それ往け白野君!   作:アゴン

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今回はタイトル通りの話。つまりは無双です。

ヴォルケンファンの皆様はご注意してお読みください。


このAUO実にノリノリである。

 

襲撃者達の二度目になる奇襲を受け、ギルガメッシュと白野、アーチャーの三人は二手に分かたれ、それぞれ違う場所で襲撃者の猛攻を防いでいた。

 

結界による外界との隔離。人も車も街の喧噪もかき消されたこの街で、紅き鉄槌が嵐となって赤い弓兵へその手に必殺の威力を込めて振り下ろす。

 

「うらぁぁぁっ!」

 

「ふっ」

 

 振り下ろされた鉄槌は標的に掠りもせずに空を切り、地面を穿ちアスファルトの大地を粉砕する。

 

「やれやれ、恐ろしい一撃だな。見た目の割に随分エグい攻撃をしてくれる」

 

「うっせ! テメーこそチョロチョロと動き回りやがって! 大人しく潰されてろ!」

 

自分の一撃は当たれば文字通り必殺の一撃だ。どんな頑強な障壁だろうと分厚い装甲だろうと粉砕出来る自信はある。

 

そう、当たれば。

 

こちらの攻撃をヒラリヒラリと蝶のように避ける赤い弓兵に、少女の内心はマグマの如く煮えわたっていた。

 

「それはゴメン被る。……先程から気になっていたが、君には些か上品さが欠けているな。もう少しお淑やかに振る舞えないのかね?」

 

 弓兵による挑発。それは普段の彼女なら何て事ない鼻で笑って返せるモノ。

 

だが今の彼女は冷静ではなかった。どれだけ自慢の鉄槌を振り回しても当たらない現状と今“自分達の置かれている状況”に追い詰められ、アーチャーのトドメの挑発に少女は無意識の内に冷静に状況を見極める判断能力を失った。

 

「うるせぇ、うるせぇよ! いいからとっとと潰れやがれ! ────アイゼン!」

 

 少女が怒号の叫びを上げると共に足下に赤い三角形の魔法陣が浮かび上がり、手にした鉄槌を空へ掲げる。

 

「グラーフアイゼン、ロードカートリッジ」

 

少女の叫びに合わせ鉄槌もまた煌めく。ガシャンと音が鳴り、鉄槌の中から幾つもの薬莢が弾け飛ぶ。

 

 みるみる形が変わり、変形を終えた鉄槌は今までなかった鋭利の部分を備え、対の方には噴射口らしきブースターが見える。

 

見るからに破壊に特化した少女の鉄槌を目の当たりにしたアーチャーは、驚き半分呆れ半分の気持ちでため息を漏らす。

 

「あの女剣士といいこの少女といい、この世界の武器はああも変幻自在なのか?」

 

「これで終わりだ。テートリヒ……シュラァァァック!!」

 

 少女の怒号を合図に、鉄槌に新たに備わった三つの噴射口が雄叫びのように火を上げる。

 

地を蹴り、一度だけ勢いを乗せた後、少女はそのまま鉄槌に身を任せ、一気に間合いを詰めてくる。

 

 その様子を垣間見たアーチャーは両手に握り締めた夫婦剣『干将・莫耶』を手放し、新たに一つの弓を携える。

 

しかし、その弓には矢は添えられていない。アーチャーの開いた手には干将・莫耶ではない別の剣が握られている。

 

「何をするかは知らねぇが!」

 

そのアーチャーの異様な立ち姿に一瞬だけ呆けるも、関係ないと思考を振り切り、少女は更に威力を上げようと回転し、その力に遠心力を加え。

 

「これで、ぶっ潰れろぉぉっ!!」

 

 渾身の力を込めて鉄槌を振り下ろす。

 

それはまさに必殺。彼女の鉄槌はアーチャーのだけではなく、地面や周囲の電灯、建物すらも巻き込んで崩壊させていく。

 

舞い上がる砂塵の中で少女は我に返る。

 

(し、しまった! やりすぎた!)

