IS学園の異端児   作:生存者

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第50話

「あら、おはよう。寝坊なんてするのね」

 

「おはようございます」

色々と大変な目に間に合った次の日、昨日連絡するのを忘れていた事について、元気なお姫様に電話で報告をし終えると一階に降りて来た。朝食は全員で取り、片付けながらスコールさんに話しかけた。

 

 

「いつも通り開店はするんですね」

 

「そりゃあ、こっちも働いてるからな。お前もここで働くか?」

 

「それじゃあ、今日一日くらいは」

本当に働くのかよ、とオータムは内心驚いてしまう。まあ、手伝いが増えるのは助かると呟いた。

 

「なら、厨房の代わりにオーダーとかの手伝いをお願い」

 

「了解です。あ、念のため箸とかの場所は教えて下さい」

一通り、皿・箸・コップ等の場所を把握して手伝いを始めた。開店は午前8:30分、それと同時に数人のお客さんが入って来た。

 

「お、今日はもう先客がいるのか」

 

「いいえ、お手伝いですよ。私の知り合いの子なんですけども偶々、暇だったそうですから」

 

「おお、中々いい男じゃないか」

 

結構、人は来るもんだなと思った。しかも、陽気で呑気なおじさん達が。と話してる暇じゃなかった、仕事仕事。

ちなみに織斑先生は買い出し、後で戻って来たら学園に行くルートを考えているそうだ。束さんもその手伝いに行ったそうだが、あとで作りたいものがあるからと何処かに行ってしまった。

 

「まあ、今日一日頑張りますか。いらっしゃませ」

他にもやりたい事はいくつもあるがまずは目の前の仕事に集中。

 

 

素人の接客業とは思えないほどの手際と接客で1日を過ごす。そして、

「お疲れ様、どうだった?職場体験は」

と言われる。なかなか出来ない貴重体験がと言うのが無難かな。

 

「これが毎日と思うと少し辛いですけど、でも接客で人とこんなに話せるのは楽しいです」

率直に思った事を述べた。疲れたのは事実だが、人と話しながらも仕事を出来るのは中々いいものだった。

 

「ふぅ、片付け終了と。あと、掃除だな」

営業もあと数分となり、少しだけとなった頃軽く床掃除を始めていると1人のお客さんが入って来た。

 

「いらっしゃませ、どうぞご自由におかけください。今、メニューを持ってまいります」

 

「いや、その必要はない」

?なんだ、この人はコーヒーでも飲みに来たのがと思ったのに。

 

「お前は上条当麻だな」

 

「え、はい。そうです」

 

「やっぱりか、なら織斑千冬もいるな。すまないが、のんびり話をしている暇がなくてな、早く呼んでもらいたい」

織斑先生の知り合いか?でもあの人、交友関係が思っより狭い気が。

 

「何の用だ、あまり人を呼び捨てにするのはよくないと教えたはずだイーリス・コーリング」

 

「やはりいましたかミス織斑1つ聞きたい。何故IS学園にナタルを連れ込んだ」

 

「何故もないだろう。彼女の身の安全を優先してあの学園に来てもらったまでだ。それで、1人でここに来たのはそんな事を言いに来ただけなのか?すまいが私は忙しくてな」

 

「私もです。だから、あなたに助けを求めに来た」

 

「何?」

 

「昨日からナタルに助けの連絡が届いていたんだ。それとここに事情を知ったる奴がいると」

知ってる?なんでそんな事を・・・あ、暇な時に食堂の厨房ので昼ごはん作ってる時に話したような。って捕まってるのによく連絡出来たな、流石は軍隊出身

 

「知ってるのは確かだ。だが、お前の思ってるより事態は深刻なのは伝えておく。今のIS学園は「新生亡国企業に占拠されてます」だそうだ」

この後、叱られた挙句織斑先生に殴られ、イーリスさんからの質問責めに合い1時間も経った頃には色んな意味でボロボロになっていた。

 

「今から向こうに行くのに体力がだいぶ持っていかれた」

 

「大して疲れないだろ」

 

「あのですね、モノレールの線路をセンサーを避けながら何千メートル走ると思ってるんですか!」

 

