魔法使いが来る!   作:ケモミミ愛好家

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ヨーソロー!

初めましての人は初めまして、ケモミミです。
何か転生物やこのすば読んでたら書きたくなったので書きました(笑)

一応ドライブの方優先で行きますので、余り投稿速度は良くないと思いますので、ご了承下さい。


*本小説はかなりギャグよりで原作の流れに沿いますが、原作ブレイクのオンパレードです。
原作の展開が好きな方にはおすすめしません。
また、本小説をよんでアカメに興味を持たれるのは喜ばしいですが、原作の過酷さに絶望してファントムを産み出しても、ケモミミは一切責任を取りません。



俺達が転生する!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある公園、そこに停まる1台のワゴン車。

そこには『はんぐり~』と書かれた暖簾があった。

世間で言う移動販売のドーナツ店である。

そこにある簡易式の椅子に腰かける2人の若者がいた。

 

 

「そういやそろそろ、アカ斬るの新刊発売だっけか‥」

 

「まじで?!マヨネーズ買い足しとかねぇと」

 

「何でマヨネーズが要るんだよ?!」

 

「だってあれ読むと暗くなんだぜ?

 元気を取り戻すには、マヨネーズが必要不可欠だろうが」

 

 

そう言いながら、天然パーマの青年が手にしたドーナツにマヨネーズを盛大にかけ始める。

 

 

「あ~…もったいない‥」

 

 

それを向かいで見ていた黒髪の青年は呆れた顔をし、ため息をついた。

 

 

「食うんだからいいじゃんか」

 

 

そう言ってマヨネーズを乗せたドーナツを方張る青年は、満足そうな笑みを浮かべた。

 

 

「やっぱマヨネーズは何にでも合うな!」

 

「見てるこっちが吐きそうなんだが…」

 

 

黒髪の青年はそう告げると、手元のコーヒーを口にする。

 

 

「そういや兄ちゃんは就職決まったの?」

 

「まぁ、なんとかな」

 

 

黒髪の青年は疲れ切った声で答えた。

 

他愛の無い日常の会話、2人の兄弟はいつもの様に話しをする。

周りでははしゃぐ子供達の笑い声、噴水から聞こえる水の音、ただ単に続く平和な日常。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この日、この2人の兄弟の平和な日常は、“終わった”。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ……何かあの車変じゃね?」

 

「言われてみれば…」

 

 

ヨロヨロと蛇行するトラック、その行き先に目をやった2人は、目を見開いた。

 

 

「やっべ?!」

 

「マジかよ?!」

 

 

2人は走り出した。

 

トラックの行き先へ、

 

 

 

 

そこにいる小さな2人の子供に向かって。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気付けば視界は低く、酷くぼやける。

 

体中が痛む、息が出来ない。

 

ふと横を向けば、地面に倒れた自分の弟が、その奥で泣き叫ぶ2人の子供、騒ぎ集まる外野の人達。

 

 

 

 

青年の意識は、ここで途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…‥‥目覚めなさい…

 

 

「zzz…‥‥」

 

「グゴー…ガー…」

 

 

…‥‥目覚めなさい…

 

 

「…‥‥ん…zzz…」

 

「フガッ……ゴガー…」

 

 

…‥‥目覚めなさい…

 

 

「…‥‥んぁ…zzz‥」

 

「ガー…ズゴー……」

 

 

……あの…

 

 

「Zzz…」

 

「フゴー…」

 

 

……起きてくれませんか?…

 

 

「ん…後5分…」

 

「俺は気分……」

 

 

………えっ…と……

 

 

「Zzz…」

 

「フガー……」

 

 

 

起きろっつてんでしょうが!!

 

 

「…んだよ、うるさいなぁ…攻也起きろ…お袋がうるさい」

 

「いいんだよ、ほっとけ……今日は学校サボる…」

 

「誰がお袋じゃあ!!」

 

「「うわっ?!」」

 

 

2人の青年が驚き辺りを見回す。

そこは白一色、何もない空間だった。

ただ1人、赤みがかった髪の少女が2人の前で腰に手を当て、立っていた。

 

 

「「えっ誰?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side???

 

 

誰だ?この女?

 

どっかで見たことあるような‥‥無いような…

 

てか、ここどこだ?

 

辺り見回しても白、白、白。

目が痛くなる。

 

 

「えー…と、…‥攻也、お前の彼女?」

 

「んな訳ねぇだろ兄ちゃん」

 

「だよな」

 

「兄ちゃんの彼女じゃないの?」

 

「俺に彼女がいると?

