素晴らしき世界にて“防”は酔う   作:阿久間嬉嬉

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嵐の予感

 怒りに燃えていたミツルギが、今は四肢全てを曲げた恰好で地に伏せ。

 彼の手の中にあった折れた魔剣は、何時の間に居たのか後ろのカズマの手にあり。

 驚愕から硬直していたレシェイアは、瞬時に動いてミツルギへ拳骨を入れる。

 

 ……言葉で端的に表わすと、こんな結末であった。

 

 なのだが急転直下を繰り返し過ぎて、顔が皆一様に茫然としたものになっていた。もう当事者のレシェイアと割り込んだカズマ以外静かすぎるありさまだ。

 

「ニャハハ……あー、えっと……と、兎に角ありがとれ? カズマ♫」

「いやいや。それに、今がまさにグッドタイミングだったしな」

 

 その当事者達は温度差こそあるものの、片手でハイタッチを交わし、小気味良い音が辺りに響く。

 

 カズマはそのまま右手に魔剣グラム(本体)を保持しながら、地面に刺さっている魔剣グラム(破片)を引っこ抜いた。

 

「うわ、マジで鋭そうだコレ……神器だってのによく折れたもんだ」

 

 幅と長さがあるおかげで、手を切る事もなく無事に回収できたその三分の一を、カズマは物珍しげな顔でしげしげと眺める。

 

「……あ、やっぱくっ付かないか。幾らなんでも其処まで万能じゃあないよな」

 

 そんな行動の傍ら、レシェイアを除いた全員が未だに固まっている。

 卑怯者! と(そし)られる事も無く、暴走を止めるとはよくやった! とも褒められず、ただ頑なにシーン……とした空気が辺りを支配していた。

 

 

 まあ無理もないだろう。

 何せソードマスターであるミツルギが冒険者(最弱職)相手に思うように攻められず、あまつさえスキルを使わされただけでも目を疑うべき出来事。

 

 それなのに……魔剣グラムは三分の一も圧し折れ、折った張本人のレシェイアは驚きより申し訳なさが先に立っている様子。

 しかも傍目からは全く関係無い冒険者に見えるカズマが乱入したのだから。

 さっきまで驚いていた筈のレシェイアが隙が出来た瞬間に攻撃を加えていたのも、何故そうなったのかと困惑する心境へ更なる拍車をかけているのかもしれない。

 

「そーいえば、カズマ。何時から見てたの?」

結構前からだけど

「「「「…………えっ?」」」」

 

 尤も、カズマのその発言でレシェイアでさえ固まってしまったが。

 

 更に詳しく聞けば、ミツルギがレシェイアの進路を遮ったそれより少し前のところからは居たとか。

 つまり決闘を丸々全部見ていたどころの話ではない。

 ミツルギが何者なのかや、誤解が様々な要らん事態を生んでいる事なども、説明する間もなくシッカリ理解しているに他ならない。

 

 よりあんぐりと口を開けて固まるアクア等や、複雑な感情を持ち苦笑いするレシェイアをみて、カズマは慌てながら訂正し始めた。

 

「お、おい誤解するなよ? 別に見捨てようとか、俺に注意が向いてなくてラッキーとか、このまま行けば勝っても負けてもあのイケメンヤローに負債が乗っ掛ってきそうだとか、考えていたんじゃないからな?」

「……そんな言い訳をされると益々怪しいのですが」

「カズマ、アンタ……」

「いやあんな戦いにどうやって割り込めって言うんだよ!? あのイケメンヤローはメッチャ強いし、レシェイアもそれに食らいついて行ってるし、下手に手出したら事故とか起きたかもしれないだろ!?」

「起きちゃったけろね、“事故”が……」

 

 カズマの手に握られた魔剣グラム(破片)と魔剣グラム(本体)を見つつ物悲しそうにレシェイアは呟く。

 ぼそぼそ呟き焦っていたのはモロに受けるとこんな惨状になってしまうから、らしかった。

 まさかアレが狼狽からのトチリではなく、嘘偽りない真実だとは……流石に誰も思うまい。

 

