魔法はお前の魂だ(魔法先生ネギま✖天元突破グレンラガン)   作:アニッキーブラッザー

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第200話 答えなんて決まっている!

「シモンさん。FILMの件ですが・・・・」

「そーだな。明日になる前に早いところ・・・・」

 

 FILMを交換しなければ。そう思っていた一堂に・・・・・・

 

 

「おいテメエら!!」

 

―――!?

 

 

急に叫び声が聞こえたと思ったら、そこに居たのはトサカだった。

彼らしからぬ必死な形相で、走ってきた。

 

「おい・・・はあ・・・はあ・・・ナギの野郎は・・・・もう試合してんのか?」

 

何を焦っているのかと思えば、どういうことなのかと納得した。

たしかに自分の拳闘団に所属している者が戦うのだ。気にならないはずは無いだろうとシモンたちは察した。

 

「ああ、今来たところだ。早く席に行かねえとな」

 

だが、その認識は誤りだった。

ネギが来たのはついさっきなのだから、別に試合はまだまだこれからだという風に、軽い気持ちで言った。

だが、トサカはそれに対して・・・・

 

「くっそが!・・・遅かったか! 昨日から散々探し回ったってのに、手遅れかよ!!」

 

まるで何か取り返しのつかないことをしてしまったかのように、トサカは叫んだ。

その様子に、ただ事ではない何かを感じ取った。

 

「・・・・どうしたんだ? 何かあったのか?」

 

するとトサカは、シモンを睨みつけながら息を整えていく。

 

 

「その前に一つ聞かせろ・・・・ナギの野郎の正体は・・・いや、コジローも含めて他の女共は今手配中の賞金首・・・サウザンドマスターの息子のネギ・スプリングフィールドと、その仲間の白き翼とやらで間違いないねえのか?」

 

「・・・・・・・・・・」

 

「通報しようってわけじゃねえ! さっさと答えろよな!」

 

 

突然トサカに問われて、どう答えるべきか迷いシャークティを見ると、シャークティも仕方ないといった表情で頷いた。

本来は言うべきではなかったのだろうが、このときは何か様子が違った。

 

「・・・・・ええ・・・・・あなたの言うとおりです。それが何か?」

「けっ・・・そうかよ・・・英雄様の息子がテロとはよ・・・・まあいい・・・・それは後だ・・・・」

「トサカ・・・どういうことだ?」

 

何か嫌な予感がシモンたちに過ぎった。

 

 

「実は昨日の夜にバルガスの兄貴宛に連絡が来た・・・・」

 

「バルガスに?」

 

「ああ、連絡主は黒い猟犬(カニス・ニゲル)のアレクサンドル・ザイツェフ。ちっとは名の知れた男だ・・・・俺も以前に似たような誘いが来て内容を聞かずに断ったんだが、今回首謀者の奴が言ってきたんだ。英雄の息子ネギ・スプリングフィールド、及び白き翼のメンバーを国家級のテロリストとみなし、徒党を組んで仕留め、その後に新時代の幕開けを宣言する・・・・だとよ・・・・」

 

「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」

 

 

流石の彼らも突然すぎてツッコミどころが分からなかった。

だが、それが普通の反応だろう。

こんな祭りで盛り上がる平和な日常の中で、唐突に言われてもピンと来ないだろう。

 

「は・・・・はああああ~~~?」

「ちょっ・・・・ちょっと大げさじゃないか?」

「あまりにも荒唐無稽な計画過ぎてピンと来ませんね」

「おいおいおいおい、ファンタジーな世界ってやっぱ世界征服とか企む奴等が居るのか?」

 

トサカとは逆に今の説明ですっかり緊張感が抜けて、誰もが苦笑していた。

だが、トサカは変わらずに真剣な形相である。

 

「ウソくせえが、マジくせえんだ! とくに奴等は既に大勢のメンツを集めて準備を進めているそうだ。この情報は、ラオって奴から連絡が来て、間違いねえ! 奴等は白き翼たちをおびき寄せるつもりらしい! だから昨日からあの野郎を探していたんだが・・・・」

