IS学園の異端児   作:生存者

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第40話

両親との楽しい時間はあっという間に過ぎていった。旅行が終わってからは残っていた課題の片付けに時間を費やしていた。 、

 

 

「おーい土御門、準備できたか?」

 

「んにゃ、今から行くにゃー。じゃあ舞花、先に行くけど間違っても変な奴にはついて行くなよ」

土御門舞花、土御門元春の妹であり上級のお嬢様学校に通っているエリートだ。しかも、メイド志望で日々課外研修で別の学校に通って自分を磨いている。

 

「そんなに心配してくれなくても大丈夫だぞ〜。じゃあ上条、兄貴が馬鹿をやらないように見張っててくれ」

 

「了解、じゃあまた後でな」

舞花は同級生と後から行くという事で上条と土御門は一足先に街に向かう。距離が少し遠いため移動手段は電車になった。しかし、時期も関係し案の定電車中は満員で窮屈。待ち合わせの駅までは我慢を強いられた。

 

「にしても、ここの祭りは毎度賑わってるにゃー」

 

「そうだな、まあこっちの方が人が多いから自然と賑わってくるだろう」

 

「にしても、人が多い気がするな」

 

「そりゃあ、アリサちゃんがこの祭りに来るなんて、どっかで言ってたし。ファンの人がぞろぞろと来るだろ」

 

「まっ俺達は、ファンにならなくても生歌が聴ける特権があるんだにゃー」

 

「こっちはお金を掛けずあの歌を聞けるんや。こんな嬉しい事は無いで」

 

「おい、いつまでもそんなこと言ってると吹寄から頭突き食らうぞ」

 

「大丈夫だかみやん、まだ集合時間までかなり時間があるんやで。そんな偶然あるわけな・・・」

と言いかけたところで青髮の体がきれい宙を舞い地面に落ちていく。頭からは湯気が立ち上がりたんこぶまで出来ている。

 

「そんな偶然があって悪かったわね。それと上条あんたあそこに行ってから変なことして無いでしょね」

 

「いきなり疑ってくるのだけは辞めて!大体、なんでお前の中で俺の評価は犯罪者みたいになってるの!」

 

「ふん、中学の頃から夜中でも外をうろついてたり。いい噂がないからに決まってるでしょ」

 

「そんな噂で俺を評価するなよ」

 

「うるさい、それならもっとまともな行動とれ上条!」

上条の話を聞かず問答無用で強烈なアッパーカットで上条を殴り飛ばす。

 

「にゃはっは、いつも綺麗に飛んでいるぜい」

 

「最後はあんたね」

 

「んなっ!俺は何もやってないはずだぜい」

 

「舞花ちゃんからね、兄貴を一発殴ってくれってたのまれたのよ。ベットの下からふらちな本が出てきたってね!」

 

「何?!あれはちゃんとカモフラージュしてしまっていたはず。は!」

 

「この変態野郎!」

今度は腹に目一杯の力を込めた蹴りですっばし一仕事終えたように軽く息を整える。仮にも浴衣姿の女性が育ち盛りの高校男児を軽くのしているのだ。その場を見ていた男達は戦慄してふざけてナンパしようと考えいた人間も近寄る気が失せてしまった。

 

「全くいつまでも経っても懲りないわね」

 

「流石にやりすぎじゃない?」

 

「上条君達にはこれくらいがちょうどいい」

3人は倒れた男子3人を見てそんな事を呟く。それから2分程経つとそれぞれ痛めた場所を手で押さえながら徐々に起き上がってくる。

 

「痛てて、久しぶり食らったな吹寄の拳。かなり効いた」

 

「相変わらず馬鹿みたいに元気ね」

吹寄制理、中学の時は同じクラスになった事は無かったがよく土御門達と一緒に遊んでいる時に何回も注意なんかを受けているうちに知り合った。偶にあるテスト近くに勉強会をしたりする仲だ。

 

「それくらいしか上条君には取り柄がないから」

 

