IS学園の異端児   作:生存者

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第44話

「へぇ〜ここがあの馬鹿が通ってる場所なのね。なんと言うか、豪華」

 

「私達は入ってもいいの?」

 

「問題はないと思う。招待券で入れてるし、何人か私達同じような人もいる」

文化祭、当日。招待券を上条から送られた、吹寄、姫神、偶然予定が空いていたアリサが来ていたいた。

 

「おー来たか。すまん、色んな人に捕まってて来るのが遅れた」

 

「じゃあまだ、店の仕事はないの?」

 

「ああ、俺もその前に用事があるからな。今は他の人に任せてる、1時間もすれば俺も戻るし、他にも模擬戦もアリーナでやるから楽しんでくれ。あ、3年生の方はあんまり行かない方がいいぞ。爆弾解除の競争とかやってるから」

 

「爆弾解除ってあんたの学校何教えてるのよ」

 

「ん〜普通教科とISについて、あとおまけが何教科かある。ってそろそろ時間が、わりぃまた後で。俺の教室はそこに書いたから後で来てくれ」

 

 

上条がいなくなり3人はパンフレットを見ながら校内を歩いていたが、まあ広い。一辺に迷いそうになる。

「うちよりも規模が大きい。それに1つクラスでもかなり出し物が凝ってるわ」

 

「それにどれも被りがない。来た人が誰でも楽しめるようになってる」

 

「でも、やっぱり女子校だけあって服装はちょっとあれだね」

メイド服やチャイナドレス、さらに和服を着ている人までいる。

どうしよう、回るだけでかなり時間を取ってるような。これじゃあ雰囲気だけ楽しんで帰る事になりそう。と考え始めたところに、

 

「アリサちゃん、久しぶりね」

かなりテンションの高い楯無さんが走って来るようすが見える。

 

「あ、お久しぶりです」

 

「え、誰なの?」

 

「あ、申し遅れました。IS学園の生徒会長をやっている更識楯無です。よろしくね」

 

「え、あ。私は藍越学園からきました吹寄制理です。今回はありがとうございました」

 

「同じく藍越学園から来た姫神秋沙です」

 

「よろしくね、吹寄さん姫神さん。で、何処に行くかは来てたの?」

 

「えっと、まだ決まらなくて。迷ってます」

ついさっきまで何処に行こうか迷って結局1つも楽しんでないのであっさりと答える。事前に上条からも分からないなら教えてもらったほうがいい、と言われていたのを思い出して

 

「じゃあ、私のクラスに来ない多分、人はあんまら来てないからゆっくり出来るわよ」

お言葉に甘えてついて行く事にした。中はスタジオのように照明が上からいくつか吊るされ、天井近くまで垂れ幕がかかりいくつか分かられていた。

 

「あのここの出し物って」

 

「ここは記念撮影をやってるわよ。何組か一斉に出来るように小分けしてあるけど。あと、衣装もこっちである程度用意もしてあるから着替えて撮影も出来るからね」

少し奥にあるカーテンを開けると、ずらっと衣装が掛かっていた。IS学園の制服からメイド服、ドレス、各部活のユニフォーム、あとは私服と帽子まで揃っている。

 

「あ、あのこれっていくら掛かるんですか?」

 

「これはサービスでやっているから無料よ。基本的にここは全部お金は必要ないわ。来た人が楽しめるようにね」

これが金持ちの学校との差かと吹寄は打ちのめされている、その間に姫神とアリサどれを着るのか見始めていた。結局、吹寄も着替えて写真を撮った。出来るのにあまり時間はかからないという事だったので、今、楽しめる出し物を教えてもらったいた。

 

「カラオケの大会まであるですか?」

 

「毎年参加者が少なくて、人気が無いのが悩みの種なのよね。その代わり喫茶店なんかの無難なお店が人気あるわよ。他にも部活でも出し物があったりするから」

 

「カラオケ、一回出て見ようかな」

 

