魔法はお前の魂だ(魔法先生ネギま✖天元突破グレンラガン) 作:アニッキーブラッザー
「何を言っておるかァ! ワシらがそんなことをいつ許可した!?」
「止まれ! 勝手なことをするな! 貴様らは大人しく・・・・って待てええ!!」
その行く手を止めようとミルフとエマが飛び出そうとしたがその時・・・・
「いいでしょう」
――――!?
「私の権限で許可しましょう」
新たな人物が現れた。
「なっ!?」
「なっ、あ・・・・あなたは!?」
ロングコートを身にまとい、ずれたメガネを手で直しながら彼は現れた。
「そ・・・・総督じゃねえか?」
「今度は・・・・俺たちも知らないぞ?」
トサカたちが目を疑い、シモンたちはまったく心当たりのない人物に首を傾げるが、各国の騎士団は急に身を引き締め、敬礼をした。
「何故・・・総督自らが・・・・今は拳闘大会をご覧になっているはずでは・・・」
「ふふふ、あなたの上司のリカード元老院議員に黒い猟犬(カニス・ニゲル)の件を任されたのは聞いたでしょう?」
「・・・お・・・お待ちください!?」
「これはこれはエマ団長。お話はセラス警備主任から聞いていませんか?」
「・・・い、いや・・・それは・・・・・しかしどういうことですか!? 冒険王たちに関しては、お言葉ですが総督にそんな権限はありません!」
そして短く敬礼したエマがクルトに詰め寄る。
しかしクルトはニコニコと笑いながらまるで相手を小ばかにするかのような口調で説明していく。
「落ち着いてください、団長殿。それにミルフ隊長も。私の権限に、たかが一団や一部隊の団長・隊長程度のあなた達が口を挟めるものではありませんよ?」
「ぐっ!? そ・・・・それは・・・・」
「ふふ、まあ話を聞いてください。調べたところによると、美空とココネという少女は現実世界の麻帆良学園の生徒です。今は特別招待客として招かれこの世界に来たのです。途中で自由行動をしたようですがね・・・」
「・・・きゅ、旧世界の?」
「ええ。ここで何も手を打たずに見殺しにするわけにもいかないでしょう。ましてや正当な理由を持ってこちらの世界に招かれた生徒です。ならば・・・・手は打てるだけ打ってもいいでしょう」
密入国した瀬田たちとは違う。
美空もココネは正規の手続きをしてこの世界に来たのである。
その二人を見殺しにするということはどうなるのか? ココネはまだしも、現実世界の生まれである美空に関しては、こちらの世界とモメる原因になり、逆に助ければ貸しを作ることもできる。
つまり見捨てることに損失はあっても、救うことにはメリットはある。
「・・・それは・・・ですが・・・しかしどういう風に」
口ごもるエマだが、クルトは突然シモンと瀬田に視線を向けた。
「・・・・シモンと言いましたね?」
「ああ」
「そして冒険王瀬田・・・黒い猟犬(カニス・ニゲル)の目的は知りませんが、我々は明日の昼ごろには部隊を編成して向います。それまで待てないというのなら好きになさい。ただしその時は・・・・・」
「僕達もその黒い猟犬(カニス・ニゲル)とやらとまとめて・・・・・ということですか?」
つまりは明日までは好きにしていいが、それ以降は知らないという意味だった。それはすなわち、政府は美空とココネを救う気はないという意味の表れだった。
「おや、不服ですか? いくらリカード元老院議員たちが言ったところで、私の権限を使えば今すぐあなたたちを逮捕することは出来るのですよ? それをこうして見逃そうというのですから、最大の譲歩だと思いませんか?」
すると瀬田は口元に笑みを浮かべた。
「・・・ここで僕たちが再び戦っても、そちらも只では済まない。そうなると軍の編成どころか、黒い猟犬(カニス・ニゲル)への対処も出来なくなる・・・・それなら潰し合わせるのが一番効率が良い・・・そういうことですか?」
その問いにクルトは不気味に笑った。
「ふふ・・・そこまでは言いませんよ。少なくとも旧世界で名の知れたあなたに死なれると、後々面倒になりますからね」
