魔法はお前の魂だ(魔法先生ネギま✖天元突破グレンラガン)   作:アニッキーブラッザー

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第18話 アレっていったら決まってるだろ!

「仮契約?」

「そうっす!それが魔法使いのパートナーのコトっす!」

「でもど~すんのよ!本屋ちゃんのカード作っちゃって」

「そうですね・・・・とりあえず魔法使いというのは黙っておいたほうがいいと思います・・・」

「あう~・・・・僕はどうすれば・・・・・」

 

昨晩のドサクサまぎれでおきた、のどかとネギの仮契約について早朝に、ネギ、アスナ、刹那、カモ、朝倉で話し合っていた。

シモンはそもそも仮契約というもの自体を知らなかったため、カモに先に説明をさせて今に至る。

 

「しかしキスですごいアイテムをもらえるとは・・・・・・じゃあ神楽坂はネギとキスしたんだ・・・・」

「い・・・いや・・・あれはノーカンよシモンさん!こいつ子供よ!」

「そうなのかな~、男にとってのキスはいつでもカウントワンだと思うけど・・・・・・・・」

「うわ~ん僕はアスナさんとが初めてでした~!」

「まあ兄貴も姉さんも落ち着いてくれ、それで強力アイテムゲット出来るんだから儲けもんじゃねーか」

「そうそう、昨日は思ったより成果無かったけどね~」

 

カモと朝倉がまったく悪びれた様子も無く言う。

そんな二人に怒鳴るアスナだがまったく効果はない。

 

「なあ、神楽坂はどんなアイテムなんだ?」

「えっ!?私は・・・・・・・・ハリセンよ・・・・・・・」

「ハリセン?」

「実際見せたほうが早えーな、姉さんカードを持ってアデアットって言うんだ、消すときはアベアット」

 

カモに言われて、呪文を口にするのが少し恥ずかしそうだったが、唱えると、大きなハリセンがアスナの手にあった。

 

「すごい!私も魔法使いになったみたい!」

 

はしゃぐアスナ、そしてその力に普通に感心するシモン。

 

「へ~便利なんだな、魔法って」

「貴様も欲しければ私がくれてやろうかシモン?」

 

突如後ろから声を掛けられた。

あわてて振り返るとそこにはエヴァンジェリンと茶々丸がいた。

 

「エヴァ!おはよう、でも俺にくれるってどういうこと?」

「私のパートナーになればキサマも「エヴァンジェリンさん!」」

 

エヴァの誘いに刹那の声が上がる、

 

「シモンさんは、事情は知っているかもしれませんが一般人です。そんな簡単に契約を結ぶのはどうかと思います!」

 

刹那がもっともらしい意見をエヴァに言った。

その意見にアスナはあることに気づいた。

 

 

「そういえばシモンさんって魔法使いじゃないんでしょ?私シモンさんの戦ってるとこ見たこと無いんだけど・・・シモンさんって強いの?」

「そういえば僕もありません・・・でもシモンさんこの間の夜魔法使いと戦ったんですよね?」

「ん~・・・・・俺って・・・どう茶々丸?」

 

イマイチ自分の強さがわからないシモンは、直接手を合わせた茶々丸に意見を聞いた。

 

「みなさん、シモンさんは「茶々丸、余計なことは言わなくていい」マスター・・・?」

 

茶々丸の言葉エヴァに遮られた。

するとエヴァは勝ち誇ったかのような顔をした。

 

「くくく刹那よ、まだシモンの魂と力を知らんようだな、ならば口出しするんじゃない」

「なっ!?どういうことですエヴァンジェリンさん!?」

 

エヴァの様子にカチンときて、反論する刹那。しかし

 

「昨日からキサマのシモンに対する態度が変だと思ったが・・・ふふふ、シモンのことを何も知らんようだな、シモンはこれでもやる男だ、キサマの余計な心配はいらん」

「くっ!?(・・・確かに私はシモンさんのことを何も知らないが・・・・・・しかしシモンさんがエヴァンジェリンさんと・・・・・・・そんなことはイヤダ・・)」

 

刹那が悔しそうな表情を浮かべる、エヴァはそれを見て優越感に浸るが。

 

