魔法はお前の魂だ(魔法先生ネギま✖天元突破グレンラガン)   作:アニッキーブラッザー

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第172話 答えは最初から決まっていた

(まったく・・・・戦いの心構えは闇の福音に、今のネギ君の力は千の刃によって育てられた・・・・・なら精神面は・・・君の影響かな? 君は本当に面倒くさいことをする・・・・。ネギ君は自らこうなったのか・・・・いや・・・・たとえネギ君がどう言おうと、結局は君の影響なんだろうな・・・・・シモン・・・)

 

心の中で呟きながら、敵と認めた少年と対峙するフェイト。

決して互いが互いを認めることも引くこともせず、己の意思を貫き通そうと、目の前にいる己の敵を排除しようと、その力を振るっていた。

何故この様な事態にまで発展したのか?

それを説明するには、時を少し巻き戻す。

それは二人が対立したその時のことである。

 

「・・・・・・な・・・・何だって?」

「もう一度言おう・・・・」

 

オスティアのド真ん中のカフェテラス。

向かい合うのは相容れない二人の少年。

その少し後ろにはアスナや刹那を始め、ネギの仲間たちが、その祭りの賑やかさや温かさを無視したギスギスとした不気味な空間から一歩引きながら、二人の会話を聞いていた。

 

 

「君は・・・君たちは黙って僕たちの事を無視していてくれ。それだけでいい。それで君達全員を学園に無事に帰してあげよう」

 

「「「「「「「!?」」」」」」」

 

 

突如ネギたちの前に現れ、とんでもない提案を出したフェイト。その言葉に全員が固まってしまった。

 

「ちょっ、どーゆうことよ!? じゃあ、私たちは最初からどーでもよかったって言うの!?」

 

フェイトの提案を信じられないアスナが最初に口を挟む。そしてそれは最もな意見である。

ゲートポートでフェイトたちに襲われて、今日までいくつもの苦労や危険と遭遇してきたアスナ達。しかしその境遇に陥れた張本人は、自分たちを最初からどうでもよかったと言ったのである。

そしてフェイトはアスナのその疑問に対してアッサリと肯定した。

 

「その通りだよ。だから最初にそう言ったじゃないか。・・・お姫様・・・いや・・・・神楽坂アスナ」

「なっ!?」

「君たちには少し分かりやすく説明しよう。ネギ君・・・・たしか君は僕に言った。そしてそれは正しい」

「な・・・何を・・・・」

 

フェイトの言葉に未だに動揺を隠し切れないネギ。そしてそれはアスナ達も同様である。刹那も楓も、普段はあまり細かいことを気にしない小太郎ですら、フェイトの訳も分からない提案に首を傾げていた。

 

「僕の目的はこの世界を破滅させることだ。君の言っている通りのことだ。しかしそれも訳あってのこと。何も知らない君達は黙っていてくれ。それで十分だ」

 

何もせずにいれば自分たちの安全と帰還の約束。保証こそ無いが、それがフェイトの提案である。

そしてそれはつまり・・・・

 

「この世界と・・・僕の仲間・・・・どちらかを選べ・・・・ということ?」

「その通り」

 

ネギの額には汗が流れていた。それほどまでに今のフェイトの提案に驚いていた。

そしてネギの動揺に逸早く楓と刹那が察知していた。

 

(う~む・・・信用できぬでござるが・・・これは・・・・)

(ああ・・・・破格の条件だ・・・・こんな甘い条件を・・・・この男が?)

 

そう、考えられないほど甘い条件である。きっと何か罠があることは間違いないと断言できるほどのことである。

だが、彼女たちは口を挟めないでいた。

 

(刹那・・・もしネギ坊主がフリだけとはいえ・・・条件を飲んでしまったらどうなるでござる?)