「さらっと酷いこと言わないで!後なんで警棒持ってるの!」

 

「身を守る為の武器」

姫神秋沙、吹寄と勉強会を開いた時に知り合った。若干影薄いので声をかけられても何処にいるのか分からなくなったりするが。

 

「なるほど、だからってそんな物騒なもの持たないで」

 

「上条君みたいな、女たらしに襲われた時にこれで倒すから」

 

「そうか、上条さんみたいな女たらしにって、俺そんなことした覚えないぞ」

 

「「鈍感」」

 

「酷いな、それよりなんでアリサまで」

 

「私は嘘ついてないよ」

 

「間違いなく上条君は女たらし」

絶え間なく来る言葉に少しずつ精神的にダメージが入る。

 

「あ〜いちゃいちゃしてないで早く行くぜよ!」

 

「そうや、かみやんばっかりモテるのはずるいで!」

いやいや、自分本音ぶちまけるなよ。しかも、投げやりや言葉に加え殴られそうになったのでギリギリで避ける。それで懲りたのか大人しくなり、ようやく歩き始める事が出来た。

 

「やっと、進めるわね。本当、まともな3人しかしいないから大変よ」

 

「いやいや、元はと言えば吹寄がいきなり・・・いいえ、何でもありません」

目を合わせると睨んで来るの視界に入り慌てて訂正する。ここで下手に言えばまたぶん殴られるからだ。

 

「にしても、吹寄。雰囲気が変わったな」

 

「え?そうかしら、特に前と違う事なんてやってないのに。強いて言えば部活をやってるくらいね」

 

「ああ、どうりで」

 

「姫神さんも同じで卓球部に入ってるわよ」

 

「え、姫神も入ってるの?想像がつかないな。

 

「あんた、馬鹿にしてるみたいだけどけなり強いわよ」

 

「あ、そうなの?」

 

「ダブルスの大会でも上の方まで残るくらいにはね。昨日も夜までずっと練習漬けよ」

 

「毎日大変そうだな」

 

「まあ、大変じゃないって言えば嘘になるけど。みんなと練習出来る時間は楽しいから。で、あんたどうなの?」

 

「俺か、まあ人並みには楽しんでる。けど、勉強は面倒だけどな」

 

「やっぱりそこか」

 

駅から離れ出店が見えるようになってから急激に人が多くなり歩きづらくなっていく。しかし、ゆっくりとしか進めないが1つ1つ店を見る事が出来るので気になったものを買ったりするにはちょうど良い。

 

「少し買い過ぎてないか?」

 

「大丈夫や、すぐに食い切れる。けど、かみやんはもっと食べないんか?」

 

「そこそこ食べてる。大体、焼きそばとか丸焼きの肉とか、腹にたまるもんばっかりしか食ってないだろ」

 

「これくらいは余裕でいけるにゃー。それだったらかみやんは唐揚げとか焼き鳥みたいな、つまみばっかりで満足してるのがおかしいにゃー」

 

「何で満足すくるかなんて人それぞれなんだから、いいだろ別に」

 

「あんたら、いつまで騒いでるのよ。アリサさんはもう食べ終わってるわよ」

 

「早すぎる」

男子より多く買って遅く食べ始めていたのにすでに空になっているプラスチックのタッパがひとまとまりになって地面に置かれ。その隣では満足そうに笑顔を作るアリサ。

 

「中々の食べっぷりだった」

 

「あれ?姫神も食べ終わってたのか?」

 

「とっくに終わってた。上条君が喋ってる間に」

 

日が完全落ちて夜になると、更に祭りは賑わいを見せた。夕方よりも出店が増え、人の行き来も増えた。

 

その中、

「ぎゃー!!」

 

「来たー!!」

 

「うるさいな、落ち着け」

大通り近くにあるお化け屋敷で楽しんで(絶叫して)いる馬鹿3人。うち1人は死角からゆらゆらと普通の人の歩き方ではないものがいきなり近寄って来ても全く驚かないが。

 