その笑みの裏に、何か企みや隠し事があるのではないかと考えられた。瀬田も少し怪訝な表情でクルトの表情を伺おうとする。
しかしクルトの企みや考えがあったとしても、今の彼らにはどうしようもない。
何故なら、先にやるべきことがあるからだ。
「細かいことはどうでもいい! とにかく行って良いんだな!」
シモンの言葉にクルトはニッコリと胡散臭い笑みを浮かべてシモンたちに道を開けた。
「ええ御武運を」
その言葉だけを聞いて、シモンたちはクルトに目もくれず走り出した。
「だったら行かせてもらう! ボヤボヤしている時間は無いんだからな!! 案内してくれ、クマの奴隷長!!」
「うむ! じゃあ、ついてくるさね!」
「なっ、ま・・・待つのじゃ! くっ・・・」
「待て貴様ら! たとえ総督が許可したとはいえ・・・って・・・聞けェ!!」
聞いていない。
耳には入ったかもしれないが、直ぐに反対側の穴から抜けている。
その証拠に・・・・
「「「「「「「「「「ワアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」」」」」」」」」
『それでは準決勝第二試合・・・・開始!!!!』
「「「「「「「「「「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」」」」」」」」」」
国中に響き渡っているかのような地響きと大歓声。
ミルフやエマたちは外まで聞こえる圧倒的な大歓声に驚いて、思わずよろめいてしまった。
しかしシモンたちは止まらない。
決めたこと以外は目もくれず、耳も貸さずに走り出すその背中には、サングラスを掛けた紅蓮の炎を纏ったドクロのマークが描かれていた。
「これさ! 私たちの座団が興行のたびに使う飛行船だ」
奴隷長に案内された場所には少しボロいが魚類の形をした立派な飛行船がそこにあった。
11人が乗るには十分すぎるほどの大きさで、シモンたちも目に入った瞬間声を上げた。
「ママ! いつでも準備OKだぜ!」
操縦席から一人の男が顔を出した。スキンヘッドの巨漢の男。それはバルガスだった。グラニクス以来の再会だった。
そんな彼が親指を突き上げてシモンに向かってニッと笑う。
まるで全てを見透かしたかのように、準備万端だという様子である。
「なな・・・・バルガスの兄貴・・・いつの間に・・・・」
トサカが呆れたように呟く。
どうやらバルガスも事情を知り、シモンたちに力を貸そうとしているようだ。これでは反対していたのが自分一人だけだと分かり、馬鹿らしくなった。
「よっしゃあ! 乗り込むぜ!」
豪徳寺たちが貸し出された飛行船に嬉々としながら乗り込んでいく。
そしてバルガスの準備があったおかげで、飛行船は今すぐにでも飛び出しそうである。
そして全員乗り込み、ハッチを閉めようとしたとき。
「シモンさん、待ってください!!」
肩で息をしながら、エミリィたちがシモンたちの後を追いかけてきていた。
「エミリィ・・・コレット・・・・ベアトリクス・・・・」
シモンがハッチを閉める手を止め、トサカや奴隷長たちも振り返ると、そこには決意の目をしたエミリィたちが居た。
「私たちも・・・・、私たちも連れて行ってください!」
叫ぶエミリィに続き、コレットとベアトリクスも頭を下げた。
「お願いだよ、兄貴! 私たちも美空を助けたいんだよ!!」
「兄貴さん!」
少女たちの声にシャークティも顔を出し、複雑そうな顔をした。
「エミリィさん・・・・でしたか? あなたたちが美空と何の関係があるかは知りませんがこれは私たちの問題で・・・・・」
これ以上身勝手で巻き込むわけにはいかない。しかしシャークティの言葉にエミリィは引き下がらなかった。
「私は・・・・美空さんのライバル・・・いえ、私達の友です! 彼女に以前までの私を打ち倒していただいたからこそ、今の私があるのです! そしてシモンさんにも助けていただいた恩もあります! 力になりたいのです!」
「そーだよ! 美空をほっとけないよ!」
「協力します!」
