IS学園の異端児   作:生存者

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第75話

 

 

「銃弾をもろに受けても元気か。最低でも聖人と思った方が良さそうだな」

 

「少なくとも、暗殺は無理そうだ。今日の所はこれで終わりにしよう。あいつはまだ殺さない、私に必要なものだからな。・・・計画を少し変える。あの大男で誘い出すのもありだ」

 

 

 

 

 

「何が起こった点でしょう。急に逃げろと言ってまた」

 

「でも、面倒事が終わったって事でしょ?なら、行こう初春」

 

「ああ、2人とも。慌てなくても、いいですのに」

 

「いいんじゃない。私達も行くわよ、黒子」

 

 

 

 

 

「はぁ、ガタイの割に動けるのは参ったな」

 

「いや〜助かったぜい。あれを相手に出来そうになかったにゃー」

 

「・・・なんちゃって反則武術を使えるやつが言うな」

 

「俺にも限度があるぜいかみやんと違って」

 

嘘つけ!不良20人でも軽く相手に出来るやつがそうそう居てたまるか。

 

「にしても、体は大丈夫か?」

 

「今回ばかりはISで防いだ・・・これで帰ったら反省文30枚も書く羽目になるのか。不幸だ」

 

それに2人は頑張れーと全くの気持ちのこもっていない言葉で応援されて余計に気持ちが落ち込み始めた。

 

「かみやんといると退屈しないから本当助かるわ。今からでもこっちにくるんや!」

 

「ふざけるな!こっちはモルモット確定なんだよ!」

 

と馬鹿騒ぎもほどほどに分かれた。あのまま話しているとキリがなく、ずっと会話が続きそうな気もしたからだ。

 

 

 

 

「おい。お前、上条当麻ってやつだよな?」

 

「はい、そうですよ。何かご用ですか?」

 

「ちょっと話があるんだ。今から校舎の裏まで付いてきてくれよ」

 

「今無理なんで、後にしてくれませんか?」

 

すぐに会わないと何するか分からない人が3人近くいるのに。

 

「今すぐ来いって言ったんだよ」

 

逃げ道をなくすように更に近づかれ、階段の踊り場の端でカツアゲにあった。

 

「何処にその意味があったのか分からないですが?」

 

「ここで泣いて助けでも呼ぶならここで殺すぞ」

 

「はぁ、しつこいぞ」

 

軽めのデコピンで不良を倒して足を進めた。

 

 

「カツアゲに来る不良まで出でくるか」

 

「テメェ上条。アリサちゃんをこれ以上不幸にさせんなよ」

 

いきなり何を口をするのか思えば。同じクラスにもなった男子からの注意だった。

 

「お、久しぶり。何ヶ月ぶりだっけ?」

 

「何が久しぶりだ。お前が一緒にいるせいで何人も怪我人が出てだよ」

 

「そうだな、けど不幸のせいを俺に押し付けるな。最大限守れるように努力はしてる」

 

俺の不幸だけはどうにも出来ない。でも、迷惑をかけないように助けてる。全ては救えないからな。

 

「守る必要なんか無いんだよ。お前が2度と近づくな」

 

「なら、それは無理だ。あいつから・・・」

 

「断れよ。遠ざければすぐに済む事だろ。お前が言えば簡単に終わる事なんだよ」

 

「それは出来ない」

 

「くだらねぇ理想を語ってんな、いるだけで不運を撒き散らす害虫が」

 

「害虫じゃねぇ。疫病神だ、間違えるな」

 

言うだけ言って何処かに行った同級生の背中を見送り待ち合わせの場所に向かった。

 

 

「遅いけど」

 

「それは悪いと思ってますよ?にしても、危機感が全くない気が」

 

「世話の焼ける頼もしい後輩がいるからな」

 

人の事を褒めてるのか迷惑だと言ってるのか分からない言い方に困ったが、少なくとも褒めてはいた。

 

「で、少し表情が暗いな。何かあったのか?」

 

隣に座ると何かを感じたのか顔を見てすぐにこんな質問をされた。読心術でも使えるんじゃと思ったこともあるが。先程の元同級生の言葉で少し変化があったのがバレていた。

 

