サブタイどうり、あのネタです。
「はぁ…俺はこれからどうしたらいいんだ」
俺は攻也を適当な平地に埋め、そこらの木で簡単な十字架を作りぶっ刺した。
「最期までお前はお前だったな…バカ丸出しの死に様だったよ、攻也…アーメン」
俺は適当に十字をきり、近くの倒木に腰かけた。
「ハァ……ラーメン食いてぇ」
ーボコッ…
「ん?」
「勝手に埋めるなぁぁぁぁああ!」
「っうぉぉぉおお?!」
突然の死者蘇生、リビングデッドの瞬間を目の当たりにした俺は、倒木から転がり落ちた。
「勝手に埋めんなよ?!
息できねぇし、マジ死ぬかと思ったぁ…
あ、そういや死んだんだったな、俺」
「ビックリした…よく生き返ったな…」
「あぁ、実は…」
ーーー数分前
side 攻也
「いっただっきま~す!」
ー何だ全然旨いじゃん。
少し舌が痺れて喉が痛いけど、コレならドルフィンリングで消せるな。
「
俺の意識は、ここで途切れた。
ーーー神は言っている…
ここで死ぬ
「……って?!猛毒じゃねぇか!!
………あれ?…夢……?」
辺りを見渡せば、俺は見覚えのある場所にいた。
「何だ、夢か。
あぁ~…ビックリs「したのはこっちじゃぁぁああ!」グハァッ?!」
突如背後からの衝撃に、俺は吹き飛んだ。
顔面スライディングから起き上がり背後を見ると、そこには怒り狂ったゆりっぺがいた。
「信じらんない?!4時間よ4時間?!
転生して4時間で死亡?!
しかも死因が道に生えた毒キノコを食べたから?!
貴方バカなの?!死ぬの?!
あぁ、バカだから死んだんだったわね?!
ごめんなさいね!!」
うるせぇな、好き勝手言いやがって…
「仕方無いだろ、腹減ったんだから」
「仕方無く無いわよ?!
前代未聞よこんなこと?!
転生して数時間内で死ぬなんて?!
しかも毒を盛られたのじゃなく自分から食べるなんて?!」
「しゃあねぇだろ…あんなに毒が強いとは思わなかったんだよ。
それに毒が強いかなんて、食ってみないとわかんねぇだろが普通」
「普通は毒キノコ食べようなんて思わないわよ!!
それにあれはどう見てもアウトよ!!
弟に身長負けてるビールっ腹の赤帽子被った髭のおっさんでも絶対に手を出さないやつよ?!」
「キノコ絡むとその話ばっかだな…
てか、見た目で判断するのはどうかと思うぜ?
イタリア料理や西木野 真姫ちゃんの好物で有名なあのトマトですら、ベラドンナに似た姿とその赤さから、悪魔の供物やら毒を持った野菜やら、果てには人間の血で育てられたなんか言われて、観賞植物として扱われて、食べ物としては見てもらえなかったんだぜ?
当時の貧困民が餓死するくらいならと死を覚悟して食った事で、初めてトマトは食えるんだって事に人は気付いたんだ。
ちなみにトマトはナス科の植物で、初めて日本に伝わったのは17世紀半ば、当時は
大声で怒鳴り散らすゆりっぺ。
俺は耳を塞ぎながら怒号がおさまるのを待った。
「何だよ…文句ばっか言いやがって…
あ!…1つ頼んで良いか?」
「え?………いいけど、今回限りよ」
side攻也 out
ーーーーーー
「…って事があった」
「ふ~ん…よくゆりっぺはお前を生き返したな」
「あぁ、何でも俺達2人が揃わないとダメらしい」
「揃わないとって……それって、何回でも生き返るって事か?」
「いや、確か俺達以外に俺達の死を認識されたら出来ないらしい」
「……つまりは見られたりしない限りは、何回でもリトライ可能って事か?」
(でも何で?)
「それとコレ、兄ちゃんに渡してくれって、ゆりっぺから」
「っ?!……おいおい…冗談だろ…」
俺は攻也の取り出した指輪を見て、冷や汗をかいた。
攻也の取り出した指輪、それは紫色の魔法石で作られた太陽、そしてそれに重なる月の装飾が施された指輪だった。
「何でコレまで…」
取り合えずしまっておこう…
そう思い俺は、指輪をしまおうとした時、あり得ない光景を目の当たりにした…
「って!また食うのか?!」
そこには再び毒キノコにマヨネーズをかけて食べようとする
「大丈夫だって。
今回はスキルを変更したから」
「変更?