(・・・もしこの男が相手の約束を強制的に履行させるような強力なアーティファクトを持っていたら・・・・・ダメだ分からん・・・・しかし、この状況では・・・この少年はゲートポート同様に一瞬で周囲にいる数百名の人を殺せる力を持っている・・・)

 

フェイトの考えを刹那たちには読むことは出来なかった。何より祭りで周りが賑わっている以上、この状況は周囲の人間を人質にとられているも同然の状況なのである。

 

(この人の考えは分からない・・・でも・・・)

(の、のどか・・・)

(バ、バカ・・・そんな方法こいつに・・・・)

 

刹那も楓も動けないこの状況で、のどかは覚悟を決めたような目でフェイトを見る。その僅かな変化にハルナと千雨が気づき、止めようとした瞬間、フェイトが口を開いた。

 

「やめておいたほうが良いよ」

「ッ!?」

「もし君が・・・アーティファクトで僕の心を読もうなどと思っているならやめたほうが良い。その瞬間に石になってもらうよ?」

 

それも全てフェイトの手のひらの出来事だった。

のどかは急にゾッとした表情になり、思わず足を震え上がらせてその場に腰を抜かしそうになった。

結局は誰もどうすることもできなかった。

 

(ぐっ・・・ダメだ・・・最良の選択など思い浮かばない・・・ましてやネギ先生に答えられるわけ・・・)

(う~む・・・刹那もお手上げのようでござるな。・・・・どうするべきか・・・ネギ坊主・・・どうするでござるか?)

 

どれだけ仲間がこの場に居ようとも、この場はフェイトの空間だった。

のどか達だけでなく、朝倉も古も小太郎も、結局手も口も出すことも出来ず、ネギの答えを待っていた。

そして後ろから見るネギの肩はガクガクと震えていた。

表情は見えないが、拳は膝の上で強く握り締められている。

結局この状況で何も出来ず、ネギの言葉を待つことしか出来ない刹那たち。

そんな彼女達に、フェイトはトドメの言葉を告げる。

 

 

「何を迷う必要があるんだい? 言っただろ? 君の唯一の仕事は夏休みを満喫する生徒たちを無事に学園に送り届けるという教師の仕事を全うすること。こんなつい最近まで現実世界で普通に暮らしていた彼女達にとって幻想のような世界、・・・・幻想と仲間の命・・・・比べるまでも無いだろ?」

 

「「「「「「「―――ッ!?」」」」」」」

 

 

全ては幻だとフェイトは言い放った。幻と生徒の命、二つを天秤に掛けては答えなど一つしかない。

 

(僕の生徒と・・・・・この世界・・・・・・・アスナさんたちだけじゃない・・・・まき絵さんや亜子さんたちも含めて全員無事に・・・・)

 

そう、フェイトの言葉は正論だった。

ネギだけではない、誰もが反論しなかった。

反論できるはずも無かった。

そしてネギの性格を知る彼女達にとって、もはやネギの答えなど分かりきっていた。

 

(い、いや・・・・な、何を考えているんだ僕は・・・今更・・・何を考えているんだ・・・・答えなんて・・・・決まっているのに・・・・・)

 

これではネギは頷くしかない。

どちらにせよこの状況ではそれしか道は無かった。

 

(そうだ・・・・思い出すんだ・・・僕の答えを・・・道を・・・・あの日のことを・・・)

 

そう、頷くしかない・・・・はずだった・・・しかし・・・それは昔のネギならばの話である。

 

「さあ、言いたまえ。僕は今後君達には一切手出しはしない・・・と、それで取引は成立だ」

 

顔を俯かせて肩を震わせるネギをほくそ笑みながら言うフェイト。

 

「・・・・・フェイト・・・・最後に一つだけ・・・君達は何故世界を滅ぼす?」

「その理由を、今の君が知る必要があるのかい?」

 

もう、これでダメ押しだろう。

ネギは苦虫を潰したかのように唇を歪めながら、テーブルの下で両手を強く握り締めていた。

 

(・・・・・・思い出せ! たとえ・・・全てを知っていなくとも・・・知っていようとも・・・・僕は・・・僕達は・・・・・・ッ!)

