「きつい」
上条は思わず呟いていた。何故ならこの教室には3人しか男子がいなかった、それも全学年でたったの三人。いずらい以外のなにも言葉が出てこなかった。
IS学園
10年前、世界に登場した世界最強の兵器IS。通称インフィニット・ストラトスの操縦者並びに専門技術者を育成するための特殊な高校。
俺はここに強制的に入学させられた。本来女性にしか動かすことのできないものだったが初めに織斑一夏と言う隣に座っている少年が動かしてから、全国で男子も検査をする事になり、彼の双子の弟の秋十そして上条も動かせる事が判明し入学させられた。
「おはようございます皆さん、これからこのクラスの副担任をもつ山田麻耶です。それでは出席番号順に自己紹介をお願いします」
扉から入ってきたのは小柄で眼鏡をかけた山田先生が入ってきた。見た感じは小動物を思わせるような雰囲気だったしかし誰も返事返さず、その目線は男子の3人降り注いでいた。
「そ、それではお願いします」
それからクラスメイトの彼女達は一人一人自己紹介をしていき2列目にかかった時、一夏に似ている顔立ちの少年が立ち上がった。
「織斑秋十です。2人目の男性適正者で趣味は剣道です。一年間よろしくお願いします」
その直後、静まったかと思えばいきなりガラスが割れるほどの爆発が起こった。
「男子よ。男性のイケメンよ!!」
「生きててよかった!!」
とっさに耳を塞いだがあまりの音量に鼓膜が破れそうになっていた。
「ほう、騒がしいと思ったらお前か」
そこから出てきたのはISを使った世界大会モンド・グロッソで優勝した織斑千冬が入ってきた。isに興味のなかった上条は偶々見ていたニュースでこれを知ったが暇つぶし程度にしか見ていなかったためにどのくらいすごいのか全くわからない状態だった。
「あ、千冬姉」
秋十がそう呼んだ。それ同時にスパァンッ!と出席簿が後頭部に振り下ろされた。
「織斑先生だ」
「…はい、織斑先生」
すぐに教卓まで移動し自己紹介を始めた。
「諸君、私が織斑千冬だ。諸君らを一年で使い物になる操縦者に育てる事が私の仕事だ。私の話をよく理解しろ、出来ないなら出来るまで指導する、逆らってもいいが私の言う事には「はい」か「YES」で答えろ」
ここは軍隊かよと上条は思はず突っ込みそうになったがその前に女子生徒達が声を荒げていた。
「きゃああああああッ。本物、本物の千冬様よ!!」
「ああ、なんで凛々しいの!」
「私、千冬様に会うために北九州から来ました」
「ヤバイ、わたし漏れてきちゃった」
ええっ!なにここ怖いんだけど。ねぇ俺まともな人間としてここ出れるの?上条は彼女達が信奉している発言に恐怖心を抱いた。
「はぁ、…静かにしろ、まだ自己紹介は終わってないぞ!」
その一言で全員が静まった、あれみんな調教されてるわけじゃないよね?そうだよね?!上条の心の中で既に荒れ狂い必死に落ち着こうと心を鎮めているともう1人の男子生徒が立っていた。
「織斑一夏です。試験会場で迷ったときに偶々置いてあったisに触って起動してしまいくる事になりました。一年間よろしくお願いします」
「やった、やったわ2人目の男子よ!」
「秋十君と一夏君どっちを選べばいいの?!」
再び、きゃああああと声が響き耳を塞いだが既に限界ぎ近かった。ある程度は鍛錬をして強くなっていたつよりだがどうやらここまだはどうにもならなかったようだ。
「毎年よくこれだけの馬鹿者が集まるものだ。感心させられる。それとも何か?わたしのところに集中するようになっているのか?」
それはあんたの運の善し悪しだろと思ったが気がつけば自分に自己紹介のばんが回ってきた。
「上条当麻です。三人目の男性適正者で趣味は特にありありません、気軽に声をかけてください。これからよろしくお願いします」
シーンと静まっていた。元から容姿はドが付くほど普通であり、特に変わったことは一切無かったからだ。そして、静かに座ると、軽い拍手が聞こえチャイムが鳴った。
「これでSHRは終わりだ。諸君にはISの基本動作を半月で覚えてもらう、そのあとは実習だが、半月で動きを馴染ませろ」
一気に疲れたのか寝ようしたが
「ちょっとよろしくて」
よろしくないですと思いながら起き上がるとそこには金髪ロールの高貴なお嬢様といった印象を感じとれる、鮮やかな蒼の瞳を持つ女子生徒が立っていた。
「誰ですか、あなたは」
「まあ、このセシリアオルコットを知らないんですの?」
「知らん興味もないからな」
「まあ、これだから下々の人間は。私はイギリスの代表候補のセシリアオルコットです。そんなことも知らないとはこれだから男子はみんな話したくありませんのに」
だったら近づくなよと心の中で思ったがその前に隣の一夏の方へと行った。あそこまで女尊男卑の世の中に染まったやつがここにもいるんだなと思いながら寝ようとすると今度は秋十が声をかけてきた。
「ちょっといいかな?」
「何だ?」
「何だって…君こそ何だい、その態度は?せっかく男同士仲良くなろうと声をかけてやったのに」
