『スイッチ』を押させるな――ッ!   作:うにコーン

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スタンドっぽさを出すために、天使の見た目はアニメVerでおなしゃす


荒木先生「キャラクターの台詞は、自分が使う言葉みたいな自然体が一番だぞ」
    「使いそうな言葉だけじゃなく、使わない言葉も調べておくべきだぞ」
    「頭痛が痛いとか、わざと間違った言い回しも味があっていいぞ」

まぁ要するに、無理して難しい言葉を使わなくてもいいって事ね? だよね?
セリフとしてなら「すいませぇん」とか「ゴイスーなデンジャー」とかも雰囲気の形成に役立つっつーワケっすかねぇー?

あと使えるとしたら…… 方便や訛りとかかな?
「ドアじゃねーズラ!」とか「了解でありんす! あ・り・ん・す!!」とか?
作品違うけど「だっちゃ」とか「なんよ」とかの語尾もGOODかも。

逆に完璧な、ですます口調とかどうだろう。 ニュースキャスターかよ! って感じの。
敬語ってなんか嫌味な印象あるよね。 インテリ野郎がネチネチ攻めるみたいな。

成程。 確かに話し方1つで、キャラの性格が浮き彫りになるなぁ。
でも仗助と億泰の口調が似てて書き辛いぜ。


炎の上位天使 の巻

「なぁなぁ、ガゼフのおっさんは魔法つかえんのか?」

 

 見るからにワクワクとした表情で、興奮した億泰。 両手とも握った拳を上下させている。 初めて見る魔法に期待しているようだが。

 

「いや、残念ながら私には魔法の才能が無いのでな。 剣を振ることしか能が無いのだ。 恥ずかしいことだが」

 

 帰ってきたのはNOの返事。

 

「じゃあよ! 俺も練習したら魔法使えるようになっかな!?」

 

 だが、そこは億泰。 めげない。

 

「可能性は十分あるとも」

 

 億泰の表情がみるみるうちに明るくなる。 口角が上がり、両腕を天に突き上げる。

 

「やったァ  ッ メルヘンだッ! ファンタジーだッ! こんな体験できるやつは他にいねーっ」

 

 いや、この世界の殆どが   生活魔法の0位階を含めればだが   魔法を使うことが出来るので、体験できるやつはいっぱいいる。

 

 しかし、億泰はどこまでも前向きだった。 知らないだけとも言うが。 そこへ無常にも現実が突きつけられる。

 

「才能さえあれば、1位階や2位階くらいなら10年ほどの修行で使えるようになるだろう」

「えっ! じゅ、10年かかんの!?」

「その通り。 さらに修行を積み、(恐らく)20年ほど修行すれば伝説の3位階まで到達できよう。 3位階の魔法が使えるようになれば、相当な熟練者だとも」

 

 そう、修行が必要なのだ。 熟練魔法使いとまで呼ばれるほど卓越する為には、長い時間修行が必要だという。

 

 契約して魔法が使えるようになった少女や、魔法学校から派遣された教師の少年など()()()のだ… いるとしたら、見た目がアレな 魔法ババア(カイレ) や、頭がアレな 魔法ジジイ(フールーダ) ばかり。 現実は非情である。

 

「さようなら… 俺の魔法ライフ……」

「あ、諦めるには速過ぎるぞ、億泰殿。 あの~ ほら、マジックアイテムを購入すれば、使えるはずだとも。 (スゴイ値段するけど)

 

 がっくりと肩を落とす億泰を見かねて、ガゼフが元気付けようとする。 が、彼は戦士系の前衛職であり、あまり魔法には詳しくない。 成功率は宝くじ以下の確立だった…

 

 

 

 

 