「いやいや、これを見て落ち着いてる方が怖いやろ」

 

「んにゃ、かみやんもしかしてここで働いてるんじゃ」

 

「んなわけないだろ。これでも結構驚いてるぞ」

そう言うが顔は変わらず無表情。理由は簡単、本物を散々見て十分驚いたり叫び声を上げたからだ。

 

「ん、なんや。かみやん、急に手なんか握らんでくれ」

 

「は、俺は触ってないぞ」

 

「え?じゃあツッチー」

 

「俺も触ってないぜい。触るなら舞花の・・・」

土御門はチラリと壁を見る、薄暗く遠くまでよく見えないが壁から色白の手が伸び青髮の手に触れていた。よく見ると壁には無数の穴が空いており。次の瞬間、無数の手が一斉に壁から突き出てくる。

 

「「ぎゃぁぁぁぁ!!!」」

 

 

 

「はぁはぁ、相変わらずここはクオリティーが高いわ」

 

「何度来ても慣れない怖さだにゃー。これがまだ中級とか恐ろしいぜよ」

 

「情けないわね、それでも男なの?」

 

「これは男だからって耐えられるものじゃないぜよ」

 

「土御門。次、幽霊屋敷って面白いやつあるけど行かないか?」

 

「さ、流石に遠慮しとくぜい。しかも、誰もゴール出来たことのないやつじゃないかにゃー?」

 

「そうだな、あと人数が集まるまで行けないみたいだし」

 

「なら、私が一緒に行くけど」

浴衣姿なのはアリサ達と変わらないが頭にはカチューシャを掛け、更に体の一部が成長しているせいか丈が短く見える。雲川芹亜、上条の1つ年上で土御門達と同じ藍越学園の2年生だ。

 

「あ、雲川先輩お久しぶりです」

 

「上条、久しぶりだな。IS学園に行ってからは会ってないが元気そうだけど」

 

「あ、先輩こんばんは」

 

「こんばんは雲川先輩」

 

「こんばんは」

 

「先輩〜こんばんは」

 

「こんばんはだにゃー」

1人ずつ挨拶をしていく。それに応えるように頷く

 

「アリサか、こんな休みの時期でも仕事が入るとは大変だな」

 

「いえ、好きで歌ってるので楽しいです。それにたくさんの人に歌を聴いてほしいので」

 

「熱心だな。でだ、そこの私とキャラが被っているやつ。早くその髪型を変えたらどうだ」

 

「何故私なんですか!私はこれが気に入ってるんです。それなら、先輩が変えたらどうですか!」

 

「全くうるさい。それだから好きな奴にも気づかれないんだ」

カァァと顔が赤くなっていくのが分かったが、更にその本人は相手が誰なのか分からないか

 

「へぇ、吹寄って好きやついるのか。誰なんだ?」

 

「い、言うわけないでしょ!」

 

「うぎゃあ!」

ただ頭突きで簡単に2mほど飛び地面に叩きつけらる。すぐに起き上がってくるがかなりの衝撃だったのか少しふらついている。

 

「くあ〜頭が〜。吹寄、卓球でラケットを振る練習より頭突きの練習してるんじゃ」

そこまで止める。目線の先にはいつでも殴れるように構えている、いくら慣れているとはいえ何度もやられても嬉しいものではないので止めて何とか来ないことを願う。

 

「もう、いいわよ。で先輩から来るなんて良いことがあるとは思えないんですが」

 

「まあな、上条といると毎回面白そうな事が起こるから楽しんでいるんだけど」

 

「それは否定出来ないにゃー」

 

「あのな、俺だって好きで巻き添えになってる訳じゃないんだからな」

何度も面倒事に巻き込まれていることを自覚しているので、もう否定する事はない。

 

「ほら、言ってる先から来るかもしれないけど」

視線の先を見ると、1人の大人びた女性が上条が行こうとした1番怖いと言われている列に並んでいるのだが、聞こえて来る声からするとある意味怖いもの知らずなのか早く行かせろと催促している。

