IS学園の異端児   作:生存者

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第5話

 

 

真っ黒な世界で上条は魔神オティヌスの弩に胸を撃ち抜かれ下半身をなくし左手も失い結局は負けてしまった。だがそれでもオティヌスという希望は捨てず最後に一言を残した。

 

「お前も俺と同じ…幸せな世界に潰されるだけの惨めな迷子になっちまうぞ……」

それを最後にピクリとも動かなくなった。

 

「理解者なんて都合のいい生き物なんて存在したのか。・・・本当にひどい一撃だな、畜生」

たった一度のチャンスをどちらの世界のために使うか、確率は半分以下だが挑戦する価値はあった。オティヌスはそのチャンスを上条の世界を戻す為に行使した。だがここでまたしても幻想殺しが発動してしまい失敗し、上条は全く違う世界に飛ばされていた。最初に上条が思ったのは何故まだ生きているかだった。この世界に来たときまた子供からやり直す羽目になっていた。ちなみに子供と言ってもまさかの1歳からだったので余計に落ち込みそうになった。それから月日が経ち幼稚園に入ってからすぐに思ったとうりの事態になった。簡単に言うと友人になった子から次々と不運にも交通事故や病気にかかったのだ。もちろん上条も巻き込まれたが散々に叩き込まれた予知でけがをするギリギリのラインで逃げ延びていた。それから上条はその幼稚園の中ですでに疫病神と噂され。卒園後、小学校に入学してすぐにも同じ園の元友人がそれを噂した為数日で全校生徒に知られることになった。しかし上条はそんな経験をこの世界に住んでいる人間より遥かにしておりむしけら程度にしか感じていなかった。この頃まだ幻想殺しがまだ自分に残っているのか気になった上条は放課後の学校にわざと残りあるものたちを探していた。それは幽霊、幻想殺しは異常なものを消す力もありそれならいるはずのない幽霊にも効くんじゃないかと思い挑戦してみた。最初は比較的簡単な放課後の学校に行った後、夜の墓場や廃病院などを回り試した。この手の恐怖はもういやな程味わっていたので、真後ろに現れたり迫ってきたりする幽霊もいたがあまり怖くなかった。確かにまだ幻想殺しが右手にある事は分かったが、それをやり過ぎたせいか今度はどこにいるか分かるようになり、霊感がちゃっかり強くなっていた。その内、幻想殺しは世界を元に戻すバックアップでもある事を思い出している内に消した異能の力も、もしかしたら再現出来るかも知れないと馬鹿みたいに挑戦してみると、一部のものは再現する事が出来た。そのほとんどが反則級のものだったがそれは特に気にしなかった。それから前の忙しかった自分には出来なかった、トレーニングをやり始めていた。何億年もその中で生きていたせいか一番速く使えた位相で最初は世界その間のを前の世界に戻そうとしたがそれは出来ず時間を引き延ばす事はできた。さすがに一瞬の時間に億単位の時間を凝縮する事は出来ずせいぜい1時間に数年を凝縮する事は出来た。それから毎日筋トレ、走り込みをひたすらに繰り返しながら小学校時代を過ごしていた。その間通り魔に襲われたり、ひき逃げに会ったりもしたが鍛え抜いた肉体のおかげか怪我をする時もあったが通り魔は素手で倒し、車にひかれそうになったときもギリギリ避けるなど少しずつ身体能力も上がっていた。それから武道にも興味が少し湧いたが実践で使えなければ意味がないと思い、自分の記憶を頼りに今まで敵対した人の動き、武器の扱いを自分なりの使い方で覚え実際に再現して戦い続けた。何度ぼろ負けしても這い上がり勝てるまで死に続けた。体の四肢を引きちぎられ失血死しても、外側からの衝撃で臓器を潰されもがき苦しみながら死んだりしたが、ただ誰かを守りたい一心で己を磨き続けた。だけどそれは甘いと自分でも思った、自分は疫病神だと言われ偶然に起こる建物の倒壊、集団下校中に襲ってくる通り魔全て自分のせいだと言われた。そこから誰かを助けたとしても自分に責任を押し付けられていた。けどそれは仕方ないと思った、100本ある中で一本しかないハズレを一発で引くほどの不運の持ち主でもある自分を嫌って当然だと思った。