「ガゼフ・ストロノーフ戦士長」

「ああ、そんなに畏まらないでくれ。 ストロノーフと気軽に呼んでいただいて結構だ」

「では、ストロノーフ…… この村が襲われた理由を知っているか?」

ゴ ゴ ゴ

 ぞくり、と。 空気が一瞬で変わったように感じられた。 ガゼフは、先ほどとは打って変わって、ひんやりとした雰囲気に少し身構えると、

         ゴ ゴ ゴ

「帝国騎士が略奪行為をするためだ」

                  ゴ ゴ ゴ

 と、硬い表情で答えた。 そんなガゼフの答えに承太郎はフン、と鼻を鳴らす。

                           ゴ ゴ ゴ

「嘘だな…… あんたはこの襲撃に不審な箇所があると気付いている。 馬から下りずに、警戒しながら村に進入して来ておいてとぼけるんじゃあねーぜ」

                                    ゴ ゴ ゴ

 ガゼフの肩が、ぎくりと跳ねる。 バツの悪そうな… 苦々しいその表情からは、何らかの事情があるのだなと、察するに余りある。

 

「君達は…… どのような世界から来られた? その判断力は…… 一体どの様にして……」

「……村長。 すまないが、席を外してくれるか? 他の村人達も」

 

 知らなくていい事を知ってしまって、消された。 なんて事にならない様に。

 

「私達は音の3倍の速度で空を飛び、星々を巡る船で月に降り立つ。 そんな世界から来たと言ったら……… ストロノーフ。 お前は信じるか?」

「…………」

「余り驚かないんだな。 正直なところ、私達はこの魔法ってヤツに驚かされてばかりだ」

 

 承太郎は、軽量化が施された騎士の鎧の一部をガゼフに投げ渡す。 引力に全力で中指を立てる技術が(ほどこ)された、承太郎の世界ではオーバーテクノロジーと呼ばれる物だ。

 

 38万km離れた月に行って帰ってくる技術はあっても、重力に喧嘩を売るような技術は無い。 重量を軽くする。 たったそれだけの事が… 現代科学では非常に重要な技術だ。 形を変えたり、素材を変えたりして何万人もの研究者が、その研究に心血を注いでいる。

 

「襲ってきた連中から情報を得る必要がある。 それも早急(さっきゅう)に。 思い当たる節があるなら尚更(なおさら)にな。 状況が変わる前に、打てる手は全て打っておくべきだ」

「承太郎殿は、何故そこまでして?」

「恩がある、んだよ。 ここの村人には…な」

 

 

 

   カルネ村中央広場

ド ド ド

 ぐったりと項垂(うなだ)れている薄着の騎士に、長く伸びた影が掛かる。

         ド ド ド

 近くに誰かが来た気配に気付いた騎士が顔を上げると、 逆光に照らされた数人の人影。 振りかぶられた手には、バケツの柄が握られており…

                  ド ド ド

 バシャァと水の弾ける音とともに、井戸水の冷たい水が騎士達に掛けられた。 一気に覚醒する意識。

                           ド ド ド

 水の冷たさに震えている騎士の胸ぐらを掴み、長身の男が騎士を軽々と持ち上げる。

                                    ド ド ド

「知っていることを全て話しな。 ブチのめされたくなかったらな」

「うぐぐ… 誇りある帝国騎士が… 簡単に話すわけが無いだろう…ッ!」

 

 首を締め上げられ、眉間に血管が浮いた状態だというのに、それでもなお抵抗する。 血液の流れが遮られ、顔が赤くなっている。

 

「お前、名前はなんだ? 言わないつもりなら、お前を今からヌケサクと呼ばしてもらうぜ」

「…ロンデス」

 

 男はロンデスと名乗った。 両手を後ろで縛られ、さらに胸ぐらを掴んで持ち上げられている状態だというのに、それでもなお、承太郎を鋭く睨みつける。

 

「ロンデス。 お前はこれ以上喋らなくていい。 時間の無駄だ。 ハンパなことでは何も事実は言わんだろう。 ……()()()()()()()

 

 承太郎は、ロンデスを片手で持ち上げたまま<スター・プラチナ>を出現させると、目にも留まらぬ速さでロンデスの歯を ベキィイッ! と、()し折った。

 

