魔法はお前の魂だ(魔法先生ネギま✖天元突破グレンラガン)   作:アニッキーブラッザー

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第204話 祭りの参加者たち

オスティアから北に遠く離れた場所で、各国の軍隊に悟られぬように準備を進めていた野獣たちが、いよいよ動き出そうとしていた。

 

 

「ふん、・・・・随分と大人しくなったな。足掻くのはやめたのか?」

 

「ザイツェフ・・・隊長さん・・・・」

 

「ウ・・・・・」

 

「ふふふ、睨むということは元気があるか。良いことだ。君たちは祭りの神輿をおびき寄せるためのエサなのだからな」

 

 

チコ☆タンは機嫌良さそうに笑いながら、牢の奥で繋がれている二人の少女に語りかける。

薄暗い監獄の中で囚われの二人の少女、美空とココネは、ただ静かに目に力を入れてチコ☆タンを睨む。

 

「前と違って、今は随分と落ち着いているみたいだね・・・・、でも・・・・そこがかえって不気味っすね・・・」

「ふふふ、完全な人型を保っていると、力を大幅に制御され性格も後ろ向きになってしまうからな。だが・・・最近は・・・いい気分だ。まるで、ずっとガマンしてガマンしていたものがあと少しで開放できる。それを心待ちにする気持ちだな」

 

数日前に対面した時は頭を抑えて、精神不安定状態のままだった。

無論、今でも変わりは無いのだが、以前よりは遥かに落ち着いていた。それが逆に美空とココネには恐ろしく感じてしまった。

 

 

「へっ・・・・そう・・・・まっ、がんばればいいじゃん。・・・でもね・・・一つ言っておくよ・・・」

 

「何だ?」

 

「私とココネが大人しくしているのは、あきらめたからじゃない。隊長さんと同じで溜め込んでいるんだよ。来るべき時のために、精一杯ガマンして、一気に噴出すんだ・・・・」

 

 

ハッタリにしては瞳に力が篭っている。

考えがあるにしては、根拠が無さ過ぎる。

だが、たしかに四肢を繋がれている二人の目に、あきらめを感じなかった。

つい数日前までのチコ☆タンなら、生意気だと二人を殴り飛ばしているだろう。だが、彼もまた不器用なりにも溜め込んでいた。

 

 

「そうか・・・楽しみだよ」

 

 

半端に散らさず、溜め込んだ全てを爆発させるその日を考えれば、多少のガマンなら堪えることができた。

そう、もう少しだ・・・もう少しガマンしたら好きなだけ発散できる。

ガマンしてガマンしてその時が来たら、熱く溜め込んだ全ての爆弾を平和の象徴にぶちまけるのだ。

だからこそ、今のイラつきも溜め込んだ。

だが・・・・・・・

 

 

「ふふふふふふ、意外だ意外だ! ガマンということが出来たんだな!」

 

 

突如、狂ったような笑いが響き渡った。

 

 

「むっ!!」

 

「「えっ!?」」

 

 

あまりにも突然のことだった。

美空とココネだけでなく、チコ☆タンですらハッとなってふり返るほどだった。

するとそこには一人の男が居た。

 

 

「これも時代の移り変わりか? 時の流れが成長させたか? 平和の結果か? ひゃはははは、だとしたらエラくつまらなくなったもんだね~」

 

 

ケタケタと笑いながらも堅気には思えぬ不気味さを滲み出しながら、男は現れた。

 

「だ・・・誰?」

「?」

 

見覚えの無い男に美空とココネは思わず尋ねてしまった。

しかし、チコ☆タンは目の色を変えて驚いていた。

 

「き、・・・・貴様は・・・・・」

 

現れた男は瞳にサングラスを掛け、その瞳をのぞき見ることは出来ない。しかし、歪んだ口元と、醸し出す空気が明らかに異質を感じさせた。

 

 

「お~お~、気分は真ん中・・・ってとこか? くっくっく、臆病、普通、不安定、ブチキレ・・・それがお前のバロメーターだからな。それとも間違ってたか? それなら悪いな、元々人の顔色すら伺わねえ俺には魔人の気持ちなんて分からないのさ」