 

 彼女には願いがあった。自分の主人を守る為、主人を救う為に彼女は戦い続けた。

 

しかし、ここで殺害という大きな罪を犯してしまえば自分だけではなく自分が命よりも大切な主人すら巻き込んでしまう。

 

 少女の顔から血の気が引き、その脳内は「どうしよう」の文字で埋め尽くされる。

 

そう、彼女は混乱していた。

 

だから、“その隣で弓を引いていたアーチャー”の姿を認識するのに一瞬だけ遅れてしまう。

 

「!?」

 

「臭いは覚えたな?」

 

 瞬間、少女は空へと急上昇してアーチャーとの距離を稼ぐ。

 

しくった。混乱した。そう言えば手応えなんてなかった!

 

そう頭の中で己を罵倒しながら、少女はどうしてこうもこの戦いが上手くいかなかったのが漸く理解した。

 

 なんて事はない。それはただの────

 

「喰らいつけ、赤原猟犬(フルンディング)」

 

「あ……ぐ」

 

相手を格下だと勝手に決めつけた慢心、油断、そして自分には後がないという強迫観念に近い自己暗示故の───自爆だった。

 

脇腹から感じた痛みと衝撃により、少女の意識は強制的に途切れる。

 

 

その最中、落ち行く筈だった自身の体を誰かが抱き留めた感覚に陥ると。

 

「やれやれ、少女とはいえ敵に情けを掛けてしまうとは、マスターの甘さが移ったか」

 

 そんな皮肉混じりの言葉を最後に、紅い鉄槌の少女は意識を完全に手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふははははははは!!」

 

 高笑いが人気のない街並みに木霊する。

 

自分の前に立つ世界最古の英雄王は空へ飛ぶ三人の騎士に向けて無尽蔵とも呼べる槍や剣、矛といった武具の雨を降り注ぐ。

 

騎士達はそれぞれの体裁きで避け、弾いたりいなしたりしているが、誰一人受けようとはしない。

 

理由は素人な自分でも分かる。一度でも防いでしまえば最後、容赦のない物量でその体を串刺しにされるのだと分かっているからだ。

 

しかもギルガメッシュの放つ宝具の一つ一つの威力は絶大。薄い装甲や障壁などたちどころに粉砕してしまうことだろう。

 

だからといって今の状態が最善の方法でないのは明白。今は何とか凌いでいるが彼女達はジリジリと追い詰められ、その表情は追い詰められた草食動物だ。

 

「くっ、なんだこの術は!?」

 

「全てが私達の持つデバイスと同じ……ううん、それ以上のエネルギーを持っているなんて!」

 

「たわけが、貴様等の持つ玩具と我の財宝を同列に扱うなよ。我が扱う財は全て至高の品だ。それを見極められぬとは、益々度し難いな!」

 

 英雄王が牙にも見える刃を覗かせて頬を吊り上げる。

 

前に、こんな話を聞いた事がある。人が笑顔を浮かべる際、その時の筋肉の模様は動物の威嚇、或いは怒りを表現する時のものと全くと言って良いほど類似しているらしい。

 

ギルガメッシュの今の微笑みはまさにそれ、獲物を蹂躙しようと身構える肉食獣そのものだ。

 

「シグナム、これではじり貧だ。一度離れるぞ! 奴等はどうやら空戦の適正はないと見た」

 

「そうだな。シャマル!」

 

「了解!」

 

 僅かな隙間を見つけ武具の弾幕から逃れる騎士達はそれぞれ別方向へと飛翔していく。

 

あれだけの弾幕から僅かな損傷で逃れる辺り、彼女達の技量の高さが伺える。

 

「奇襲の次は逃走か。雑兵共の考える事はつくづく単純だ。いいだろう、その余興に暫し付き合ってやろう!」

 

そう言うとギルガメッシュは蔵の扉を閉じ、腕を組んで何もない空間に座ろうと腰を降ろす。

 

いったい何を? そんな疑問が過ぎった瞬間、自身の足下に黄金に輝く奇妙な足場が現れる。

 

これは……船!? しかも浮いてる!?

