ハリーポッターと仮面の復讐鬼   作:ふぁみゆ

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組み分けの儀式ってどこの二次小説でもおんなじだからカットしようかなとも思ったのですが…


組分けの儀式

森の番人のハグリッドという男に連れられてジョシュアとエマは大勢の生徒たちと歩き始める。

 

やがて、ボートに乗り大きな湖を渡って行くと

大小様々な尖閣の塔が連なる壮大な城が見えてきた…

 

「あれが…」

 

右目だけの少年、ジョシュアは静かに呟く。

これから自分も通うことになる場所。そして、魔法使いの子どもたちが育つ学び舎ホグワーツ…

 

彼にとっての"敵"が集う場所だ……

 

「あれがホグワーツだね!大っきいなぁ!」

 

隣りに座る少女、エマは感嘆の声を上げる。

 

汽車のコンパートメントで自分の対面に座った少女。見る限りはごく普通のどこにでもいそうな女の子と言ったところだ。

だが、ジョシュアが彼女を見る目は普通の女の子を見るそれでは無かった…

 

決して表には出さない

決して相手には悟らせない

 

しかし、彼は目の前にいた少女を敵として見ていた。

両親を殺し、その事実を受け入れず隠蔽し、幼い少年に一生消えない傷を残しただけでなく罵声を浴びせ続けた連中の仲間だと…

 

(人の皮を被った化物共が…これからこいつらと一緒に生活しなきゃいけないと思うと虫唾が走るな…

だが、ここに来た目的を忘れてはいけないんだ。この学校で敵を知り、今ある装備がどの程度化物共に有効なのかを確かめる…そのためにもここで知らなきゃいけないんだ。奴らの使う、魔法のことを……)

 

かばんに手を触れ底にある固く冷たい感触を確かめる。

母が遺した銃弾が込められている、拳銃の感触を…

 

 

 

マクゴナガル先生に連れられて生徒たちは大広間に入く。

目についたのは天井があるはずの場所に広がっていた夜空だ。

魔法で天井が空に見えるようになっているらしい。

 

「デタラメだな…全く」

 

現在の科学ではここまでのことをするのは難しい。

天井を張り替え、映写機で照らしだせば不可能ではない。実際、マグルの文化にもプラネタリウムという、夜空を再現するための装置がある。しかし、これだけの広さの天井にここまで鮮明な空の映像を流すためには莫大な費用がかかってしまう上に維持が困難だ。

それをたった一つの学校の景観だけのために実現してしまう魔法界の力の強さが伝わってくる。

 

(だが、困難というだけでこれの実現は不可能ではない。それにこっちには切り札がある…)

 

自分が魔法なんかに負けるはずがない

 

そう強く言い聞かせながら他の生徒たちと歩いて行った…

 

「…ア…ジョシュア、聞いてるの?」

 

隣の少女の声を聞き思わずはっとなるジョシュア。

すぐに愛想笑いを作り、エマの方へと向き直った。

 

「ごめん、ちょっと考え事してて…」

 

「もぅ、…確かにいろいろ考えちゃうのは分かるんだけどさ。」

 

ふぅ、と一息ついた後、エマは言葉を続けた

 

「クラス分けについてよ。4つのクラスがあるんだけど、どうやって分けられるのかなって…」

 

「クラスか…」

 

ジョシュアもその話は知っていた。

ホグワーツではその生徒の資質や正確に合わせたクラスに分けられるという

しかし、クラスに分けの方法は誰にも教えないのがこの学校の代々の伝統らしい

 

ある者は自身の身だしなみを整え

ある者は予習してきた呪文の復唱を行っている。

 

正直、魔法使いの分類方法などジョシュアは全く興味がなかったが隣の少女になんとなく話を合わせる

 

「そうだね、性格を重視しているみたいだから性格診断テストや心理テストみたいなものでもやるんじゃないかな?」

 

ジョシュアの出した意見は本人の性格を測るのだから心理テストをやるのだろうという割と平凡な答えだ。

安直だが理には叶っている。

 

しかし

 

「心理テスト?…マグルの世界ではそういうのがあるの?」

 

どうやら、魔法界ではあまりメジャーではないらしい。

 

「えっと、心理テストっていうのはね…」

 

軽く心理テストの説明をするジョシュア、エマは本当に知らなかったらしくなるほど、そんなものがあるんだなどと関心していた。

 