 折れると焦っていた事、端から戦意が薄かった事もあり、レシェイア自身圧し折る気が更々なかったのは自明の理。

 また温度差があったとはいえマンゴーシュを持ち出したのも、武器を使わないなんて舐めているのか! と言われぬためであろう。

 

 ――その結果が魔剣ポッキリ(ごらんのありさま)なら、苦笑い以外浮かべられなくても仕方ない。

 折角の苦労が無に帰して、また少なからぬ違和感を植え付けてしまったレシェイアの疲労度は、一体如何程な物なのか……。

 

 

と、そんな微妙な空気の中―――

 

「まぁ紆余曲折ありましたが最終的にレシェイアが勝ちましたし、決闘が終わったのは良いのですが……その人どうするのですか?」

 

 めぐみんが指差しながらそう発言した事により、ちょっとばかし忘れかけていたミツルギの存在を、他の三人共ハッと思いだす。

 レシェイアは(ある意味)忘れたくても忘れられない存在になってしまったので、先程から何度もチラチラ見てはいたのだが。

 

「決闘の内容は……レシェイアが勝ったらコイツに何でも好きに命令できる、ってヤツだったよな?」

「そうね。元々その人が言い出した事なんだし、プライドが底辺じゃあ無いなら変更もしないでしょ」

「この際ですからドギツいのを一発命令してやったらどうですか? レシェイア」

「ど、ドギツい……! それは是非私へ命令して欲し―――ごほん! いや、限度はあるだろう。それはあまり感心しないな」

 

 四人の内輪でワイワイガヤガヤ盛り上がるカズマ陣営一行ではあるが、肝心のレシェイアはというと頬を掻きながら微妙な表情を浮かべ、なんだか如何も乗り気ではないご様子。

 

「んぅ、お金は足りてるしぃ装備なんれ要ららいしぃ……かといってこのまま放っとくのもなんらかなぁ。……う~ん……」

 

 レシェイアにとっては現状で充分過ぎるぐらい満足なので、正直何でも命令して良いと言われた所で『いや、そんな事言われたって何も無いんですけど』しか言えない。

 何にも触発されなかったからこそ、ミツルギが本気を出してくるまで勝負の件を否定していたのだから。

 

 しいて、お願いの候補として上げるならば『魔剣を圧し折った事をネチネチ責めない』。

 もしくは『自分の奇妙さについて周りに広めないように頼む』ぐらいが妥当だろうが、ミツルギの思い込みによる突っ掛かりも含め、不用意に武器を扱った過失など、どう足掻けどこの事件は自業自得の範疇を抜け出せない。

 何よりちゃんと話を聞かずに自己完結させたのが原因なのだし、反省の為にも敢えて謝らない方が良いだろう。

 

(こう言う人って、突っ走ったらそのまんま落ちるまでだからねぇ……)

 

 また彼の勘違いな決め付けの発言にイラついていたのも、彼女にとってはやはり覆しようのない事実。

 仮に相手がカズマであっても同じ事をしたであろう可能性、そしてその後の事態を浮かべれば……そんな命令だけで許すのも納得がいかない様だった。

 

(なら、ちょこっとキツく行っちゃおうかな? ……あ、そうだ。アクア達は勝手に引き抜かれそうになった訳だから、カズマの利益にもなるようにして…………)

 

 幸いながら自分だけでは思い浮かばない命令もカズマ達絡みであれば幾つかの候補が浮かび上がり、今度はどれにしようかと実にそれらしい悩みで考え始めたレシェイア。

 

 

 

 …………その時だった。

 

「む、無効よっ! 無効よこんな闘いは!!」

 

 今までずっと茫然としていた薄緑髪の戦士職・クレメアが、狼狽を残しながらに制止の声を上げたのは。

 

「無効? なんでだよ」

「しらばっくれないで! 横から割り込んで来たクセに、この卑怯者!!」

「そ……そうよ! 卑怯よ! 正々堂々勝負しなさいよ卑怯ものっ!」

 