 人生で1度と無くモテた事の無い俺に彼女だと?」

 

「ゴメン兄ちゃん!」

 

 

弟の返事に俺はキレ気味で答えると、弟の攻也はあわてて返した。

 

 

「はぁ…確かに可愛いが、おっぱいが小さいな…顔は好みだがスタイルはもう少し欲しいかな」

 

「兄ちゃん巨乳好きだからな。

 俺はこれくらいが好みかな」

 

 

俺達の会話を聞いていた目の前の女は顔を赤くし胸を隠す。

 

 

「信じられない?!普通初対面の女性に胸の話しする?!」

 

 

そう言われてもな…‥

 

とりあえず…

 

 

「なぁ、ここどこだ?」

 

 

俺は目の前の女に質問すると、女は自慢気に語った。

 

 

「“ここは死後の分岐点、貴方達は死んだの”」

 

 

………

…………

……………はぁ?

 

 

ナニイッテンダ?コイツ……

 

 

「貴方達は死んだの、ここは死後の世界。

 正確には死んだ後に、天国に行くか、地獄に行くか、そして…“転生”するかを決める場所」

 

 

淡々と話し続ける女、俺は自分が死んだ事を実感できないでいた。

 

 

「あのさ」

 

「何?」

 

「俺達は死んだのか?」

 

「そうよ」

 

 

俺の質問に女は、冷静に、冷酷に、あっさりと答えた。

 

 

「マジかよ~…」

 

隣では弟の攻也が仰向けに寝転がる。

 

ただ俺はまだ女の言葉を信じられず、死んだ事を確かめる方法を模索していた。

 

しばらくし、一つの案を思い付く。

 

俺はゆっくりと、右手を女に向け開く、そして……

 

 

 

 

 

ムニュッ…

 

 

「ふぇっ?」

 

 

ムニュ、ムニィ、ムニュ

 

 

俺は女の胸を揉みし抱いた。

なぜか…

よくマンガ等で夢か現実かを確かめる手段として、頬をつねる行動がある。

それと同じようなものだ。

脳に刺激を与える。

そのために胸を揉む。

 

だって自分の頬つねるとか痛いじゃん。

 

 

「なっ?!な、ナ、な、…なにすんのよ!!」

 

「グバラッ」

 

「兄ーちゃーん!」

 

 

アッパーを受けた俺は、勢い良く吹き飛んだ後、地面に叩きつけられた。

 

 

だがおかしい……

 

 

「痛い……」

 

 

そして右手を見る。

 

 

「柔らかい……」

 

 

痛覚、触覚はある。

 

ホントに死んだのか?俺らは…‥

 

 

ふと自分が元に居た場所に目を向けると、赤髪は胸を手で隠し吠えている。

 

 

「信じられない!!普通、初対面の女性の胸揉む?!

 ましてや女神よ?!女神の胸を揉むなんて聞いたことないわ?!」

 

 

ギャーギャーわめく赤髪は、俺を睨み付けてくる。

 

…‥?

 

今アイツ‥‥

 

 

「なぁ、攻也?今アイツ自分の事“女神”って…」

 

「あぁ…言ったな」

 

「そうよ!私は女神よ」

 

 

フフンと鼻を鳴らし、ドヤ顔で仁王立ちする赤髪がいた。

 

 

「まさか…嘘だろ…‥」

 

「本当よ」

 

 

いまだに仁王立ちを続ける赤髪を見て、俺と攻也は互いの顔を見た。

 

 

「どう?畏れ入った?」

 

「「イタタタタ、痛いよ~お母さ~ん」ここに頭怪我した人がいるよ~」

 

「ちょっとどういう意味よ?!」

 

「どう…って…‥なぁ?」

 

「あぁ、その年格好で自称女神は…」

 

「本物よ!!」

 

 

すると赤髪はポーズを変えて話し出す。

 

 

「私は死んでしまった人の魂を導く女神、ユリーナよ」

 

「「イタタタタ、痛いよ~お父さ~ん」絆創膏持って来て~、出来るだけ大きな~、人一人包み込めるくらいの~」

 

「いい加減にしなさいよアンタ達」

 

 

握り拳を震わせながら自称女神は言い放った。

 

 

「なら証拠見せて貰おうか」

 

 

攻也は自称女神(笑)に喧嘩腰で話しかける。

 

 

「…‥……」

 

 

何か睨まれてる?