「別に隠すことないさ、俺の魂はこれだ!」

「シモン!私に許可無く見せるな!」

 

なぜエヴァが意地悪をするのかわからないが、シモンは手に気合で出したドリルを刹那たちに見せた。

何も持っていなかったシモンがいつの間に手にドリルを持っていたのかはスルーして、ネギたちがそのドリルを見る。

ネギはそのドリルがかつてシモンと穴掘りをしたときに使ったドリルであることに気づき、シモンの魂という言葉に納得した。

しかしアスナたちには不評だった。

 

「ド・・・・ドリル?随分マニアックな武器だね~」

「えっ、朝倉・・・・ドリルって武器なの?道路工事に使ったりするもんじゃないの?」

「ドリル・・・・・いえ・・私も武器ではないと思いますが・・・・・・・・」

「そんなことはない、なぜなら俺のドリルは・・・・」

 

そう言ってシモンは指を天に向かって指し

 

 

「天を突くドリルだからだ!!」

 

 

もはや定番の言葉、

もしシモンと初対面なら、少し頭のおかしい人とも取れるが、シモンを尊敬しだした彼らにとっては・・・・・・

 

(何でこの人は・・・・・こんなにキメ台詞が決まるのだろう・・・)

(ちっ、刹那め・・・・顔を赤くしおって・・・・やはりデレタか・・・・)

(録画完了・・・・フォルダに保存)

(いや~いいね~シモンさん!なんかスゴそうだね~!)

(はいっ!僕もそう思います!)

(く~シモンの旦那もキメルね~)

(天を突く・・・・・・どうやって?)

 

意味を理解出来ないバカレンジャーを除き、とても好評だった。

最初にシャークティたちの前でやった時は、そのまま病院に連れて行かれたため、シモンは少しほっとした。

 

「/ふん、まあいい、それでシモン私と契約を「いいや俺、別にいらないよ」なんだとキサマー!!私では不満かー!」

 

シモンの拒否に安堵する刹那と激怒するエヴァ。

 

 

「だって俺は魔法使いでもそのパートナーでもない、ただの穴掘りシモンだからだ!だから俺はそのアイテムいらないや。それにそのためにキスするってのもな~~」

 

「キサマーーー!私とのキスがそんなに不満かーーー!!」

 

「見苦しいですよヴァンジェリンさん」

 

 

今度は刹那が勝ち誇ったように言う。

 

(シモンさんの武器もわかったことですし・・・・・・これでイーブンですね・・・)

(刹那め~、ドリルを知ったぐらいでイーブンだと思って・・・・・ん?)

 

エヴァは不意に思った。よくよく考えればドリルだけではない。

シモンのアニキ、そしてなによりシモンがこの世界の住人ではないこともエヴァは知っている。

 

(刹那がまだ知らないことがまだ山ほどあるのだからあわてる必要は無い・・)

 

するとエヴァは再び余裕を取り戻し、

 

「まあいい、ところでシモン!あのことは誰にも話すなよ!」

 

と「ああそういえば」という感じで、わざとらしい態度で言う。

 

「えっ?あのことって・・・・・・」

「キサマの事情だ、これは口外しないようシスターたちも言っていたぞ!」

「(そうか!俺が違う世界から来たってことか!)ああ、わかってる!」

 

シモンもそれは余計な混乱をネギたちに与えると思い黙った。

しかしアスナたちもその内容を少し気になった、そして誰よりも先に刹那が聞いてきた。

 

「むっ!?シモンさん!あのことって何ですか!?」

「キサマが知る必要の無いことだ刹那よ!」

 

余裕たっぷりのエヴァ、

 

「なによ~、シモンさんにはまだ何かあるの?教えてくれたっていいじゃない!」

「ごめん、これは教えることは出来ない、だからごめん」

 

その言葉にエヴァは勝利の笑みを浮かべ、刹那は悔しさを滲ませる。

アスナたちも気になって仕方ないという顔だ。

しかしエヴァは気づいていなかった。刹那も知らなかった。

実は今一番シモンについて知っているのはこの場にいない美空だということを。

 

「ところでネギ、今日は親書を私に行くんだろ?」

「はいっ、今日は完全自由行動なので・・・・・一緒に行ってもらえますか?」

 