 

混乱する自分をギルガメッシュは一度だけ此方に視線を送り、その表情を愉快そうに歪ませる。

 

「さぁ、無様にしがみつけよマスター! 我がヴィマーナに振り落とされたくなければな!」

 

 言うな否や、ギルガメッシュは黄金の小型飛行船ヴィマーナを発進させて飛び去った騎士達の後を追う。

 

その速さに驚くより先に振り落とされないよう必死に操縦席らしい椅子にしがみつく事で頭が一杯だった。

 

通常の飛行船では有り得ない軌道と速さ、魔術による身体強化でなんとか張り付いてはいるものの、この空気抵抗の圧力には正直堪える!

 

 「ほら、見つけたぞ雑種。疾く逃げねば串刺しよ!」

 

そして前方に捉えた騎士……青い装飾を施された犬耳の男に向けてギルガメッシュは再び蔵の扉を開く。

 

一斉に掃射される武具の弾幕。男はまさか此方に空を飛ぶ方法があるのを予想だにしていなかったのか、その表情は驚愕に満ちている。

 

 降りかかる武具の雨を男は類い希な飛行技術を以て抜け出し、街路樹へ逃げていく。

 

その行動に賞賛を送ると共に疑問する。

 

おかしい。確かに彼がギルガメッシュの武具の雨から抜け出した技量は凄いの一言に尽きるのだが、その後の行動が気に掛かる。

 

障害物に利用するだろう街路樹。姿の見えない二人。そして、支援に特化した緑色の女性……。

 

幾つかの疑問と欠片が繋ぎ合わさった時、自分の頭にある一つの“答え”が浮かび上がる。

 

……まずい。もしこの答えが正解したのなら自分達はまんまと向こうの網に引っかかりに行くようなもの。

 

無論、ギルガメッシュにもその考えは看破しているだろう。だが忘れてはいけない。彼は世界最古の英雄王であると同時に世界最古の慢心王でもあるのだ。

 

「そらそら逃げろ狗! 貴様のその姿が酒の肴になる」

 

…………このAUOノリノリである。

 

と、英雄王が追いかけっこに夢中になったその時。

 

「ギルガメッシュ、前に向かって剣を振り下ろせ!」

 

「!」

 

その瞬間、笑い声を上げていたギルガメッシュの表情が氷の様に冷たくなり、自分の声を聞いた瞬間蔵から一振りの剣を取り出して立ち上がり、目の前に迫る何もない空間に向けて振り下ろす。

 

その時聞こえてきた糸が切れる音に確信が持てた。やはり、追い詰めたのは自分達ではなく─────

 

「くっ、紫電───」

 

「遅いわ、たわけめ」

 

頭上から斬り掛かってきた女騎士に、ギルガメッシュはつまらなそうに吐き捨てながら切り払う。

 

女騎士の一撃はギルガメッシュに当たる事なく、寧ろその剣を防御に回してしまった事で攻撃手段は失い、女騎士は為す術なく吹き飛び、ビルの壁に叩き付けられる。

 

舞い上がる煙の中、退屈の様に操縦席に座り直したギルガメッシュは、頬杖しながら視線を此方に投げつけてきた。

 

「全く、貴様も余計な真似をしてくれたモノよな。お陰で窮地に陥る楽しみがなくなったではないか」

 

その言葉にやはりと納得する。この男、自分の退屈を紛らわす為にワザと死地に片足突っ込みやがった。

 

その為にいらない危機に陥り掛けたのに! と、一言言ったやろうとするが。

 

「ま、先に言った我の言葉を直ぐに達成させた手腕は見事だ。後で飴をやろう」

 

 

その一言に何も言えなくなった。もし窮地に突っ込もうとしたのも自分を試す要因なのだとすれば、それは岸波白野の育成を体を張って成し遂げようとしてくれたからに他ならないからだ。

 

 ……なんだか言いくるめられた感はするが、これ以上の言及はやめておこう。と、内心で決めていた時、煙の向こうからガラガラと瓦礫が崩れる音が聞こえてくる。

 