「向こうで休める。それと線路を走るのはどうかと思うがな」

休めますけど、銃持った巡回が何人もいる中でのんびり休める人はそうそういると思えない。

今日は昨日見つけられなかった一夏を探してくるか、あとは部屋に置いて来た武器が使えるか確認してくれば・・・

 

「やあやあ、間に合ったよ当麻君。行くならこれ来て行ってみてよ」

 

「あの服ですか?」

 

「そうだよ?赤外線と圧力センサー監視カメラに一切反応されない上に、必要応じてドアが勝手にひらけるようになるものなんだ〜」

国が総力をかけて略奪したくなる代物は作らない事を進めたはずなのに。一夏、お前からもきつく言ってくれ、ここにいないのは知ってるけどな。

 

「昨日より静かに出来るようになると思うから、頑張ってね〜」

急に昼頃居なくなるから驚いたけどまさか、数時間でなんて物を作ってるんだ。でも、言われたからには使って入るか。

 

 

 

「そっちのISの部隊は何人だ?」

 

「こちらは5人が良いところだ。あとは銃撃戦でなんとかするしかない」

 

「そうか・・学園には訓練と専用機を含め30機はある。それに加え向こうは本気で潰すつもりで来たようだ。他に何機あるか分からない」

 

「え、それなら私とちーちゃんで一機ずつ相手をしてあとは・・・」

上条が出て行ったあと、作戦会議が行われていた。千冬もそろそろ時間からしても生徒達が辛くなってくるからだろうと考えている。

 

「・・・現役時代に使っていた専用機があればある程度は相手にできると思ったが」

 

「あ、当麻君がいっくんの安全が確認出来たよ」

それは分かったから、今はこちらに集中させろ。自分も安心したから何も言えんが

 

 

 

 

「・・元に戻れ」

闇に染まった部屋の中に響く。ベットの上で重体といえるほどの怪我を負い横なっている青年。その傷が声とともに塞がり、跡も残らず綺麗に治っていく。時間が巻きもどっかのように

 

 

 

 

 

 

「切断威力」

僅かに腰に差していた日本刀を抜き戻す。それから檻の前を静かに通ぎていくが、その姿は異様だった。闇と言って良いほど濃い鎧にドクロの装飾が施され、大きく角のついたドクロ仮面を被った人間が闇の中を歩いて行く。(fate キングハサン参照)

 

 

「またか、懲りないな」

目の前には、昨日と同様女遊びに手を染めようとしている人間が10人程立っている。雰囲気でなく、目つきからして予想がついた。そして上条もそろそろ戦力を減らそうと考えていたため、やる事は簡単だった。不審人物だと思われ向けられた銃を全て真っ二つに切り、間を詰めて刀の柄で鳩尾に叩き込む。誰もが膝から崩れ落ち起き上がれるものはいなかった。

 

「こいつらは、縄で縛っておくか」

見た目からは想像だつかないほどの器用さで一人一人持って来た紐で手足を縛り牢屋に入れる。いくら鍛えた人間とはいえ常に万全な人間などいない。それに銃を持っている人間が強いなんて考えてやつも中にはいるだろうが、世の中がなくても強いやつはいる。

 

「なんかこの格好でこの話し方はやめるか。あと、待機状態になってるISを回収して持って行く。そして、部屋に置いて来たライフルも回収してこようかな」

 

 

 

 

静かだ、昨日よりも活気がない。さっきまで酒を飲んでた同僚が幽霊が出るなんてふざけた事を言いやがって。そんなものいるわけ無い。しかし時に思い込みが現実になる事もあったりするのだ。急に電灯が消える、すぐに明るくなったが半分しか明かりがない。反対側の電灯が徐々に端から消え残った廊下の真ん中で銃を構える。人気はないが、静けさとこの怪奇現象で少し焦りが出る。

 

「ん?なんだ、この音は」

かしゃんと甲冑が揺れる音が響く、どこいるのが全く分からない。すぐ先は全部暗くなり何処まで近づいて来てるのかも。

そして、次の瞬間目の前の電灯が破裂して光る。

 