ゆりっぺに頼んだのって、スキルの変更だったのか?」
「あぁ、“毒では死なない”ってな。
コレで毒キノコを死なずに食える。
やっぱ俺、天才だわ」
そう言いながら攻也は、再び毒キノコにマヨネーズをかけて食い始めた。
瞬間……
「グボォッア?!…な、何で……?!
オ”ォエ”ェェェェエェェ?!
…ハァ…ハァ…血が…止まんねぇ?!
か、体が…し、痺れ……」
(あぁ…ホント、コイツは……)
「なぁ…たぶんそれ、毒では死ななくなっただけで…
毒の効果や影響は受けてんじゃね?」
「ど…どゆこと?」
「いや…多分だけどお前のスキル、“死なない”であって“効かない”じゃないからじゃないか?」
「そんな…グボォッア!」
「取り合えずドルフィンリング使え。
毒で死ななくても、そのままだと失血死するぞ」
「お”ぅ…」
ーーーー
「あ~あ、辺りが血の海だ」
俺は足元に広がる血の海を見て呟いた。
「そんな事より俺の心配して?」
「知るか、自業自得だ」
ーグルルルル…
「何か言ったか?」
「何にも?」
「「………………」」
「何か…生臭いな」
「俺の血じゃね?」
「いや、血の臭いじゃないだろ…コレ」
「何か、背中に生暖かい風が当たるんだけど…」
「奇遇だな、俺もだ」
「「………………」」
ーグルル…
「「最初はグー!じゃんけんポンッ!」あっち向いてホイッ!」
「………………」
俺の指がさした先を見た攻也は固まり、涙を流し初めた。
「…何がいるんだ?」
「…グスッ…全身密に生えた毛皮に大きな体、犬の約7倍近い嗅覚を持った…グスッ…冬なら本来…冬眠しているはずの生き物ってな~んだ(泣)」
「…
「……スンッ…
ーグマアアァァァァアア!!
「「イアアアァァァアア?!」」
互いに悲鳴を上げながら、俺達は全速力で走り出した。
「何で?!何で熊がいんの?!」
「確か、冬眠から中途半端に目覚めた熊は、腹が減ってかなり機嫌が悪いって聞いた!!」
「そんな情報どうでもいいから!
早くアイツをどうにかしろ~!!」
「ここは年上の兄ちゃんがどうにかするもんだろ!!」
「うるせぇ!!テメェがどうにかしろ!!」
「無茶言うなよ?!人間が生身で勝てる訳無いだろ?!
兄ちゃん元々体頑丈だろ?!
スキルで身体能力上がってんだから、兄ちゃんの出番だろ!!」
「熊と対等に渡り合える訳ねぇだろ!!」
ーグマアアァァァアア!!
「つーか熊の鳴き声ってこんなんだったけか?!」
「知んねーよんな事!!」
「て言うか武器?!何か武器無いの?!」
「そんな都合よくある訳…って?!前!前!!」
「ウソだろ?!」
その瞬間、さっきまであった地面がなくなり、俺達の体は……宙を翔ていた。
「「崖とかふざけんなぁぁぁぁぁああ!!」」
ーーー神は言っている…
ここで死ぬ
「「いや~…落ちる瞬間って、股間がフワッとして気持ちいいんだな」」
「何だったら、こんどのコンテニューは地上10000フィートの空中からにしてあげましょうか?」
俺と攻也はゆりっぺの前で、頭にデカイたん瘤を抱えながら正座をしていた。
ちなみに瘤の犯人はゆりっぺである。
「いや、仕方ないだろゆりっぺ。
目の前崖で後ろは熊…そりゃ死ぬって」
「諦めが早すぎなのよ、アンタ達やる気あるわけ?」
「ゆりっぺがストリップでもしてくれれば、多少は出るが」
ースパァンッ!