 

 

金色の短髪。

肌も日に焼けているように少々濃く、細身に見えてがっちりとし体格。

そして何より印象的なのは・・・・

・・・・・・角

一本の短い角が男の額から飛び出していた。

 

「・・・きさま・・・ユウサ・・・・」

 

呟くチコ☆タンに男は腹を抱えて笑い出した。

 

「ひゃはははは、久しぶりだな~、紅き翼に負けて時代の影に隠れてコソコソ首輪に繋がれて生きていた、爆裂チコちゃん☆」

「――――ッ!?」

 

男は明らかに挑発を込めて一つ一つの言葉を発していた。

一体何がそこまで男を笑わせるのかは分からない。いや、この男はこういう男なのかもしれない。

 

「ゴルアアァァァァァァ!!!!」

 

チコ☆タンは今溜めたばかりの美空に対して感じた怒りを拳に乗せて、男に向ってぶちかます。

対して男は一歩も動かない。よける気配を感じない。

もしそのまま拳を浴びれば、常人なら顔面が粉砕するほどの勢いだというのに、笑ったままその場に立ち止まっていた。

そして・・・

 

「むっ!?」

 

陽気に笑いながら、片手だけを男は前に出した。

角が生えているだけのチンピラ・・・

しかし突如伸ばした腕だけが変化した。

 

「・・・・・・・・・キ・・・サマァ・・・」

 

何気なく出された手は異形の形をしており、鋭い爪と燃え滾るような赤い手。

その手が軽々とチコ☆タンの拳を掴み取った。

 

「ひゃははははははは、スマンスマン。本当は爆乱だったっか? ペコちゃんだったか? しょ○タンだったか? うふふふふふ、十年以上も経てば忘れちまうな! しかし相変わらず短気でしょうがねえ!」

 

顔を歪ませる魔人に、狂ったように鬼はこれでもかと愉快に笑っていた。

 

「・・・・・・・・・キ・・・サマァ・・・」

「怖いね~、だが猫被っている、いや人の皮を被っているお前さんの拳じゃあ、俺には届かないがな、ひゃっはっはっは!!」

 

チコ☆タンの拳圧は男の周囲の床を凹ませるほどの威力を持っていた。にもかかわらず、その拳を男は笑いながら片手で掴み取った。

まるで握手をするかのように。

 

「貴様・・・・生きていたのか・・・・ユウサめ・・・」

「悲しいね~、生きてることをムカつかれるとは。再会とは涙と抱擁というのが相場じゃないのかな? まあ、お前さんの抱擁なんか願い下げだけどな♪」

「・・・・・・・・ふん・・・・その軽口は相変わらずだな・・・・・。何しに来た?」

 

顔を歪ませながらチコ☆タンは男の名を告げる。すると笑う男はさらに狂ったように笑い出した。

 

「ひゃははははははは!! おもしれえ、祭りがあると聞いたんでな! ちょっくら踊りに来たんだよ! 踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らな損ってな!! いつ何時、いくつになっても大人も子供も愉快に笑える、それが祭りの持つ魔力さ! だから俺は来たんだよ! ひゃははははははははははは!」

 

歪んだ笑いが響き渡る。

人から見れば、やかましいことこの上ない。

しかし美空もココネもうるさいとは思わない。むしろ・・・

 

(な、・・・・なんだよ・・・・こいつ・・・・・・鳥肌が・・・・この感じ・・・エヴァンジェリンさんよりも・・・・黒く・・・底知れない・・・・笑い・・・・)

 

今まで見た誰よりも不気味に笑う男の底知れなさが、何よりも恐怖を感じさせた。

すると僅かに怯える美空とココネに目が合い、男は牢屋越しに近づいてきた。まるで二人を品定めするかのように眺めた。

 

