IS学園の異端児   作:生存者

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第63話

 

 

「お前、ここ間違ってる。こっちの数字を先に使って」

何故か機内で授業が行われ終わっていなかった課題に奮闘している。

 

「これで一通り終わったが、何か質問は?」

 

「もう休ませてください」

 

「却下」

2時間近く連続でひたすら課題の消化に費やし流石に疲れが出始め、仮の机に頭を打ち付けた。

 

「ん〜このくらいは授業を聞いてれば大体わかるだろ」

 

「分からないから困ってるんです。俺は入るのに猛勉強をした訳じゃないんですよ?」

 

「元は藍越学園志望だっけ?前から就職なんやかんやで知れてたけど

 

今じゃアイドルまでいる人気高校に入ってるな。と、話がずれたな。ほら、さっきの続きだ」

また嫌いな勉強の時間になり頭を打ち付けたくなる。だが、ここでやらないとテストの時にひどい結果になりかねないので必死にやるしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここか、失礼。呼ばれていたケイです」

 

「はいどうぞ。こちらを真っ直ぐに行けば会えます」

 

「どうも」

軽く会釈をして歩き出す。きっちと着こなされ、無駄のない動きで入る。

 

 

「失礼する」

 

「どうぞ、遠くからよく来てくれました」

 

「いえ、これも仕事です。それで電話で伺った話では凶悪犯を捕まえたとお聞きしましたが」

 

「ええ、この学園にも少なからず被害が出たので裁判でも起こしたいところですが。相手が相手なのでここはひとまずは信頼できる国際警察の人に任せようと思ったので」

 

確実に信頼されていないことには特に触れず。その犯人が誰なのかが気になっていた。

 

「ここでは話しても分からないと思うので直接案内します」

 

応接室を出て校舎内を歩いているうちにいつの間にか窓の無い通路に変わり、進むにつれてより暗くなり晴れたと思ったところは部屋全てが鉄格子で囲われていた。

 

「ここは一体なんですか?」

 

「建設当時はシェルターと言う名目で作り出されましたが、今回は罪人を閉じ込める牢屋として扱っています。ここから先にその犯人達が入った牢屋があるので」

 

 

「・・・確かに大概は全て指名手配されている者ばかりだ。それにあの議員、裏では闇稼業に手を出していると噂があったが本当に手を出していたのか」

 

「本当ならうちの生徒に手を出した連中は極刑を求めたいが、そこまでの権力はない。ここにいる全員を刑務所に送り届けたいのだ。だが、困った事に一部は死んだ事になった人間も混ざっているので対処が滞っていたところだ」

 

「それで私に。事情調子も時間が掛かりそうですね」

 

「いや、もうその必要なくなった。知ってることは全て吐かせた、残ったのはいらん本体だけになってしまってな」

 

声が僅かに変わった事に気づき顔を見ると何処までも冷え切りゴミを見るような目つきになり、毛ほどの興味も示していなかった。

 

「これに話の内容は入ってる。何、拷問はしていない。ただし少し過激になってしまったがな」

 

ボイスレコーダーのような物を手渡され、更に奥へと進んでいく。その際僅かに出た笑みが恐ろしいほど冷めきっていた。それを見たからか千冬の姿を見た人間の表情がやるかなっていくのが見えた。

 

「何をした。行き過ぎた場合はたとえあなたでも罪に問われる」

 

「直接手を出してはいない。目の前しか見ていないから凶悪犯供がこの世にはたくさんのさばっている。他人の成果をまるで自分達の物のように公している暇があるなら犯人探しをしろ。くだらないお芝居で迷惑を受けるのはごめんだ」

 

「それは私達に対する侮辱か、挑戦のどちらかであっているか?」

 

「知らん、少なくとも私はお前達が仕事をしているとは思ってない」

好きに見て構わないと言い残しその場から去っていく。残されたケイは1人反省していた。

 

「確かに、これを見せつけられればいやでも認めざるを得ない。まずは仕事を全うして証明することから始めよう」

 