 

きっと考えを決めたのだろう。その様子が刹那たちにも分かった。

のどかたちは不安そうに、止めようか止めないべきなのかを、迷っている表情だが、口を出せないで居た。

この場は誰にも手が出せない。

 

どうしようもできないのだと・・・・・

 

そう思っていた。・・・・

 

しかしその均衡が次の瞬間破られた。

 

 

「茶々丸インパクト!!」

 

 

突如激しく回転するドリルの音が聞こえた。

 

 

「女の怒り炸裂斬りィ!!」

 

 

突如激しく振り下ろされる剣の風切り音が聞こえた。

 

 

「なッ!?」

 

「「「「「「「はあッ!?」」」」」」」」

 

 

それはフェイトどころか味方ですらまったくの予期していなかった出来事だった。

突如テーブルを踏み台に襲い掛かってきた二人の少女、アスナと茶々丸の行動に誰もが目を丸くした。

 

 

「なななな!? アスナさん!? 茶々丸さん!?」

 

 

刹那の顎が外れるぐらい驚いた表情に続いて、皆が顔を引きつらせながら、テーブルを破壊して、座っていたフェイトを慌ててその場から飛び退かせた二人を見て固まっていた。

 

「お、おお・・・・・これは一体どういう作戦でござる?」

「いや・・・作戦じゃねえだろ・・・神楽坂も、あのロボ娘も・・・何やってんだ・・・・」

 

楓が千雨に尋ねるが、答えられるはずも無く震えていた。

 

「な、なんや? 結局やるんか? せやけど話の流れがよ~分からん! でもええんか?」

「ウ、ウム・・・私も分からないが・・・とにかく戦闘開始アルか?」

 

考えることが苦手な小太郎と古も、アスナと茶々丸の行動に驚きながらも、最低限の戦闘準備に取り掛かる。

 

「えっ? えっ? どーゆうことなの?」

「あ~もう、私も分からないよ~!」

 

のどかもハルナも激しく混乱する。

そして皆の意見を代弁するようにとうとう朝倉が口を開いた。

 

「ちょっ、アスナー!? 茶々丸さーん!? 二人して何やってのさー!? ってゆーか茶々丸さんまでーーッ!?」

 

しかしその問いに、アーティファクトの剣を抱えたアスナも新装備のドリルを腕に装着させた茶々丸も自信満々に振り返り言い放つ。

 

 

「「先手必勝よ(です)!! こんな話し合いまったくの無意味よ(です)!!」」

 

 

一切の迷いの無い二人の少女の言葉。

その言葉に少し驚きつつも、後方に飛んだフェイトはゆっくりと二人を見据える。

 

「・・・どういうつもりだい? 君達は・・・この世界のために仲間の命を賭けるのかい?」

 

少し意外そうに、そして不愉快そうに二人の少女を睨みつけるフェイトだが、アスナも茶々丸は微塵も震える事無く正面から睨み返した。

 

 

「「愚問よ(です)!! そうでしょ(すよね)? ネギ(先生)!!」」

 

「・・・・・何?」

 

 

誰もが迷う選択肢の中、二人の少女は当然の如く動いた。

そしてその言葉に続くように、俯いたまま肩を震わせたネギが静かに口を開く。

この時、刹那やのどか達は初めて気づいた。

ネギが顔を俯かせて震えていたのは、フェイトの選択肢に動揺し、精神を追い詰められているからだと思っていた。

 

しかし違った。

 

(・・・そう・・・愚問なんだ・・・思い出すんだ・・・あの日のことを・・・あの時のことを・・・。ずっと前に教えてもらったことなのに・・・・それなのに僕は・・・・)

 

ネギの肩が震えていたのは動揺していたからだけではない。

 

「フェイト・・・・僕はね・・・迷ってなんかいない・・・」

 

怒りで震えていた。

 

「迷ってなんかいない・・・・そう思っていた。でもね、一瞬だけ・・・一瞬だけ君の甘い条件に惹かれてしまったよ・・・・」

 

そしてその怒りはフェイトに対してではない。

 

(そう・・・答えなんて最初から出ているのに・・・・その事を忘れて僕は・・・・・ッ!!)