「ひゃはは、お前の部下に聞いたが、これが千の呪文の息子の生徒とやらか? 果たして神輿はエサにつられてくるのかな?」

「ッ!?」

「初めまして。 いいね~シスター少女。これが今流行っている「萌え」という文化か? 俺が怖いか? 先生に助けてきてくださいってか? そして先生は俺の生徒に手を出すな~、ってか? くっくっく、鷹の息子はどんなありきたりのセリフで助けに来るのかね~」

 

まるで蛇に睨まれた蛙のごとく、美空は全身の汗が一気に噴出した。

今まで出会った誰よりも禍々しく、恐怖を織り交ぜた下種な笑をする男の一つ一つの動作に、美空とココネは圧迫された。

 

「貴様・・・・貴様はかつて様々な騎士団や賞金稼ぎ共に追われて死んだなど、魔界へ行ったなど噂を聞いていたが・・・」

「ひゃっひゃっ、何年か前まではちょいと旧世界やらを旅行したりしてたぜ~。首都の騎士団の情報網も大したことないね~」

 

すると男は満足したのか、クルッと美空とココネに背を向け部屋の外へ出ようとする。

 

「・・・・貴様も・・・祭りに参加するのか?」

 

チコ☆タンが珍しく警戒心をむき出しにして男に尋ねる。すると男は軽口のまま肯定した。

 

 

「まーな。スクナを倒したという奴の息子にちょいと興味が沸いてな~。それにしても父親が奴だとすると、母親は誰だ? ひょっとするとあのお姫様か? まあそれはどちらでもかまわねえさ、俺はただ新時代がどこへ向うのかを間近で実感したくてな」

 

 

男は歩き出す。

 

 

「新たな時代が生み出すのは不平等で限界のある平穏か。それとも強さが法律の平等な戦乱か。果たして運命の女神は弱肉強食の時代に微笑むのかな? 魔人に微笑む女神・・・くっくっく、それはそれで傑作だな。だが、それでいい! 魔人にも弱者にも公平に微笑んでこそ、平等な世界だ!」

 

 

そして監獄の部屋から外へ向いながら、ただ一人両手を広げて高らかに笑いながら叫ぶ。

 

 

「・・くくくく・・・ひゃは・・・・ひゃはははは!! さあ、さあ祭りの準備の始まりだァ! 神輿の重さと、花火の火傷に注意しろ!! 祭りの先には、力のある奴にしたがう! 血筋も財力も常識も関係ねえ! 正に単純明快、誰もが王を目指せる権限を持つ真の平等な世界の始まりだァ!」

 

 

魔人の傍で狂った鬼が笑い出す。

まるで祭りも戦争も、全てを余興とするかのようにただ笑った。

そう、この男にとってはどちらでもいいことだった。

その瞳には信念もない。

胸の内に心の熱さもない。

誇りも無ければ夢も無い。

その背には何も背負っていない。

しかしこの時は、まるで子供が親に遊園地にでも連れて行ってもらったかのように盛大に笑っていた。

そう、祭りの持つ魔力に当てられていたのだ。

 

「・・・ふん・・・よくしゃべる・・・まあいいだろう・・・貴様の言うとおり、そろそろ準備に・・・・開始の合図を出しておくか。君たちも来たまえ、すばらしい光景を見せてやろう」

 

ユウサの後に続いてチコ☆タンも鎖を外し、手かせを後ろから美空とココネに付け、二人を連れて監獄部屋から外へ出る。

チコ☆タンの後姿を美空とココネは見つめながら、もう取り返しのつかない事態へと発展したこの状況をどうするべきかと苦悩した。

しかし答えは出ない。

一人でもダメ。二人でもダメ。

もう、どうしようもなかったのだった。

 

 

 

 

「ごらあああ!! もっと端を歩けええ! 邪魔なんだよ、この蜘蛛野郎!!」

 

「なんだとォ!! お前らが失せろ! 獣臭いぞ、狼男!!」

 

「おうおう、うるせえぞ亜人どもがァ!!」

 

 

古城の前の広場には、広大な面積を埋め尽くすほどの人、獣人、魔族の群れが出来ていた。

 

「な・・・なんだよ・・・これ・・・・」

 