ネギは少し不安そうな顔でシモンに聞くが、

 

「ああ、それが俺の頼まれごとでもあるしな!」

「私も行くわよネギ!」

「えっ!?いいんですか」

「手伝うって行ったじゃない!」

「ありがとうございます!あっ!?でもそうしたら木乃香さんは・・・・・」

 

そう敵の狙いは木乃香である。

自分たちが離れたらまずいのでは、と思ったがその問題はすでに刹那が解決していた。

 

「そのことでしたら私がいます、実は私とエヴァンジェリンさんの班は今日アスナさんたちの班とシネマ村に一緒に行きます。ですからまかせてください。」

「まあそういうわけだ、ぼーやたちもさっさと渡してから、こっちに合流しろ」

「はい!」

「よしっ!じゃあ行くか」

 

こうして朝の会議は解散した。

しかし彼らは気づいていなかった。

ネギの後をつける仮契約したばかりの、のどかの存在に。

 

「ネギ先生、アスナさんとシモンさんと一緒にどこに行くんだろう?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「3人か・・・なあ、あいつらホンマに強いんか?」

「ああ・・・・あの坊やはサウザンドマスターの息子や・・・・油断しんときぃ」

 

呪術協会本山に向かうネギたちを影から見る集団。

 

「ん?一人知らんのがおるなあ・・・・まあええやろう・・・・くくく・・・第二ラウンド開始や!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「長い階段だな~」

「ちょっと~これ全部上るの~?」

 

関西呪術協会の本山の入り口、今彼らの目の前には大きな鳥居が立っており、その奥には果てしなく続く階段がある。

 

「アスナさん、カモ君、シモンさん、ここからは妨害があるかもしれません、警戒しましょう!」

 

ネギの真剣な声に頷き、アスナとシモンはそれぞれの武器を手に持ち、一度全員顔を見合わせてから一気に奥へと走っていった。

彼らの後ろにのどかが追いかけていることなど知らずに。

奥へと進むネギたち、

 

「今のところ問題なさそうだな・・・・」

「そうね~このまま一気にいけるんじゃない?」

 

アスナたちは少し拍子抜けの感じがしていたが、敵の妨害が無いことに少しほっとしていたが・・・・・

 

「前方に誰かいます!」

 

ネギの声に反応するアスナたち。しかし・・・・・

 

「おい・・・・あの子・・・」

「ま・・・・・まさか・・・・」

 

シモンたちは前方にいる人物に何かを気づいた、そしてその人物の顔をよく見ると・・・・・

 

「あれっ?ネギ先生?それにみなさん・・・」

「ちょっと本屋ちゃん!なんでここにいるのよ!?」

「み・・・宮崎さん・・・なんで?」

「どうなってるんだ?」

「あの~私、ネギ先生たちがここに入るのを見て気になって・・・・・でもなんで皆さん後ろから来るんですか?」

 

どうやらのどかは自分たちの後をつけていたようだ。

敵ばかり警戒していたためネギたちは気づかなかった。

一般人ののどかが来てしまったことに皆頭を抱えたが、

カモがのどかの言葉に何かを気づいた。

 

 

「待ってくれ譲ちゃん!譲ちゃんおれっちたちを追いかけてたのか?」

 

「お・・・オコジョがしゃべった!?」

 

「こらーー!バカガモーーー!正体ばらしてどうすんのよー!」

 

「まってくれ姉さん!おれっち達罠に嵌められてる!」

 

「「「罠!?」」」

 

 

ネギもカモの一言で気づいた。

 

「そうか、真っ直ぐ進んでいた僕たちに後ろから追いかけてきた宮崎さんに合流してしまうということは・・・・・・」

「そうさ、おそらく結界なんかで無限ループになっているんだ!」

「えーーー!?どうすんのよ!」

 

警戒していたにも拘らず敵の罠にまんまと引っかかってしまったネギたち、すると、

 

「意外に簡単やったな~つまらん」

「所詮はガキゆ~ことか」

 

目の前に、黒い学生服を着たネギと同じくらいの少年と、和服のめがねを掛けた女が姿を現した。

 

「あなたは!?」

「知ってるのか?」

「男の子の方は知らないけど、あっちの女はこの間、木乃香をさらった奴よ!」

「そうかこいつらが!」

 