 

 

「良いわよ。

 見せてあげる」

 

 

そう言って自称女神(笑)は小さく深呼吸すると、身体が浮き出した。

 

 

「どう?」

 

「どう…って…‥」

 

「「地味」」

 

「ちょっと!これ結構大変なのよ?!」

 

「そう言われてもなぁ…」

 

「てかスカートで浮いてるとパンツ見えるぞ」

 

「ッ?!‥アッ…キャアッ?!」

 

 

動揺したのか、自称女神(笑)はスカートを押さえながら落ちた。

 

 

「大丈夫かー?」

 

「誰せいだと思ってんのよ?!」

 

「いや、自業自得だろ」

 

 

そう言い放った攻也に自称m…

 

 

「黙ってればさっきから自称女神(笑)って‥私は正真正銘の女神よ!!」

 

 

…‥?

 

 

「言っておくけど、貴方達の心の声なんて丸聞こえなんだから」

 

 

 

…‥マジで?

 

 

「マジよ」

 

 

ドヤ顔で俺を見る自sh…「ん?」…女神は俺達を指差し、こう言った。

 

 

「疑うなら心の中で何か言ってみなさい。

 当ててあげるわ」

 

 

そう言った瞬間、鬼の形相で女神は弟を殴り飛ばした。

 

 

 

 

side??? out

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

side攻也

 

 

 

心を読む~?!

 

信じらんね。

 

 

「疑うなら心の中で何か言ってみなさい。

 当ててあげるわ」

 

 

よ~し、やれるもんなら当ててみやがれ!

 

 

(やーいやーい縞パーン。縞縞パンツ~♪)

 

 

ふっ、心の声なんて聞こえる訳n……

 

 

「ゴッドハンドクラッシャー!」

 

「ブヴェァァァ!」

 

 

 

気づけば俺は頬に走る激痛と共に宙を舞っていた。

 

 

「おーい、大丈夫かー?」

 

 

俺が元いた場所から、兄ちゃんが呼び掛ける。

 

 

「マジで…読めんのか……っ」

 

 

俺は女神の実力を文字通り身をもって知ると同時に、意識を手放した。

 

 

 

 

side攻也 out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side???

 

 

 

 

 

「もう…嫌‥…‥何なのよコイツら…」

 

 

よよよと泣き出しそうな勢いの女神は涙混じりに愚痴り出した。

 

 

「何って、人様を訳の分からない空間に閉じ込めた上、睡眠の妨害、あげくの果てには自分は女神だなんて言うほうが頭おかしいだろ」

 

「兄ちゃん、アイツそろそろ泣いちまうぞ?」

 

「お、眼が覚めたか…ったく、しゃあねぇな」

 

 

俺は頭をかきむしりながらため息をついた。

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「本題に入るわ」

 

 

泣き止んだ女神は立ち上がると、さっきまでのおふざけを忘れさせる様な、真面目な顔と声で話し出した。

 

 

「あなた達にはある世界に転生してもらいたいの」

 

「ある世界?

 転生?

 ……どこにだよ?」

 

 

「いわゆる物語の世界よ。

 貴方達の世界では小説やドラマ、漫画などの世界はフィクションであり所詮は創作物に過ぎないけど、生まれた瞬間にその世界は実在するの。

 貴方達の世界に創作物として実在したように、その世界そのものも実在すると言う事。

 逆に貴方達の居た世界は、他の世界では夢や創作物に当たる、解るかしら?」

 

「あぁ……何となく解る。

 …つまり俺達の世界は、他の世界では漫画やドラマ、小説として存在するって事だよな?」

  

「ご名答……他の言い方をするなら…パラレルワールド、多重世界理論ってところかしら。

 貴方達の知る創作物の世界は実在する、そこに貴方達は転生するのよ」

 

「なるほど…転生ってそう言う事か…」

 

「どういう事だ?」

 

 

俺と女神が話しに納得していると、話しを理解出来ていない馬鹿が1人、口をはさんだ。

 

 

「ハァ…」

 

「貴方…さっきの話し、理解して無いの?」

 

「ばっ…バカにすんな!

