『スイッチ』を押させるな――ッ!   作:うにコーン

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荒木先生「読者の共感を呼ぶのは勇気だぞ」
    「究極の選択を行わざるを得ない難局を、どうキャラクターが乗り越えるか?」
    「これを勇気で克服するのは、最高のシチュエーションだぞ」

えーえーそうでしょうよ! そうでしょうとも!
蛇口を捻るみたいに、ぽこじゃかアイデアが浮かぶ荒木先生なら楽でしょうよ!
漫画家業が楽な仕事と言っちゃうような人ならね!

ぐぬぬ……!
そんな楽に…出るかッ……! アイデア………ッ!

まぁ、たとえば…… スタンドの力を引き出す、矢尻の元になった隕石とか……
隕石のパワーで出来た悪魔の手の平とか……
考えるのをやめて石に変身したカーズ様だったりしたらおもしろいなぁ~~
究極生物の能力をお裾分け~ みたいな。
そういやジョジョリオンの石化人間って、まんま柱の男じゃね? まぁカーズ様のがよっぽど強いのだろうけど。


遭難した四人 の巻

「じゃ、じゃぁ僕は見張りに戻るよ」

 

 カルネ村・中央広場にて、康一は億泰と仗助に近接防御を任せ、<エコーズact2>を上空へ飛ばす。 スタンドの視界を共有し、グングンと視線が高所へと移動する。

 

 少し高度を犠牲に、<エコーズact2>を旋回させ哨戒する。 念のために攻撃も出来るようにact2で実体化させたが、いくら探しても騎士は見つからない。 全滅させたか壊走しているようだった。

 

 旋回半径を少しづつ大きくする。 家屋や木々により遮られていた視界が、角度が変わったことにより、見えるようになった。 高度を30メートル……10階建てのマンション程まで下げると、村外れに気絶した騎士と、その騎士を調べる承太郎の姿が確認できた。

 

「うーん…騎士っぽい人たちは殆ど倒したか、逃げたみたいだね。 もう大丈夫だと思うよ」

 

 康一が告げた情報に、目に見えて安堵し、胸を撫で下ろす村人達。

 

「ありがとうごぜいます、旅のお方。 あなたがたが村に滞在しておられなんだら、死人が出ているところでした」

 

 転んだ、擦り剥いた。 などの軽い負傷者が出たものの、死者・行方不明者は居ないと、村長から聞かされる3人。

 

「……いや、そいつぁ~おかしいぜ」

「はぁ? なにがだよ。 ぎせー者はゼロなんだろ?」

「億泰よぉ~~ 鎧どもが襲ってくる前に、悲鳴が聞こえたろ。 血のついた剣持ったヤツがいるって康一も言ってンだしよぉ~~」

「村人以外の人が怪我をしているかもしれない、っていう事だよ! 億泰君!」

 

 ハッ!とした顔になる億泰。

 

「マジかよ! 助けにいかねーとヤベーじゃん!」

「村の人たちにも手分けして探してもらおうぜ。 纏まった人数で行動すんならよ~ 鎧のヤツもそう簡単に手出しできねえだろうしよ」

 

 8人の男性に騎士が持っていた剣を持たせ、足らない武器は農具で補った。 そのチームを3つ作り、騎士が隠れていないか、見逃した怪我人がいないかと、手分けして捜索する。

 

 幸いな事に、はぐれた騎士が隠れているような事は無かった。 だが、怪我人も見つからなかったことが、不自然だったのだが。

 

 

 

 

 

 

 

 村外れの草地。 風が吹くと海原のように波打つ丘に、承太郎とブッ倒れ気絶した多数の騎士がいた。 気絶した騎士の装備を外し、ひっくり返したり叩いたりして承太郎が調べていた。

 

「承太郎さん。 無事だったッスか?」

 

 背を向けている承太郎に、仗助が無事を確認する。 言葉とは裏腹に、軽い調子で問う。 信頼しているが…数が多かった為、一応確認したのだ。

 

「ン? ああ、仗助か。 それと村長も」

 

 先ほどまで調べていた兜を、仗助へ適当に放り投げる。

 

「仗助、こいつを持ってみろ」

「うわっ! 軽ッ! なんスかこれ、プラスチックくれー軽いっスよ!」

 

 難なく受け取るが… 予想していた重量より大幅に軽い兜。 少々オーバーな感想だが、身構えていたのに肩透かしを食らった為、その驚きも増加しているのだ。

 

「アルミニウムかと思ったが… 強度がありすぎる。 色も見た目も…… 剛性や弾性に至るまで、鉄だとしか思えないな」

 

 言い終わるや否や、厚さ2cmほどある胸甲部分を、ベギリと()し折った。 なるほど。 確かにヒビの入り具合も、割れた部分からみえる色合いも、鉄の特性と瓜二つだった。

 

 それを興味深そうに見ていた康一は、

 