身構えるネギたち、

 

「一昨日の借りを返しにきたで~ガキども・・・・一人知らん奴がいるが~まあええ」

「おまえたちはあの白髪の仲間か?」

「ん?新入りを知ってるのかえ?」

「なあ、千草のねえちゃんさっさと戦ってええか~?」

「ええやろ、こいつ等ならおまえ一人で十分やろ、ウチはお嬢様のところに行くえ」

 

「「「!?」」」

 

 

そう言って千草は煙に包まれ姿を消した。

 

「そんな!?木乃香さんが!?」

「あっちには桜咲がいる、今は目の前に集中するぞネギ!」

「そうよ!こんなガキさっさと倒すわよ!」

「・・・・はい!・・・宮崎さん下がっていてください!」

「え・・・・・・・は・・・はい」

「準備はええな、俺は犬上小太郎や!・・・ほな・・・・」

 

ネギ、アスナ、シモン、小太郎の周りの空気が急に冷たくなる・・・・・・そして・・・・・・

 

「「「「いくぞ(で)!!」」」」

 

開戦した。

 

「いきます!契約執行90秒、ネギの従者『神楽坂明日菜』!!」

「いくぞ!螺旋の力を見せてやる!」

 

高速で小太郎が接近する。

アスナとシモンはハリセンとドリルを手に持ち迎撃体制を取る。

螺旋力を身に纏ったシモンとネギの力を借りたアスナが小太郎に攻撃を仕掛ける。

シモンのドリルの突き。

アスナのハリセン乱れ打ち。

一撃必殺のシモン。そして連打のアスナ。

しかし小太郎はその攻撃を全て回避していく。

 

「やっ!あっ!このっ!」

「こいつ! 茶々丸といい白髪といいなんでこいつらこんなに速いんだ!?」

「ハッ!当たらな意味ないで!」

 

アスナのハリセンを潜り抜けた小太郎は反撃するでもなく、そのままネギに向かった、

 

「ネギ!」

「くっ!?ラス・テル・マ・スキル・マギステル、風花、武装解除!!」

 

ネギが呪文を詠唱する。しかしその前に小太郎は何かの札を取り出し、それをネギの呪文に相殺させた。

 

「あっ!?」

「ネギ先生ーー!!」

 

呪文を相殺し、小太郎はそのままネギを殴り飛ばした、

 

「こんのー!あんたよくもー!」

「大丈夫かネギー!」

 

アスナとシモンが再び小太郎に攻撃を仕掛ける。

しかし小太郎の高速の動きについていけず、簡単に避けられてしまう。

しかも小太郎はアスナとシモンを無視し、ひたすらネギを狙う。

 

 

「神楽坂!ネギ!俺の後ろに!くらえ!シモンインパクト!」

 

「うおっ!?札っ!頼むで!」

 

 

攻撃が当たる寸前小太郎は札から鬼を召喚し防いだ。

直接攻撃は無理だと判断したシモンは、衝撃波で小太郎を捉えようとした。

しかしその衝撃波は小太郎の召喚した鬼に阻まれる。

しかしシモンの攻撃をくらった鬼は一発で倒されてしまった。

 

「おお!?シモンさんスゴイじゃない!」

「くう!?たしかに兄ちゃんもやるな!札が全部オシャカや!姉ちゃんもたいしたもんや!」

 

シモンの攻撃に皆感心する、しかし小太郎はその後ネギを見て落胆の表情を出した。

 

「でもお前のほうは大したこと無いなチビ介!この分じゃおまえの親父も大したことないんやろ!」

「なんだと!?」

「待てネギ!」

 

小太郎の挑発に激昂するネギは小太郎に飛びかかろうとした。

しかしそのネギの足をシモンがとめた。

 

「熱くなるのはいいが、冷静になれ!あいつの口は勝って黙らせろ!」

「シモンさん・・・・・」

 

シモンの忠告にネギは落ち着きを取り戻す。

 

「でもどうすんだい?旦那たちの攻撃は当たらねえし・・・」

「そうよ・・あいつ速すぎよ!」

「おれたちの攻撃は避けネギの方ばかりを狙う、つまりその目をこっちに向ければいい」

「どうするんですかシモンさん!」

 