 

「なあ、あれって何人まで行けるか覚えてる?」

 

「確かここは、全部3人までなら大丈夫はずぜよ。まさか行くのか?」

 

「気になったからには行くからな。感想は終わった後で教えやるから」

 

「本物よりやばいって噂やけど大丈夫かいな。それにあそこに行ったやつは2度とここに入らなくなったなんて事も聞いた覚えがあるんや」

 

「大丈夫だ。俺は本物も見た事があるから」

さらっとすごい事を言っていたが、それよりも友人として守りたい一線を超えないように必死に止めようとしている。

 

「しょうがない上条、私が一緒に行ってやるけど」

 

「え、じゃあ私も行く!」

 

「・・・この人数で行けるなら良いんだけど」

 

「ちょっと聞いてくるわ。待っててくれ」

上条を美人2人が取り合っているのを尻目に話を聞きにいっていた。店員のようなおじさんは青髪を向くと聞き入るように聞いている。しばらく待つと何やら喜んだように走ってくる。

 

「どうだった?」

 

「人数なら多少増えても問題ないって言ってたし、全員来ても問題ないんやて。その代わり、ペアは半分に分かれもらってあと多少料金が上がるだと」

 

「なら、行くか。料金なら代わりに全部払っておくから。土御門も行かないか?」

 

「い、いや俺は遠慮するにゃー」

 

「ほら、青髪も覚悟を決めてるし行かないか?無理なら、リタイアすれば良いじゃないか」

 

「俺はこ、こんなところでトラウマを作りたくないぜい」

いつまでも行きたがらない土御門に上条はため息をつくと、そこまで近づき耳元で一言呟くと

 

「お化け屋敷ごときで怖がる必要なんかないにゃー!かみやん早く行くぜい」

先程のおどおどした態度から一変してかなり強気になり、ずんずんと進んで行った。

 

「じゃあ7人分です」

 

「ほい、まいど。少し準備に時間が掛かるからそこで待っててくれ。あ、どうせならペアを作ってくれると助かる」

あ、確かに決めてなかった。とりあえず話し合いでは決まらないのでじゃんけんで決めた。偶然なのか、雲川先輩と吹寄と同じになってしまう。もう1つは土御門、青髪、姫神、アリサになった。

 

「で、あの人はどうする?」

 

「いや、あんたが行くとろくな事がないから私が行く」

最初に並んでいた女性はどうするのか気になったのだが、吹寄が先に話に行く。一度こちらを向くと嫌そうな顔をするがすぐに皮肉が混ざった顔になる。

 

「どうする、誰がライト持つ?」

 

「普通は先頭のやつが持つでしょ」

普通なら先頭の人が持つのが常識のようにになっているが、実は後ろの方がなんて所もある。

最終的に入ってから決める事にして、全員で中に進んで行った。先に土御門達が入ってから上条達も入った。

その5分後、先に入って行った。土御門達4人は全員が顔面蒼白で出て来た。しかも、額からは大量の冷や汗が、流れ息切れも起こしている。

 

それから10分後、ゴールになっていた扉から後から入った4人が無事に出て来た。1人は笑顔が残り3人は足がガクガクと震えながらしがみついている。

「いや〜楽しかったよ」

上条は満足そうに笑いながら歩いてくるが周りはあまりの恐怖で動けなくなっている。

 

「無理、あれはもう行きたくないわ」

 

「流石にここまでリアルだとは思わなかったけど」

 

「・・・」

1人は涙目で支えが無ければすぐにでも尻餅をつきそうなほどに震えている。最初の威勢は何処か彼方へ飛んで行ったんだろう。ちょうど近くにあった椅子にまで連れて行き。自分達はその場から離れて行ってた。

 

 

 

「なあ、かみやん。あの奥ったどんな感じだったんや?わいは、最初の暗がりでもうギブ寸前だったけどな」

 