そんな中、篠ノ之束という人物がISという何故か女性にしか使えないパワードスーツを公表し、世の中が女尊男卑になってからは少しはマシになったが、出掛ける先でよく父の当夜は見知らぬ女に駒のように使われているのを見るのがたまらなく嫌いだった。そして、上条は初めて容赦なく力を行使した。命令する女を土下座させて謝らせさっさと帰らせるたったそれだけだったがプライドが馬鹿みたいに高いのか膝をついた頃には歯を食いしばりながら睨めつけてくる人間が何人もいたが、上条が使う世界の改変は世界全てを意のままに変えられ人を人形のように扱うことも出来る力の前にちっぽけな1人の人間が逆らうことなど不可能だった。

それから更に月日が経ち中学に入学してからは更に男女差別が強くなっていたが、それでも一部の女性の中にはそれに流されず純粋に生きているの人がいるのに気づいたが近づく事はなかった。鍛錬と並行して勉強も頑張ってはいたがそれでも平均点を取るくらいが精一杯であったが勉強はどこに行っても結局はすることになると思っていたのでそこまで必死にやる事はなかった。部活には入らず家に帰って筋トレや走り込み、勉強を繰り返し気がつけば一年が経ち新しいクラスなりみんながワイワイと楽しんでいるなか上条にとっては面倒な人間が同じクラスに転校してきた。

霧島玲奈、大手IS関連部品の製造会社の社長の娘であり、頭脳明晰、スポーツ万能な天才のお嬢様が来てから余計に苦労する生活を送ることになった。まず初めての会話が問題だった。彼女は自分からクラス委員長になり期待をしていたが休み時間なるなり急に近づき書類を置いていった。あなたがやっておいてと言わんばかりの顔で押し付けられたが、上条は丁寧に何も書かず提出ギリギリに渡した。はたから見ればイジメに近いが上条ちは別に仕事がありそんな事を手伝うつもりもなかった。白紙の状態で教室でそれぞれの担当係の目標、仕事内容を発表し終えのんびりと休んでいると、何も書かずに渡してきたのにキレたのか上条につかみ掛かった。

 

「おい、てメェなんでやっておかないんだ!!」

 

「やるもなにもそれはあなたの仕事ですよ、なんで俺がやらなきゃいけないんですか?」

 

「男は黙って私達にこき使われればいいんだよ!今からでもいいさっさとやれ!」

 

「やりませんよ俺は、それくらいは自分でやってください」

 

「この疫病神ふぜいが調子にのるな!」

玲奈は上条に殴りかかった、周りの人や教師は止めようとしなかった。止めたところで自分に被害が来ると思ったんだろう。そのまま上条の顔面に当たりゴスッ!と鈍い音と共にボキッと骨が折れたような音が聞こえ殴った玲奈本人が痛みから騒いだ。上条からしたら自業自得だと思い冷めた目で見たが。何故か教師から呼び出され生徒指導室に入れられた。

 

「上条当麻君、なんであんな事をしたのかな?」

 

「自分はただ席に座っていただけですよ。まあ、先生方が自分の評価に関わるからとりあえず嘘の事実を知らせて罪を押し付けたいのなら別に勝手に嘘を流しても構いませんけど」

目の前の教師からピキリと顔に青筋が浮かび上がり、ニコニコしながらも明らかに苛立っていた。

 

「君は玲奈さんに仕事を押し付けられて、苛立ってつかみ掛かってきた彼女の腕を折った、そうだよね?」

 