「が、ぐ……お、おのれ、こんな所、で」

 

額や手足から血を流しながら這い出てくる女騎士。

 

 壁に打ち付けられたダメージで女騎士の動きが鈍くなっている。けれどそんな状態になっても戦おうとする彼女の姿に言いし難い気迫を感じる。

 

一体何故そこまで戦おうとするのか、何の為に戦おうとするのか、立ち上がろうとする彼女に問い掛けようとする───が。

 

「喚くな」

 

 ただ一言、ギルガメッシュの絶対にして無慈悲な宣告と共に彼女の四肢が武具によって撃ち抜かれる。

 

「──────!!! あ、が、あ………」

 

一度に手足を撃たれた事により、女騎士の表情が痛みによる苦悶に染め上げられる。

 

「シグナム!? 貴様ぁぁぁっ!!」

 

 ギルガメッシュの所業に怒りを露わにした男が、その拳を掲げて此方に突っ込んでくるが。

 

「狗は狗らしく、地に這いつくばっておれ」

 

 男の頭上から降り注げられる無数の槍が、男の全身を撃ち抜き、地に叩き付けた。

 

「ざ、ザフィー……ラ、き、貴様……」

 

女騎士の四肢に打ち付けられ剣やら槍から血が滴り落ちてゆく。そんな凄惨な光景に目を背けたくなる。

 

 血を流した事で意識は朦朧としているだろうに………痛みが気付け薬になっているのか、それとも彼女の意志がそうさせているのか、或いはその両方か。

 

凄惨な姿になっても未だ衰えない闘志を秘めた瞳に───ギルガメッシュは愉快そうに笑った。

 

「良いぞ。実に嗜虐心がそそる顔だ。では今度はその顔がいつまで続くのかを愉しみとし、今宵の肴にしよう」

 

手を上げて蔵の扉を開き、一本の槍を取り出すギルガメッシュ。

 

女騎士をなぶり殺そうとする彼を流石に不味いと思いやめるよう言い渡す────

 

「シグナムから離れなさい!」

 

 横からの第三の声に呼び止めようとした自分も、振り投げようとしたギルガメッシュも止まる。

 

声の方へ振り向けば先程以来に姿を見せた緑色の女性が一冊の本をこちらに向けていた。

 

「これ以上、彼女達に近づくのなら……」

 

「ほう。ではどうする女。王の愉悦の一時を邪魔し加えてそもそも原因はそちらにある。仕掛けておいて止めろと言うのだ。それなりの覚悟あっての言なのだな?」

 

口元を歪ませながらギルガメッシュの朱い双眸が緑色の女性を射抜く。

 

その眼光にやや震えながら、女性は本を開き此方に向けて言い放つ。

 

「私の持つ魔導書、『闇の書』は尋常ならざる力を持っています。ここには膨大な魔力が詰め込まれているので一度開けば最後、私達諸共この一帯を消し飛ばします」

 

 女性の言っていることは正しかった。あの魔導書には途方もない魔力が詰め込まれている。

 

あれだけの魔力、ただ放つだけでも相当な威力を持っていそうだ。

 

だが、それだけではこの予感は説明できない。単にあの魔導書が凄い代物であるならばここまで悪寒を感じる事はないのだから。

 

 あの魔導書、闇の書と呼ばれる本からは自分では理解できない禍々しさを感じる。

 

そしてそれはギルガメッシュも同様なのか、開かれた魔導書を見て「ほう」と関心の呟きを漏らしている。

 

「成る程、確かに貴様の言うことは正しいのだろうよ。その魔導書からは確かに強い魔力の波動を感じる。であるならば貴様等は何のためにその力を持つ? 世界の征服か? それとも破滅か?」

 

「違います。私達の望みはただ一つ、我らが主を救済するためです」

 

「……………は?」

 

「救………済?」

 

 ギルガメッシュの呟きにつられ自分も思わず間の抜けた声を出してしまった。

 

