本編をどうぞ。
カズマ達が出て行ってから、数分後。
彼のパーティーメンバーであるアクア、めぐみん。そして軽い飲み仲間となったレシェイアは、飲料片手にソーセージや蛙の唐揚げなどを肴に、暫し会話を楽しんでいた。
―――落ちこんでいて会話を聞いていなかっためぐみんと、宴会芸に夢中で話を聞く気も無かったアクアは、レシェイアから事情を事前に聞かせて貰っている。
ちなみにレシェイアが初めてめぐみんを目にした際、彼女が付けていた左目の眼帯が消えているのだが、詳しく聞いてみればあれはファッションの様な物で付ける必要はないのだとか。
……それで一瞬理解しそこねたレシェイアが僅かばかり固まったのは、全くの余談である。
「カズマも、とうとうスキルを学ぶのねー……盗賊系のスキルだったっけ?」
アクアがソーセージを素手でひょいっと取り、口に放り込んだのを見ながら、カエルの唐揚げと格闘しつつめぐみんが口を開いた。
「盗賊系のスキルですか。モンスターの接近に気が付けたり、確かに中々お得なスキルです。でも爆裂魔法には数段以上も劣りますね。
まどろっこしい事しないで吹き飛ばせばそれで解決! それこそが至高なのです!」
「ソレには同意するわ。けどいい加減、最弱職のカズマには何でも良いからスキルを覚えて貰って、役に立つようになって貰わないと困るし、あの選択は良いんじゃない?」
……あまり役に立っていない子達が何やらくっちゃべっているが、突っ込みを入れられる者は不幸にも居ない。
ダクネスは出会ったばかりな上、ヌルヌルプレイを強行して『くれる』男としか今のところ認識していないので、望むだけ無駄だろう。
何より今この場にはいない。
他の冒険者たちは彼女等の上級職と言う肩書だけで強い、そして誰よりも役に立つと思い込んでいるのでまた望むべくも無い。
唯一、遠目から見ていたレシェイアだけが真実を確かに伝えられる筈なのだが……どうも興味が無いらしく、赤ワイン片手にフォークでカエルの唐揚げを崩したり、ソーセージを抓んでいた。
「気配察知できたり……うぃっ、自分の気配消せるならさぁ、仲間のフォローには打って付けらし! 頭働く彼らしいと思うけろね」
「頭が働くぅ? ヒキニートの思考力なんてそれこそ高が知れてるでしょ? 頭脳明晰って言うのは、この美しく、そして高貴なる女神アクア様にこそ相応しいのよ!」
「フッ……我とて紅魔族随一の知力を持つ者……カズマに負ける事、劣る事など、永久に有り得ぬ事象なのです」
笑顔でありながら、そう言いたげに目が笑っていないのは……恐らく気のせいでは無かろう。
勿論、当人である女の子二人は気付く由も無い。
と―――。
「ただいまぁ! スキル覚えて来たぜ!」
ウキウキ気分で勢いよく扉を開け、カズマがギルドへ帰って来た。
後ろにはちゃんとダクネスとクリスも連れている。
だがしかし。
「……何でその人、泣いているのですか?」
「ひぐっ、ぐすっ……えぅっ……」
どういう訳かクリスは涙を拭いながらしゃくりあげていた。
たかがスキルの習得一つに、何故にそんな展開へもつれこむのだろうか。
「それはだな」
説明しようとカズマが口を開いた―――所へ割り込む形でダクネスが一歩前に出る。
「彼女はスキルを教える際に、パンツをはがれて有り金も全部吸い取られ、無一文になってしまった。だから泣くほど落ちこんでいるんだ」
―――ギルド内の空気が瞬く間に凍り付く。
しかしそれもクリスが話し出すまでで。
「えぐっ……財布返すって言ったのに聞かなくて……足りないとか言い出して、オマケに自分のパンツの価値は自分で決めろって……脅してきてッ……!」
「いや、間違ってないけど……まま間違ってはいないけどさ、けどさ!?」
「さもなくば、我が家で家宝として代々崇め奉られる事になるって……!」
「ああ、やはり私のに眼に狂いは無かった! 間違いはなかったのだ!!」
「アンタは黙っててくれ!? 余計にややこしくなる!」
またも頬を染めながらなダクネスの言葉、続いたクリスの言葉に、ギルド内のカズマへ向けた視線が段々と凍えそうなモノになっていく。
さらに続けられた話をまとめると………。
カズマ、窃盗スキルである[スティール]を教わる
↓
厳しさを教えようと言う名目で、クリスに勝負を申し込まれる
↓
運が悪ければ一銭の価値も無い物が手に入るが、運が良ければ財布以上の金銭が手の内に
↓
盗れるのは小石かナイフか、はたまた財布か……幸運数値が試される!
