ハリーポッターと仮面の復讐鬼   作:ふぁみゆ

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やっと書き上がりました!

しかし、こうやって書いてみると難しいですね…

一部魔法の効果が違う可能性がありますが温かい目で見守って欲しいです


稲妻vs業炎ー序章ー

「トロールが!! 地下にトロールが!!」

 

「お知らせせねばと思って・・・」

 

そう言って、闇魔術に対する防衛術の講師、クィレル先生が気絶したのは、生徒たちが楽しみにしていたハロウィンパーティの前だった。

 

魔法界に住む巨大生物、トロール。巨大な体を持ちとてつもないパワーを秘めている怪物。

 

そのトロールが校内に現れたのだ。

その知らせに生徒たちは騒然となった

 

どうして学校に怪物が?

襲われたらどうするのか?

 

今まで無かった異常事態に生徒たちは軽いパニックを起こしてしまう

 

「どうしたらいいの?あんなのに襲われたら…」

 

「き、きっと大丈夫だよ。先生たちがなんとかしてくれるよ」

 

「もう、ダメだ…おしまいだぁ…逃げるんだ、勝てるわけがない!」

 

静まれというダンブルドアの号令により、一先ず落ち着きを取り戻す。

ひとまず監督生と共に一同は寮へと避難することになった…

 

エマの所属するレイブンクロー寮の生徒たちも寮への道を行く

 

歩きながらエマは考えていた

 

一体なぜ…このボクワーツにトロールという怪物が侵入したのか?

 

「偶然、トロールが入り込んでくるわけないよね?あんな大きな生き物、入ろうとしたらすぐに気づかれちゃうよ。ジョシュアはどう思う?」

 

と、隣にいるはずの同級生に目をやる。しかし…

 

「!、ジョシュア!?」

 

彼女の隣にその男子生徒の姿は無かった…

 

 

 

ーーーー

 

 

 

「逃げろ!ハーマイオニー!」

 

ハリーはトロールの頭にしがみついたまま叫ぶ。

トロールのことを聞いたハリーはトロールの入り込んだ、地下の女子トイレに来ていた。

 

理由はただ一つ、ハーマイオニーを救うためだ。

ロンの言葉で深く傷つき、トイレで泣いていたために逃げ遅れた彼女を助けるため、たった一人で乗り込んだのだ。

 

巨体を持った怪物に一人で立ち向かう。10歳の少年とは思えない危険な行為。怪物を目の前にすれば普通の子供であれば、足がすくんで動けなくなってしまうだろう…

 

しかし、彼の強すぎる勇気と正義感は目の前の少女を見捨てることを許さなかった。

 

トロールは頭に張り付いたハリーを振り落とそうと動きまわる。

 

ハリーもそこから落とされないように必死だった…

 

だから、ハリーは気づかなかった。

ハーマイオニーが立ち去ったあと、もう一人の来訪者が来ていたことに…

 

バァン!!

 

耳を突くような破裂音が響き渡る。

 

そして、その瞬間、トロールの動きが止まった

 

「え?」

 

突然のことで理解が追いつかないハリーは呆然としてしまう。

 

バァン!バァン!バァン!

 

すると、同じ破裂音が三回鳴り響き、トロールは糸が切れたかのように膝をつき、地面に倒れてしまった…

 

トロールの頭から降りたハリーは、顔を上げる。

すると、そこにいたのは…

 

自分と同じくらいの年齢をした男の子だ。この学校で見かける黒の魔法着ではなく、ベージュのズボンに白いパーカーという外の世界で普通に見かけるような軽い服装、パーカーのフードを被り、少し薄暗いその顔の下には顔を覆う黒い仮面…

そして、その右手には、美しくも禍々しく光る。銀の拳銃が握られている…

 

「何が危険な魔法生物だ。図体がでかいだけで獣と何も変わらないじゃないか…」

 

その少年はまだ低くなっていない声で喋り始める

 

「どんな凶暴で危険な獣も、人類はその叡智で道具を生み出し、使うことでそれらより強い力を手に入れて来た。魔法界とはいえ、獣であるならば、人類に倒せない道理はない…」

 

その様子を見たハリーが立ち上がる。

 

少年を見たハリーは思った。

 

トロールを倒したのは彼だ。なら、彼は自分の窮地を救ってくれた恩人なのではないかと

 

少年がハリーを見るのと同時にハリーは声をかける

 

「助けてくれたんだよね…ありがとう…」

 

「…助けた…だと?……ふん」

 

しかし、その少年は、巨大なトロールの命を奪ったその銀の拳銃を今度はこちらに向けてきた

 

「ここに来たのはお前を助けるためではない。ここに現れたトロール、そしてお前たち魔法使いを殺す為だ!!」

 

突如向けられた銃口と、自分に対する明確な殺意。

 

「今この場所なら、例え生徒が死んでいても、トロールによる事故に見せかけられる。生きている罪を贖いここで死ね!ハリーポッター!」

 

引き金が引かれるその刹那、ハリーはすぐに地面に伏せた。

弾丸は伏せたハリーのすぐ真上を横切る

避けなければ弾丸は彼の頭に命中し、確実にその命を奪っていただろう。

 

さっきのトロールの時にも命を落とす危険はあったが、トロール自身は本能のままに暴れていただけだ。

しかし、今、目の前にいる少年は違う。

 

拳銃という凶器を持ち、明確な殺意を自分にむけている。何もしなければ、間違い無く殺される。

 

急いでハリーはトロールの後ろに走る。

 

その間も相手は何度も発砲し、そのうちの一発が左腕をかすめたが、その痛みを堪えて必死で走った。

 