「同じクラスだったやつに久しぶりに会って開口一番、アリサに近づくな!って言われて」

 

「ただの嫉妬か。つまらん、面倒な男だ」

 

何でそう一言で切るんだ。興味もなさそうに返答されるとこっちも話しづらい。

 

「どうも不幸体質の俺がよく近づいてる事に、腹を立ててるんですよ。現に誘拐されましたし」

 

「だがお前は助けた、その男とは違ってな。何も気にすることはない」

 

確かにマネージャーの男は元から連れ去るつもりで、邪魔な俺を殺そうとしたな。考えようによっては

 

「お前でなくその男が仲が良ければもしかしたら、なんて考えてないけど。お前がアリサと仲が良かったから助けられた。何も考え込むことはない」

 

「・・・先輩には参ります」

 

と気が緩んだ時にいきなり寄りかかられ何かと思っていると。小声で休ませてくれとささやき目をつぶっていた。

 

「ゆっくり休んで下さい」

 

 

と肩に寄っ掛かられ動くこともできないのでメールの確認をしていると複数の人から一件ずつメールが来が届いている。

 

「ん、元殺し屋の人達か。何人も同僚が死んでいる・・・」

 

ふと、後ろの窓から視線を感じた。振り返っても誰も見えないが何か好戦的な意思だけは伝わり内心困ったの一言だった。

 

 

 

「あの2人、恋人同士なんですか?」

 

「目の前でイチャつくないで欲しいわね」

 

その様子を見ていた中学生は興味津々になる人もいれば少しイラっとしている人もいた。

 

「ごめん初春、ちょっと選ぶのに時間が。ってあれ、何見てるの?」

 

「ベンチに座ってる2人ですよ。まるで恋人同士みたいで」

 

言われて見ると微笑ましい姿があるが男子の方に見覚えがあった。

 

「え、あの佐天さん」

 

「もしかして、あの時助けてくれた人かも」

 

好奇心には勝てずそのまま駆け寄って行く。

 

「すみません、裏道で助けてくれた人ですか?」

 

「ああ、あの時の。ここの文化祭来てたんだ」

 

そう言えば路地裏で囲まれていた女の子に似てる。と考えているとその後ろからお嬢様のような雰囲気が出ている茶髪の子が近づいてくる。

 

「あんたもしかして。疫病神って呼ばれてる男?」

 

「なんだ知ってるのか。エリート学生がよくご存知で、御坂美琴さん。隣町から名門お嬢様学校に行ったなんて噂が流れて知ってたよ」

 

なんか、どこの世界でも同じ性格だな。年上に対して全く敬意がない。

 

「で、隣の人は?」

 

「はぁ、関係ないだろ」

 

「こっちの質問に答えるのが義務でしょ」

 

「そうか。なら、答えてやる。世話になった人だ」

 

面倒なのでこんな時は大雑把に答えるのが一番楽だな。それにしても、どうしてなんでも偉いと思うのか気になってしょうがない。

 

「あんた、それで答えたつもり?」

 

「あれじゃダメか〜。でも、俺は答えた」

 

「はっ?」

 

「まあまあ、喧嘩はやめて。ここは楽しく話しましょう」

 

何やら起こりそうな気配を感じとり、最初に話しかけて来た子が間に入って来た。

 

「佐天涙子です」

 

「よろしく、上条当麻だ」

 

「白井黒子ですの」

 

「初春飾利です。よろしくお願いします」

 

「全員知り合いなのか?」

 

分かりやすく顔を横に振る。みんな友達かと思えるくらいに仲良しに見えたのにな。

 

「おい、またお前は雲川さんに手を出すのか?」

 

前に立っていた

 

「先輩から頼まれてこうしてる。何か悪いか」

 

「そんなに女をたぶらかして楽しいか?」

 

ああ、確かこいつ中学の時に揉めたやつか。顔の良さで結構モテてたからな。おまけに頭もいい、家柄も良しと今の女にとってはいい物件だ。

 

「俺はそんな事をしたつもりはない」

 

「なら、彼女から離れろよ」

 

「今は無理だな。起きてからなら出来る」

 

