間違いながらそれでも俺は戦車に乗るのだろう。   作:@ぽちタマ@

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彼は答えを見つける

 戦車道全国大会準決勝。

 みほさんたち大洗の戦車道のみなさんは無事に勝利することができたみたい。それは喜ばしいことのはずなんだけど……。何故かうちのお兄ちゃんはその試合が終わった日からどうも様子がおかしかった。

 最初はみほさんたちからのメールで、お兄ちゃんがだいぶ無茶をしていたことを聞いていたからそのせいかと思ってた。

 お兄ちゃんの雰囲気が日に日にあの時のようになっている。あの時、つまりはあの塞ぎこんでいた中学の時のように。結局、あの時なにがあったかは教えてもらってない。

 島田邸に小町が無理やりお兄ちゃんを連れて行ったけど、結果はよかったんだと思う。塞ぎこんでいてお兄ちゃんは元気、とまではいかなかったけど、それなりにいつも通りに戻っていた。

 いつも通りのはずだった――なぜか愛里寿ちゃんがお兄ちゃんに懐いていたのを除けば。

 たぶん、小町がジュースを取りに行ってる間になにかあったんだろうけど、小町は親戚の人に捕まっておしゃべりをしていたから戻るのにだいぶ時間がかかったのだ。その間に二人は仲良くなっていた。

 最初見た時は小町、ビックリしたもん。あの人見知りの激しい愛里寿ちゃんが、お兄ちゃんに突然懐いて、しきりにお兄ちゃんに話しかけていて、お兄ちゃんもお兄ちゃんで満更でもなさそうな顔で愛里寿ちゃんの話を聞いていて。

 これには千代さんも驚いていた。

 正直に言えば小町は愛里寿ちゃんにこの時から嫉妬していたんだと思う。

 というか、今でもわりとやきもちを妬いているんだけど、気づいているのは愛里寿ちゃんの方で、お兄ちゃんはまったく気づいてくれてないのだ。

 そのせいでなのかはわからないけど、愛里寿ちゃんは小町とはあまり話したがらない。というかたぶんこのせいだと思う。

 全ての元凶はお兄ちゃんであり、なんもかんも悪いのはお兄ちゃんなのだ。

 あの日から愛里寿ちゃんと小町の妹戦争は始まったと言ってもいい。当の本人はまったく気づいていないけど。

 話がだいぶそれちゃった……。ええっと、なんだっけ? そうそう、お兄ちゃんの様子がおかしいって話をしてたんだった。

 さすがに三日もたって朝練に向かわないお兄ちゃんに小町は質問したんだけど、お兄ちゃんから返ってくる答えが、戦車道をやめた、だなんて夢にも思ってなかった。最初はなにかの冗談かと思って小町がいろいろとお兄ちゃんに言っていたら。

 

「……小町。いい加減にしろ、しつこい」

 

 今まで聞いたことのないようなお兄ちゃんの冷たい声が聞こえた。

 お兄ちゃんも無意識だったのだろう、いった後にハッとなっていた。

 そこからは小町は自分が何を言ったか覚えていない。ただただお兄ちゃんにあんなことを言われてショックだったのだ。

 最後に小町が何かを言って扉を思いっきり閉めたのは覚えている。というかそこしか覚えていない。

 小町はずっとこの日、お兄ちゃんのことを気にしていた。嫌われちゃったんじゃないかとか、あの時小町はどうしたらよかったんだろうとか、いろいろ、それはもういろいろとお兄ちゃんのことで頭を悩ませていたのにだよ? なのに、帰ってきたお兄ちゃんの第一声が。

 

「小町、飯は?」

 

 だった。

 もうあれですよ。呆れをを通り越して怒りが湧いてきましたよ。ええ、それはもう伝説のスーパーなんちゃらになれそうな勢い。

 こっちはずっとやきもきしていたのに当の本人はまるでなにもなかったかのように接してくるし、いつの間にかここ最近のよくない雰囲気が緩和されてるし。

 お兄ちゃん! まさかまたどこかで妹作って来てないでしょうね!? 小町は許しませんよ! もうこれ以上は妹は要らないからね! お兄ちゃんの妹は小町だけで十分なんだよ!! あっ、お姉ちゃんは小町、欲しいから頑張ってね?