倒れたトロールの巨体に隠れ、盾にする。

 

あれが拳銃ならば撃つものとの間に遮蔽物があれば弾丸が自分の体を貫くことはない。

 

相手の少年もそれを分かっているからか、マガジンを抜き取り弾丸の装填を始める。

 

自分の安全を確保したあと、ハリーはある行動に出た。

本来ならば逃げることを第一に考えるべき場面。

しかし、彼の勇気は時に無鉄砲さとなり、判断力を鈍らせる。

 

自分に向けられているのは確かな殺意。しかし、それを向けているのは理性のない魔法生物ではなく人間だ。

人間ならば理由もなく人を殺そうとはしない。きっと彼はなにか誤解しているに違いない。

 

だからこそ、彼は…

 

「君は一体なんなんだ?どうして僕を殺そうとするんだ!」

 

説得という手段を取った

しかし少年はそんなハリーの言葉を笑い飛ばす

 

「害虫を駆除するのに、理由が必要か?俺はただ、魔法使いという人に仇なす害獣共を退治しているにすぎない」

 

少年の足音が響く

 

右か左のどちらかから回り込んでくるのだろう。相手がこちらに来る前になんとかしなければならない。

 

「害獣って、どういうことなんだ!?魔法使いだって同じ人間だろう!」

 

「黙れ!化物が人間を語るんじゃない!!」

 

自分の言うことは間違ってはいないはずだ。しかし、相手はこちらの言葉を一方的に突っぱねてくる。

 

その瞬間に分かった。

この相手に、説得は通じない。

 

すぐにハリーは思考をめぐらせる

 

戦う?しかし、今持っているのは杖だけだ。

戦うための呪文なんて知らない。

 

使える呪文はこの前、授業で習ったものを浮かせる呪文だけだ。

 

足音はこく一刻と自分の方に迫ってくる。

このままでは殺されてしまう。

 

その時…

 

「!」

 

ハリーの目にトロールが持っていた。大きな棍棒が目に入った。

 

「ハリー!」

 

そこへ聞こえてきたのはハーマイオニーの声。

隣にはロンがいる

 

なかなか戻ってこない自分を心配してきたらしい。

だが、状況は最悪だ。

 

「来ちゃダメだ!!」

 

急いで声を張り上げるも仮面の少年は入ってきた二人に気づいてしまった。

 

銃口は遮蔽物のあるハリーではなく後から来た二人に向けられてしまう

 

ー迷っている暇はない

 

ハリーはトロールの体から出ていき、杖を落ちている棍棒に向けた。

 

「ウィンガーディアム、レヴィオーサー!!」

 

棍棒に習ったばかりの呪文をかける。

 

棍棒は地面を離れ宙に浮きはじめた

 

その声と音に仮面の少年は振り返る。

 

 

これがぶつかれば仮面の少年は死んでしまうかもしれない。死ななくても大怪我を追うかもしれない

だが、もうそんなことにかまっている暇はない!

友達を、ここにいる銃を持った殺意から守るためにはこうするしかない

 

ハリーは、杖を振った

それに伴い、棍棒は勢い良く少年に飛んでいく。

 

これをあいつにぶつければ…

 

すると、少年は

 

ガチャリと音を立てると、何を思ったのか右手に持った拳銃を飛んでくる棍棒に向けると

 

パァン!

 

引き金を引いた

 

弾丸が棍棒に当たりカキンと鈍い音が鳴る。

飛んでくる棍棒を止める勢いと威力は当然無い。ないはずだが…

 

音がなった瞬間ハリーの杖を持つ手が軽くなる

そして、飛んでいた棍棒は何事もなかったかのように、地面に落下

 

その姿はまさに、魔法が解ける瞬間を見たかのようだった。

 

「…はぁ、はぁ…」

 

ハリーの表情が絶望にひきつる

逆転をかけた一手がこうもあっさりと防がれてしまった。

もう友達もいる中、トロールの体に隠れるわけには行かない。それに、今からトロールの方へ走ったとしても間にあわないだろう

 

「つまらん芸を…」

 

再び自分に向けられる銃口

 

この時ハリーは、生まれて初めて、死を間近に感じた。

闇の帝王に襲われた時には幼いがゆえに理解できなかった死をその身に感じていた…

 

(殺される…)

 

仮面の少年の後ろにいる二人の友達は恐怖で動けなくなっている

それは、ハリーも同じだった。

 

しかし、その時

 

 

突如、どこからか飛んできた閃光が仮面の少年の横をかすめた

閃光は仮面の少年の後ろにあった棍棒を真っ二つに切り裂く

 

「何っ!?」

 

振り返った少年。視線の先には出口の扉があるだけだ…

閃光は少年に向けて容赦なく飛んでくる…

 

「ちっ!!」

 

見えない位置からの攻撃に少年は堪らずその場から逃げ出した。

 

 

 

緊張が解けたハリーはその場に膝をつく。

死の恐怖から解放されたことで、生きていることに対する安堵感がどっと湧き上がってきたのだ

 

「こんなところで、何をやっているのだ。ポッター」

 

そこへ現れたのは魔法薬学の教師、セブルス・スネイプだ。

自分のせいでまたグリフィンドールが減点を受けてしまうかもしれない。

ハリーはぼんやりとそんなことを考える。

 

その時ハリーは気づけなかった、スネイプ先生が

 

どういうわけか、その手に杖を持っていたことに…

 

 

 

その後、現れたマクゴナガル先生の計らいでグリフィンドールは逆に点数を増やしたようだ…




………長い


ではでは、感想、お待ちしております。

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