 

自分自身への怒りだった。

 

「比べられるはずも無いのに・・・父さんたちの守った世界と・・・皆の命を一瞬でも天秤に掛けた・・・・・・そんなこと・・・・出来るはずも無いのに・・・・ッ!!」

 

ギリッと悔しそうに歯を食いしばるネギ。誰もが黙ってそんなネギを見つめていた。

 

「たとえ君がなんと言おうと・・・僕はもう既にいろんな人にこの世界で出会ったのに・・・・ラカンさん・・・奴隷長さん・・・バルガスさん・・・トサカさん・・・拳闘士の皆さん・・・。決して幻なんかじゃないのに・・・僕の心が一瞬揺れた・・・・・その時・・・・その時! 思い出したんだ! あの日の事を! あの人の言葉を!」

 

ネギは僅かに目元に涙を浮かべながら、数ヶ月前のことを思い出す。

 

「・・・シモンかい?」

 

フェイトが尋ねるが、ネギは首を横に振った。

 

 

「違う・・・・そのシモンさんに・・・・道を示した人・・・あの人は教えてくれた!!」

 

 

シモンではない。ネギが思い出したのはあの男。

数ヶ月前の学園祭での出来事。

答えの見つからない選択肢を押し付けられたとき、超鈴音の罠と偶然の事故に巻き込まれ、時空間の狭間に囚われた自分達の前に、突如現れた男が教えてくれた。

 

シモンでもない。

 

父親でもない。

 

 

「君は言った。握った拳に何も掴んでいない僕はまだ誰でもない・・・流されて答えを出す僕の言葉に重みが無い・・・そう言った。・・・でも・・・僕は何も無いはずの拳を握り締めて・・・思い出したんだ・・・数ヶ月前・・・流されずに・・・自分自身の答えを出した時を。・・・あの人の言葉を思い出した・・・」

 

 

ネギの脳裏に思い浮かぶのは不撓不屈の伝説の英雄。

シモンやヨーコを導いた、あの男のことだった。

 

 

「道は無限に広がっている・・・ならば二択をする必要なんか無い! 君に提示される道なんか行かない! 僕の道は・・・僕達の道は自分達で決める! この握った拳にまだ何も掴んでいないのなら、僕たちはこの手で掴んでみせる! これが僕の答えだ!」

 

 

その時、俯いたネギが顔を上げ真っ直ぐな瞳でフェイトを射抜く。そして次の瞬間、詠唱を唱えながらフェイトに飛び掛った。

 

 

「来れ 深淵の闇(アギテー・テネブラエ・アピュシイ) 燃え盛る大剣(エンシス・インケンデンス)!! 闇と影と憎悪と破壊(エト・インケンディウム・カリギニス・ウンプラエ) 復讐の大焔(イニミーキティアエ・デーストルクティオーニス・ウルティオーニス)!!我を焼け 彼を焼け(インケンダント・エト・メー・エト・エウム) そはただ焼き尽くす者(シント・ソールム・インケンデンテース) 奈落の(インケンディウム)業火(ゲヘナエ)!!」

 

「ふん、・・・交渉・・・・決裂かい?」

 

「固定(スタグネット)!!掌握(コンプレクシオー)!! 術式兵装(プロ・アルマティオーネ) 獄炎煉我(シム・ファブリカートゥス・アブ・インケンディオー)!!」

 

 

ネギの体が炎を取り込み、変化した。

浅黒く、禍々しく・・・だが、その瞳は変わらない。

たとえ狂気の様な力でも、ネギは決して変わらない。

 

 

「たとえ君にどんな大義があっても、誰も滅びなんか望んでいない! このまま逃げ出すことを僕の仲間は誰も望んでいない!」

 

 

いつもと変わらぬ純粋で、しかし力強い瞳。

 

 

「アスナさんと茶々丸さんの言うとおりだッ! こんな選択肢なんて選ぶ必要も、迷う必要も何も無い!! 僕の答え・・・・それは・・・・」

 

 