↓
行くぞ……『スティール』!!
↓
無事成功。しかしクリスの様子が可笑しい?
↓
カズマ「ラッキー♫ 大当たり! クリスのパンツをゲッチュウ☆」
そして握ったまま振り回す
↓
前述通りの、かなり鬼畜な交渉劇勃発
↓
笑いながら、泣きながら、赤くなりながらギルドに戻る(←今ココ)
と言う事らしい。
クリスの証言だけでも逃げ場が無かったと言うのに、起こった有る意味号泣しても仕方のない悲劇を事細かに告げられ、道はいっそ哀れなまでに狭まっていく。
……同情出来たものでは、決して無いにせよ。
「待て待てちょっと待て! いや全く嘘ではないっていうか事実に近いけど……間違ってないけどさぁ!? 周りの女性の目がトンでも無く冷たくなってるんですけど、かなり痛いんですけど!?」
「ニャハハハハハハ! だいじょーぶらよカズマ、アタシは接し方変えないからさ~……多分」
「多分!? 今多分って言ったよな!? って言うかこっち向いて!?」
酒から眼を放さず、彼へは視線を向けず、しかし声色だけは優しいままレシェイアは告げた。
周りが一際の手加減をしていない分染みる(というより滲みる)モノがあった。
酔っ払いにもまた、遠慮ない大笑いから最後は薄笑いに変えられた笑みで告げられてしまい、カズマはいよいよ退路が無くなってくる。
―――良く見れば、クリスは泣きながらもチロリと舌を出しており、レシェイアはソレをちゃんと見てまた口角を上げていたので、もしかすると即席で連携して反省するように仕向けたのかもしれない。
良く考えなくとも普通ならパンツを握って振り回しながら大喜びしたりせず、慌てながらも謝ってちゃんと返すのが、最低限の謝罪と尽くすべき礼儀なのだから。
幸運が齎した偶々であろうとそれで調子に乗るのは果たして如何な物なのか。
まぁ元々相手が財布を返してくれなかった事が発端だとしても、下着を振り回してとんでもない条件をネタに有り金をむしるなど、最早言い訳無用の所業。
何やら焦燥に駆られて居るカズマだが……クリスの自業自得や、偶然が寄越した状況だとは言え、半分は彼にも問題がある。
肝に銘じ心から反省して頂きたい。
「……それで、此処までのリスクを負ったのですから、それほどのスキルを教えて貰ったのでしょうね?」
「リスク言うな! ……おほん。あぁ当然覚えたさ! んじゃ、見てろよ!」
取りあえずは落ち込むよりも、実践してみる方が早いかと、めぐみんへ掌をかざした。
窃盗スキル[スティール]とは名の通り『相手の身につけている物をランダムで盗む』スキルであり、幸運値が高ければ高いほどまたレアな物を引き当てやすいらしい。
ステータスの幸運値が高いカズマならば、尚更確率は上がるだろう。
そうなると先の場合は―――世間体をがっつり失ったが為に運が悪いというべきなのか、それとも有る意味では欲望を満たせて幸運の極みとでも言うべきなのか。
……恐らくカズマ的には後者だろうと思われるが、この予想が外れる事を願うばかりである。
「行くぜ―――――『スティール』ゥッ!」
かざされた手が握られると同時に、瞬間的に薄青く光り、カズマはフッ……と笑う。
傍目からは何も変わっておらずアクアは首を傾げる。
しかしそれはあくまで傍目からの感想であって、本人の物ではなく、笑った事から察するに如何やら初スティールに続き、今回も成功したらしい。
…………が。
「……っ!? う、あ、ふぇっ……?」
今度は[スティール]を掛けられた、めぐみんの様子がおかしい。
少し前のクリスの如く、目じりに涙を溜めて何やら居心地悪そうに縮こまり、足をその場でくねらせている。
嫌な空気がただよっているのは、気のせいでは無かろう。
「ん? ……なんだコレ」