 思い出したかのようにフィオも参戦し、金切り声交じりに喚きだした二人。

 確かにその言い分もまた正しい―――だが、そんな彼女等に対してレシェイアはニヤリと笑いながら、冷静に言葉を付け加えてきた。

 

「『負けを認めさせるか、気絶させるかを除けば、何も。後で言いがかりをつけられるのも、ね……だから搦め手でも卑怯な手でも、何でも良いよ』―――コレ、誰の台詞だったっけれぇ?」

「は? ………………あ」

 

 一瞬ばかり何を言っているのか理解できなかったクレメアも、多少冷静になって此処までの出来事を思い返した途端、口を半開きにして止まってしまう。

 

 上記のセリフはこの場に居る中の誰でもない“ミツルギ自身” の発したモノ。

 他ならぬミツルギが卑怯な手を使っても良い、との言質を取らせてしまっていたのだ。

 だから卑怯な手を使われたとしても、本来文句なんか言える筈も無い。

 

 例えばそう―――横からレシェイアの友人が割り込み、脳天へ一撃をかます隙を作ったとしても。

 

「他ならぬ本人が卑怯な手使ってもー良し! と言ってたんらしぃ……そもそもさぁ?」

 

 そこでレシェイアはカズマへと視線を向けた。

 カズマも理解が早く何もかも分かっているといった表情で頷くと、悪人面一歩手前な顔で語り出す。

 

「賭けの対象だったアクアだがなぁ……アイツ、俺のパーティメンバーだから」

「なっ!? ……か、駆け出しのパーティにアークプリーストが居るわけ―――」

「カズマの言う通りよ? 元より無理矢理入ってるってのでも無いし、そこそこ楽しい生活してるって言ったでしょ? 主人公っぽい人が行った事なんて全部マト外れよ」

 

 そして……そこでクレメアとフィオは自分達―――詳細に言えばリーダーのミツルギがやらかした、この事態の重さに(ようや)く気が付いた。

 

「ま……まさか、キョウヤがやってた事って……!?」

「赤の他人へ言い掛かりをつけ反論も聞かず、偏見を重ねて侮辱した挙句、あまつさえ自分よりランクの低い人へ勝負を挑み、しかもパーティリーダーの関係ない所での引き抜き行為―――つまり犯罪スレスレなチンピラレベルの行いなのですよ?」

 

 仮に訴えられたら、それこそ何も反論できないかもしれない。

 勇者がどうこう……どころの話ではなかった。

 

「しかも卑怯を許す言質を取らせた上で負けたな。オマケにレシェイアは私達と親しい友でもあってな、流石にあの言い草では着く気など毛頭なかったぞ?」

「プークスクス! 勇者気取りで救うとか言ったのに檻すら壊せなくて、人を侮辱しまくった挙句に魔剣折られて、自分の失言の所為で負けてるとかギャグ以外のなんでも無いんですけど!」

 

 何時もならば味方すら“イラッ”ときて拳骨かましそうなアクアの煽りも、今だけはカズマの溜飲を下げるこの上ない癒しと化している。

 ……貶されている本人達もまた苛々するどころか若干青ざめた顔で、油を刺し忘れたブリキの如き動きでレシェイアの方へ顔を向ける。

 

 ニヤリと、いつもの調子を取り戻したレシェイアが笑った。

 

「ビックラ仰天! 名誉棄損、刃傷沙汰未遂、レベル差恐喝の三連チャン♫ 他にも関係(かんけー)無いアタシの武器を破壊しようとして知らんぷりしよーとしてたのも明白でぇ……被害がドンドン加速してく()ぇ」

 

 その言葉へカズマとアクアも更に続く。

 多少なりとも鬱憤は溜まっていたらしい。

 

「まだまだ言ってやれよレシェイア。ここは駆け出しの街なんだから、本来なら金溜めとかないと宿屋にだって毎日は(とま)れなくて、つまり馬小屋ぐらしで頑張ってる奴等すら侮辱してたんだ―――ってな!」