「エントリーは自由だから今からでも歌えるわよ。音楽も大概は用意してあるからね」

それから数分後には写真が出来上がり、受け取っていたがさりげなく後ろに楯無さんが紛れ込んでいたものも混ざっていた。アリサは1人でカラオケ大会に行ってしまったので、2人は何処に行こうかまた迷ったいた。

 

「部活の出し物ね。ちょっと気になるし行ってみようかしら」

 

「私も気になる」

 

 

 

 

 

「少し時間が掛かったな。ともかく、受け取りは終わった。親父はすぐには帰らないって行ってたからもうちょっと見ていくのか。あと10分で交代か急がないと」

と走り出そうとすると、急に歓声が聞こえ何事かと思い音がする方に向う。

 

「え、アリサのやつがっつり歌ってるよ。やっぱり出たのか」

仮設ステージが何処かのアリーナみたいに見えてくる。って行かねえと

 

 

「お、料理長が来たよ」

 

「料理長ってなんだよ、とりあえず昨日の作り置きしたやつはあるだろ。あとは、そこまで時間の掛からないものだからな」

 

 

 

「あれ、さっきより紅茶が美味しくなってる」

 

「えっ本当?」

 

「うん、少し香りとかも出てる」

 

「・・・本当だ。淹れる人が変わったのかな」

 

 

 

「ん〜完成。終わったよ。次はなんだっけ?」

 

「えっと・・」

人が変わって慌しく作業を進めていく事になった。休む暇もなく次から次へとオーダーが入ってくる為、かなりハイペースで仕事になった。

それから時間が経って厨房内は少し落ち着き始めていた。

 

「上条、休憩入るから代わりにこっちに来てくれないか?」

 

「おう、分かった。とりあえず今来てる、やつまでは片付ける」

昼近くになり、ずっと接客をしていた一夏と交代になった。今度は俺が執事服で接客か、何もなければいいんだが。

 

「最初は吹寄と姫神か」

 

「何よその言い方は。文句でもあるの?」

 

「何もありません。では案内いたします、お嬢様方」

すぐに頭を切り替え仕事に入る。知らない人よりは友人なんかの親しい人の方がやり易いので助かったが。大変だったな、2日で歩き方と動作をみっちり仕込まれて。

 

「かなり充実してるわね。オススメは何かしら?」

 

「オススメは、シェフの手作りケーキでございます」

 

「違和感がある、上条君じゃ無いみたい」

 

「言わないでくれ、俺だって好きでやってわけじゃ無いんだから」

 

「そう、ならケーキとハーブティをお願い」

 

「私も同じものを」

 

「かしこまりました」

数分後に銀メッキのトレイにイチゴが盛られたケーキと紅茶の入ったガラスのポットが乗せられていた。

 

「お待たせしました。当店の自慢のケーキでございます。では紅茶を入れさせていただきます」

 

「あんた、いつから紅茶の淹れ方なんて覚えたの?」

 

「日曜に、舞花のところに行ってやり方を教えてもらった。とりあえず合格点はもらえたから問題ない」

 

「美味しい。流石家庭科の教師を泣かせただけはある」

 

「本当、でも舞花さんの方が上ね」

 

「せめて喜ぶか指摘するか別々にしてくれ」

上条の話を無視して、今度はケーキを食べ始める。

 

「・・・また、腕上げた?」

 

「さあ、分からない。前と違うなら上がったんじゃないか?」

 

「この味でどれだけの女子が傷ついたか、上条君には分からないよね」

 

 

 

「いらっしゃいませ、お嬢様」

 

「え、あ。はい」

 

「どうぞこちらに、ご案内します」

無駄にキレがある動きと、大人の雰囲気に大概の生徒は赤面し。その他にも手を握って送ったりと、余計な手を出したお陰で周りからグサグサと視線が刺さってくるが。

 

 

「お待たせ、ちょっと遅れちゃった」

 

「いやいや。気にしなくていいよアリサ。では案内をするのでお手をどうぞ、お嬢様」

 