掌に収まっていたモノを取り出して、両恥を握って広げてみれば―――それは黒の逆三角形。
両端にリボンも付いている。
「なんですか? レベルが上がったので、『冒険者』クラスからユニーク
「えっ」
「あの……スースーするので、パン……パンツ、返して下さい……っ」
ある意味見事な大当たり。
なんと言う要らない剛運なのか、カズマは二度連続でパンツを引き当ててしまったらしい。
よりにもよって数分と経たず、そして仲間の、更にロリっ子認定な子の下着を。
「カズマ……アンタってやっぱり……!」
「あ、あれ? ちょ……お、おかしいな? 奪えるモノはランダムな筈なのに……」
「そー言うなら、ビヨンビヨン伸ばすの止めた方がいいらよ? それじゃあ本当に変態らってアヒャヒャ♫ ―――ニャハハハハハハ!」
「ちょ、ちょま、だってこれ、ある意味レアで……いや、じゃなくて!!」
レシェイアに思いっきり正論を言われた挙句に馬鹿笑いされ、しかも迂闊な事を口走ったせいで絶対零度が彼の周りを覆っていく。
慌ててめぐみんへパンツを返すものの、既に室内を覆い尽した冷気は止まる所を知らない。
そしてレシェイアへも何が可笑しいのかは兎も角として、なまじ言い分自体は間違っていない為に、カズマはキレる事すらかなわない。
完全に「おまいう」な事が多いアクアならばこうも行かないが今回ばかりは状況的にも分が悪すぎた。
―――かと思いきや。
「なら三度目の正直だ! 『スティィィィル』ッ!!」
「んぅ?」
諦めの悪い事悪い事。
今度はレシェイア向けて『スティール』を発動させ、再び薄青い光がカズマの右手より生まれる。
今度奪えたものは中々に大きく、掌から普通にはみ出ていた。
ソレを伸ばした刹那……ギルド内の皆が、三度絶句。
「ホットパンツかコレ?」
「って、ことは……」
アクアが咄嗟に振り向いた先、そこには背を向けたレシェイアが依然として酒瓶片手に酒盛りをしている。
……だが酒瓶とソーセージを刺したフォークを持ち上げ、其方の肘をテーブルに置いた、その格好で硬直したまま動かない。
もしかするとホットパンツを奪われてもう隠す事が出来ないからなのか―――否、全然違う。
「レ、レレレシェイア!? アンタ何で……」
背中から順に腰へと目線を動かしていたアクアが、その真実を暴き出す。
何故動かないのか。それは―――。
「何で “下着付けてない” のぉ!?」
――まさかの『ノーパン』だったからだ。
よく見なくても《線》が皆無なため、一縷の望みすら当の昔に通り越してしまっている。
アクアの絶叫に男性冒険者たちの目線が集まりかけ、されど先のカズマの醜態を見たからかギリギリで理性を働かせて留まった。
「何で下着をつけてないんですか。レシェイアも変態なんですかあだっ!?」
めぐみんの言い草が不本意だったらしいレシェイアは、酒瓶を投げつけて否定の意を返す。
まあ、行き成り理由も聞かず変態認定されれば、動けない事も合わさってオーバーに反応したくもなるだろう。
ヘベレケの変人はOKでも変態は許容範囲外らしかった。
さて……張本人となってしまったレシェイアだが……依然固まったままカズマらの方へ声だけ向けて、アクアの『何故下を着ていないのか』という質問へ返答する。
「らって蒸れるし」
「意外と普通な理由だった!? あとまだ酔ってんのアンタ!? しぶといわね!」
「いや~……コレでも結構恥ずかしいんらよ? だから動かないようにしてるんらしぃ」
「何時も通り過ぎて、なんだか危機感が薄れる気が……」
酔っ払いは肝が太くなるのだろうか。
―――とここでダクネスがある事に気が付く。
「レシェイア殿。貴方は下は黒ストッキングで、上は網タイツ風だったな……詰まり “上” も?」
「そー、着てないよ?」