建物の屋上に連れてこられた美空とココネは広場に群がる無数の野蛮な連中に目を疑った。

右も左も堅気に見えない連中が、かなり苛立ちを溜め込んで一触即発の空気が漂っていた。

 

「ふう・・・・随分騒がしいぜ、まあこんだけ血の気の多い連中が集まればトラブルも絶えない・・・どうします、ディーネの姉さん?」

「無視しやす? それとも黙らせてきます?」

「ああん? 放っておきな。あんなクソバカ共が自滅しようが勝手なことだよ。気力も魔力も偉そうな政府の連中にでも取っておくんだね」

 

参加者の一人でもある一人の女が、周りの喧騒を無視して蠍のような巨大な尾を引きずりながらニヤリと笑う。

 

「くっくっく、こうも堂々と政府の連中と戦う口実が出来るとはね~。ミルフ・・・・今度こそアンタをブッ倒してやるよ!」

 

一体これだけの人数と戦力が何故簡単に集まるのだろうか?

ようやく訪れた平和を何故満喫できないのか?

美空とココネの疑問は耐えない。

しかしその答えは簡単だった。目の前の血の気が多く、争いの絶えない連中を見ていれば一目瞭然である。

 

 

『諸君・・・・・・・・・・静粛に』

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」

 

 

音声スピーカから一人の男の声が聞こえてきた。

広場に集まり騒ぐ者たちは一斉にピタリと止まり、上を見上げる。

すると城壁に一人の男が立っていた。

 

「ザイツェフ・・・」

「姉さん・・・あれが・・・」

「ケッ・・・・主催者様か」

「ふん・・・・あのセコイ小物が、よくこんな大それた祭りを思いついたもんだね」

 

現れた祭りの主催者であるザイツェフに皆が反応して見上げる。するとザイツェフことチコ☆タンは、マイク越しに集まった参加者に一つだけ問いかけた。

 

 

『諸君・・・・諸君等に問いたい・・・・この平和な世界で・・・・何故我々は戦わねばならないのだ?』

 

 

素朴な疑問。それは正に美空とココネが今思った事だった。

何故彼らは戦うのだ? そんな単純な疑問が解消できなかった。

そして、その問いに誰もが答えずに1000人以上の者たちは静かになり、チコ☆タンの言葉を待つ。

するとチコ☆タンはその答えをたった一言で述べた。

 

 

『それは戦うために生まれてきたからだ』

 

 

それが答えだった。

 

 

『我々は太古の時代から争い、戦ってきた。本能に・・・そう、闘争本能に身を任せて、命を惜しまず争いに飛び込んできた・・・しかし・・・』

 

 

そこでチコ☆タンは悔しそうに顔を歪め、拳をギリギリと握り締めた。

 

 

『しかし時は流れ、世間で言う平和な時代が訪れ、我々は角を・・・牙を・・・爪を抜かれ、首輪をつけることを余儀なくされた。そんな我々の力のはけ口は、精々せこい賞金稼ぎと飼いならされた場所で行う拳闘大会だ。・・・・だが・・・』

 

 

皮肉を込めながらも、しかしチコ☆タンは顔を上げて声を高らかに上げる。

 

 

『だが・・・・・冗談じゃない! 何が平和だ! 奴隷、盗賊、乱闘、テロ、・・・我がシルチス亜大陸などは未だに紛争が耐えない! こんな問題ばかりが絶えない世界を戦国と呼ばずに平和と呼べるのか! そんなはずはない! ならば、我等は戦国時代の戦士らしく戦い、抗うべきなのだ!』

 

 

その演説に込められた想い、それは聞いている彼等にも心当たりが・・・そして納得する部分があるのか、誰もが一言もしゃべらず、一言一々をかみ締めながら聞き入っていた。

 

 

『我等黒い猟犬(カニス・ニゲル)が主催するこの祭りは、諸君等のための祭りだ! かつて魔法学園も中退で学歴もないサウザンドマスターが武力のみで英雄となった時代があった。我々はそのチャンスを提供しよう!! もう一度己の居場所を思い出せ!! 和みも平穏も癒しもいらん! 血で血を洗い、立ち込める爆炎の中、己の本能と魂を賭けて戦ったあの日々の我々を取り戻すのだ!! 立ち止まるな! 突き進め! 己を誰だか思い出せ!!!』

 

 

チコ☆タンが地平線の彼方まで響き渡るほどの声量で、集まった参加者たちへと訴えかけた。

するとどうだ?