突如シモンが何かを考え付いたようで皆黙って聞く、

 

 

「ネギ!こうなったらアレをやるぞ!!」

 

「アレってなんですか?」

 

「アレっていったら決まってるだろ!・・・・合体だ!!!!」

 

「「「「「・・・・・・・・はあーーーーーー!?」」」」」

 

 

シモンの叫びに敵の小太郎と一般人ののどかを含め全員が驚愕した。

 

 

「ちょっ!?合体ってどうやんのよ!?」

 

「ネギーーー!俺の肩に乗れ!」

 

「えっ?えっ?えっ?」

 

 

シモンの突然の要求にわけの分からない一同、ネギはとりあえずシモンの指示通りに従った・・・・・そして

 

 

「異形の力と巡り会う、螺旋と魔法の気合が奇跡を生み出す!友情合体シモンネギ!!」

 

「「「「・・・・・・・・・・・・・・・」」」」

 

「俺を誰だと思ってやがる!!!」

 

 

その内容とは、ただシモンがネギを肩車しているだけである。

もはや一同何と言っていいかわからず唖然としていた。

 

 

「ネギ!奴の攻撃は俺がなんとかする!おまえは隙を突いてスゴイのをぶつけろ!!」

「あっ・・・・・・・はい!」

 

 

別々だから狙われる。ならば一緒にいればいい。

シモンの行動はある意味この状況を打破するための理にかなっていた。しかし

 

 

「なにが合体や!変形も何もしとらん、ただの肩車やないか!!」

 

「神楽坂!いくぞ!」

 

「あ~も~真面目にやってよね~!」

 

 

ネギを肩車したまま迎え撃つシモン。

元々ネギばかり狙っていた小太郎も、こればかりはシモンに向かっていくしかなく、初めてシモンへ向かっていった。

小太郎の高速の打撃、それはシモンの想像を超えており、あえなくぶっ飛ばされてしまった。

 

 

「ぐおっ!」

 

「シモンさん!?・・・・うあっ!?」

 

 

シモンがぶっ飛ばされそのまま倒れる。

シモンの肩に乗っていたネギも一緒に倒れネギは頭をぶつけた。

 

「いや・・・・・真面目にやんなさいよ・・・・」

「兄ちゃん・・・・・あんたよくわからんな・・・・」

「あう~ネギせんせ~」

 

ネギを肩車したため、かえって動きづらくなったシモンは攻撃を避けることが出来ずなかった、

そんなシモンにあきれ果てる一同。しかしシモンはネギを肩車したままもう一度立ち上がった。

 

「ぐ・・・・・・真面目も真面目!これ以上真面目な話があるか!」

「なに言っとんねん!もう一度ぶっ飛ばしたる!まずはチビ介おまえからや!」

 

もう一度襲い掛かる小太郎、今度は上にいるネギのほうだ!

 

(このままじゃ駄目だ・・・・僕が何とかしないと・・・・)

 

ネギは頭を振り絞った。このままでは二人ともやられてしまう、

するとネギはあるアイディアを思いついた。

 

 

「まてよ・・・・ぼくも魔力で体を強化すれば・・・・・よしっ!契約執行0・5秒!!ネギスプリングフィールド!!」

 

「えっ!?」

 

「アニキー!?いつのまに魔力供給を!?」

 

「なっ!なんやてー!?」

 

 

ネギの体が魔力で覆われネギは小太郎の拳を掴み、そのまま殴り飛ばした。

 

 

「シモンさん!今です!」

 

「でかしたネギ!一気に決めるぞ!漢の魂完全燃焼!ドリルアタッーーク!!」

 

 

シモンは螺旋力を込めたドリルをそのまま小太郎に向かって投げつけた。

ネギに殴り飛ばされた小太郎だが体勢を立て直し、間一髪で回避した。

 

「うおっ!?あぶなー!こんなんくらったらマジやばかったで!」

「いや、終わりだ!ネギ!さっさと唱えろ!」

 

小太郎はハッとした。シモンの肩に乗っているネギが呪文を詠唱していた。

 

 

「ラス・テル・マ・スキル・マギステル!闇夜を切り裂く一条の光、我が手に宿りて、敵を喰らえ、白き雷!!」

 