 確かに数学は苦手だけど…体育と歴史は得意なんだぞ!」

 

 

「数学の話しなんかしてないんだけど…」

 

 

弟の馬鹿さ加減を知らない女神は困惑していた。

そうだよな…

心が読めるからって全部が分かる訳じゃない。

 

 

「あ~…

 ゆりっぺ、お前女神なら俺らのパラメーター?

 能力値みたいなの見れないか、それで分かると思うわ」

 

 

俺は女神(ゆりっぺ)に助け船を出した。

 

 

「ゆりっぺ?!

 何よそのあだ名?!

 何でここに来た奴の大半はそのあだ名を付けるのよ?!」

 

「いいから、さっさとしろ」

 

「え…

 え~……と…」

 

 

ゆりっぺは手に本を出現させると、それを読み始める。

読み進めて行くと、その表情は困惑から絶望に満ちた、真っ青な顔になっていた。

 

 

「な、何よ…これ……知能…9?!

 冗談でしょ?!

 鳥でも二桁あるわよ?!」

 

「因みに俺は?

 人並みなのか?」

 

 

数値の基準が分からない俺は、自分の数値を聞いた。

 

 

「貴方は…31ね。

 平均値、人間は大体30~40が平均よ……」

 

「まぁそんなもんか」

 

「因みにカマキリは6、蜘蛛は15よ……」

 

「アイツの知能カマキリ以上…蜘蛛未満か…」

 

「俺ってそんなに凄いのか…

 流石俺だな、うん!」

 

「あぁ…凄いよ……

 今の会話から自分の知能が優れてるって、勘違いしてる辺りから」

 

「こんなの転生させて大丈夫かしら…」

 

 

俺とゆりっぺは同時にため息をついた。

 

 

「そういやぁ、俺らどこに転生ってのするんだ?」

 

「さぁ?

 あ!でもごちうさやラブライブなら大歓迎かも。

 城下町も捨てがたい……まぁ平和な所なら、なんでもいいや」

 

「やっぱ平和が一番だな」

 

 

俺達が転生先の話しをしていると、ゆりっぺは思い出したかの様に話し出した。

 

 

「そう言えば言って無かったわね。

 あなた達の向かう世界……それは………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……………“アカメが斬る!”の世界よ」

 

 

 

 

「「よし!断る!!」」

 

「即答?!」

 

「当たり前だ、何が悲しくて新しい人生を悲惨な世界で過ごさなきゃいけないんだ!」

 

「なぁゆりっぺ、他には無いの?」

 

「え?ち、ちょっと待って……え~……と」

 

 

ゆりっぺは辞書の様な物を取り出し、ペラペラとめくりだす。

 

ーやっぱりアナログだなぁ…

 

 

「うるさいわね!

 ……え~と…あった!

 進撃の巨人「「却下」」

 …北斗の拳…「「断固辞退する」」

 テラフォーマーズ「「チェンジで」」

 ……じゃあ…ゴッドイーターは?」

 

「生アリサに生アネットに、生カノンちゃんか……興味あるな…」

 

「あぁ、生でアリサたんを拝見してみたいし」

 

「じゃあ!!」

 

「だが断る!」

 

「何でよ!」

 

「この俺が最も好きな事の1つ、それは…

 自分が絶対的優位だと思っている奴に、NOと断ってやることだ!」

 

「訳分かんないわよ!じゃあ聞くけど、どこなら良いのよ!?」

 

「どこって…他には?」

 

「ブルージェンダーでしょ、ブラック・ブレッドでしょ、コープス・パーティーにマブラヴオルタ…後は……

 アナザー」

 

「何でろくでもない選択肢しか無いんだ?!

 嫌がらせか?パンツ見た嫌がらせか?

 それともその貧相の胸揉んだ仕返しか?!」

 

「兄ちゃん落ち着け」

 

「これが落ち着けるか?!

 お前アニメとかあんまり見ないから悠長にしてられんだ?!

 何でホラーとかサスペンスとか崩壊世界の類いしか無いんだ?!えぇん!?

 何かこう…緩やかなフワッとした、平和なのは無いのかよ?!」

 

「無いわよ」

 

「「即答?!」」

 

 

今にも暴れ出したい気持ちを抑えながら、ゆりっぺを睨む。

 

ーくっそこの駄女神、もっかいその乳揉みしだくぞ

 

 

 

「勘違いしないで。

 これは嫌がらせとかそんなんじゃないから…

 って?!その手の妙な動き止めて?!」

 

 

ーおっといけない…

 

俺は無意識に左手をワキワキしていた。

 

 

「オホンッ…

 実はこれには深い理由があるの」

 

 

わざとらしく咳払いをした駄女神は真面目モードで話し出した。

 

 

「元は貴方達の言うような世界もあったの、平和な世界とか…

 でも大体の人達は刺激のある、自分が活躍できる新しい人生を求めて、わざと危険な世界に転生する人が絶えなかったの。

 でも実際に転生した人達はその過酷さに耐えられず、リタイア…中には自殺する者まで出てきたの…」

 

「転生特典とか無いの?