「特殊な加工が施されているんでしょうか?」

 

 と質問するが、答えは他の3人以外。 予想外の人物からもたらされた。

 

「その鎧には、おそらく軽量化の魔法が掛かっているのでしょう。 帝国の騎士は、魔法を(ほどこ)された高価な武具が、国から支給されると聞いたことがあります」

「帝国?」

 

 バケツのような、生産性を重視した簡素な作りの兜をひっくり返して、

 

(被ったらヘアースタイルが崩れるな)

 

 と、中を覗き込んで考えていた仗助が聞き返す。 彼には、ヘルメットや帽子は天敵だ。

 

 旅人ならば、知らないのもあたり前か。 と、一人で納得しつつ、

 

「はい。 帝国、バハルス帝国の紋章が   その鎧に刻まれております」

 

 と、鎧の一部分を指し、答える村長。

 

「バハルス…帝国、か。 聞いたことは…… 無いな」

 

 承太郎は腕を組んで、記憶を探る。 が… そんな名前の国名は、聴いたことも見たことも無かった。

 

「あ、承太郎さん。 億泰君が隊長っぽい人から硬貨を受け取ってましたよ。 調べればこの国が何処なのかわかるかも」

「そうか。 億泰、見せてみろ」

「これっス。 なんかあいつは金貨がどうとか…って言ってたぜ」

 

 おや?と、承太郎は片眉を上げて聞き返す。

 

「待て… 金貨…? その男は金貨と言ったのか?」

「え? 確かに金貨って言ってたッスよ~~ 持って見ると、なんとなくソレっぽいなぁ。 重いし」

ゴ ゴ ゴ

 ゾワリ、と。 承太郎の背筋に悪寒が走る。 まさか…と、そんなはずが……有り得ない、と。 全身の汗腺が開き、冷や汗が背中を流れる。 違和感に気が付いているのは4人のうち、承太郎以外に誰もいない。

         ゴ ゴ ゴ

「………村長。 あんたは……この『紙幣』という物を知っているか?」

 

 財布から数枚の紙幣を取り出し、村長に渡す。 だが……

                  ゴ ゴ ゴ

「しへい? いや、私どもは辺境の田舎者でして… お力になれず申し訳ございません」

 

 ()()()()()。 この人物は、村長という立場でありながら… 『カネを知らない』 と言うのだ。 返された紙幣を……青褪めた顔色で受け取り、しまう。

                           ゴ ゴ ゴ

「なにか不都合な事でもあったのでしょうか?」

 

 と、村長が不安そうな顔で問いかけてくる。 そこへアレェ~? と、億泰が抜けた声で聞き返す。

 

「なんか変なとこあったッスかあ~? オレは気が付かなかったけどよ~」

「ヤバイ…… この状況はヤバ過ぎるぜ… テメーらは気が付かないのか?」

「………ハッ! そ、そうか!」

 

 仗助が初めに気が付き、一拍おいて康一も気が付いたように顔色を変える。 億泰は… まだ頭をひねっているが、かまわず説明する。

 

「金は既に俺達がいた世界では、価格が高騰しすぎて通貨として使われていない。 1枚で10万円くらいするからだ」

 

 そう。 初期の通貨は、偽造や密造を防止するために、希少金属を材料にすることで解決した。 中でも金は、()()()()()()()()()金属の中では最も『比重』が重い。 なお、現在は金属として最も重いのがオスミウム(22.57)、最も軽い金属がリチウム(0.534)となる。

 

 金の比重は19.32だ。 水の19.32倍重いこの金属は、耐腐食性に優れ美しい光沢を放つ。 融点も1064度と、鉄の1538度と比べ低く、塑性(そせい)にも優れる。(折れたり割れたりせず、しなやかに曲がるということ)

 

 そして、体積と質量を調べれば、それが純金なのか。 それとも混ぜ物がされているのかが計算できる。

 

 美しく、加工が容易で、希少性があり、偽造を見破れる。 これが貨幣に金が使われる理由

   だった。

 

「だが、経済が発展するにしたがって貨幣の増産が追いつかず、デフレが起きるし使いにくいってんで、安いアルミや銅の合金に置き換わったんだ」

 

 金貨として使うよりも、溶かしてインゴットとした方が得。 そんな経済状況になりかねないのだ。

 

 そして、これが現在日本で使われている硬貨の材料。

 1円   アルミ

 5円   黄銅(真鍮)

 10円  青銅

 50円  白銅

 100円 白銅

 500円 ニッケル黄銅

 

 つまり、と一拍おいて承太郎は3人に向かって、丁寧に教えるように話す。

 

「俺たちは()()()()()()()()()()()に。 ()()()()()()()()()()()()… ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()! と言うことなんだぜ!」

「エッ! するってェ~とぉ~… つまりィ… 俺達が居る場所は、モノスゲー過去で遠くってことですかイ!?」

「未来… ッて線もあるぜ億泰…」

 