「神器が壊れたのには驚いたけど、私はそれ位で済んでよかったと思うわよ? 刃の2/3と持ち手が残ってるなら能力だって残存してるだろうし。でも今までと同じスペックは出せないのでした!」

 

 しかも魔剣グラムの破損はどちらにとっても予想外な上、ミツルギがムキにならなければ……というか、そもそも余計な勝負を仕掛けなければ起こり得なかった『身から出た錆』。

 重ねてきたプチでは済まない蛮行の所為で責める事など出来はせず、結果、先程までとは形勢が逆転。

 

 最早、逃げ道がないのはミツルギ達の方だ。

 周りのミツルギ達側よりだった味方であろう野次馬達はというと……妙な事に巻き込まれない為か、とっくの昔に居なくなってしまっていた。

 

「景品は『何でも一つ命令を聞く』でいーんらったね?」

「ど、どうする気よ……」

「簡単簡単♫ それじゃ~―――

 

 

 

―――慰謝料代わりに持ってるエリス通貨や金目のモノ……服以外の装備含めて “全部” ちょーらい☆」

 

 

 

 

 

 

 

「なーっはっはっは!! 思わぬ臨時収入! 俺、ウッハウッハだぜ!」

「アタシ個人には三十万もプラス! 檻の損傷部具合もちょっとだったし、修理代請求されなくて良かったわ!」

「「ニャーッハハハハハァ!」」

 

 ギルド内部に響く高らかで、朗らかな笑い声の発生源は、他ならぬアクアとカズマ。

 

「……軽くレシェイアが移ってますよ、二人共」

「ニャハハハ♫」

「……レシェイアも吊られて笑わないでください」

 

 レシェイアも続き、めぐみんのツッコミが入る。

 

「しっかしなぁ。俺の幸運ステータスの高さって、実のとこ全然無駄じゃあ無いんじゃね?」

「そうね! もし修理費捻出の結果だったしてもアイツの顔へゴッドブローですっきり出来るし、その場合はレシェイアが奢ってくれるし……」

「損がないもんだな、うん!」

 

「……だから移ってますって」

 

 あの後。

 

 “全部!” などと惨酷且つぶっちゃけた宣言をしたものの、幾分かの貯金だけは流石にレシェイアも免除して……しかしそれでも尚、カズマらの手元へ高額なエリス通貨が転がり込んできたのは言うまでも無い。

 これで拠点も手に入れられるし、武器も鎧も新調出来て、良い事づくめだ。

 なので―――彼等は思わぬ収入に顔をニヤ付かせながら、束の間の似非セレブ気分を味わってた。

 

 

 ちなみに件の折れた魔剣グラムだが、痛い人(ミツルギ)専用なのでカズマにはちょっと良く切れる剣でしか無いわ、仮に只の剣として使うにも折れててリーチが短いわ、そもそも重いわで物の見事に役立たずであり、売れもしない物を取っておいても仕方ないからと彼の元へ置いていっている。

 

 結構付き合いが長かったのか、ミツルギは気絶から回復し起きるや否や、手渡された魔剣グラムを前にあ○たのジョーもかくやと真っ白に燃え尽きていた。

 

 ……パーティメンバー以外、誰も同情してくれなかったが。

 

「しかしなんだったのだろうな、あの男は。なんかムカついた所作といい、初対面の相手を行き成りバカにしてきた事といい、この街の冒険者間の常識をまるで認知していなかった事といい。腕はたつ様だが変な冒険者だった」

「そういえばあの人はアクアの事を、矢鱈女神様女神様と言ってましたけど……一体、何の話でしょうか」

「んぅ~……ん! 確かに~、なぁんか気になっちゃうれぇ?」

 

 まあアレだけ公衆の面前で、隠す事無く連呼されれば当然疑問に思うだろう。

 

 カズマはそっとアクアへアイコンタクトをとり、ちゃんと伝わったらしくアクアはしっかりと頷き、真剣な顔で三人へ向き直る。

 

 自分の抱えている真実を、彼女らへキチンと話すべく……。

 

「今までずっと黙っていたけど、貴女達にはちゃんと話しておくわ」

 