いや、別に救済自体をバカにしているわけではない。問題はその本で誰かを救うという事だ。

 

「私達の主はこの本の所為で重い病に掛かっています。ですからこの本の力を解き放つ事であの子の命を助け出す。それが私達の全てです。貴方を狙ったのもこの本を完成させる為に蒐集対象として……ですが今回の件でもうあなた方には手を出さないと誓います。ですから───」

 

 女性からの言葉にふざけるなの一言も言いたくなるが、今はそれどころではない。

 

彼女はその魔導書で主を助けると言った。闇の書を完成させる事で主を呪縛から解放させると………。

 

それがどんな意味を示しているのか、自分には分からない。だが、悟ってしまったのだ。幾度の戦いを経て、人類悪やら人間の負の一面を知り、触れた自分だから分かる。

 

あれは、“解き放ってはならない”モノだ。あの中には言い知れない悪意が眠っている。

 

 彼女達にそれはダメだと余計な事だと自覚しつつ呼び止めようとする……が。

 

「く、ふふ、くふふ────くははははははははははははは!! ふははーっはっはっはっ!」

 

 隣で座りっぱなしの英雄王が突如腹を抑えて大きな笑い声を上げた。

 

「ふは、ふはははは! おい聞いたか白野。こやつら世界を破滅にするかと思いきや主を救うと言い出したぞ」

 

「な、何がおかしいの!」

 

「わ、笑いたくもなる。貴様等は“自分達が何をしているのか”理解出来ていない上で救うなどと言っておるのだぞ? これを笑わずとしてなんとする。く、ククク……」

 

 ギルガメッシュも自分と同じ事を感じ取ったのだろう。だからこそあんな風に言ったのだ。

 

彼がそう言ったお陰で確信が持てた。あの魔導書は破壊を生み出す危険な存在。間違っても誰かを救い出す手段にはなり得ない。

 

問題はそれをどうやって彼女達に理解させるかだ。あの様子からして生半可な説得は通用しないし……どうする?

 

「良い。良いぞ。その道化っぷりに免じて此度の数々の無礼は許そう。いや、本当ここまで笑ったのは久方ぶりよな」

 

 笑いすぎたのか、ギルガメッシュの目尻には涙がでている。そして彼の言う彼女達の道化ぶりを良しとしたのか、ギルガメッシュはシグナムと呼ばれる女騎士に打ち立てた槍と剣を光の粒子に変えて回収する。

 

「そこの狗もまだ死んではいまい。急いで治癒すれば助かるだろうよ」 

 

そう言うとギルガメッシュはヴィマーナを起動させて空へと飛翔させる。

 

待って欲しいと言う前に物理法則を無視した無茶苦茶な軌道に体は耐えることで精一杯。

 

その際、ギルガメッシュは此方に視線を向けていた。その瞳に余計な事は言うなと意味を込めて。

 

やがて結界は解かれ、自分達は外界に解放される。

 

ギルガメッシュの瞳を見て確かに自分には関係ないことだも認識する。

 

それにあの緑色の女性も言っていた。もう此方には手を出さないと。

 

ならば、ここから先は自分には無関係の領域だ。その果てに彼女達が自滅しようが何しようが知ったことではない。

 

───けれど、知ってしまった。あの本が破壊を呼び起こすものだと、それを知らないで完成させる騎士達の存在を。

 

あの魔導書に蝕まれ、苦しんでいる人がいることを……何より。

 

『助けて』

 

そんな言葉があの魔導書の奥底から聞こえてきた事が、俺の中にいつまでも引っかかって離れない。

 

 




今回、何故岸波は闇の書の闇に気づいたのかと言うと……まぁ、経験かな?
cccの表側のボスとの時は人類悪と対峙しているし、悪意というものには敏感になっているかなーという作者の願望です。

所で人類悪とこの世全ての悪とではどう違うのかな?

ギルガメッシュは人類悪の方が上みたいなこと言ってるし。

PS
感想欄の英雄王の殆どがAUOになっていた。
……こんなとき、私はどんな顔をすればいいのだろう?

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