「だから冗談だよ」
「どうだか…」
俺は痛む頬を擦りながら、立ち上がる。
「さてと…じゃあコンテニューしますか」
「それより貴方達、そんな
そういえば、元の世界では真夏日だった。
体を見渡せばカーキグリーンのズボンにワインレッドのTシャツ、黒の七分袖シャツの薄着だった。
攻也にいたっては短パンにタンクトップ、上から半袖のシャツを羽織った、いかにも夏の格好だ。
よくこんなんで雪山の中歩けたな、俺ら。
「そうだな…
んじゃ、ちょっと試すか」
《ドレスアップ…プリーズ》
全身が光に包まれ、気付くと俺達の服装が変わっていた。
「晴人をイメージしたんだが…
何か、いかにも中二って感じだな…」
俺の服装は黒みのあるジーンズに、さっきよりは少し明るい赤色のフードが付いたカーディガンに、膝裏まである黒のロングコートの格好だった。
「なんか、デビル◯イクライに居たな」
「確かに…
ほら、攻也も」
《ドレスアップ…プリーズ》
「こんな感じかな」
攻也は青のジーンズにシャツ、ファーが付いたジャケットの格好になった。
「じゃあコンテニューね、そこに立って頂戴」
「いや、またあんな猛獣や危険種のような化け物と遭遇したらまずい…ゆりっぺ」
「何よ?」
俺と攻也は互いに頷き、ゆりっぺを見た。
「「一番
するとゆりっぺは見惚れる様な笑顔で俺達を見る。
少しドキッとした俺達の前で、ゆりっぺは自分の隣に腰くらいの高さの台を召喚すると、その台の上の赤いボタンに手を伸ばした。
「
さっきまでの笑顔がウソの様な、鬼も裸足で逃げ出す表情でボタンにゆりっぺが拳を叩き落とす、するとさっきまであった地面が姿を消した。
「「でしたねえぇぇぇぇぇぇ」」
突然消えた地面から垂直落下する俺と攻也は、そう叫びながら奈落へと落ちた。
「……ん…ここは…」
気が付けば、俺達はもといた雪山に立っていた。
「…さっきの雪山か?」
「また最初からかよ…」
「でもかなり歩いたし、最初からじゃないだろ」
愚痴る攻也に少し気楽に応え、俺は辺りを見回した。
「一体どこからコンテニュ…」
ーグルルルル…
聞き覚えのある唸り声に振り向けば、毛むくじゃらな生き物が、俺達を睨み付けていた…って?!
「「
ーグマアアァァァ
「ッ!攻也!!」
「応ぉ!」
俺と攻也は左右に回避し、1つの指輪を取り出した。
《コネクト…プリーズ》
《コネクト…Go!》
「食らえ!」
俺はウィザーソードガン(以降ソードガン)をガンモードに変え、熊に向けて引き金を引いた。
撃ち出した数発の弾丸が命中し、熊は怯んだ。
「攻也!」
「任せろ!」
勢いよく飛び出した攻也は、熊にダイスサーベル(以降サーベル)による突きや斬撃でダメージを与えた。
「よっしゃ、止めだ!」
勢いをつけたサーベルが熊の脳天を貫くその瞬間、サーベルは“何か”によって遮られ、攻也は吹き飛ばされた。
「攻也っ?!」
「グホッ…何だ?」
俺と攻也は熊に視線を向け、絶句した。
熊の肩から、まるで人間の腕の様な物が“生えていた”。
するともう片方からも同じように腕が生えだし、熊は後ろ足で立ち上がると、雄叫びと共にその体を“変化させた”。
「な、何だ?!」
「知るか!」
ーグルルルル…グルッ…グッ…グマアアァァァ!!
「何かヤバイぞ!」
ーグマアアァァァァァァァアア……
……マッスフォォォォォォォオオオル!!
「「……?………
………ッハァァァァァァァアア?!」」
奇妙な雄叫びと共に姿を変えた熊は、それはそれはたくましく、スタローンやシュワルツェネッガー顔負けのマッスルボディになりました。
ーマッスフォオオオル!!
「いや意味わかんねぇよ?!」
「心配すんな!俺もだ!」
突然の出来事に俺達は戸惑うも、熊?から距離を空け、ソードガンによる射撃でダメージを与えた。
ーマッスフォオオオル!!
「って?!効いてない?!」
「兄ちゃん、俺に任せろ!」
《ドライバー オン!》
「変~…身!!」
《セット!オープン!!》
「でぃや!」
《L・I・O・N…ライオーン!》
「へへん…んじゃ、ランチタイムだ!」
古の魔法使い、仮面ライダービーストに変身した攻也は熊っぽい化け物…熊ッスルと命名しよう。
熊ッスル相手に攻撃を仕掛けた。
「こんにゃろ!」
「俺もいくか…」
如何にも手こずっている攻也に加勢するため、俺はコネクトリングをドライバーオンリングに替え、ベルトにかざした。
《ドライバー オン!…プリーズ》
起動音と共に本来の姿に戻ったウィザードライバー。
その両サイドにあるレバーを操作し、中央のハンドオーサーを変身モードにする。
《シャバドゥビタッチヘンシーン!