「ッ!」

その僅かな時間に理解した目の前に真っ黒な甲冑に身を包んだ一見が死神に見えなくもないような姿に目に映った。すぐに電灯が点き始め、明るさは戻ったがその姿は何処にもなかった。

 

 

 

それから時間が経ち、一年の寮で1つの部屋から物音が聞こえ巡回をしていた隊員が1人が不自然に開き誰もいないはずだが物音がするのを不審に思い扉を開けた。

 

「え・・・」

ガチャリ、一度扉を閉め考える。不審に思ったのはいい。しかし、扉を開けてすぐの場所にドクロの仮面を被った何かかま仁王立ちをしていのだ。そんな訳はないと思い、改めて部屋に入るが誰も中にはいない。何か見る事が出来たのは、ガラス越しに見えた背後に立つ仮面を被った何かだった。

 

 

 

 

風の音と土に触れている感触目を覚ます。目を開けると暗く殺風景な病室ではなく、外のしかも海の前に寝ていた。そして、体を襲っていた激痛もなくなっていることに気づく。

「あれ、体が重くない。痛みも・・ない」

 

「お、一夏。起きたか、どうだ体の調子は」

 

「!上条お前死んだんじゃ」

 

「はは、俺はそうそう死なないよ。死んだと勘違いしてるだけだ」

いや、それは無いだろう。目の前で血を巻き散らして・・・でも実際はここにいるし生きてるんだな。

流石に病み上がりで動きにくくなっているため、上条に肩を貸してもらい起き上がる。

 

「いてて、この状態で歩いてるのを千冬姉に見られたら怒られそうだな」

 

「そンなこと言ってると現実に起こるぞ」

 

「まさか、そんな訳・・」

 

 

 

「それで、そのズタボロにやられた状態でここまで来たのか。・・馬鹿者ッ!!」

着いて早々、正座で説教が始まる。そりゃ、服を着ていたとはいえ、血で染まった包帯をして病室を抜けて来たなんて言えば誰でも怒るだろう。と全員分の料理を作りながら考えていた。

 

「あの、一夏は怪我人なんで、せめて横にした状態で」

 

「そうだな、丁度調理もひと段落付いているようだ、お前にも話がある」

何故だろうあの視線がものすごく怖い。逃げたら殺す!と主張しているような

 

「・・・せめて、作り終わってから・・」

 

「いいから座れ!」

 

「「は、はい!」」

一夏の真横に正座で座る。あの見幕と圧力には誰もが黙り込んでしまうだろう。声が聞こえるたびに背筋が綺麗に伸びる。こうして30分程こってり絞られ終わった頃には2人で床に倒れた。

 

 

「廊下で説教されるより疲れた」

 

「怪我人に容赦ないな」

2人はようやく起き上がれるようになると愚痴をこぼし始めた。

 

「あら、やっと終わったかしら。お皿は用意が終わったからもう食べれるわよ」

 

「え、まだ作り途中だって」

 

「そんなことする訳ないだろ、あとは煮込んで終わりにしておいたからな」

煮込んで?なんの料理だ?

 

「今日は冷えてたからビーフシチューだ」

自由なんだか、気が利いてるのか分からねえな。まあ、そんな文句はともかく自分も食べる。俺のよりも上手い、家事は万全だな頭は悪いのに・・・にしても人が多いな束さんに千冬姉にあと3人は誰だ?まあ、今は気にしなくてもいいって事か

 

 

 

 

「では、説教で説明が遅れてしまったが明日には攻めたいと私は思っている。生徒達の精神的な負担もそうだが、今日もこの馬鹿がある程度は戦力を削ったそうだからな。なんとかアメリカ軍の力も借りれる事になったのはありがたい」

 

「でも、外から攻めるには難しいな。寮には学生が、それにアリーナには20機くらいの訓練機か?これは強襲だと無理があるな」

 

「ああ、そうだ。だが、生徒を地下の部屋に移動できればな。校舎くらいは後で修復できるが、人の命だけは絶対に戻すことはできない」

 

「それなら俺が中から崩しますよ?」

 

「お前ならやりかねんが、誰にも気付かれずに出来るのか?」

 