 おっと、ちょっと熱くなり過ぎてしまった。

 とりあえず、今、小町がやるべきことは。

 

「お兄ちゃん?」

 

「ん? どした?」

 

「正座」

 

「え?」

 

「正座」

 

「……はい」

 

 お兄ちゃんに話を聞くことだよね、もちろん。その過程でよろしくない情報がでてきたらその時は……おっと、これ以上は危ない危ない。

 なにも起きないことを小町は願ってるからね、お兄ちゃん?

 

 

 ====

 

 

 平塚先生と別れ、俺は家に帰宅したのだが、そこで待っていたのは、あく…いや、小町だった。今、俺はなにも言いかけていない、いいな?

 たしかに平塚先生に出された課題を考えていて上の空だったので、朝のことを忘れて普通通りに小町に話しかけた俺が悪いとは思うんだが、それにしたって正座はないだろう。兄の威厳もへったくれもない。

 え? もともとからそんなのはない? まさか……あれ?

 

「あのー、小町さん?」

 

「なにかな、お兄ちゃん?」

 

 怖い怖い怖い、笑顔が恐いよ、小町ちゃん。

 

「なんだ、その、今朝はすまんかった。あれは俺が悪かった」

 

「ホントにだよ。小町は心配でしょうがなかったのに、お兄ちゃんときたら、態度悪いし、目が悪いし、性格も悪いし、あとは……」

 

「それ以上まだあるのかよ……」

 

 やめて小町ちゃん、八幡のライフはもうゼロよ!

 

「当たり前じゃん、いつから小町がお兄ちゃんを見ていると思ってるの」

 

「……それもそうだな」

 

 そう思うと小町と俺はもう10年以上の付き合いになるのか。

 

「で? 今度はなにがあったか教えてくれるんだよね?」

 

「…ああ、ちょっと長くなるかもしれんが聞いてくれるか?」

 

「うん、いいよ。聞いてあげる」

 

 俺は平塚先生に説明したように小町に説明していったのだが、話が進むにつれ小町の表情が変わっていった。

 そして俺の説明が終わると同時に。

 

「お兄ちゃんのバカ! ボケナス! 八幡!」

 

 突如として罵倒してきたよこの妹。だが、一つだけ言わせてもらいたい。

 

「ちょっと待とうか、小町。別に八幡は悪口じゃないだろ」

 

「今はそんなことどうでもいいの。いい、お兄ちゃん、いや、ごみいちゃん」

 

 そんなことってどういうことかな、小町ちゃん? 俺にとってはだいぶ死活問題なんだが……。

 あと、ごみいちゃんはやめてくださいお願いします。

 

「自分がどれだけ馬鹿なことをしたか自覚はあるの?」

 

「馬鹿なことって装甲を薄くした上に盾になったことか?」

 

「それはそれで問題だけど、今は関係ありません」

 

「……じゃあなんだよ」

 

「お兄ちゃん、小町が前に言ったこと覚えてる?」

 

「前っていつだよ」

 

 具体的に言え具体的に。

 

「小町が風邪を引いて、お兄ちゃんと一緒に寝た時だよ」

 

 これまた、だいぶ前のことを引っ張ってくるな。小町のやつ。

 

「その時、小町言ったよね? 勝手に気持ちを決めないでって」

 

「それがどうしたんだよ」

 

 小町が言いたいことはわかった。けど、それが今なんの関係があるんだ?

