それ往け白野君!   作:アゴン

34 / 65
本編かと思った? 残念、また番外編でした!

………すみませんごめんなさいまだ完成してないので勢いだけで書いた話を先に載せちゃいました。

尚、今回は殆ど会話だけですので大変読み辛いです。

それでも読んで下されば、自分としても幸いです。



番外編 IS日常編

 

 

 “IS”───通称インフィニットストラトス。篠ノ之束が開発したというマルチパワードスーツ。

 

女性にしか扱えないとされるISの登場により、男女の差別化が激増。女性が優遇され、男性が非難される女尊男卑の世の中へと変わっていった。

 

そんな中、世界に三人の男性のIS操縦者が現れる。一人は織斑一夏、世界最強の姉を持つ本来の物語の主人公である。

 

もう一人はギルガメッシュ。その人物の経歴の全てが一切不明という謎の青年。

 

そして、最後の一人は─────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────1時間目────

 

 

「ちょっと宜しくて?」

 

成る程、ISというのは稼動時間、つまり一緒に生活したり戦闘したり、共に過ごせば過ごすほど操縦者の適性に合わせて成長、進化するのか。

 

「あ、あぁ。そうみたいだな。ていうかよく理解できるな白野。俺、全然チンプンで分からなかったぞ」

 

確かに専門用語ばかりで混乱するかもしれないけど、要点だけを抑えて解釈すればそんな難しいものでもないぞ。細かい所は山田先生が教えてくれると思うし……。

 

「宜しいかしら?」

 

「そ、そういうもんか。俺はISってのはメカメカしいから凄く難しいものだとばかり思ってたからなぁ」

 

要は難しいから無理だと決めつけるんじゃなく、少しでも理解しようとする姿勢が大事なんだと思う。女性ばかりで大変な環境にいるのは分かるけど、自分もいるんだ。お互い助け合っていこう。

 

「お、おう。そうだな。俺もお前の助けになるよう頑張るよ」

 

「よ ろ し い か し ら !?」

 

じゃあ、早速助けて貰おうかな。一夏は今日放課後暇か? よければ買い物に付き合って欲しいのだが……。

 

「あ、あぁ、確かこの学園には購買もあったし、構わないけど……」

 

「ちょっと、聞いてますの!? さっきから無視ばかり、いい加減怒りますわよ!」

 

そうか。なら授業が終わり次第行くとしようか。いやぁやはり男友達というものは良いものだな。変に気を遣わなくて済むから有り難い。

 

「そ、そうだな。俺もそう思うよ」

 

「ねぇ、ちょっと、聞いてますの? 聞こえてますわよね? 聞こえてる筈ですわよね? む、無視しないで下さいませ」

 

この分で部屋割りも同室だと尚有り難いのだけれどなぁ……。

 

「それは無理っぽいなぁ、俺は政府の方が色々絡んでるし、お前もお前でボディーガードの人と同室なんだろ? 確か、セイバーさんとキャスターさんがお前の部屋と同室なんだよな」

 

そうなのだが……一夏、下手をしたら学園が吹き飛ぶかもしれんが、その時はゴメン。

 

「何をするつもりなんだお前のボディーガードは!?」

 

大惨事正妻戦争だ。

 

「まるで意味が分からんぞ!?」

 

「あ、あの………わ、私は」

 

「………なぁ、白野」

 

む? どうした一夏。何か気になる所でもあったか? もしかして“瞬間加速”の事か? あれは自分もよく理解していないから上手く説明できないんだが……。

 

「いや、そうじゃなくてな、そろそろ……いいんじゃないのか?」

 

「………………」

 

 一夏に言われ彼の視線の先へと目を向けると、何故か代表候補生がプルプルと身を震わせ、涙目で自分を訴えている。

 

あ、イギリスの代表候補生セシリア=オルコットさんじゃないですか? 何かご用ですか?