 真剣そのものな空気を敏感に感じ取った様で、珍しく真面目なアクアを茶化す事無く、三人は黙って彼女へ視線を向け続けた。

 

「私の名前はアクア……アクシズ教団の崇拝する御神体―――女神アクアなの。水を司りしたおやかなる女神、女神エリスすら眩む美貌の女神。そのアクアが、この私なのよ……!」

「「って言う夢を見たんだ?」」

「ちょ、違うわよ真実よ!? しかも何でハモってんのよっ! 本当なんだってば! 私こそ女神アクアその人なんだってばぁっ!!」

「「そうなんだ、凄いね!」」

真面目に聞いてよーーーっ!?

 

(まあ、普通はこうなるよなぁ……)

 

 仏頂面でそのショートコント(やりとり)を見ていたカズマは―――場の空気と、ギルドのざわめき、そして今まで起きてきた出来事での先入観により気が付かなかった。

 

「…………」

 

 レシェイアがワインボトルを口に突っ込んで飲み続けながら、されどバカにするでもなく沈黙し続けている事に。

 ……その瞳が、先までのアクアの如く、真剣そのものだった事に。

 

あ!

 

 と―――何に気が付いたのか、カズマは弾かれた様に立ち上がると仏頂面を止めて手を叩いた。

 

「そういえばレシェイア、あの変な緑色の武器! なんで神器を圧し折れたんだ?」

「あー! 言われてみれば! 神器は絶対に破壊できないって訳じゃないけど、でもアレは魔道具でも神器でも何でもないし……」

「他にも一杯言いたい事がありますよ。例えば今回の決闘だって、何でソードマスターの攻撃に耐える事が出来ていたんですか。普通は峰打ちだろうとも手加減だろうとも、低レベル最弱職の冒険者に対処など不可能の筈です」

「……んぅ~……」

 

 やっぱりそれだけは言いたくないのか、レシィエアの顔に誤魔化す様な苦笑いが浮かぶ。

 

「ねぇ教えなさいよ! カズマの言ってたキャベツへビンタの件とか、ダクネスをふっ飛ばした事とか、今更ながらに気になることが山ほど出て来てんのよ! 一体、どんなスキルを持っているかバンッと明かしちゃってもらおうじゃないの!」

「えぇ~……?」

 

(……あれ? 今回の決闘って実のとこ、レシェイアが一番損して終わってるんじゃね?)

 

 理不尽に巻き込まれ、トバッチリで渋々闘わされ、結果何も得をしてないとは救いようがない

 ―――そんな恨まれても仕方ない事件に対し、その場限りの装備回収と罰金ですませたのだから、やっぱり先の命令は一応良心的な方だろう。

 レシェイアが人格者なのか、もうどうでも良かったのかは定かではないが。

 

 しかしその所為とはまた別の所で、面倒事が湧きあがってきてしまっているのだから、彼女は不幸な事この上ない。

 

 オマケに噂程度だけで、本人の酔っ払いぶりもありそこまで広まる事は無かろうとは言えど、少数の野次馬には見られているので面倒事の増加と加速は留まるところを知らない。

 

「ほら! さっさと吐きなさいよ!」

「ゲロれば楽になるかもしれませんよ?」

「私も気になるな! 教えてくれ」

「うはぁ……」

 

(偶には奢ろうかな、レシェイアに)

 

 レシェイアは困った瞳を向け続けているというのに、そんな事を思いつつも助け船を出そうとしないカズマ。

 

 そして煮え切らない態度のレシェイアに、アクア達が等々強引な手段に出始めた……その瞬間だった。

 

 

緊急招集!! 緊急招集!! 冒険者各員は至急武装を整え、正門前まで集まって下さい!!

 そしてサトウカズマさん率いるパーティ御一行様は、他の冒険者以上に大至急!! 大至急で向かってくださいっ!!

 

「……は? 何で?」

「え?」

「む」

「あれ……」

 

…………助かった、かな?

 




次回、デュラハン登場!
……って言うまでも無いですね。

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