何を言っても引き下がらない目。ならば考えるまでもない。
「構わねえ! 乗れ!」
「「「はいッ!!!!」」」
「ちょっ、シモンさん!?」
そのシモンの一言で少女たちは目を輝かせて走り出し、急いで飛行船に乗り込んでいく。
その様子に頭を抑えてシャークティは苦笑した。
「ちょっ・・・お前たち! お前たちの仕事は・・・・・ってちょっと待て!」
「待つのじゃ! 総督殿はああ言われたが、やはり貴様らを行かせるわけにはゆかぬ!」
エミリィたちを追いかけて、エマもミルフも部下を引きつれ、シモンたちを未だに止めようとする。
しかし・・・・・
「待ちなさい!」
「待ってください!!」
新たなる二人の救世主が現れた。
「うおおおお! あれはウルスラの!」
「あなたたちは!」
「この声・・・・まさか・・・・まさか・・・・」
豪徳寺やシャークティたちが声を上げて驚き、エミリィたちですら眼を疑った。
そこには、威風堂々と胸を張りながら立つ一人の女と、その背後から自信無さそうに顔を出す女の子が居た。
「正義の味方、高音・D・グッドマン参上!」
「さ・・・・佐倉愛衣です!」
誰もが予想もしなかった二人がそこに居た。
美空とココネと共に、麻帆良の代表としてこの世界に来た彼女たちがそこに居た。
「あなたたちが何故?」
シャークティが尋ねると、高音は申し訳無さそうに一礼してから顔を上げる。
「シャークティ先生。美空さんとココネさんと数週間前・・・・最後に会ったのは私たちです」
「なっ!?」
「あの子達はシモンさん・・・あなたの噂を聞いて、探しにメガロメセンブリアから飛び出しました」
「なんだって!?」
高音はシモンをチラッと見ながら、経緯を説明した。
そしてシモンはその言葉に胸を掴まれるほどの衝撃を覚えた。そして驚くシモンに、今度は愛衣がオズオズと顔を出す。
「俺を・・・・探すために・・・・」
「はい。そして先ほど、シモンさんが拳闘大会に出ているのを知り、でも美空さんたちが一緒じゃなかったみたいなので、お姉さまと一緒にそのことを知らせに行こうと思ったのですが・・・・でも、話しは全部聞きました!」
愛衣の説明を聞いて辻褄があった。
おそらく数週間前に、瀬田たちと冒険をしていたころ、もしくはそれ以前のことが話題となり、美空とココネの耳に入ったのだろう。それで二人は勝手を知りつつも、シモンを求めて探しに飛び出したのだ。
その事実がシモンの胸に重く圧し掛かった。
「と・・・・いうわけで・・・・」
すると少し下を向くシモンたちに高音と愛衣が叫んだ。
「この絶好のシチュエーション!! この正義の味方の高音・D・グッドマンが助太刀いたします!」
「お手伝いします!」
なんと二人の女が新たに名乗りを上げた。
するとその事に驚く間もなく、エミリィが顔を出して高音に向けて抗議した。
「ちょっ、高音さん!? いきなり登場してきて、随分と偉そうではありませんの?」
「あら、エミリィ。あなたこそ、引き篭もりは直ったの?」
「なっ・・・・・なんですって!?」
「先に決着をつけますか?」
「委員長~~!?」
「お姉さま~~!?」
一触即発の幼馴染同士の早い再会。
しかしエミリィは「でしゃばるな」と口で高音に言っているようで、どこかうれしそうに。そして高音は、美空に敗れて以来落ち込んだままだったエミリィが、以前より逞しい姿でそこに居ることに姉のような眼差しで見ていた。
「ほら、アンタたち! 話は後さね! 今すぐ飛び出すよ! 急いで乗り込みな!!」
奴隷長の言葉でハッとなった高音たちも急いで飛行船に乗り込む。
シモンたちの返答も了承も無いのに、当たり前のように乗り込んで行く。するとその事にツッコミを入れる前に飛行船の動力が火を噴出した。
「だから待てと! くっ、・・・・それに見習い共! お前たちも勝手なことは許さ・・・・おいッ!!」
「待つのじゃ!・・・・だから勝手に・・・・ああ~~~もう!!」
もう誰にも止められない。
エマやミルフが何を言っても収まりつく様子はない。
ならばどうする?