 噴き出(ふきだ)す血と共に、あれほど強情だったロンデスの口から悲鳴が漏れる。 そして、それを見ているロンデスの同僚達の股間からも、暖かいものが漏れた。

 

「先に喋った奴の無事は保証してやる。 が、後でウソだとわかったら……」

 

 ブチ折ってやるぜ。 と言外に、態度と表情で脅す。

 

「ウヒィィィイイイ!!」

「しゃべるゥ! 全部しゃべりますゥ~~!」

 

 目に涙を浮かべ、我先にと次々口を開く男達。 そして、後ろで見ていた仗助は、悪戯好きな子供のような表情を浮かべると。

 

「アラッ!! なっさけねーッ! もうゲロっちゃうのォ~~~? きさまそれでも軍人かァーッ!」

 

 と、両手を腰に当て、無能な部下を叱責する上官の真似をしておちょくるのだ。

 

(やれやれだぜ… 仗助のヤツ、最近妙にあのじじいに似てきやがったな)

 

 真横で今もなお聞こえてくる、最も我慢強いと信頼していたロンデスの悲鳴。 次は自分の番だと急かされるように聞こえてくる。 恐慌状態に陥った元騎士達は、次々と情報を口にするのだった。

 

 曰く、帝国騎士と言うのは偽装で、実際は法国に所属している。

 曰く、ガゼフ戦士長をおびき出すための罠。

 曰く、村を焼き払って来いとしか言われていないため、これ以上知らない。

 

 う~んあまり情報源として役に立たないなぁ。 なんて思い始めた頃のことであった。

 

 

 

    突如として、上空から輝く光が飛来した。

 

 

ドガァァアアン!!

 

 

 轟音を立てて着地し、土の地面に浅いクレーターが掘られた。

ド ド ド

 吹き上がった小石が撒き散らかされ、着地と同時に工作員を真っ二つに両断する。 光のように見えたのは、宙に浮いた、まるで天使のような4体のモンスターだった。

          ド ド ド

 胸の部分には輝く胸甲を装備し、右手には柄まで燃え上がる炎を纏った細身の直長剣(ロングソード)が握られている。

                    ド ド ド

 背には光の粒を、噴射するように吹き出す1対2枚の羽が生えていた。 その見た目は、何処(どこ)と無く神聖な雰囲気を(かも)し出している

                              ド ド ド

「何ッ! スタンドだとッ!?」

 

 上空から突如として飛来した天使。

 

ズバッ!! ズバッズバッ!!

 

 シャンパンのコルク栓のように、首を次々と()ね飛ばす。

 

 燃え上がり発光している炎の剣は、見た目通りの高熱を発しているようだ。 切り裂いた断面から、ドジュゥゥという音と共に、肉と油が蒸発する不快な臭気を発生させている。

 

 着地と同時に2メートルほど巻き上げられた砂が、引力に囚われ再び大地の元へ戻る間に、20名ほどの工作員を撫で斬りにしていく。

 

「まずいぜ! 犯人が消されてるッスよ!」

「いきなり口封じだってエエェェ――ッ!?」

 

 仗助と康一が、焦りを含む叫びを上げると同時に、承太郎が飛び出す。

 

「億泰! <ザ・ハンド>で天使型スタンドを一箇所に集めろ!」

「了解ッス!」

 

ガオン! ガオン!

 

 億泰のスタンド<ザ・ハンド>が、その防御不能・一撃必殺の(かいな)を振るう。 船が通った後に、航跡が残るのと同じように。 その、腕の軌跡が空中に現れる。

 

ドン!

 

 億泰の『空間を削り取る』能力で敵をこちら側へ瞬間移動させ、全ての天使が慣性によって近くへ集まる。 さらに4人の工作員が、それまでの間に首を刎ねられていた。

 

 承太郎が射程距離5メートルまで近付き、能力を発動させると同時に天使へ突撃。

 

ドォ          『スター・プラチナ ザ・ワールド』           ン!!