「サラッと言うの止めてください! 緊張感が薄れます!」
「よく擦れたり、型崩れしないわね? アンタ」
「色々あるんらよー、ニャハハ」
笑って返すレシェイアではあるが、さっきから投げた後の同じポーズのまま動こうとしない。
それだけで事態が意外とひっ迫している事を告げていた。
いくら酔っていても、公衆の面前で『有りのまま』を晒すのは躊躇われる、それが普通なのだから。
「カズマ……やってくれたわねアンタ……!」
「公衆の面前で私のパ、パンツをはぎ取るだけに飽き足らず……奢ってくれたらしい女性を下半身裸にしてしまうとは、なんという鬼なのですか……!」
「いや下半身裸は俺だけの所為じゃないだろ!? ってか完全に予想外の出来事だろ!?」
「……カズマ君。そう言うならホットパンツを確り握って放そうとしない、その行動だけは止めようよ」
「ハッ! 体が勝手に―――じゃなくて! 違くて!?」
必死に弁解しようとして、最早言い訳したいのか秘密を暴露したいのか分からなくなって来ているカズマ。
そこへダクネスが鎧を鳴らして割りこんでくる。
「許せない……! 公衆の面前で、こんな幼げな少女の下着をはぎ取るばかりか!」
「幼げ!?」
地味にめぐみんがショックを受ける。
「恩義ある女性を裸に向くとはなんという暴挙! 何と言う仇返し! 何と言う鬼畜の所業!!」
「いやまだ裸じゃあ無いけろ? ……あと、いー加減に
レシェイアが主張するも、ダクネスは抗議の弁を続ける。
「許せないぞっ…………だから是非とも私を! 貴方のこのパーティーに!」
「要らんわお前なんか!」
「あぁっ! っはぁ……!」
二度目の即決に対し、ダクネスも二度目の身悶えを披露する。
その様子に何か奇妙な物を感じたのか、アクアとめぐみんはお互いに顔を見合わせ首を傾げた。
一方、正面からダクネスと対するカズマだが……もうパーティーに入れる気など微塵も持ち合わせておらず、こんな駄目で可笑しなタイプの女を入れて、内情をぐちゃぐちゃにしてなるモノかと、必死に言葉をつなぎ合わせている。
「ねぇカズマ? この人が昨日、私とめぐみんの不在中にパーティー加入したいって面接に来たって人?」
(覚えてたのかよこの駄女神……!)
内心歯ぎしりしながら、カズマはアクアを睨み付ける。
しかしそんな足掻きも効果が無く、結局めぐみんに促されて加入の件について話し合おうと、テーブルへ案内されてしまうのだった。
「いー加減に下返ひて。利子つきで負債押し付けるよ~、具体的には最低額百万エリ―――」
「すいませんやめてくださいすぐ返しますから」
―――何がともあれ、話だけでも聞いてみようと、新しいメンバー候補に興味津々で見詰めるアクアとめぐみん。
だがカズマと、彼女の友人であるクリスはその内面をよーく理解しているからか、共に差異あれど苦い顔をしていた。
席を変えたレシェイアもすぐ近くに居るが、笑っているか否かだけで、纏う空気自体は同じだった。
まずはダクネスに、現在の職を確認すべく冒険者カードを見せて貰う。
その内容に、まずめぐみんが驚いた。
「この人も上級職……! しかも
「わ、本当! しかも職種が職種だけに、このアクア様のパーティーに御誂え向きじゃない!」
(コイツらだけには合わせたくなかったんだが……頭足らなくてこうなるし)
例え見抜いたとしても、イロモノどうし意気投合してしまう可能性が高いという罠。
話をすればする程に断りにくくなっていくだろう。
こうなったら最後の手段だと、カズマは溜息一つはき、言葉を纏めてから口を開いた。
「ダクネス。お前に、伝えておくべき事がある」
「何だ?」
「実はな……俺とアクアはこう見えて、本気で、マジで魔王を倒そうと考えているんだ」