「は、結局は無理か。君は前から無理ばっかりだな」

 

「ええ、でも出来もしないのに見栄を張るよりはマシです。自分に出来る事しかやりませんから」

 

わざわざ見栄を張る必要なんかない。いちいち取り合う必要も

 

「八つ当たりに来たなら帰って下さい。こっちは気休めに来たのに」

 

「ん、どうした。騒がしいな」

 

先程まで比較的静かだったが、徐々に騒がしくなった事には気づいていた。

 

「すみません、雲川さん。この馬鹿が騒いで」

 

「・・・そうか、お前は帰れ。用はないけど」

 

「何故ですか。あなたに用があって来たのに」

 

「お前の中身のない愛の告白にはもう飽きた。それにな、女1人守れない臆病者に興味はない」

 

「臆病者だなんて失礼な、僕はちゃんと守ったじゃないか。嘘を付かれるのは困るな」

 

面倒だと隠す気もないのか溜め息をついた。

 

「お前の雇った警備員に守られた記憶があるが、お前個人に助けられた事は一度もない。まあ、その時は。何処かの馬鹿の用事で、私を任せるなんて偶然がなければ、紛らわしい事は起きなかったけど」

 

すでに眼中にすら入っていない。それでもねちっこく付きまとう男に手を掛けるが考え始めていた。

 

「見苦しいわね。諦めなさいよ」

 

今までのくだりに飽き飽きし、ついに合間を割って来た。しかし、この男は目についた女性なら紳士に答える癖があり

 

「あ、君は御坂美琴さんではないですか。こんな所で会えるなんて」

 

とマシな挨拶をしながら握手をしたいと手を指し出していた。だが、その手は叩かれた。

 

「あんたみたいな奴と、握手なんかするわけ無いでしょ。どっか行って。それとも、ビンタの方が良かった?」

 

お遊び程度で話を聞くつもりもなく話を終わらせた。渋々と立ち去るの見届けると、ニヤニヤと笑みを浮かべる雲川。

 

「何故、叩かない?軽くやってやれば、いい奴隷が出来たけど」

 

「叩く価値もない。行くわよ黒子。まだ回ってない店もあるんだから」

 

先に行く子に残った1人は軽く会釈をし、2人は手を振っていた。上条もつられて手を振っていた。

 

「で、今更聞くけど。さっき車に跳ねられた女はどうした?」

「今頃病院で手当てを受けて叫んでますよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ダメだ。これ以上速く出来ない、くそっ!」

 

「物に当たるな」

 

「・・・」

 

「力ばかり求めてどうする。お前も少なくとも1年では充分な実力はあるだろう」

 

「1年の中じゃ・・・ダメだ。あいつを倒すには」

 

「・・・今日も所は終わりだ。集中力が乱れてはいい練習は出来ん」

 

剣道場に隣接したロッカー室に入るとまだ溜まっていた怒りが出てくる。大切は竹刀を床に強く叩きつけ道着を投げ捨てていた。

 

「なんでだ!クソみたいな兄ばかり優遇される。あの織斑の恥さらしが!」

 

「そんなに勝ちたいの?」

 

「誰だ!」

 

竹刀を向けて睨むがその先には楽しげに笑みを浮かべる少女だった。

 

「あなたに見せたいものがあってね。気に入らないんでしょう?あのお兄さんが」

 

「黙れ」

 

側に立て掛けた竹刀で黙らせらるつもりで振り回すが全く当たらない。まるで遊ばれるように軽々と避けられた。

 

 

「今のあなたにかすり傷1つ付けられないわよ。ま、イタズラはこのくらいにして」

 

竹刀を受け止めると首元を鷲掴みにし床へと強引に倒す。

 

「明日の夜。あなたの寮の屋上で待ってるわ。そこで願いを1つかなてあげる」

 

それだけ告げるとまるで最初からいなかったかのように姿が消えていた。

 

「願い・・・そんなの1つに決まってるじゃないか。僕の邪魔をする人間全てをねじ伏せる力だけ」

 




どうも、文書が浮かばなくて時間がかかって投稿が遅れてしまいました。

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