 

「っ! ふ、ふん! 漸く気付きましたのね! そう、私はセシリア=オルコット! エリー……」

 

“キーンコーンカーンコーン”

 

おっと、予鈴が鳴ったな。では一夏、また後で。

 

「…………………………」

 

「む? 何をしているオルコット。さっさと席に着かんか」

 

「なんか、その…………ゴメンな」

 

「ふ、ふわぁ~~ん! あんまりですわ~~!」

 

涙を流す代表候補生、これがホントの“蒼の雫”……なんちて。

 

「……鬼だ」

 

「フハハハハ! 流石だな雑種! 女の躾はお手の物と見える!」

 

「ぎ、ギルガメッシュさん。自分の教室に戻って下さーい!」

 

 

 

─────二時限目─────

 

「この、さっきはよくも私に恥をかかせてくれましたわね! もう許しませんわ! 決闘です!」

 

おお、まさか代表候補生自ら声を掛けて下さるとは、これは転入初日から幸先がいい。

 

「な、何ですの? 急に態度が変わりましたわね。何を企んでますの?」

 

先程の態度は確かに失礼でした。しかし自分達はまだまだISのIも分からないヒヨッコ、何とか皆に追い付こうと必死に勉強会をしていただけであります。決して、そう、決して貴方様の相手が面倒だから無視しようなんて考えはありません。ありませんとも!

 

(う、嘘くせぇ!)

 

「ま、まぁそれなら仕方ありませんわね。成る程、男の人も無能なりに頑張っていますのね。ミジンコ程ではありますが見直しましたわ」

 

だが、依然として我が方は圧倒的に足りない。技術も、知識も何もかもが! これでは皆と過ごすIS学園生活の足手まといになってしまう! どこかに優雅且つエクセレントなエリート様がいれば、土下座をしてでもご教授したい所なのだが! くっ、 そんな都合良くいるわけ………。

 

「ふ、岸波さん。貴方がそこまで仰るならこのセシリア=オルコット、あなた方に二人を手助けする事も吝かではありませんわ」

 

────な、まさか、教えてくれるというのか? 代表候補生というエリートが、自分達に!?

 

「まぁ、下々の道を説いてあげるのも貴族の役目! さぁ、何が知りたいんですの?」

 

その、まことにお恥ずかしいのですが………イギリスの第三世代、ブルー・ティアーズなのですが。

 

「まぁ、よりにもよって私の機体ではありませんか!」

 

何分、貴女の機体は複雑でして……ですが流石はエリート、こんな高い操作技術を必要とする機体を扱うなんて、そこに痺れる憧れるぅ!

 

「ほ、本来なら国家機密にも勝るISの技術をおいそれと話すことは許されないのですが、貴方の真摯な態度に免じ、少しだけ説明しても宜しいですわよ?」

 

ホント!? 知りたい! 教えて教えて、スーパーエリート!

 

「オーホッホッホッ! 宜しいですわよ!」

 

「お、織斑先生、岸波君が白昼堂々と誘導尋問してるんですけど~~」

 

「………おい、誰かあのバカを止めろ」

 

 

 

─────三時間目─────

 

 

 

「ここにアイツがいるのね。待ってなさいよ一夏、今すぐアンタの所に行くわ! と、その前に────ちょっと、そこのアンタ! アンタが二組のクラス代表ね! 私と勝負………」

 

「何か言ったか? 雑種?」

 

ゴゴゴとギルガメッシュの背後に浮かぶ無数の武具。彼自身の迫力も重なり、圧倒的威圧感の前に。

 

「……何でもありましぇん」

 

中国の代表候補生、凰鈴音はその命と引き替えに大事なモノを失った。

 

 

 

────四時間目─────

 

 

「では、お前達の相手を紹介する。───上を見てみろ」

 

織斑先生の言葉に従い、全員が頭上を見上げる。どこまでも広がる青空、そこに小さな黒点が浮かび、徐々に大きくなっていく。

 

「ど、どいて下さーーい!」

 

空から飛来してくるオドオドした態度で此方の嗜虐心を煽ってくる童顔教師、山田麻耶先生。

 