「〜〜ッありがとう」

カラオケ大会でぶっちぎりで優勝したアリサが少し焦って来たり

 

 

「いらっしゃいませ、お嬢様方」

 

「お、お嬢様//」

 

「・・・もう一回言ってくれない?」

 

「え・・・いらっしゃいませ、お嬢様方。どうぞ、こちらへ」

 

「なんか、新鮮ね。嘘ちゃんにしか呼ばれたことが無いから」

 

「うう〜恥ずかしい」

暇になった楯無さんと休憩に入った簪が来ていた。

 

 

 

 

「やっぱり男子の執事服は似合うね」

 

「ナターシャ先生、来てくれたんですか」

 

「ええ、特にやることもなかったしね。休憩みたい感じ」

 

「そうですか、では席にご案内します。お嬢様」

遊びに来たナターシャ先生だったり

 

 

「なんか人が増えて来たような」

 

「あの、案内をお願いします」

 

「あ、もう訳ございません。お席に案内します、こちらです。どうぞ」

 

「どうも」

席に着くなり上条から一言

 

「あのーオータムさん何やってるんですか?」

 

「バレたか、少しは気づかれないと思ったのにな」

「あまりにも落ち着き過ぎててこっちは驚きましたよ。前より綺麗に見えますし、以外な一面を見て少し可愛いとも・・」

 

「は!ってこんな所でそんな言葉を言うな」

 

「ん?何か変なことでも言いましたか?」

偽のアポで侵入して来たオータムさん。よくバレなかったな。

 

 

 

 

「ああっ、結構時間も経ってるな。あれ、一夏君は?」

「そう言えば帰ってこない、まだ遊んでるのかな」

 

「それは無いな。多分、会長の遊びに巻き込まれてるかも。なんか、アリーナの方が騒がしいから向こうだと思う」

どうやって連れてくるかと言っている間に新しくお客が来たので早足で廊下に向かうと、目を疑った。まだ会ってから1カ月くらいだろう、相手が

 

「目が悪くなったのか俺」

現実逃避をしたくなり、目をこするが全く変わらずその人は前にいた。

 

「私に向かってその態度はいい度胸だし」

 

「すいません、お嬢様。少々お待ち下さい」

え、え?何でここにいるの?落ち着け、とりあえず念のために設けた個室でも使うか。

 

「お待たせしました、お嬢様。どうぞ、こちらでございます」

 

「うむ、普通だな」

部屋の一画に作った個室、立場が高い人が来ても相手を出来るように赤いカーテンで仕切られた部屋だ。広さの関係ので2つしかないが

 

「あの、キャーリサさんがなんでここに?」

私服だったせいで全然気づかなかった。

 

「問題でのあるのか?私はイギリスから代表候補として出した2人の頑張り見に来ただけだし。私の異名は知っているだろう?」

 

「軍事のキャーリサですか」

 

「正解。まあ、ここに出した2人の成長が楽しみだったが、イマイチ伸びない。特にセシリアは考えものだし。過去や性格は把握しているが、それでもまだ勝っていると報告が無くてな」

 

「だから専用機を取り上げると。確かに入った当初は慢心の塊のようで誰1人として勝てませんでしたよ。けど、セシリアも考え直して今も精進してます。サラさんも訓練機で地道に努力して、今は学年別トーナメントで常に上位の実力になってます」

何回か一緒に試合もやり、部屋でも遊んだりしたので知人くらいにはまあ仲良くなっている。

 

「学園最強の男にしては優しいし」

 

「ん、どこでそんな事分かったんですか?外部には情報が漏れないようになってるはず」

 

「下の掲示板に貼られていたし。1年にして無敗の男、正面戦闘で勝てるのはほとんどいないだったか。そうだな、ここを卒業したらイギリスの代表選手にならないか?」

 

「遠慮します。俺は選手になる為にここに来た訳じゃありませんから。せめて、執事か護衛くらいなら考えましたけど」

誰もが欲しい代表としての座を即刻拒否する。ダメもとで言ったつもりなのかあまり悔しくはなさそうな顔だった。上条はその部屋出るとしばらくして戻って来た。

 