「先生、俺は別に嘘の事実をばらまいてもいいんですよ?わざわざ自分の口から言わせたいんですか?」

 

「こちらも君の評価を考えなくてはならなくてね、ここで真実を言ってくれれば、もう少し高くしてあげるよ」

 

「別にそんな嘘っぱちなことを目の前で話されても、はいとは言いませんよ。別に普通にしか出来ない自分にはそんな高すぎる評価なんていりませんから」

 

「ここで真実を言わなきゃ君は一生を棒に振る事になるけどいいのかい?僕が折りましたって言えばすぐに元に戻してあげるよ」

 

「この部屋から出たところで、あなた達の嫌がらせは結局受ける事になるんですけどね」

脅迫するような事を何度も言われるが上条は一切引くことなく話しているとコンコンと扉を叩く音が聞こえ、教師の1人が扉を開けるとそこにはスーツ姿の女性が立っていた。

 

「君が上条当麻君かな?」

 

「あなたは誰ですか?」

 

「私は玲奈の母よ。少し君と2人きりで話がしたくてね」

 

「自分とですか?」

 

「ええ」

予期せぬ来客に驚いたが教師達はすぐに部屋から出て行き、部屋には2人だけが残った。

 

「さて、上条当麻君。よくも可愛い娘に手を出しくれたわね」

 

「あっちから勝手に殴ってきて怪我をしたのに自分がやっことになるんですか。確かに折れたのは音で分かりましたけど」

 

「随分と反抗的な子ね。そんなんだからまだ童貞なのよ」

 

「別に日常生活に異常はありませんし童貞でも構いませんが。まあ、権力を振りかざす事しかできないあなたなんかに言われたくないですけどね。夫が創り上げた今の会社を乗っ取って男性社員を奴隷のように扱自分好みの男性は夜に遊び道具としてつかうような人間には」

 

「な、なんでそれを。この変態」

 

「変態とは変言いがかりをつけないでください、このくらいは調べますよ。なんせ、大企業の社長の娘がここに来るんですからね。親がどんな人か気になりますよ、まさか破廉恥女だとは予想外でしたけど。それから会社の金を横領したり、会社からきたクレームは圧をかけて揉み消したりなかなか酷い会社経営ですね。告発したらどうなるんでしょうか?楽しみですよ」×変言いがかり→〇変な言いがかり

 

「このクソガキ!さっきから黙ってれば調子に乗りやがって」

 

「声を抑えたほうがいいですよ。ここの扉、防音加工できてないてないので。あと、ちゃんと仕事はした方がいいですよ」

玲奈の母は既に殴りかかりそうになっているが上条は特に気にしていない。もう話してられるかと思ったのか女性はすぐに出て行き少し経った後、上条も解放され帰宅していた。

 

「慌てすぎだろ、ほんの少し記憶を辿って話しただけなのに。以外と笑顔なると少し気分が楽になるな」

夜の真っ暗になった土手を1人で帰りながら今日の晩御飯は何か予想しながら歩いていると両側の茂みから不規則に草がなびく音が聞こえ、そのまま歩き続けるといつの間にか前と後ろに真っ黒な服に包まれた男が2人挟み込むように前後に立っていた。もちろんこんなやり方をするような人間に見覚えがあった。

 

「ここまでご苦労様、暗部か殺し屋のどっちだあんたらは」

無言で銃を撃って来た。それも全て頭部と臓器がない場所を狙ってきたがそれを左手で掴み取り地面に捨てた。気がつけば後ろにいた人間が背後まで迫っており、上条は後ろに手を振り肋骨にひびを入れようと振ったがそれを両手で抑え込まれ後ろで手を捻り上げられたがそれを関節の痛みを無視して無理矢理捻り返し、まずは右腕を脱臼させ後ろを向き、股間を蹴り動けなくした。さらに後ろからナイフが音を立てずに、首をラインを切るように振られそれをしゃがみこんでよけ、さらに肺を潰す勢いで来た蹴りを軽く手でなぞるように上げ、頭上を越えた後上条は右足で足払いをして男を宙に浮かせ、上から鳩尾に拳をたたき込んだ。苦しそうに唸っているが上条はその男を首を掴み取り持ち上げていた。