 

呪文の詠唱の気をそらすためにシモンはドリルを投げた。

その結果一瞬の油断が小太郎の判断を遅らせ、ネギの手から放たれた白い雷が小太郎を襲う。

 

「ぐわわわわわあああ!?」

 

完全にネギの呪文をくらい、倒れる小太郎、

 

「これが僕の!魔法使いの力だ!」

「やるじゃないかネギ!」

「ほんとよ~!シモンさんがバカなことやった時はどうなるかと思ったけど・・・・・・」

「それにしても兄貴いつの間に魔力供給なんて使うなんてさすがだぜ!」

 

ネギとシモンのもとへ集まるアスナたち、しかし

 

「まだや!まだ終わっとらんで!本当の力を見せたる!」

 

小太郎は立ち上がり、そしてその姿を変化させた。

 

 

「「「変身した!?」」」

 

「ヤベー獣化しやがった!?」

 

「ええ~そんなのアリー!?」

 

「やばい!?みんな飛べー!」

 

 

小太郎の攻撃を全員その場を飛びのいてかわす。

しかしその威力は石段を豪快に破壊した。

 

「ちょっ!?」

「やべーぞ!?相手にするこたーねー!ここから逃げるぞ!」

 

小太郎の予想外のパワーアップに逃げを勧めるカモ。

しかし小太郎の高速の動きはたちまちネギとシモンに襲い、捕らえた。

ヤラレル!そう思った次の瞬間、

 

 

「ネギ先生!顔に来ます!」

 

「「!?」」

 

 

その声に咄嗟に顔を下げるネギ、小太郎の攻撃は空を切る。

あわてて声の方向へ振り向くとそこには本を片手に持ったのどかがいた。

 

「右です、先生! 上です! シモンさんに右後ろ回し蹴りだそうです」

 

急に黙っていたのどかが参戦し、その的確な指示でネギは小太郎の攻撃をかわしていく。

 

「スゴイ本屋ちゃん!」

「それが譲ちゃんの、能力か!?」

 

驚愕する一同、そして・・・・

 

「小太郎くーん!ここから出るにはどうすればいいんですか~?」

「あっ!?んなこと教えるわけないやろ!?」

 

しかしのどかの前に隠し事は不可能だった。

 

「こ、この広場から東へ6番目の鳥居の上と左右に隠された印を壊せばいいそうです」

「なにーーーー!?そんなのありなのか!?」

「すごい!! 本屋ちゃん!!よーしネギ!」

「はいっ!魔法の射手 光の3矢!!」

 

ネギはのどかの指示通りの鳥居の印を破壊した。

そのおかげで空間に歪みが生まれた。

それを見てネギはシモンの肩から下り、のどかをお姫様抱っこの形で抱え、歪みの方向へ向かった。

 

「姉さん!あの歪みを壊すんだ!」

「了解!」

「そうはさせへん!」

 

慌てた小太郎が追撃してくる。

シモンがそれを見て最後尾で小太郎を迎えようと身構えた。

しかし突如魔方陣がシモンの足元から浮かび上がった。

 

「えっ!?」

「ちょっ!?シモンさん!?」

「あっ!?アカン強制転移魔法や!」

 

 

光がシモンを包み込む、そしてシモンに攻撃しようと迫り来る小太郎は止まれそうにない・・・。

そして。

 

「「「シモンさん!?」」」

 

シモンとそれに巻き込まれる形で小太郎がその場から姿を消した。

 

 

「そんな!?なんでシモンさんが!?」

 

「どーゆーことよエロガモ!?」

 

「・・・・・・そうか!さっきの奴、俺たちを片付けたら今の強制転移の魔法で仲間と合流するつもりだったんだ!それにシモンの旦那が偶然引っかかったんだ!」

 

「それじゃあシモンさんは今!?」

 

「ああ・・・・ひょっとしたら今頃敵のど真ん中に・・・・・・」

 

 

ネギたちは助かった。

しかし不運な偶然によりシモンが姿を消してしまった。

先ほどまでどんなピンチでも絶望を感じなかった。

しかし目の前に敵がいなくなったというのに、ネギたちの表情は動揺の色で染まっていた。

 


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