「そうですね、一夏も来てくれれば俺は心強いです」

 

「なるほど、仲が良いのは助かる。で武器は・・・やはり銃弾しかないか」

 

「あ、それなら。面白いのを作っておいたよ〜えっとね、じゃじゃーん」

明らかにポケットに収まらない大きさのライフルが出てくる。しかも軍隊でもよく使われる取り扱いやすいものだ。

 

「なんと、これは銃弾ではなく着弾した人間にスタンガン並みの電圧を放出する針なのだ〜。絶縁加工も簡単に無効化するし発砲音もかなり静かなんだよねー」

 

「束、今からそれをいくつ用意できる」

 

「元の銃は友達からたくさん貰ってるから、大体200丁は問題ないかな。用意は1時間もあれば出来るよ」

 

「そうか、後はゴーレムと各国から盗まれた専用機を持った連中の対処だが。ここはスコールとオータム、あとはイーリスと私で対処だな。余裕があるなら他の専用機を持ちに手伝ってもらいたいが」

 

「それなら、問題ないですよ。地下の監視役から待機状態のやつを取っておきしたし、訓練機もエネルギーを少し抜いて置きましたから、あとはお願いすれば可能性ですよ」

 

「中々手が速いわね。手を焼かされた訳だわ」

 

「さて、あとは教師の方だが、実力がある者は厳重に監禁されているかのしれん。そこは束、お前に任せる。その後は裏方でISの機能を落として欲しい」

 

「ええ、バレたの?」

 

「当たり前だ、お前が作った物に何かしらセーフティを付けているだろうと思ったからな。・・・とりあえず優先順位は言っておく。まずは人命が最優先だ、その後は各自で判断してくれ」

 

「という事はついにちーちゃんの暮桜が出るのかな」

 

「え、千冬姉。また乗るのか?」

あ、もしかすると織斑先生の専用機なのか。イーリスさんも目が少し輝いてるような。

 

「仕方ないだろう。あと、問題は時間が経っているせいでガタが来てないかを調べて欲しい。イーリスは上条お前が運んで行け、出来ればその後に私達をIS学園まで運んで欲しいが」

 

「それなら、ほい一夏の専用機と。その、オータムとスコールさんは専用機は持ってますし、一夏が織斑先生を運んで行くのはどうですか?」

うわぁ、少し睨まれる。ふざけ過ぎたかな

 

「・・・はぁ、仕方ない。その方法にする。決行は明日の夜の方が時間がある分準備が出来るが、日中から始めるとなると目立つアメリカ軍の方は増援という形になる。しかし、無駄な横槍も出てくることを考えれば昼あたりが妥当になる」

 

「それなら、私達が囮になって注意を逸らしている間に中から攻めるのが最も速い」

 

「ふむ、なら私もそれに加わろう。束、直すのにかかる時間は」

 

「大体3時間から6時間かな、もしかして今から?」

 

「そうだ、上条はイーリスを送った後、侵入ルートをあとで説明してくれ、それから一夏はすぐに動けるように少ししごいてやる」

 

「それで私達はついて行くと、まあ特に制限をかけられないのはこちらも動きやすいわね。けど・・・1度もただで動くとは言ってないわよ?分かってるわよね、当麻君?」

 

「え、俺ですか?まあ・・出来る範囲の事は何でもしますよ」

言い切ってから気づいた、この人はわざとこんな言い方をする時が偶にあり毎回それに引っかかっていることに

 

「そう、ならやらせてもらうわ」

出来れば最初からやって下さい。その度に茶化されるのはこっちです

 

「では、各自で仕事に取り掛かってくれ。イーリー、お前には連絡を入れるからそれを合図に一斉に来てくれ。間違っても普通に飛んでくるなよ」

それだけ釘を刺し、千冬は準備に取り掛かった。イーリスはすぐに動けると分かったのですぐに出発して行った。束も何処から出て行ったのか分からないがいないくなりそれぞれが仕事を始める。

 

 

 

 

 

 

 




自分もfate やってますがなかなかピックアップでキングハサンが来なくて困りますね。次回もまだ開戦はしません。

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