 

「お兄ちゃんはまた勝手に決めてるよ、今度はみほさんたちの気持ちを」

 

 今回はそうでもないだろ、だって……。

 

「決めてるって言うがな小町、実際に俺はあいつらを傷つけてるんだぞ?」

 

「それで? みほさんたちはお兄ちゃんに戦車道をやめてほしいって言ったの?」

 

「……それは」

 

 あいつらがそんなことを言うわけがない。それは小町もわかっているようで。

 

「みほさんたちが言うわけないよね。お兄ちゃんが勝手にそうしたんだから」

 

「でもな……」

 

 俺があれ以上いたらあいつらが傷つくだけなんだよ。

 

「でももかかしもないの! それになんでお兄ちゃんが全部悪いみたいな話にしてるの? 小町から言わせてもらえれば戦車道のみんなも悪いと思う。問題のそもそもはお兄ちゃんは関係してないし、お兄ちゃんはそれを解決しようとしただけでしょ? やり方は間違ってるけど」

 

 そうは言うがな、小町。

 

「あながち俺が関係してないとは言えないんだよ」

 

「どうして?」

 

「一回戦、二回戦ともに簡単に勝ちすぎたんだよ」

 

 正味、あれのせいで慢心してしまったと言っても過言じゃないだろ。

 

「まあ、お兄ちゃんがいればそうなるでしょ」

 

 まるで当然のことのように言ってくる小町。俺のことを過大評価しすぎだろこいつ。

 

「だから、戦車道のみんなが慢心したのもお兄ちゃんのせい? それは違うでしょ、お兄ちゃんはやれることをやっただけなんだから、それで責められるいわれないよ」

 

「……それでも、結局、俺はあいつらを傷つけたんだよ」

 

「それはまあ、そうなんだけど、お兄ちゃんは自分のことを話したの? なんでそういう行動したのか、みほさんたちに」

 

「言ってどうなるんだよ、それはあいつらには関係―――」

 

「関係ないわけないでしょ、同じ戦車道の仲間なんだから! お兄ちゃんはなんでも一人でしょいこみすぎなの! なんで自分には厳しくて他の人には甘いの? 普通逆でしょ!?」

 

「お、おい、小町?」

 

 こいつちょっとヒートアップしすぎじゃないか?

 

「その上、勝手に戦車道やめたんでしょ?」

 

「……」

 

「みほさんたちからすれば、お兄ちゃんに信じてもらえてないって思ってるよ」

 

「それは違う」

 

 俺はあいつらを信用していないわけじゃない。

 

「なにが違うの? 今回、誰にも相談しないで勝手に動いて、その上、試合が終わったら戦車道をやめたんだよ? 単独行動のオンパレード、それで信じてるって言われても説得力皆無だよ、お兄ちゃん」

 

 小町が一気に捲し立ててくる。

 その言葉に俺はぐうの音も出なかった、まさか小町に言いくるめられるとは。

 

「……なら、どうしたらよかったんだよ」

 

「はぁ……さっきも言ったでしょ? みほさんたちとちゃんと話をして、自分の気持ちを正直に言うの。それでダメだったらそんときはそんときだよ」

 

 コミュ力高いくせに本当にサバサバしてるよな、小町のやつ。

 

「でも今さら……」

 

 俺が話したいと思っていても、相手がそうだとは限らない。というか、やらかした俺がなにをあいつらに話せばいいのかもわかってないんだが……。

 

「そこは小町は知りません。お兄ちゃんが蒔いた種なんだから自分でどうにかしなさい」

 

 やっぱりこいつ俺に厳しくないか? ……まさかこれが噂に聞く反抗期というやつか、今までなったから安心していたが、くそっ!俺はどうしたら。

 

「お兄ちゃん? 今、どうでもいいこと考えてるでしょ?」

 

「ソンナコトハナイヨ?」

 

「小町から言いたいことはこれで全部だから」

 

 どうやら、小町の言いたいことはそれで終わったようで。

 

「そうか、話を聞いてくれてありがとな、小町」

 

「じゃあ、頭撫でて」

 

「は?」

 

 いや、なぜに?

 

「は? じゃないよ、お兄ちゃん。まさか小町が無償で相談を受けるとでも?」

 

 なんかとんでもないことを言い出したぞ、この妹。

 

「いや、そこは兄妹なんだから無償で受けてくれよ」

 

「やだよ、こんなめんどくさい人の相手してるんだから。小町、お兄ちゃんじゃなかったらたぶん話かけすらしないと思うよ?」

 

 そう言いながら小町は正座している俺の膝に座ってきた。あの、小町さん?