 

 一瞬。 瞬きをする程度の時間、世界が暗転する。 そして『時の流れ』が止まる。 剣を振り上げた天使の動きもピタリと止まり、微動だにしない。

 

 まだ<スター・プラチナ>のラッシュを叩き込むには少し遠い。 スタンドの脚力も使い、力強く地を踏みつけるように蹴る。

 

 許容量以上の圧が掛かった大地。 蜘蛛の巣状の裂け目が入り、圧力の逃げ場を求めて鋭角に砕けた土が吹き上がった。

 

「1秒経過…」

 

 一足飛びで距離を詰める。 億泰の瞬間移動によって、4体すべてが射程距離内に入っているッ! 

 

ガン     ガン      ガン      ドゴ      ガゴ      バゴ      バゴ

                                           

オラ オラ オラ オラ オラ オラ オラ オラァァア!!

                                           

   ドゴッ     ドゴッ      ドガ     ガギ     バキ      ガコ

 

 ドラム缶を叩くような、金属音と空洞音を響かせながら次々と打ち込まれてゆく拳。

 

 <スター・プラチナ>のラッシュが命中し、天使の胸甲鎧が砕け散る。 光の粒となって、空中で輝きながら消える鎧。 それはまるで星屑のようで    

 

    !! )

  ゴ ゴ ゴ

 承太郎の表情に、驚愕の色が広がる。

           ゴ ゴ ゴ

(長いッ! 時を止めていられる時間が… 成長しているだと!? 馬鹿なッ…速すぎるッ!?)

「2秒経過……ッ!」

                    ゴ ゴ ゴ

 ガゼフと試合をする前。 ザ・ワールドの効果があるかどうか調べるために発動させた時は、キッカリ2秒だった。 可能性があるとしたら、あの1戦。 空気が歪んで見えるほど集中した、あの死合しか思い当たらない。

                             ゴ ゴ ゴ

「0.2秒か… 止められる『時』が延びたのは…… そして時は動き出す…」

                                      ゴ ゴ ゴ

 2.2秒が経過し、再び時が思い出したかのように刻まれ始めた。 空中で、ヒビ割れた彫刻の如く微動だにしていなかった天使は、<スター・プラチナ>のラッシュを受け錐揉(きりも)み回転をしながら吹き飛ぶ。

 

 <スター・プラチナ>の能力を知らないガゼフや村人は、転移したように接近し、残像すらなく一瞬で打ち込まれたスタンドの拳に驚いた声を上げた。

 

 

 

    だが      

 

 

 

 天使は空中で踊るように回転し、一瞬で体勢を整える。 そう、プログラムされているのだろうか? 攻撃した承太郎達を無視して、縛られていて動けない工作員を切りつけていく。

 

 ヒビが入っているせいだろう。 その動きが、油を差していない錆び付いた機械のようにぎこちない。 先ほどの急所を的確に狙った、首を刎ねてゆく攻撃と違い、左右に剣をやたら振り回すだけの力押しだ。

 

 だが、縛られて動けない工作員には十分らしく、一振りする度に、炎の剣によって殺されていく。

 

 天使が、闇雲に炎の剣を振り下ろす。 それは偶然だった。 剣の切っ先が、縛られていたベリュースの縄を、肉を(えぐ)っただけの怪我で切断される。

 

 運良く自由になったベリュース。 鎧を脱いだため身軽になったのか、驚くべき速度で逃げ出す。 天使の脇を転がるようにすり抜け、村の外へ一心不乱に脱兎の如く駆け抜けていった。

 

 

 

 

to be continued・・・




時間停止対策した状態の人がいたら、オンゲーのラグみたいに感じられるのだろうか?
あまりにも頻度が多かったら、キレたその人に自宅凸されちゃったりして

――没ネタ――

~シャルティアさんが殺害予告するとしたら~

シャル「貴様は(ピー)液を吸って殺すと予告しよう」
アウラ「血液な? いかがわしく言うな」

すきなとこ:アルシェみたいなことはしないのかな(ゲス顔

ボツりゆう:たぶん男は襲わないハズ

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