先ほどまでイラついて小競り合いを繰り広げていた者達が、自然と口元に笑みを浮かべながら拳を強く握り締めていた。

そしてその時だった。

 

 

―――!?

 

 

広場が・・・いや・・・大地が巨大な揺れを発生させた。

 

「な・・・なんだ!? 地割れか!?」

「か・・・頭ァ!?」

「はん、こんなもんでうろたえてるんじゃないよ。それよりしっかりと目を見開いておきな・・・・この下から・・・何かが来るよ!」

 

余りにも突然でデカイ揺れに広場に集まった者達が急にバランスを崩し始める。しかしそれでも大地の揺れは収まらず、ついには大地に広範囲で亀裂を生じさせた。

そして・・・

 

「し・・・城が・・・上昇してねえか?」

 

そう・・・大地から城が浮き上がっていく。

 

「いや・・・城だけじゃねえ・・・俺たちも・・・・」

 

広場の大地そのものが浮かび上がる。

眼を疑いながらも周りの者たちは上下左右を見ながら、状況を確認する。

 

「ま、・・・まさかこれは・・・・」

「古城ごと・・・いや・・・この大地の下に・・・こんなものが・・・これは・・・・飛行船か!?」

 

騒ぎ出すのも無理はない。

そう、飛行船・・・いや・・・自分たちの立っている大地の下から超巨大な戦艦が現れ、空へと高く上昇を始めたのだ。

まずはウソか現実かを確かめるのも無理はない。

 

 

『紹介しよう・・・これが大戦期の遺産! 超弩級要塞型戦艦・ケルベロスだ!』

 

 

千を超える獣たちでも埋め尽くせぬほどの巨大で空母のように広い滑走路のような甲板。無数の砲台に、高々と聳え立つ艦橋。

彼等は魔法世界の空を、目が点になりながら移動し始めた。

 

「こ・・・これが噂のケルベロス・・・・大戦期に首都の最強艦・スヴァンフヴィードと並んだというあの・・・・」

「こいつは驚いたねえ・・・・こんな隠し玉を黒い猟犬どもは持っていたとはね・・・・・」

「なるほど・・・これなら各国を敵に回しても恐れるに足らずっすね、ディーネの姐さん!」

「それだけじゃないよ。奴等は本部から鬼神兵を秘密裏に搬入していた・・・・ここにはそんなデカ物も備え付けられてるって事だよ」

 

ディーネと呼ばれた女は身震いしながら、口元の笑みを更につり上がらせる。それはもはや興奮や武者震いを遥かに超えた感情だった。

それは周りの参加者たちも同じなのだろう。

全員が、もはや抑えきれぬ興奮が目に見て取れた。

 

 

『まずはオスティアだッ!! そこが我等の最初の花火を上げ、伝説を塗り替える場所だ!! 歴史に我等を刻み込み、新たな英雄伝を創りあげるのだ!!!』

 

 

異議を唱えるものは誰も居なかった。

 

 

『行くぞ!! 勇んで!!』

 

 

形は違えど、これもまた全ての者達の心が一つになった瞬間だった。

何年も強烈に溜め込み続けた思いのたけを、自然と握り締めた拳を天に突き上げながら、彼等はどこまでも叫んだ。

 

 

 

「「「「「ウオオォォーーッッ!!!!」」」」」

 

 

もう、誰に止められない。

 




こんなオリキャラ出してたな……と、いうことなくバリバリ覚えてます。実は私はこのユウサをモチーフにしたキャラを、オリジナル小説であっちこっちに出してます。敵でも味方でもなく、ただ楽しく世界を混乱させる的なの。ここが原点だったなぁ~

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