「まあ、ネギのやつは修行していたからな・・・・でも、ネギをおびき寄せるってどうするんだ?」

「それもそうですね・・・・そんな訳も分からない野蛮な連中の待つところに、普通何の意味も無く行きませんよ?」

 

トサカが何と言おうと、シャークティの言葉はごもっともだった。

ネギを仕留めるために大勢の者達が徒党を組んだとはいえ、ネギ本人が行かないのならば何の意味も無い。

行く理由も無い。

だが・・・・

 

 

「その方法・・・・ようやく分かったさね」

 

「「「「クマの奴隷長!?」」」」

 

 

ネギが行かねばならない理由は既に作られていたのだった。

 

「ママ・・・・どういうことなんだ?」

「今朝の朝刊の掲示板に書いてあった。新聞は全て今日のラカンVSナギの特集だが・・・隅にこう書いてある」

 

現れた奴隷長がトサカに聞かれて、持っていた新聞をバッと広げてそこに書かれている文章を読み上げた。

 

 

「白き翼(アラアルバ)のメンバーに告ぐ。明日の朝までに北方のニャンドマまで赴いて、我等の挑戦を受けるべし。受けない場合、もしくは時刻に間に合わなかった場合は貴公等の学友である、春日美空とココネという名の二人の少女の命は無いと思え・・・・だとさ・・・・」

 

 

小さく溜息をつきながら奴隷長はその一文を読み上げた。

だが・・・

 

「・・・・・・・・・・えっ?」

 

その意味がシモンにもシャークティにも・・・そして豪徳寺たちにも分からず、しばらく呆然としていた。

 

「正攻法さね・・・・賞金稼ぎがこうゆう果たし状を新聞に載せる手は昔から結構ある・・・・だが・・・」

「ちっ・・・あの偽ナギの正体が・・・なんと息子のネギ・スプリングフィールドだと分かった瞬間にこんなことになるとはよ~・・・前々から怪しいと思ってたんだが・・・それじゃあ亜子の奴は・・・」

 

トサカが舌打ちをしながら今コロシアムで戦う偽ナギをネギだと言い放った。どうやら彼も独自でネギの正体に気づいていたようだ。

幸いここには亜子も居ないうえに、シモンたちも知っていることなので、それは大した問題ではなかった。

問題なのは・・・・・・

 

「だが、今は早くこのことを知らせないといけないよ。明日の朝までにニャンドマに着くには今から飛行船を飛ばさなきゃいけないさね」

「ああ・・・だが、手遅れだったな。もう試合も始まった・・・・止めることもできねえ。そもそもあの野郎は亜子やアキラたちを助けるために拳闘やってるんだ・・・・。こっちに行くって事は亜子達を見捨てることになるわけだからよ・・・・・・」

 

仕方ない・・・・まるでそんな口調でトサカは呟いた。

だがそんな中、まだ動けだせないでいたシモンも、シャークティも豪徳寺、達也、慶一、ポチ、エンキ、ハカセは口をパクパクさせながら震えていた。

そして・・・

 

「・・・・妹・・・なんだ・・・・」

「・・・・ん?」

 

ようやくシモンが言葉を吐き出せた。

震える口調で汗を流しながら・・・・

 

「み・・・・美空ちゃんにココネちゃんが・・・・」

 

誰もがシモンと同じ表情をしながら・・・

 

「美空・・・・・ココネ・・・・」

「シャ、シャークティ先生!?」

 

思わず動揺して気を失ってしまうかもしれないほど、シャークティはバランスを崩して倒れそうになる。

ハカセが慌てて支えようとするが、二人とも両足の震えが止まっていない。

 

「お、おい・・・・どうしたんだよ、テメエら? その二人はテメエらの知り合いなのか?」

 

そして、次の瞬間、トサカの肩を力強く掴み、声を震わせながら大声で叫んだ。

 

 

「「「「知り合いどころじゃねえ! その子達は俺達の仲間なんだよ!!」」」」

 

 

身を乗り出したグレン団の言葉に、トサカ、奴隷長は一気に表情が変わった。

 