答えは・・・・・
「くっ、・・・・仕方ない・・・・ワシらも乗り込むのじゃあああ!!!!」
「「「「「「「ええ~~!? ちょっと隊長!?」」」」」」」
「ぐっ、・・・・・・ええい! 戻ったら覚えていろよ、貴様ら!」
もう半ばヤケクソだった。
ミルフもエマも部下を引き連れ、正に飛び出す寸前の飛行船に乗り込んだ。
何故こんなことをしてしまったのかと、後々自分自身に思い悩むのだが、今は何が正しい行動かではなく、自分のやりたいようにやるのだった。
「それじゃァ、行くよ! 全員しっかり捕まるんだよ!」
慌しい出発だ。
だがそれでいい。
奴隷長の声と同時に飛行船は一気に加速して駆け上がる。
空に向って、大切なもののために飛んでいく。
急ぎの出発だったため、飛行船の中では何十人もの者たちがゴロゴロと飛行船の揺れにバランスを崩している。
しかし飛行船は容赦なく突き抜ける。
すると・・・・・
『待て~~ィ!!!』
スピーカー越しだが、空を翔る飛行船近くから声が聞こえた。
バランスを崩して倒れた者たちがヨロヨロと立ち上がり、窓から外の光景を見ると、そこには小型の戦闘機が周りを囲んでいた。
そして戦闘機の機体にはヘラス帝国のマークが描かれている。
「ママ!? 帝国軍の戦闘機だ! 一人乗り用だが10隻いるぞ!」
「うう~む、積荷にバレたか?」
操縦席で呟く奴隷長。
しかし窓の外を眺めながらミルフが呟いた。
「・・・・・・心配せんでもいい・・・マンドラじゃ・・・」
小さくため息をつきながらミルフは「やれやれ」という様子だ。
『クケー!! 冒険王共ォ~~! 見つけたぞ~! 何をしておるかァ! しかしこれで言い訳は成り立つ! 今すぐ貴様らを地上に返してくれるわァ~~!』
「心配いらん。通信機を貸してくれい。ワシが奴に説明しておく」
『待てと言っておるだろうが! 前回は油断したが今回はそうはいかん! 帝国軍の空軍部隊の中でも特にスピードに特化した我ら神速部隊! そしてこの魔道戦闘機スザックを要した私から逃れられると思うなァ!!」
「ハルカに敗れた人か・・・・・いつもああなのかい?」
「ウム、・・・まったく奴は隊長のクセに・・・・じゃが安心しろ・・・奴は鳥族じゃ・・・・鳥だけに鳴き終わるのも早い」
外に対して飛行船の中は実に呆れたようなため息が聞こえてきた。
どうやらマンドラという男とその部隊はシモンたちの事情を知らずに、意気揚々と追いかけてきたようだ。
出発の時ですら慌しいシモンたち新生大グレン団。
バランスを崩しながらも飛行船の中で立ち上がったシモンは全員を見渡した。
「もうメチャクチャだけどとにかく行けええ!!」
おう、と一同が力強く頷き、予定より遥かに上回る人数を乗せた飛行船はオスティアから飛び出し、真っ直ぐ北へと向かって行った。
当初のメンバーはシモン、ブータ、シャークティ、豪徳寺、達也、慶一、ポチ、エンキ、ハカセだったのだが、そこに瀬田、ハルカ、サラが加わり・・・・
更に様々なメンバーが加わり、随分と船内は賑やかだった。
「ってゆーか、なんで夕映さんが!?」
「ハカセ、その子を知っているのか?」
「ほ、本当ですの? ユエさんは事情があって今アリアドネーの生徒なのですが・・・・」
「あなたは・・・・・私を知っているですか?」
「って・・・・ええええええええええ!?」
まずはハカセが夕映に反応した。エミリィたちと一緒にドサクサ紛れに乗り込んだ他の見習い生達と一緒に。
そして夕映がシモンを見る。そしてシモンも夕映と目を合わせて、何か心の中でざわつき出した。
(この子・・・・どこかで・・・・)
(この人が委員長やコレットの言っていたシモンという方ですか・・・・しかしこの方どこかで見覚えが・・・・何でしょう・・・・)