一夏の真上に落下してくるマヤ。巻き込まれないよう自分を含めた生徒達が一夏自身を置き去りに退避していく。

 

逃げ遅れた一夏との視線が重なる。「助けてくれ!」必死に訴えてくる彼に応え、自分も届かないと知りながらも両手を差しだし───。

 

“────左手は、そえるだけ”

 

ただ、それだけを告げた。まぁ、特に意味はないんだけどね。

 

「なにがだぁぁぁぁっ!!」

 

その後、山田先生の下敷きになり、色々ラッキーな目にあった一夏はチョロコ……ゲフンゲフン。オルコットさんと二組の専用機持ちさんに謂われのない暴力を受けることになる。

 

ただ、もし自分の所に山田先生が落ちてきたなら、きっと、もっと大変な事になっていたんだろうなぁと、今更ながら思うのだった。

 

「うふふふふ、どうやらご主人様を狙う不届き者がいらっしゃるようで」

 

「確かタテナシとか言ったか、うむ。余の奏者を狙うとどうなるか。少し教えてやらねばならぬな」

 

「すでにBBが場所を突き止めているようです。ふふ、久々に腕がなってきたー」

 

………あちらもあちらで学園に馴染んできたようで大変宜しい。自分も嬉しくなるというもの。

 

「現実逃避してないで止めんか!」

 

織斑先生のハリセンという名の出席簿は、今日もフルスロットルである。

 

 

 

────昼休み─────

 

 

「フハハハハ! 食堂のおばちゃん共と一緒とは、随分様になっているではないか贋作者!」

 

「いいからトレイを手にしたらとっとと離れろ、他の学生の迷惑だ」

 

そうだぞAUO、皆も待っている……というか、自分もさっさと食べたいから早く退けてくれないかな?

 

「全く、余裕の無い奴よ。仕方あるまい、早く来いよ白野、王を待たせる事なぞあってはならんからな」

 

はいはい。ったく、もう少し協調性というものをもって欲しいな。英雄王様には。

 

「ソレも今更な話では思うがな。で、マスターは何にする?」

 

では、激辛麻婆豆腐を大盛りで。

 

「………申し訳ないが、そのような品は当店では扱っておりません」

 

なん……だと?

 

 

 

────五時限目─────

 

「織斑一夏、私と戦え!」

 

「所でシャル、他にもお勧めな武装ってないか? 俺、もっと試してみたいんだけど」

 

「え? う、うん。他にもスナイパーライフルとか連射の利くサブマシンガンとかあるよ」

 

ハンドガンタイプもあるのか、本当に色々あるんだな。アーチャーが見たら喜んで分解しそうだ。

 

「……おい」

 

「分解って、あの食堂の人ってそんな趣味を持ってたの?」

 

「それだけじゃないぜ、師匠は料理の腕もスゲーんだ。バリエーションも豊富だし、今度の休みに教えて貰うんだ」

 

……成る程、こうしてオカンの系譜は受け継がれていくのか。流石だ、パーフェクトだよアーチャー。

 

「おーい、ちょっとー?」

 

「というか、岸波君のガードさん達って皆出鱈目だよね。ISを相手に圧倒するとか、一体どんな構造してるの?」

 

「二組のギルガメッシュなんかは剣とか槍とか無造作にぶっ放しただけで終わりだもんなぁ、どんなISならあんな攻撃出来るんだ? 全身装甲位ってしか情報がないんだけど……」

 

それを言うなら君のお姉さんこそどうなってるのかな? セイバー相手に善戦するとか、人間の範疇超えてるよね。

 

「お、おい………」

 

「それを言うなら白野だってそうだろ? 剣道全国優勝の剣捌きを普通一度見ただけで見切れるかよ」

 

いや、確かに見切れたけど、体が追い付かなければ意味ないから、あ、でも篠ノ之さんのセコンドになったら織斑先生といい勝負に持ち込める気がする。

 

「つ、つくづく化け物なんだね。君って」

 

「…………」

 

なぁ、前から思ってたけどどうして君達は事ある毎に自分を人外扱いするかな? その所説明して欲しいのだが?