シャバドゥビタッチヘンシーン!
シャバドゥビタッチヘンシーン!》
左手の中指に赤い魔法石で作られた指輪、“フレイムウィザードリング”をはめ、指輪のバイザーを下ろす。
「変身!」
《フレイム…プリーズ》
ハンドオーサーにフレイムリングをかざし、左に腕を伸ばすと、リングから魔法陣が展開される。
《ヒー・ヒー・ヒーヒーヒー!》
魔法陣を抜けると、俺の姿が変わる。
現代の魔法使い、絶望を希望に変える最後の希望。
仮面ライダーウィザード フレイムスタイル
「ハァッ!」
変身を終えた俺は、熊ッスルに攻撃を仕掛ける。
だが熊ッスルの体は硬く、ソードガンの斬撃は弾かれる。
「いやに硬いなチクショウ…」
「パワーじゃ勝てねぇか…だったら!」
《Go!バッバ・バ・バ・バ・バッファ!》
《ランド…プリーズ
ド・ド・ド・ド・ド・ドン!ド・ド・ド・ドン!》
攻也はバッファリングを取り出し、バッファマントを纏とい、俺はランドスタイルにスタイルチェンジする。
「だぁ!オリャ!」
「ハァッ!ツァッ!」
ーグマァァァァッスフォオオオル!
劣勢を悟ったのか、熊ッスルは突然バックステップで距離をひらくと、咆哮と共にその背中から翼を生やし、空へと飛び上がった。
何でもありだな……
「ハァ?!そんなのありか?!」
「攻也!ファルコン使え!」
「そうか!」
攻也はファルコンリングを取り出し、それをバックルに勢い良く差し込む。
が…
《バッド!》
「あ?」
《バッド!》
「はぁ?!バット?!
俺が使いたいのはファルコンでコウモリじゃねぇんだよ!!」
何故か発動しないファルコンリングにキレる攻也。
そうこうしている内にだんだんと熊ッスルとの距離が開かれていく。
「っち!
飛ぶの速すぎだろ」
(ハリケーンスタイルじゃ追い付きそうに無いな…)
「こうなりゃ一か八か…」
俺はハリケーンドラゴンのリングを取りだし、ハンドオーサーを操作し、リングをかざした。
《エラー》
「っ!やっぱダメか」
「だぁっクソっ!逃げんな昼飯~!!」
「あぁ~…逃げられたか…」
飛び去っていく熊ッスルに対し、攻也がとんでもない台詞を言った気がしたが俺はスルーし、離れていく熊ッスルを眺めながら呟いた。
「くっそ、何でファルコンが使えなかったんだ?」
「知るか、魔力切れだろ?
バカみたいに、コネクトでマヨネーズ出してたツケが回ったんだろ。
後、バットじゃ無くてバッドな」
互いに変身を解除し、さっきの戦闘について話す。
(そうだとしても妙だな…
コネクトの消費魔力はたいした事無いと思うし、数回使うだけでこんなにも魔力を消費するか?)
俺は攻也を見て更に考えていると、1つの疑問が浮かぶ。
「…ん?
攻也、体は何ともないのか?」
「何だよ、急に」
「いや、魔力を一定量摂取しないと不味いだろ?」
俺の言葉の意味を理解したのか、ビーストのデメリットを思いだし、攻也の表情がだんだんと青ざめていった。
「ヤッベェゾ?!」
「その言い方、全くそんな風に思えないが…」
慌てているのか分からない、すっとぼけた声で叫ぶ攻也。
だが表情は青ざめ、変な汗までかきはじめた。
「ヤバイ?!キマイラに食い殺されるぅぅぅぅぅ……って…あれ?」
「どうした?」
「なんともない…」
「……なぁ攻也」
「ん?」
「キマイラと話せるか?」
「……?…やってみるわ」
そう言って攻也はバックルを小突く。
「おーい、キマイラー。
おーい…返事しろや居候!!」
ベルトのバックルを激しく揺すりながら、怒鳴る弟の絵面ってかなりシュールな画だな……
「なぁ兄ちゃん、これキマイラのヤツ入ってねぇんじゃねぇの?」
(っ?!…まさか)
「攻也、俺の体人目につかないようにどっか隠しておいてくれ」
《コネクト…プリーズ》
「ハァ?何言って…ーズカァーン!
俺は攻也に後を頼み、取り出したソードガンをこめかみに当て、引き金を引いた。
死にすぎじゃね?と思う方。
私もそれは思った。
つか、何だよ……熊ッスルって…
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