 よく二次小説とかであるけど」

 

「与えたわよ…

 幻想殺し(イマジンブレイカー)

 一方通行(アクセラレーター)

 キングストーンやギアス、悪魔の実とか、イノセンスにその他色々…

 チート涙目的な、滅茶苦茶なのをね…

 でも力を与えたところでその人自身、精神は変わらない。

 それが原因で脱落者が後をたたないのよ」

 

 

「なるほど…

 でも、なら何で俺達なんだ?」

 

 

駄女神の話しに納得した俺は、最大の疑問を投げつけた。

 

 

「一応天界の方で基準を定めたの。

 精神力は勿論、体力、知力、環境への適応力、その他いろいろ。

 何項目かあって、その全体の80%をクリアすれば、その人の希望する世界に転生させてるの。

 ただ基準値を大きく上回る人は、出来る限りそういった危険な世界に転生して貰ってるの。

 特に貴方達は精神力に関して異常なまでに高い数値を出してるから、その為ね」

 

 

「精神力って…それってどういう事なんだ?」

 

「分かりやすく言えば、絶望しずらい」

 

「え?

 それだけ?」

 

「そうだけど、これはかなり凄いことよ?」

 

 

俺と攻也はその凄さに気付けないからか、駄女神は話し続けた。

 

 

「つまり戦争の無い、平和そのものな世界の人達は特に打たれ弱いわけ。

 例えるなら、エサを必ず貰える動物園で暮らしてきた人懐っこいライオンを、いきなり自足自給の喰うか喰われるかの極限サバイバル状態のサバンナに放り出す様な感じかしら」

 

「分かるような、分からないような…」

 

「つまり、平和ボケしている奴をそう言う世界に転生させても役に立つどころか、逆に迷惑になると…」

 

「そ、前回は酷かったのよ?

 ゲームやマンガでその世界を熟知してるつもりの引きニートやオタク、その逆のチンピラからギャル、一般的な社会人にマフィア、ヤクザ何かも転生させたけど、皆3日も持たなかったわ」

 

「3日って…」

 

「その世界を熟知しても、生きる術を知らない引きニートやオタク、逆に生きる術を知っても、その世界を知らず呑み込まれる人……

 男は奴隷になるか殺されるか、女子供は売られるか犯されて野郎の慰めものになるのが今までのオチよ」

 

「「えぇ~…」」

 

 

あまりの転生による問題に俺と攻也は軽く引いてしまった。

 

 

「でも貴方達は問題ない。でしょ?」

 

輪島 創太(わじま そうた)

 輪島 攻也(わじま こうや)

 貴方達にはアカメが斬るに対する知識がある。

 そして、その生い立ちから身に付けた、生きるための術も」

 

 

するとゆりっぺは俺を見つめる。

 

 

「そして…輪島 創太。

 貴方は今までの人達にはなかったものを、持っている。

 いえ、“経験”している。

 貴方達をこの世界に転生させる最大の理由…」

 

「おい!ゆりっぺ!!」

 

 

次の台詞を言おうとするゆりっぺを、攻也は叫んで止めようとする。

 

 

「攻也…別にかまわない」

 

 

俺は攻也の肩に手を置いてそれを止めた。

 

 

「別に、貴方“だけ”を転生させても良いのよ?」

 

「ざけんな。

 俺も行くに決まってんだろ」

 

 

挑発的な笑みで俺を見るゆりっぺと、俺の間に割って入った攻也はそう告げた。

 

 

「なら貴方達に“力”を授けましょう…これよ」

 

 

そう言って女神が出したのは、銀色の本体に金で縁取られた、黒い手の形した装飾が付けられたバックルの様な物と、黒い本体に左右2ヶ所に何かをはめるような凹みのある突起、そして扉を模した銀色のカバーが付いたバックルの様な物だった。

 

「っ?!これって…‥」

 