「お待たせしました、シェフのおまかせセットです。こちらの部屋は個室なのでゆっくりしてください。出るときは、声を掛けてもらえればありがたいです。では、失礼いたします」

1人で相手をしていたらきりが無さそうなのでさっさと切り上げる。

 

「頑張っているか。結果を出す事だけを急がせていた末路が、無駄なプライドを生み出して成長を止める。地道に努力をさせて行くのも1つの手か。私も世の中の風潮に流されていたようだし」

味は普通か、出すにしては粗末なものだが学生にしては、まあ十分だろう。しかし、何故かこっちは十分過ぎるくらいに美味しい。店に出しても売れるし。

 

 

 

 

 

上条にとって対応の疲れる人が来るピークが過ぎ、落ち着き始めていた。親父来たけど、こーひーだけした飲まなかったな。

「ん、何か嫌な予感が。とりあえず、少し休憩しよ・・かな・・」

あの、なんで楯無さんが。しかも逃げたいけど廊下は全部塞がれてる。

 

「上条君、ちょっといいかしら?」

 

「・・・拒否権は?」

 

「無いわよ」

 

「ちょっと行ってくる。店番頼んでもいいか?」

他のクラスメイトに頼み、そのまま楯無さんについて行く。そこは度々手伝いに来ていた生徒会室だった、しかも先輩が何人かいるし。

 

「あの何でここに?」

 

「ほら、上条君の部活を決めるのに取り合いだときりが無いからくじにする事にしたの。手続きも早めに終わらせたいからね」

 

「それってただ仕事を増やしたく無いんじゃ」

 

「中身はまあ、条件に合うものだけ。運動部でも文化部でも良かったのよね?」

 

「まあ、どちらでもいいですよ。あと、1つまさかとは言いませが生徒会なんて書かれたのは入って無いですよね?」

 

「あ、その手があったか。って大丈夫よ。入ってないないから、ははは」

とりあえず、余分なものが入ってないのは分かった。あとは引くだけか、なんで先輩方は祈るポーズを取ってるんだ?変なやつがはいるだけなのに。箱に手を入れ適当な紙を一枚引っこ抜く。すぐに分からないよう、二回折ってあるので開いて行く。

 

「ん〜テニス部か」

そこそこ広い部屋にですごい悲鳴やら、喜びの声が響く。耳が痛い。

確か、セシリアがテニス部だったよな。やるからには本気にならないとな。

 

「じゃあ、改めてよろしくね。上条君」

 

「はい、よろしくお願いします」

この後、部室の案内をされ顧問の先生に挨拶に行く事になった。何故、文化祭の最中にやる事になったんだ?終わってからでもいいのに。

 

 

 

 

大雑把に説明が終わり、教室まで戻ってくると汗だくで椅子に座っている一夏がいた。しかも、制服ではなく何故か王子様のような服だった。

「一夏なんで、そんな息が上がってるんだ?」

 

「楯無さんのサプライズでアリーナに出来た城で、鬼ごっこをやる事になって逃げてた」

 

「鬼ごっこってお前がそんなに疲れるなんて誰に追われてたんだ?織斑先生か?」

 

「いや、最初は4人だったんだが。その後、1時間近く50人くらいに追い回されて」

アリーナをほとんど埋め尽くす城で鬼ごっこ、その恐ろしさに同情の眼差しを送る。逃げるのは1人、それを追う50人の鬼。うん、やりたくなくない。

 

「その間、こっちはとんでもないお客さんが来てたけどな」

 

「え、誰なんだ?」

 

「イギリスの王女様」

クラス中が驚愕するが上条は何食わぬ顔顔で言ってのけた。ちなみにセシリアは顔色が青くなっていたそうだ。

しかも、電話番号まで入っていたのまで追求されてしまうが、番号の書かれた紙を渡されたとしか言い返せなかった。

 

 

 

 

 

 

 




中々上手く描けない。

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