 

「でもね、やっぱりお兄ちゃんは小町のお兄ちゃんだし、長年つき合ってればそれなりに愛着も沸いてくるもんなんですよ」

 

 たぶん、これ、頭を撫でろってことなんだろうな。

 俺は小町の話を聞きながら自分の手を小町の頭に持っていき撫でる。

 

「ん……だからね、小町はお兄ちゃんの行動を、この人また馬鹿やってるんだなーって、思えるけど。それは小町だからだよ? 他の人からすればお兄ちゃんの行動ってすごくわかりにくい、というかめんどくさい」

 

 この妹、頭を撫でてやってるというのになんという言いぐさ。

 

「でもさ、お兄ちゃんがそうやって動くときって大抵は誰かのためなんだよね。そういうお兄ちゃんは小町、好きだよ」

 

 なんかデレ始めたんだがこの妹。ツンデレ? ツンデレさんなの?

 

「…そうか。なぁ、小町」

 

「んー? なーに?」

 

 もう完全にリラックスモードに入ってるな小町のやつ。

 

「俺がなんでこんな行動したか理由わかるか? 平塚先生に言われて考えてるんだがこれがさっぱりでな」

 

「は?」

 

 真顔でそう返されてしまった。

 いや、え? 俺ってそんな変なこと言ったか?

 

「お兄ちゃん、それはマジで言ってるの?」

 

「マジもマジ、真剣とかいてマジと呼ぶくらいには」

 

 そんな俺に小町は大層呆れた顔をしながら。

 

「さっき小町に説明してたとき自分で答えを言ってたよ?」

 

 と、言ってきた。

 俺が答えを言ってた? いやいや、そんなまさか。

 

「うわぁ……自覚なかったの? お兄ちゃん」

 

 そしてなぜか小町に引かれてる俺。

 いや、そんな引かんでもいいだろ。お兄ちゃんもさすがにそれは傷つくんだが……

 

「明日、奉仕部? の人たちに相談に行くんでしょ? それまでにはちゃんと自分で答えに気づくんだよ? 小町は答えは教えてあげないからね」

 

「せめて、ヒントを、ヒントをください!」

 

 平塚先生に言われてから散々考えてるんだが、自分が納得いく答えに俺はたどり着けていないのだ。

 なら、もう、兄の威厳などゴミ箱に捨てる。いや、あとでちゃんと拾うけどね?

 

「だから、さっき言ったでしょ。お兄ちゃんはもう答えを知ってるの。あとお兄ちゃん?」

 

「なんだ、妹よ」

 

「携帯、いつから電源入れてないの?」

 

 携帯? そういや、プラウダ戦のあとからまったく触ってなかったような。

 

「いろんな人から小町に、お兄ちゃんに連絡がつかないってメールとか電話とか来てるからあとでちゃんと確認しといてね」

 

 いやいや、俺に連絡してくる知り合いなんてそんなにいないから、俺が何年ボッチやってると思ってるんだ小町さんや。

 

「ちなみに小町に連絡してきた人って……」

 

 だが、気になるものは気になる。

 

「残念ながらみほさんたちからは来てないよ」

 

「なんで西住たちの名前が出てくるんだよ……」

 

「なんだ違うの? まぁとりあえず、ケイさん、ダージリンさん、オレンジペコさん、アンチョビさんとか、他にもいろいろ……」

 

 ちょっと、ちょっと待とうか、小町。

 

「え? どういうこと? なんでお前がその人たちの連絡先知ってるの?」

 

 いやいやおかしいよね? 俺、一度も会わせた記憶がないんだけど。

 

「なんでって、小町、お兄ちゃんが戦車道で戦った人たちの連絡先はほぼ全員知ってるよ?」

 

 なにを言ってるんだこの妹は? 全員? 今まで俺が戦ってきた人たち全員? どんだけコミュ力の化け物なの? 本当に俺の妹なの? 怖い、お兄ちゃん、小町が恐いよ!