世にも珍しい記憶喪失同士となった知り合いの再会だった。
そしてシモンは改めて辺りを見渡す。すると・・・・
「ぐうう・・・・何故私まで・・・・・見習い共め・・・・・そしてシモン・・・・冒険王よ! 帰ったら覚えていろ!」
「まあ団長、殿方を許して差し上げるのも女性の役目ですよ?」
「そういうことだナ♪」
憤慨するエマを宥める、同じく見習い戦乙女のフォン・カッツェにデュ・シャ。
「まあ・・・・ディーネとの決着はワシ自らつけるつもりじゃったから構わぬか・・・」
「「「「「「「「隊長~~」」」」」」」
諦めの境地で床に胡坐をかくミルフに、半泣きの部下たち。
「なんと! あの忌々しい女が居たとはなァ! おまけにゲッコ、あの大戦の時の作戦前に怖気づいて逃げ出した脱走兵がここに来て姿を現したか! いい機会だ、私の隊の唯一の汚点を払拭してやろう!」
何故かやる気満々のマンドラ。
「つうか・・・・何で俺まで・・・・」
「往生際が悪いぞトサカ。ここまで来たら手を貸すしかあるまい」
「男がゴチャゴチャ言うもんじゃないさね」
トサカにバルガスにトサカ・・・・
「ようやく修行の成果を見せるときが来ました! 待っていてくださいね美空さん!」
「ココネちゃんも無事だといいけど・・・・・」
そして高音と愛衣。
何度見渡して異色としか言えないメンバーが揃っていた。
するとシモンが見渡しながら軽く咳払いをして立ち上がる。
「・・・・今この飛行船には、・・・・よく分からない奴等が乗っている・・・・・」
その言葉に全員がシモンを見上げて、口をそろえて返した。
「「「「「「「「「誰だ?」」」」」」」」」
「「「「「「「「お前らだよ!」」」」」」」
アリアドネー戦乙女旅団の団長エマ。
見習いのエミリィ、コレット、ベアトリクス、そして同じ見習いの褐色肌のフォン・カッツェと猫の獣人のデュ・シャ・・・・そして夕映。
麻帆良の魔法生徒、高音に愛衣。
首都の重装魔導兵部隊隊長ミルフとその部下、約10名近く。
ヘラス帝国、空軍部隊隊長のマンドラとその部下で現在飛行船の周りを飛ぶ10人。
そして奴隷長、バルガス・トサカ。
総勢約50名近くがニャンドマを目指していた。
これは誤算か? それとも巡り会わせなのかは分からない。
しかし現在世界中がオスティアのラカンとネギの戦いに注目する中で、この妙な団体のご一行は、オスティアから遠ざかり、北へと進路を取っていた。
「まったく・・・・でも、まあいいか。皆聞いてくれ」
ほかの面々は黙ってシモンに注目した。
「俺たちは色々あったし、お前たちも俺たちのことを嫌いなやつだっていると思う。・・・・それはしょうがない・・・・・でも、向こうに着いた時に戦う敵は同じだ! なら、やることは一つだ!!」
やることは何だ?
美空とココネの救出、それもある。
ある者は因縁を断ち切るため。ある者は仕方なしに。ある者は何となく。あるものは自分の正義のためにこの場に集った。
そんな彼らが唯一共通することはただ一つ。
「今から俺たちはチームだ! 千だろうが一万だろうが、無量大数だろうが俺たちの敵じゃねえ!!」
共通するのはぶっとばす相手である。
だからここまで来てしまったら、細かい文句の言い合いは無しだ。
「行くぞ!! これは喧嘩だ!! 大事なものを奪い返しに行くぞ!!」
「「「「「「オッシャアアアアアァァ!!!!」」」」」」
新たな歴史が始まる。
そしてこの戦いの後、勝っても負けても魔法世界はグレン団を知る!!
思い出した。この展開を考えたのは、ワンピースでルフィたちがロビンを助けるために、フランキーを助けるために、皆でエニエスロビーに殴り込みに行った時を見てだ……学生時代の懐かしき思い出がよみがえってくる!