 

「なんで俺のところに来た?」

 

「・・ふっ分かるだろ。・・殺しの依頼が来て襲ったんだよ。ふふっ」

 

「・・そうか、誰の命令だ」

 

「そうれは言えないな、黙秘させてもらうぜ」

上条は男を離し、ポケットに入っていた紙に何かを書いて男に渡し、すぐ横を通り過ぎた。

 

「俺に手を出すのは構わない、ただ家族に害を加えたら一切容赦しないからな」

気がつけば上条は消え、そこには男が2人置いて行かれた。

上条は中学に入ってから珍しく帰るのが遅くなり母の詩菜に心配されたが大丈夫だよと言い自室に籠もった。

 

「あの女、金を積んで雇ったのかよこれからずっとこれが続くのか。早めに潰すか、母さんには迷惑は掛けたくないからな」

 

「ん〜でもここでやっても言いがかりを付けられそうだし、もう少し後でいいや」

次の日、玲奈は俺を見るなり震えて何処へと逃げていった。もしかしてあいつが頼んだのか?と思ったがそんな事はどうでもよかったのでいつも通りの生活を送っていたが3年になるまでの数ヶ月間不定期に来る、殺し屋や暗部の人間を相手にする事になったが無事生き残り元気に通っているが今度は持っている金と権力を全て使い、テレビ局の人間や警官まで使い俺を嵌めようとしていたが意味をなさなかった。ただ何時もの不幸がその人達の前でもいつも通りに起きてしまったせいで疫病神の名が広まってしまった。そしてここに来るきっかけにぬったある事件は受験が終わりのんびりと過ごそうと思ったその日の夕方、何となくつけたテレビで世界初の男性のIS適正が現れたと大々的に報道されているニュースを見ていた。正直全く興味のない上条はどうでもいいと思い次の日学校に行くと何故かデカイISが学校に来ており一人一人検査をする事になった。なんでも他にもいるかもしれないから全国の男性をを中心に適正検査をする事なり上条も参加したが、なんとISを動かしていまいIS学園強制入学させられてしまった。両親からは喜ばれたが在籍してる学生は適性があった俺達以外全員が女子と言う女子校に行く事になったので不安しかない。しかもさらにやってしまったのは男性は実技試験だけということになり、IS学園に行き試験管相手に戦うことになったのだが適性が測定不能というファッ!?とへんな声を出したくなるような結果を出してしまい、さらに残念なことに相手がISの国際大会で無敗を誇る織斑千冬だった、もちろんその時はそんな事を知らずにやった。結果から言うと普通に時間を掛けたくないので瞬殺した。最低でも数分ぐらいはかかるものを元からあった反則技を使い、数十秒で終わらせ戻ったがそれを見ていた試験管達から騒めきが聞こえてような気がしたが無視してすぐに帰った。しかし、この時上条は気づかなかったがその場には霧島玲奈も実技試験に来ておりさっきのおり、その騒ぎを聞いていたのだ。それはただの逆恨みなのかもしれないが、ほとんどの女性にとって神のような存在であった千冬を片手間で倒した上条をよく思わなかったのだろうか、なんとも中途半端なタイミングでやってきた。×試験管→〇試験官

 

「やっと自分の立場に気がついた?疫病神の上条当麻」

上条が廊下を見るとそこには散々に迷惑を掛けてくれた女が立っていた。

 

「霧島玲奈、また面倒事を押し付けるのが好きだなお前は」

 

 

 

 

 

 




上条さんの過去をざっと書いてみました。誕生日についてはオリジナルでやります。ちなみに途中で上条が渡した紙には自分の電話番号が書いていあります。

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