「確かに性格を見るなら、いい方法かもしれないね。でも、このホグワーツではやらないかな?」

 

「どうして?」

 

「だって…」

 

と、言いかけたところで先生からの号令があった。

 

「静かに!これより、組分けの儀式を始めます。」

 

すると、奥に置かれていた帽子が動き始めた。

 

私はきれいじゃないけれど

人は見かけによらぬもの

私をしのぐ賢い帽子

あるなら私は身を引こう

山高帽子は真っ黒だ

シルクハットはすらりと高い

 

私はホグワーツ組み分け帽子

私は彼らの上をいく

君の頭に隠れたものを

組み分け帽子はお見通し

かぶれば君に教えよう

君が行くべき寮の名を

 

グリフィンドールに行くならば

勇気のある者が住まう寮

勇猛果敢な騎士道で

他とは違うグリフィンドール

 

ハッフルパフに行くならば

君は正しく忠実で

忍耐強く真実で

苦労を苦労と思わない

 

古く賢きレイブンクロー

君に意欲があるならば

機知と学びの友人を

ここで必ず得るだろう

 

スリザリンではもしかして

君はまことの友を得る

どんな手段を使っても

目的遂げる狡猾さ

 

かぶってごらん 恐れずに

興奮せずに、お任せを

君を私の手にゆだね(私は手なんかないけれど)

だって私は考える帽子

 

突然歌い出した帽子にあたりがざわめく

 

「ABC順に名前を呼びます。名前を呼ばれたら防止を被って組み分けを受けてください。」

 

Aから順に名前が呼ばれ始める。

 

「へぇ〜帽子だって…?、どうしたのジョシュア?」

 

隣にいるエマは早速ジョシュアに声をかけるが彼の額に流れている一筋の汗を見て心配そうに声をかけた。

 

「え?いや、なんでもないよ。ちょっと緊張しちゃって…」

 

なんとか取り繕うジョシュア、しかし、彼は動揺していた。

 

(帽子を被っただけでクラスを分ける?まさか、人間の考えを読むとでもいうのか?……)

 

だとしたら、自分が奴ら魔法使いの敵だということが早々にバレてしまうのではないのか…まさか、入学の時点でこんなことが起こるとは思っても見なかった…

 

「ベネット・ジョンソン」

「ブランドー・ディオ」

 

どんどん名前が呼ばれていく

その様子を観察するジョシュア

 

どうやら帽子から発表されるのは名前だけのようだ

 

しかし、生徒によってクラスが発表されるまでの時間にばらつきがある。

もしや、心を読むための時間だろうか…

 

「メージャー・ジョシュア!」

 

そして、いよいよジョシュアの番が来た

ここで怪しい動きをすることは出来ない。

 

大人しく座席に座り、帽子をかぶる。

 

僅かな沈黙

 

(ほう、勉強は得意なようだな。努力を惜しまない勤勉さもある)

 

脳内に響く声

帽子から聞こえてきた声に思わず声を出しそうになるのをぐっと堪える

 

(レイブンクローでなら、うまくやっていけるだろう。だが…)

 

ジョシュアに緊張が走る

 

(大きな野望があるようだな。その目的のためなら手段を選ばぬ狡猾さを持っている…)

 

「!?」

 

こいつ、心を読んでいる。

これ以上はマズイとジョシュアは焦った。

 

(スリザリンは嫌だスリザリンは嫌だ…)

 

心を奥まで読まれたくないがために頭の中で帽子に語りかけることで儀式を中断しようと考えたのだ。

幸いこの願いを持つ生徒が多いことはエマから特急の中で聞いていた。これならば怪しまれることはないだろう

 

(ほう…なるほど。そうだな、ならば君の願いを叶えよう)

 

儀式は終わりだ。助かった

と安堵する。しかし…

 

(君の野望はスリザリンで叶えられるものではなさそうだからな…)

 

帽子は最後にそんなことを言った…

 

「レイブンクロー!!!!」

 

レイブンクローの上級生たちから拍手が上がる

マクゴナガル先生は帽子を取り上げると先輩たちの元へと向かうようにと促す

 

レイブンクローの席へと移動しながら一度振り返った。

先生たちはこちらに拍手を送っている。

 

ただ一人、物憂げな視線をこちらに送る。アルバス・ダンブルドアを除いて…




組み分け帽子だけでここまでテンパるのってジョシュアだけだと思ったんだ





おい、オリ主入学早々情けねぇぞ…

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