「私だ、話は本当だった。今すぐに護送車と裁判所の手続きを頼む。人数は約100人、信頼できるメンバーを至急寄越してくれ」

その数時間後にはIS学園に何十人もの機動隊員や、警備員が殺到し襲撃して戦闘員、世界中に散らばっていた幹部らしき人間、更にはバックでスポンサーとして会社の利益を横流ししていた会社の女性の社長や専務などの風潮に流されている人間が逮捕され学園を去って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここが国際IS委員会か。随分時間食ったな」

 

移動時間は約16時間でスイスの中央にある場所まで着いた。確か、近くになんか国際会議場もあったな。空港から更に電車も乗り継いで最後には徒歩。思ったよりもすんなり来れたのが物凄く不安でしかなかったがあとはこれを指定された人に渡して終わりだ。正直関係ない人も来ているので少しは申し訳ないとは思ってる。

 

「じゃあ、目の前のカフェで待ってるからさっさと来いよ」

 

「分かりましたー」

 

お偉いさんと長くいてもいい事は特にないと思っているので個人的にもさっさと終わらせたい。けど、絶対に何かしら言われそうなのは目に見えてる。重厚感と威圧感を放つ建物に入っていく。

国際IS委員会なんて言うくらいだし男性なんか入ったら銃口でも向けられそうで怖いな。まずは受付に行くしかない。

 

「すいません、今日呼ばれている上条当麻です」

 

「え・・は、はい。上条当麻さんですね。ご案内します」

 

テンパり過ぎなのは気のせいだろうか。にしても日本語でも対応してくれるのはありがたい、未だに下手な会話しかできないからな。もっと練習しておこう。

 

「静かなんですね」

 

「はい、どの部屋も防音と対テロ対策として爆発にも耐えられる材質で作られています」

 

「どうりで」

 

あまりの静けさにいやでも気づく。部屋の扉は全て電子ロック、通路も重苦しい雰囲気が漂っていた。窓は全てマジッチミラー、中から見えて外からは見えない状態になっている?

 

 

「こちらです。中には既に各国の担当政治家が居ますのでくれぐれも言葉遣いに気をつけて下さい」

 

「ありがたいございます」

 

丁寧な対応に礼を言い入って行く。中には先ほど聞いたとうり顔つきが怖い政治家が相当な数座っている。まあ、睨まれても怖く何ともないのが困ったところだ。えーっと一通り見たけど半分近くは女性もいますね。

 

 

「では、本人が来ましたので上条当麻さんに各国へのISのコアの配布をお願いします」

 

配布したところで足りませんけど。来た人数が90近くに対して11しかない。それに会議場といっても中央が低くと囲んでいる周りの位置だけが高くなっているお陰で体中に視線が当たる。

 

「はい。まずはイギリスに2つ」

 

眉がわずかに上がり顔が少し緩んだ。

 

「次にイタリアに1つ」

 

当然だと言わんばかりの顔になる。

 

「イスラエルに2つ」

 

少し驚いたのか目が開く。

 

「あとは自由に決めて構わないと言う事なので、先程言った三ヶ国以外とアメリカを除いて、くじで決めて頂きます。申し訳ございませんが、お一人ずつ引いて下さい」

 

「ちょっと待て!何故私達にはその権利がない、これは不平等だ!」

ありがたいな、抗議までわざわざ通訳まで通してくれるのか。

 

「そうですね、それは自分の胸に手を当てて思い出して下さいとしか言えません」

 

「ふざけるな!たった3人の男性適正者だからと言ってその態度は許さん。彼らに取る権利があって何故私には無いのだ?!」

 

軍部の中には感情で動いてしまう人がいたおかげで被害は最小限で今回は終わった。だが、そんな皆が必死に何かを守る為に戦っている最中に余分な奴らがあの場には混じっていた。アメリカで秘密裏に訓練を受け、IS学園のデータおよび専用機を略奪をしに来た連中が来ていたのだ。

 

「ふざけるな?」

 

あまりの身勝手な話に口調が変わる。いつもなら、ほとんど感情が出ないような言葉も今回は違う、人が死にかけたような時にISのコアなんかに踊らされるいる暇はないはずだ。自然とケースに入れていたコアを手に取り、声をあげた男の目の前まで歩いて行く。立っていた場所と聞く側の場所は高さ2.5m以上もある壁も軽々と超えて。