「な、なんだってえ!!??」

「はああァ!? ほ・・・・本当かい?」

「俺たちは元々美空ちゃんとココネちゃんを助けるために来たんだ! 何てことだよ・・・何でそんなことになってんだよ!?」

「そ、それは知らないが・・・だが、・・・そうか・・・・それならアンタたちとネギ・スプリングフィールドたちの繋がりも納得できるが・・・・」

「そんなことはどちらでもいいです!! 奴隷長さん、・・・それよりも、美空とココネが捕まっているというのは本当ですか!?」

 

シャークティが動揺を抑えて冷静になろうとするが、そんなわけにはいかない。焦りと動揺が表情から滲み出ていた。

しかし誰もが同じなのである。だから、シャークティを抑えようとするものは居なかった。

 

「む~・・・・こう言ったらなんだが、黒い猟犬(カニス・ニゲル)ならば・・・・可能性は高いと言えるさね・・・・・奴等は賞金稼ぎだが、悪名も世界に轟くほどさ・・・・残念だが・・・・」

「・・・そ・・・そんな・・・・」

「奴等も本気さ・・・例のゲートポートのテロ容疑者の白き翼(アラアルバ)とやらの賞金は日に日に高額になっていく。全員引き渡せば、一生豪遊して暮らせる・・・・それほどだよ・・・」

 

予想を上回る最悪の事態が更に加速していく。

自分たちの愛する仲間が死の危機に瀕していた。

 

 

「美空・・・・ココネ・・・・・俺の・・・・妹が・・・・・」

 

 

だが、ここでいつまでも呆然としているのは下の下。

慌てふためくのはそれ以下である。

そして彼等はグレン団。

動揺や焦りにより震える拳を握り締め、確認し合わずとも同じ答えに行き着いた。

 

 

「リーダー・・・・リーダーは覚えていないかもしれないが、美空ちゃんとココネちゃんは本当にリーダーの妹で・・・俺たちの女神様だぜ」

 

 

俯きながら顔も思い出せない二人の妹に対して思い悩むシモンに対して、豪徳寺が今すぐにでも飛び出しそうな衝動を抑えながら、シモンの言葉を待つ。

 

 

「ああ・・・俺たちは二人を助けるためにこの世界に乗り込んで来たんだ」

 

 

達也も・・・・

 

 

「僕達はやることは分かっています。そこが・・・本当に命を落とすかもしれない場所だということも・・・・だけど・・・・」

 

 

慶一も・・・

 

 

「リーダー・・・言うんだ・・・・我々はどうするべきだ?」

 

 

ポチも・・・シモンの口から言うまで、飛び出そうとする自分を抑えている。

 

 

「リーダー、命令シテクダサイ」

 

 

エンキも、そしてハカセもシャークティもブータもシモンを見つめている。

 

「シモンさん・・・・・シモンさんの気持ちを教えてください」

「血の繋がりも無い・・・・顔も思い出せない・・・・ですが、そんな二人をあなたはどうしたいのです?」

 

この瞳を見せられれば、問わなくても分かる。

 

 

「ぶみゅうう!!」

 

 

シモンの肩に乗っているブータが、「何をゴチャゴチャ考えている!」といった表情でシモンに向って鳴く。

誰もが同じ気持ちである。

答えなんて決まっている。

覚悟も、想いも、そして先ほどから沸々と湧き上がる熱気が、シモンの中に燃え上がった。

 

 

「俺は覚えていないけど・・・・・、でも・・・・きっとどんな時の俺でもこう言うだろう・・・・ネギ・・・・すまない・・・・やらなくちゃいけないことが出来ちまった!」

 

 

握った拳を力強く天まで突き上げ、言葉を待つ仲間たちへ望みどおりの言葉を放つ。

 

 

「いくぜ!! 俺たちの大切なものを、この手で奪い返すぞ!!」

 

「「「「「「「しゃあああああああああああああ!!!!」」」」」」」

 

 

待っていたのだ。

だからこそ異論も何もあるわけが無い。

ならば、後はどこまでも動き出すだけだ。

 




うおおおお、きたきたきたあああああ! いくぞおおお!! いくぞおおお!!!

みなも中川翔〇さんの歌を用意しとけよぉ!?

評価もガンガン入れてくれぇい!


あと、アニッキーはTwitterもやってるので、遊びにいらしてね

*ツイッター:@anikkii_burazza

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