 

「みんなお兄ちゃんのこと心配していたから早く確認した方がいいと思うよ?」

 

「お、おう」

 

 なんか今から確認するのが恐いんだが……大丈夫だよね? 正味、3日間放置してたから通知がやばそうである。

 

「とりあえず、今からご飯にしよっか」

 

「……そうだな」

 

 今は後回しにしよう、結局は直面しないといけないんだが……。

 

 

 ====

 

 

 小町との飯を済ませ、俺は自分の部屋で未だに考えている。

 小町は言っていた、俺は答えをもう知っていると。廃校以外で俺が行動した理由。この場合、俺は戦車道のやつらの為に動いたってことか? それもあると思うが、でもそれが答えじゃない気がする。

 建前じゃなく、俺の本音。どうしたかったのか? そもそも前提が間違っているんじゃないか? 誰かの為ではなく、自分の為に行動したと考えれば……。

 カチッと、ピースの嵌まった音がした。

 

 ―――あぁ、そういうことか。

 

 たしかに俺は答えを知っていた。そりゃあ小町も呆れるわけだ。なんてことはない本当にシンプルな答え。

 平塚先生の言う通り、俺は自分にたいしての感情が希薄すぎる。こんな簡単な答えに気づくのにさえ手間取ってたんだからな。

 問題は答えがわかったはいいが、どうしたらいいかがわからんな。平塚先生は雪ノ下たちに相談しろって言ってたけど……。そういやなんか今の俺には関係ない依頼とかなんとか言ってたような?

 たぶん、相談ってのは俺がどうしたらいいかも含まれているんだろう。さすがに依頼の方まではわからんが。相談するならするでわかりやすく要点をまとめた方がいいな。

 

 

 ーーー

 

 ーー

 

 ー

 

 

 そんなこんなで俺がいろいろと考えているとピピっと、俺の携帯が充電の終わった音を出す。とうとうこの時が来てしまった。

 さて、鬼が出るか蛇がでるか。

 

「……」

 

 俺は携帯の電源をいれ、確認する。

 メールが24件、俺にしてはというか、なんでこんなに来てるんだ? しかもところどころ俺が交換した覚えがない相手までもいるんだが? どういうこと?

 メールの大半が聖グロ勢のダージリンさんとペコ、安斎、まほさんと続いて、何故かケイさんにカルパッチョ、それにこれが一番の謎なんだが、由比ヶ浜から来ている。

 俺が交換した覚えがないとすると小町がやったのか?

  小町ちゃん? なんで勝手に俺の連絡先を交換してるのかな?

 大半のメールの内容は俺のあの時の試合についてのメールだった。内容を読むとどうも俺の戦車は砲撃を受けて派手に飛んだらしい、心配してメールを送ってくるぐらいなんだから相当やばかったのだろう。

 俺、よく無事だったな。今更ながらそんなことを思う。

 由比ヶ浜のメールはどうやらさっき届いたみたいで、日付が一番新しい。内容は……。

 

『明日は奉仕部に来てね』

 

 と、シンプルなものだった。

 念を押されてしまった。別に行かないつもりはなかったが。まぁいい、返信しとくか。わかった、と。

 俺がメールを送ると、すぐにメールが返ってきた。

 

『わかった(^-^ゞおやすみ(-.-)Zzz・・・・』

 

 なんとも由比ヶ浜らしい頭の悪そうなメールだな。

 ついでだ、ダージリンさんやペコ、他の人にも返しとこう。

 

 ふう、さて、こんなもんかね。

 俺は先程まで使っていた携帯を手放す。久しぶりにメールの機能を使った気がするな、お陰で指が疲れた。

 俺は自分の寝床へと行き、布団を被る。

 俺はまたあの夢を見るのだろうか?たぶんだが、大丈夫だと思う。なんなとなく、そう思う俺がいたのだった。

 


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