 

「そんなコアが欲しいんですか?」

 

もう言葉遣いなんか知ったことか。周りから何をするんだ!とか失礼だぞ!と言葉が飛び交うが一切耳には届かない。

 

「当たり前だ!子供には分からないだろうが、そのコア一つで国繁栄衰退に関わってくる」

 

「そうですか」

 

目の前にコアを突き出すと握っていた左手に力を込めて粉々に潰す。

 

「これ以上抗議に対応しているると、他の国の人にまで迷惑を掛けることになりそうなので次に進ませてもらいます」

 

戻りながら話を続ける。別にコアをいくつ壊そうと関係ない。文句なら俺が受けて立つ。

 

「貴様、コアの重要性を分かっているのか!」

 

「子供相手に乱暴な言葉遣いしか出来ない人が良くここに座って入られますね。大人ならそれくらい紳士に対応したらどうですか?貴様なんて荒い言葉なんて使わないで」

 

「くっ」

 

「それに、アメリカからは学園に侵入者を送り込まれて死人が出そうになったのですが、それについての弁解を先に聞かせてもらえませんか?」

その内容に会場全体がざわつき始める。だが、まるで作ったような言い方で無表情のままだ。明らかにおかしいが気にしていてもこの会議が終わるわけではない。

 

「話が逸れました。残り5つのコアですが、これは後日くじ引きで決めるつもりなので、決定次第送り届けます。それから第三者によっての盗まれるのを防ぐために受け取るまでは一切連絡はしないのでこれはご了承下さい」

 

先に通達して情報が漏れるなんて事がこの世の中ではあるので先に言っておく。連絡先だけなら調べれば案外見つけられるので特に気にしない。

 

「あ、後ほどイギリス、イタリア、イスラエルにはコアの配布を行う事になるので第5会議室までお願いします」

 

司会の人には悪いことしたな。でも、終わったし負担も減ったな。用は済んだので出口の扉に手を掛けるが動かない。

 

「ん、開かない?また故障か?」

 

よくある事なので偶然起こった不備(不幸)では無いかと一瞬思い扉に付けられたセンサーを見るとまだ赤、つまりロックされた状態にだった。

 

 

「どうやら、全力で俺を殺しに来たか。いや、誰が相手でもここに来た時点で始末するつもりだったのか?何故か近くには都合よく女性至上主義を掲げる建物まで来るくらいだからな」

 

ここが完全な防音になっているのはここで何が起こっても外にはバレないようにするためか。

 

 

「いよいよ後がなくなって来て見境がねえな」

 

振り向かなくても誰がいるのかは見当がついた。ここには男など最初から1人もいない。変装は完成度が高いけど、雰囲気は不完全にしか出来ていなかった。いるのは学園襲撃に失敗したのを聞いて後始末に来た本部にいる連中だ。

ケースを下に降ろすと上の制服を1枚だけ脱ぐと拳を強く握る。2人までなら多少動きにくい服でも困らない相手の数が2桁以上になると変わってくる。

 

「これが最後だ。もうあいつらには傷一つ付けさせねぇこれで終わらせる。あんたらのその腐った幻想をぶち殺してやるよ」

 

といきなり、後ろの扉が外から破壊されて蜘蛛のようなISが突入して来た。

 

「おお、派手にやってるな私も混ぜろよ」

 

「オータムさん、確か近くのカフェにいるはずですよね?」

 

「腐っても元戦闘隊長だぞ?この程度の施設なら入れる。で、こいつら全員相手か?」

分かりきった事を聞いてくるので軽く頷きオータムさんと同時に飛び出していく。

 

 

 

 

 

 

 

それから数時間後、思った何処かのテレビではライブ中継でニュースが放送されていた。

 

「たった今でた情報です。今から数時間前、国際IS委員会が襲撃に合い、中にいた数十人もの会議の参加者全員が意識がない状態で発見されました」

 

 

 

 

 

 




ISのコアってどんな形なんでしょうね?1番に気になってます

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