「そうだな、青髪がリタイアした少し先からゴールまで”何か”が来るまで、ずっと無音の暗い道が続いたくらいだな。あとは不規則に電気ぐ消える道で、照明消えるたびに人が徐々に近づいてくる。で最後は後ろからなんて所だな。下のランクの怖さが可愛く見える」

 

「もはや本物以上だにゃー」

 

「正直もう一回くらいは行き「「行きたくない!」」・・という事なので遊びますか」

吹寄と雲川先輩の強い拒否により自然と遊ぶ事に変わって行く。恐怖体験をしたお陰で多少は騒ぐ声が小さくなると思ったが、時間が経つにつれて、しばらく歩くうちに周りの空気にのまれいた。

 

 

 

上条達が歩いている反対の歩道では3人の男がそれを監視するかのように見ながら並走していた。

「おい、あの綺麗な顔がどう変わるのか楽しみだな」

 

「ああ、だが顔には出すなよ。いつも通り素早く、簡単にな。車は向こうに待機させてある。ついでに仲間も乗ってる。いく場所は支持したとうりだ」

 

「にしてもあの男はなんだ?妙に親しくなってるやつ」

 

「知らん、ただ友人だろう。その周りにいる奴もな」

 

「他にもいい女がいるな。全員連れて行きたいな」

 

「標的だけに集中しろ。そいつさえ連れて行けば、あとはこっちがいくらでも自由に出来る」

 

 

 

「少し休まないか?」

 

「そうやな、ずっとはしゃいでたしわいも疲れて来たわ」

 

「ただ疲れたんじゃなくて、あのお化け屋敷の疲れが出てきただけぜよ」

 

「本当よ。いきなり公園まで何するのかと思ったら、ただのお話って」

 

「その割には随分楽しんでいたんだけど?」

ただの会話、それでもはしゃぐくらいには楽しい事でもあった。少し休む、と言って馬鹿3人は鉄棒で遊び始め、それを見ている4人はただただ苦笑している。

 

「流石は中学の頃でも運動だけ褒めらるくらいの馬鹿だ」

 

「疲れてるのに更に疲れてどうするのよ」

 

「あの人達は疲れないと思うよ。それだけ毎日を楽しんでるわけだし」

 

「くたくたになっても、疲れたって言葉を使わないからね」

とその時、1人の男性が近づいてきた。服装は祭りの運営をする組合員のものだ。

 

「すみません、ちょっとアンケートに答えてもらえませんか?」

毎年やっている祭りだが、その度に何かしら問題が起きてしまうのでアンケートを実施してる。聞かれる質問も簡単なものが8つ、あとは追加で買いたい事を空欄に書く程度のもので街中でも答えている人も何人も見ている。吹寄や姫神、雲川にアリサもあっさりと答えら事にしたがアリサを覗く3人が書き終えたところでアンケート用紙がきれてしまった。

 

「あ、用紙が切れちゃったか。ごめん、近くの休憩所に予備の紙があるから一緒に来てくれないかな?」

 

「あ、はい大丈夫ですよ」

 

「私達はここで待ってるから。多少遅れて大丈夫よ」

軽く手を振って見送る吹寄、姫神と雲川は近く自販機まで飲み物を買い何処かに行っていた。遠くなっていくアリサの姿がなくなるとまだ遊んでいる馬鹿達を眺めていた。

 

 

その頃、アリサは人通りのほとんどない道に入っていた。遠くからはみこしや太鼓が鳴る音は聞こえてくるものの、そこは静けさだけしかなかった。

「少し遠くにあるんですね」

 

「ああ、通りの方だからね。もうちょっと歩くかな。だから、休んでてくれないか?」

その意味が分からず言葉を出そうとするがその前にハンカチで口を封じられ、意識が遠のいていく。

 

「回収だ、早く会場まで運べ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




お化け屋敷、個人的には苦手です。一度富士Qの戦慄迷宮に行きましたけど途中でリタイアした事があります。雰囲気からして無理でした。

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