その目的自体は忘れていなかったようで、アクアも二度直に頷く。
帰ってくる反応でまた答えを変えるべく、カズマは相手方のそうなの反応を待つ。
「へぇ……」
「そうなんですか?」
「そうなの! 凄いでしょ? でしょ?」
胸を張っていかにも『自分は立派な者。だから褒めて』みたいにアピールをするアクアを無視し、カズマは言葉を続けた。
「この先、俺達の冒険は予想だにせぬ事態の続く、実に過酷な物となるだろうな……特にダクネス」
「私?」
「女騎士のお前なんて魔王軍につかまったりしたら、一体どんな目にあわされる事か! とんでもない目に合うのは火を見るより明らかな、そんな役どころなんだぞ!」
「そうだな。昔からエロい目に合わせられるのは、女騎士だと相場が決まっている……それだけでも行く価値がある!」
「……えっ?」
「え? ……な、何か可笑しなことでも言ったか?」
寧ろ可笑しなこと“しか”言っていない。
自ら進んでエロい目に会いたいなど、彼女は一体全体どこの痴女なのか。ダクネスのマゾどころか “ドM” 精神全開の宣言は、完全にカズマの予想の外にあった。
それでも会話を止めて阿呆な方向へ脱線させないようにと、カズマはめぐみんの方を向く。
「めぐみんなら分かるだろ? 魔王相手に挑むって事は、この世界最強の存在に喧嘩を売ろうって事なんだ。そんな無謀極まるパーティーなんかに残る必要は―――」
「何を言うのですかっ!!」
テーブルを叩いて間でカズマの言葉を強引に留めると、めぐみんは机の上に音を立てて片足を乗せた。
「我が名はめぐみん! 紅魔族随一の魔法使いにして、爆裂魔法を操る者! この我を差し置いて最強を名乗る世知らずの愚者など、我が最強の魔法にて粉微塵に消し飛ばして見せましょう!!」
(どうしよう……!? 今すぐ去って欲しいのに……去って欲しいこいつら二人が寧ろヤル気に……!)
頭を抱えそうなぐらいの重荷を背負う羽目になり、更にそれを加速させてしまい、カズマはもう人目をはばからず本気で頭を抱えてやろうかと顔を引き攣らせる。
片やマゾヒストでノーコンらしい女騎士、片や一回限定の爆裂しか使えない魔法使い。
魔王相手にどうにかなるようには思えない。
暗雲が濃く深く、大きく立ち込め、晴れる様など一辺も見いだせなかった。
「……捕まえて貰えるかも、消し飛ばせるかどうかも分からないのに……か」
(……ん?)
不意に付近からレシェイアのものらしき呟きがカズマの耳に届いたのだが、小さすぎて何を言ったのかが分からない。
改めて聞こうかと、少し身を乗り出しかけたカズマは、しかしアクアが耳打ちしてきた事で腰を降ろさざるを得なくなる。
「……カズマ、もう少し楽な方法とかないのかしら……話聞いてたら腰引けてきたんですけど」
「お前はもっとやる気出せや。当事者だろうが」
あんまりなグータラ宣言に、さしものカズマも怒鳴る気すら起こらない。
さて、どうやってこの二人のやる気を沈静化させ、且つパーティーから追い出すにはどうしたらいいかと……頭痛がしてきた頭を必死で回転させる。
知恵を何とか絞り出すべく、大きく息を吐いた―――その時だった。
『緊急クエスト! 緊急クエスト!
冒険者各員は至急、正門へ集まって下さい!!
繰り返します!
冒険者各員は至急、正門へ集まって下さい!!!』
「こ、今度は何だぁ!?」
「これって……!!」
新たなる波乱が、アクセルの街に振り掛って来たのは。
と、言う訳でレシェイアは “ノーパン・ノーブラ” だったのでした。
理由は本編に挙げた通りです。
……なら他の服着ろや、って言うね。
―――まあ、そんな事どうでも良いでしょう(ならなんで上げた)
次回は “キャベツ” です。……コレだけで伝わるのが、このすばクオリティ。