焔備の弾丸が撃ち出され数発命中するが彼女はなんとかその追撃を抜け距離をとる事に成功する。もしあれで地面に向けて蹴落とされていればきっと追撃からは逃れられなかっただろうと想像してしまい彼女は人知れず冷や汗を流した。

 

「動かないのか動けないのかは分からないけど戦場のど真ん中で立ち止まるのは自殺行為だ。だからこんな芸当も出来るし受けてしまう」

「くっ‼︎」

 

先程の攻撃を受けシールドエネルギーが半分を切ってしまったオルコットは最早隠しようもなく焦る、だがその所為で正確だった射撃精度に乱れが生じただでさえ当たり難かった攻撃が更に当たらなくなりそれが更に彼女を焦らせる原因になった。

 

「当てにくい所をっ!」

 

圧倒的有利な頭上を取っているというのに操縦難易度が高く狙い難い筈の地形追従背面飛行をしつつビットの弾幕を躱し反撃される事にオルコットはその理不尽さに驚くより先に更に焦りが募る。そしてだからこそ例えそれが誘いだと理解していても地形追従飛行を終えその身を起こした瞬間に奥の手を切る事しか出来なかった。

 

「ブルー・ティアーズはただレーザーを放つだけではありません事よ!」

 

温存されていたミサイル型ティアーズが上昇中だった時雨に襲い掛かる。起爆と同時に銃身が破壊されていなかった物やまだ撃ち落とされていなかった射撃用ティアーズ全てを使い全方位から飽和攻撃を放った。

 

「これでっ‼︎っ⁉︎」

 

確実に撃ち抜いた、そうオルコットが、いやそれを観戦していた誰もがそう思ったがそうは問屋が卸さないとばかりにほぼ(・・)無傷の時雨が爆煙から突撃して来る。着弾の寸前、時雨は焔備を盾にミサイルに投げつけ破壊し対ビームコーティングどころか対レーザーコーティングすらされていない唯の盾を最も広域を防御できるからと言う理由で防御に回したのだ。結果アサルトライフルはミサイルで木っ端微塵……ではないがぼろぼろになって何処かに吹き飛び非固定武装である盾は穴だらけになり最早飛ぶ事すら難しくなったのか軌道が低下し高度も下がってきている。だかその代わり時雨のシールドエネルギーは彼女達が想定したよりもずっと遥かに減少していない。

 

「今っ!」

「っ⁉︎やらせませんわ‼︎」

 

驚愕による硬直の瞬間を狙い時雨は脱落しつつある()からIS刀()を抜刀し間合いを詰める。それを見たオルコットは自らの大型レーザー狙撃銃を身代わりに投棄、そして近接武器をコールして迎撃する。

 

「甘い!」

「っ⁉︎インターセプトっ!」

 

判断は良い、恥も外聞も捨てて咄嗟の判断ですぐさま近接格闘戦へと切り替えた。だが相手が時雨であるこの場合、それは悪手ともなる。

 

「はっ‼︎」

 

キンッ

 

「なっ⁉︎インターセプトが⁉︎」

 

剣の達人である時雨は斬り上げで大型レーザー狙撃銃を、斬り下げでインターセプトを両断し再び刀を斬り上げる。

 

「良くやった。俺に刀を出ささせた分、君は十分強い」

「……斬られる直前にそれは、あまり嬉しくありませんわ」

 

時雨の最後の一閃が絶対防御を発動させシールドエネルギーを全損させた。

 

 

『試合終了。勝者────天羽 時雨』

 

 

模擬戦第1回戦オルコット対時雨の戦いは時雨の勝利に終わった。

 

 




主人公が色々と理不尽な存在なのは認める。その代わりオルコットさんの残念臭は綺麗さっぱり無くなったし凄く良い人っぽくはなったよね?ね?え?その代わりこれヒロインルート入り決定じゃないかって?主人公が初期設定の斜め上行き過ぎたからだよ!
どうしよう一夏ハーレム、このままじゃ無くなる危険性が出てくるんだけど……

あとくるくるキックはライダーキックとタメを張れる強さがあると信じてる。

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