ああ、自分がすごいと思って慢心してる人間かと確信した。もちろん名前は知っている勉強と運動において誰もが天才と呼ばれ、そのあと神童なんかと呼ばれ無類の才能を誇っている織斑千冬の弟いうのは知っていたが、実際にあうとこんなにプライドが高いとは思わなかった。
「仲良くしてやろうなんて上から目線で言ってくる奴と仲良くなりたくはないな、俺は」
「何だとっ!」
すると秋十の後ろか怒気を叫んだ女性の声が聞こえ首を曲げると長髪をポニーテールに結んだ、篠ノ之箒と呼ばれる少女が迫ってきた。
「貴様、秋十の好意を無下にするつもりか!」
「好意ってのはそんなに上から目線で言うものなのか、それは知らなかったな」
さっさと帰ってもらいたい上条はわざと小馬鹿にするように言い放った。するとちょうどよくチャイムが鳴り授業が始まった。1、2時間目は普通の学科を山田先生が行い3時間目からはISの関連の授業になり専門である千冬先生が教壇に立っていた。入るまでの一か月に死ぬ気で頭に入れたお掛けである程度はついていけるようになっているが範囲が広いため大雑把にしか覚えていなかった。
「おっとそうだ、再来週に行われるクラス対抗戦に出る代表者を決めなければな」
思い出したように言いだしたがようは雑用だと言っていたのには吹き出しそうになっていた。どうせ自分は関係ない
と思っていたがその考えはあっさりと消え去った。
「クラス代表とはそのままの意味だ。生徒会が開く会議や委員会に参加したりと、まあクラス長のようなものだ。ちなみにクラス対抗戦は入学時点での実力推察するためのものだ。決まったら変えることは出来ない慎重に選べ、自推、他推どちらでも構わん」
「秋十君がいいと思います」
「いや、一夏君でしょ」
「いや、ここは大穴で上条君だよ」
と自分の意思とは関係なしに呼ばれ思わず口を開いた。
「「すいません、自分は出たくないんですが」」
すると隣にいた一夏と見事にハモった、それよりも面倒事から逃げたい上条はすぐに反論した。
「選ばれたらやれ、これは変えられない」
はぁとまた、ため息をついた。男子が珍しいのか女子生徒はみんな押していた。すると、さっきまで黙っていたセシリアが我慢できなくなったのか両手で机を叩き怒鳴り声を上げた。
「納得いきませんわ!何故代表候補生である私を選ばすそこの男どもを推薦するんですか?!」
「なんだそんなに声を出さなくても聞こえるぞ。自推しても構わんが」
「大体何故男子がクラス代表になど選ばれるのですか、いい恥さらしですわ!それを私にその屈辱を一年間も味わえとおっしゃるのですか!私はその為に日本に来た訳ではありません!」
ISが発表されてから女性が優遇される世の中になり彼女のように男子を見下し犬のようにしか思っていない女性が増えていた。それから何分も罵倒するような事を話し続けさらに過激になっていた。
「それにこんな技術的に後退した国にいる時点で精神的苦痛ですのに、これ以上私に苦痛を味わえなんていうのですか?」
「だったらここに来なくてもいいじゃないか、そんなに苦痛を味わうならさっさとこの学園を出ていけばいい」
「何ですって!」
「だってそうだろ、ここに居なければ苦痛を味わう必要はないだ。ほら、どうしたまさかイギリスの料理でも食べて頭がおかしくなったのか。そりゃそうだよな、世界でも料理の不味さなら世界1だもんな」
「あなた、私の祖国を侮辱しますの?!」
「先にしたのは君だろ、何子供みたいに駄々をこねてるの?世界が自分中心に回ってるとでも思ってる、世間知らずの馬鹿なのかい?」
「貴方ねッ!」
お互いに罵倒し始め収集がつかなくなり上条は立ち上がり両手に日本刀を出し2人の喉に突き付けた。
「さっさとお喋りをやめて自推でもしろ、聞いてて聞いてて呆れる」
急に出てきた上条に2人は驚きその気迫にクラスメイトのほとんどが気絶していた。セシリアや秋十も一時的に黙り込み何も言わなかった。
「俺と一夏は出る気が無いんだ、放課後にでも2人でゆっくり話してろ」
そう言うとセシリアは更に頭にきたのか、押し黙った口を開くと予想外の言葉が出てきた。
「いいですわ!セシリアオルコットはあなた達3人に決闘を申し込みます!」
バンッ!机を叩き上条と秋十、一夏の3人を見て言い放った。
「はぁ何でそうなる、俺は興味が無いんだが」
いつの間にか上条の手に持っていた刀は何処かに消え自分の机に座った。
「あなたにその権利があるとでも?大体、今の社会を作ったのはじょせいですわ!所詮、男なんて子孫を残すくらいしか役に立たない能無しですわよ!」
やっぱり止めなきゃよかったと後悔したが時間を戻す事が出来ない上条は顔を両手で隠しため息をついた。
山田先生にも止められているがそれでもまだ口の開くセシリアを千冬先生は目を向けるだけで黙らせ話し始めた。
「そのくらいにしろオルコット、それでは一週間後の月曜日の放課後に代表決定戦を行なう、一夏、秋十、上条、オルコットは各自用意しておけ」
注目を集めるように両手で打つのを合図におとなしくなり授業を再開した。
秋十は余裕を崩さない笑みを掲げ、セシリアは憤怒からくる闘志の炎を燃え上がらせ、上条と一夏は肩を落としまたため息をついた。
上条は少し性格を変えていきます。使える力は幻想殺し、竜の顎、位相、世界の改変とあと1つは秘密です。