 

「いや、だって岸波君。怪我とかしても割と平然としてるじゃん」

 

「そうそう。お前、クラス対抗の時、ゴーレムに血塗れにされても立ってたじゃん。あれ、女子の結構な人がトラウマになってんだぞ」

 

そんな大袈裟な、腕や腹が吹き飛んだなら兎も角、ちょっと頭から血を流した程度で騒ぐのはどうかと思う。

 

「いやいやいや、割とダラダラだったと思うよ? というか、血を流して平然としている人間はいないから」

 

「まぁ、お前なら腹が抉れようが腕が千切れようが前進しそうだよな」

 

………………。

 

「おい、黙るなよ。マジっぽいだろ」

 

「お前ら~~~!」

 

「「?」」

 

「む、むじずるのはイジメにもなるんだぞ~! イジメは、よぐないんだぞ~~! き、ぎょうがんに、いいづけでやるんだがらな~~!」

 

 どうやら此方の徹底的なスルー作戦にとうとう業を煮やしたのか、ドイツの軍人様は涙目になりながらアリーナを後にしていく。

 

ジナコの教えてくれた“構ってちゃんは基本スルー作戦”どうやら効果は抜群らしい。

 

「……ねぇ、一夏、岸波君って意外と」

 

「あぁ、鬼だ。しかも割と鬼畜系」

 

「そ、そうなんだ。……僕も気をつけよう」

 

む、なんだかまた不名誉な称号を受けた気がする。

 

 

 

 

『はぁ……はぁ……、涙目鼻水垂らしの隊長、テラカワユス』

 

 

 

 

 

 

────臨海学校────

 

篠ノ之束、貴方にどうしても言いたい事がある。

 

「あ? 何お前、ちーちゃんとの話を邪魔しないでくれないかな?」

 

時間は取らせない。それとも、子供相手に耳を閉じるのが怖いか?

 

「───いいよ。そこまで言うなら聞いてあげる」

 

ありがとう。では─────

 

「いい年した女性がその格好してるのは流石にどうかと思う。織斑先生ですら公ではキチッとしてるのに……あと、暑くないんですか?」

 

「─────っ!?」

 

(((い、言ったぁぁぁぁっ!?)))

 

「おい岸波、お前今サラッと私をバカにしなかったか? それと、何故そんな事をお前が知ってる?」

 

落ち着いて下さい織斑先生、ソースは一夏君です。

 

「一夏ぁぁぁあっ!」

 

「うわぁぁ!? 白野、それは内緒だって言っただろって千冬姉のアイアンクローが俺のこめかみにィィィ!?」

 

「ふ、ふふ、面白いこと言うねぇ君。───名前は?」

 

岸波白野、通りすがりの魔術師だ。

 

「オッケェ、覚えたぞその名前。今度会うときは楽しみにしておけよ」

 

次来るなら是非リリカルでマジカルな格好で来て下さい。盛大に笑いますので。

 

 乗ってきた人参のロケットに乗り込み、天災と称された女性は去っていく。

 

────きっと、彼女は孤独のままなんだ。誰も分かり合えず、他者を他者とも思えない彼女は、月を背後に今日も世界を嘲笑う。

 

だが、もう少し待っていて欲しい。きっと貴方の気持ちに応えてくれる人が、現れる筈だから。

 

「……なんか良いこと言っているが、全然感動的じゃないからな?」

 

テヘ☆

 

 

 

 

 

 

 

終わり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わ、私の出番がない……だと?」

 




と、言うわけで殆ど勢いで書いた日常編、如何でしたか?

そんな事より本編書け? ……はい、仰るとおり。

もう暫くしたら載せる予定ですので、もう暫くお時間を。

因みに、最後の台詞は箒ちゃんです。箒ファンの方、スミマセン。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。