それは子供じみた答えでしかない。

思慮も浅く、事情も良く知らない子供の甘いた戯言でしかないかもしれない。

だが、ネギは自分を偽ることはしない。

今の自分が最も良いと思った答えを、胸を張ってフェイトに向って叫んだ。

 

 

「どっちも守る! 仲間も! 世界も! どっちもだッ!!」

 

 

ネギのその言葉に刹那たちはハッとなり、心を打たれた。

そしてその答えを待っていたかのように、アスナと茶々丸は力強く頷いた。

 

 

「その通りだわ! こんなネチネチと性格の悪い奴なんかに、私達の未来を勝手に決められてなるもんかっての!!」

 

「今更ひるむ私達ではありません! たしかこういう状況で言う言葉・・・・そうです! あなた、ムカつきます!!」

 

 

アスナに続いて、茶々丸が表情を変えずに、茶々丸らしくない乱暴な言葉でビシッとフェイトに向って指を指しながら叫ぶ。

しかしその言葉が全員に響き、刹那たちも一切の迷いを捨てた。

 

「決まり・・・でござるな!」

「そのようだな!」

 

どこかうれしそうに刹那も頷いた。それは、のどか達も同じである。

 

「ったく・・・どいつもこいつも、単純っつうか・・・・」

 

千雨は溜息をつくが、それでもそれほど不満があるようには見えなかった。

するとフェイトが少しだけ怪訝な顔をして、炎に身を包んだネギに一言だけ告げる。

 

「甘ったれるな・・・そんなことなど出来るものか」

 

しかしネギは聞き入れない。

 

 

「それでもやってみせるさ! どちらかを見捨てて何が教師だ! 何が魔法使いだ! 僕は・・・男だッ!!」

 

 

決してブレないネギの表情で、最早これ以上は無意味であることをフェイトは理解した。

しかし悪い気はしなかった。

作戦は完全に失敗だというのに、後から込み上げてくる感情を抑えきれず・・・・

 

 

「ハ・・・・ハハハ・・・・ハハハハハハハハハ」

 

 

フェイトは笑った。

 

 

「アンタ、キモイわよ! 目が笑ってないわよ!」

 

 

アスナがゾクリとしながらツッコミを入れるがフェイトは構わず笑った。そして機嫌良さそうに、ネギたちに向って告げる。

 

 

「ククク。ふざけるなと言いたいが・・・まあ、いいだろう・・・これで僕達は敵同士だ!」

 

 

その瞬間、まるで合図を待っていたかのように大地が割れて、地中から石の槍が飛び出してネギたちに襲い掛かる。

 

「させぬ!」

「なめるな!」

 

だが一瞬で反応した刹那と楓が、叩き割った。

そしてそれが開戦の合図となった。

のどか達もアーティファクトを発動させ、瞬時に戦闘体勢に入る。

しかしそれはフェイトも同じ。

 

「ヴィシュタル・リシュタル・ヴァンゲイト・おお、地の底に眠る使者の宮殿(オー・タルタローイ・ケイメノン・バシレイオン・ネクローン)我らの下に姿を現せ(ファインサストー・ヘーミン)」

 

初撃をあっさり防がれたものの、直ぐに詠唱をしながら上空へ飛び上がり、無数の巨大な石柱をネギたちに向ける。

 

「ちょっ!?」

「あれはまずいです!?」

「させるものか!」

「ネ、ネギ先生!?」

 

フェイトが向ける巨大な魔法。急に街中に響き渡る戦闘の音にようやく気づいた者達は空を見上げて驚愕し、一斉に悲鳴を上げて逃げ纏う。

しかしその中で、むしろ逃げずに一人の少年は立ち向かって行った。

ネギだった。

闇の魔法(マギア・エレベア)で肉体を蝕まれることも恐れず、そしてフェイトの魔法にも一切恐れず、正面から向っていく。

 

 

「さあ・・・来い、ネギ君!!」

 

「さあ・・・行くぞ、フェイト!!」

 

 

これが二人の戦いが始まった瞬間だったのだ。

 


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