「「黙ったら死ぬ魔法の手(ウィザードライバー)大飯食らいの居候(ビーストドライバー)?!」」

 

「ちょっと何よ?!その悪意に満ちた呼び方?!」

 

「いや、だってなぁ?」

 

「あぁ…これは予想外だったわ……でも何でコレ?」

 

「だってあんな世界にカブトにフォーゼ、ファイズやドライブ何か行ったら、世界観ぶち壊しじゃない」

 

「「そんな理由?!」」

 

「…まぁ、確かにメカメカしたのは合わないわな…」

 

「あぁ~、俺マッハになりたかったなぁ」

 

「俺はファイズかドライブかな。

 まぁ、支給品に文句は付けないけどよ…

 こう言うのって、俺らが選べるもんじゃないの?」

 

「あぁ…確かにそうだけど、貴方達はこっちの都合で転生先を決めてしまったから、そのお詫びとして3つの特典を付けてるんだけど、装備の方はこっちから貴方達に最適な物、そしてその世界に悪影響を与えない物を支給する様になってるの。

 特典の内容は装備、スキル、そして本来の特典となる願い、その3つよ。

 それは装備で、あくまで戦う為の力、武器に過ぎないから。

 ちゃんとスキルと願いは別に用意させて貰うわ。

 じゃあ、まずはスキルから。

 どんなのが良いかしら?」

 

「「じゃあ、どんな相手でもモテモテになるスキルで」」

 

「モテる以外に望みは無いの?!」

 

「だって装備は上物っぽいし、他に要るものってな?」

 

「ん~…あ!マヨネーズ!!」

 

「それはスキルじゃないだろ…

 あ、あったわ」

 

「何かしら」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「絶〇体質」

 

 

 

 

 

 

 

「……は?」

 

 

「だから、〇倫体質」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スパァーッン!!

 

 

 

 

 

 

 

「面倒だわ、この中から選んで」

 

「良い蹴りだったぜぇ…」

 

 

俺は顔全体にひろがる痛みに絶えながら、ゆりっぺの出した資料に眼を通した。

 

 

ー透視に透明化、洗脳に催眠…くっそエロ系に使えるスキルが全部消されてやがる。

 

 

「しゃあない…じゃあ俺は無難に身体能力の向上で」

 

「俺は~…この索敵スキルでいいかな?」

 

「良いわ」

 

 

そう言ってゆりっぺは俺達が選んだスキルの資料を手にした。

 

 

「じゃあ最後に願いね。

 貴方達の願いを言いなさい。

 どんな願いも叶えてあげましょう。

「お前の払う代償はたった1つ…」

 って!横からチャチャいれないでよ!」

 

「じゃあ、コネクトの魔法で好きなときに好きなだけ無制限にプレーンシュガーを取り出して食えるようにしてくれ」

 

「あ!じゃあ俺はそのマヨネーズ版で」

 

「分かったわ…

 これで全手続きが済んだわ」

 

 

 

すると俺と攻也の足下が光だし、魔方陣の様なものが浮き出す。

 

 

「さぁ、行きなさい。

 絶望に満ちた世界の、新たな希望になることを願います」

 

 

ーいっちょまえな事言いやがって…

 

 

「最後くらい女神らしくさせてよ!」

 

 

 

そのゆりっぺの吠え面を最後に、俺の視界は光りに包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「……ん?…ここは…」

 

 

俺達は眼を開くと、さっきとは違う場所にいた。

 

取り合えず…

 

 

「「寒っみぃぃぃぃ?!」」

 

「何でこんなに…って?!雪?!」

 

「当たり一面真っ白だぜぇ…」

 

 

何で雪山からのスタート?

モン〇ンポータブル2ndじゃねぇんだぞ!

 

 

ー……ま、取り合えずは…

 

 

 

 

 

 

 

「「宿、探すか…」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして俺、輪島 創太と弟の攻也の新たな人生の幕が開かれたのである。

 

 

 

 





どうでしたか?

基本、ケモミミのやりたい事をするだけのネタ小説です。

ケモミミも初めましてアカメ(アニメ版)を観た際、
「やっべシェーレ可愛い!」
と思い翌日原作を全巻購入しましたが…(泣)

ちなみにケモミミはチェルシーとシェーレが好みです。

かなりのスローペースになると思いますが、よろしくお願いします。

誤字脱字あればご報告ください。


感想を書かれる際は、御手柔らかに(笑)
自分、豆腐メンタルですので。

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