 ようやく状況が飲み込めた億泰の額に浮かぶ汗。 混乱した思考は上手く言葉をつむげず、もどかしさからか、手を上下にシパシパと動かしながら、億泰は問いかけた。

 

「オ、オレぁ~ ただのコスプレ野郎だって思って、ブチのめしちまったよ!」

「こいつぁ~グレートっすよ~ さっきの鎧の男は本物の軍人の可能性がある! ッて事ッスよね! つまりバックには国がいるっつーこと……」

「ただのスローライフな田舎地方じゃあなかったのか… ガスも電気も水道も無い…… サバイバルなんて、ぼくには無理だよぉ…」

「だが、それ以上にヤバイのは…… ()()()()()()()()()()()()()()()()()ッてことだぜ……」

 

 全員が押し黙る。 長い沈黙が続くかと思われたが、億泰によって唐突に破られることとなった。

 

 「ああ~ッ! そ、そういえばよォ!」

 

 全員の視線が億泰に集まる。

 

「そお~いやぁなんでここの人たちに日本語通じてんだ? ここって外国のはずじゃぁないの?」

 

      「「「 !! 」」」

 

「そ、そういえば言ってる言葉と口の動きが違うような… 思いっきり状況に流されてたよ!」

「グレート! この衝撃的な状況はよぉ~ まるでSFだよなぁ~」

「決まりだな。 ここは俺たちの知っている世界ではないッ!」

 

 億泰の一言に全員の表情が驚きに変わる。 億泰なのに!と言うことでは決してない。

 

 1度か… 2度以上かもしれないが…… 核戦争か、もっと()()()()()()で文明が滅びを迎えた。 そして繰り返される()()()()()()。 そんな想像に、顔を青褪(あおざ)めさせる承太郎。

 

 そして   気付いていながら()()()ソレを承太郎は黙っていた。 最初に耳にした際は、マジックペンやマジックテープのような、便利な何か。 の、事と… 思っていたのだが…… どうやら見当違いだったようだ。

 

 それは、魔法。 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だと認識されているこの世界。 そんな世界に、重量を軽減する   ()()()()()()()()()がある……(いびつ)さ。

 

 康一のスタンド能力を使えば、重量を増やす。 つまり、質量を操作することが出来る。 

 

   だが。

 

 操作、変更出来るのは()()()()()の物質のみだ。 強度はそのままに軽量化したら… 誰が使おうと、どれだけ離れようとずっと軽いままになる  など……()()()()()

 

 この世界の住民は、思いつかないのだ。 思いも寄らないのだ。 精々、鎧を軽くして楽が出来るようになる程度の技術としか、思っていないのだ。 精製が困難で、()()()()()()()()()()を使わずに()()()()()()ことが可能かもしれない。 などとは……… 想像すら出来ないのだ。

 

(高度に発達した科学は魔法と見分けが付かない。 か………)

 

 アーサー・C・クラークの言葉が、承太郎の心に重く()()かる。 彼ら四人は…この、不自然な世界で   『遭難』した。 

 

 

 

 

 昼過ぎ、太陽がやや傾いてきたくらいの時刻。 カルネ村を襲った騎士風の集団は、完全に無力化された。 武装解除され、武器防具を失った騎士達は、驚くほど素直に従う。 腕を後ろ手に縛られ、まとめて中央広場に座らされている。

 

「テメーらにはよぉ~~ 聞きてぇコトが山ほどあっけどよぉ~~」

「しばらくそこで日干しになってろよ」

 

 不良2人に反省してろと、1つも日陰のない場所に放置される、元・騎士達。 初夏の陽気がジリジリと肌を焦がす。 脱水させ、判断力を鈍らせる狙いのようだ。

 

   所は変わって、カルネ村・村長宅。 土間のような場所に大きめのテーブルと数脚の椅子がある。 室内には村長夫婦と、承太郎、億泰、康一 仗助の6人。 村内で最も大きいとはいえ6人もいると少々手狭だ。 

 

「お待たせしました」

 

 柄の無い陶器のカップに麦茶を注ぎ、全員に配る村長の妻。 億泰が教えた…大麦を炒って煎じるだけの、ちょっとした工夫。 それは、すでにこの村には根付いている。

 

「あー… そういやぁーオメー自炊するんだったな…」

 

 半目で、似合わねぇー という視線を送る仗助。 ずっと外食するワケには行かないのは、わかっているが…ソレはソレ。コレはコレ、と。 その顔で料理かよ、と失礼なことを考える。

 

 そして、背筋を伸ばして「あらためまして」と村長が、

 

「私達の命を助けていただき… 本当に…… ありがとうございました」

 

 頭を下げ、続くように村長の妻も感謝の言葉と共に頭を下げた。

 

「あのままでは私達は… 成すすべも無く殺されていたでしょう。 本当に… 本当にありがとうございます。」

「村長、頭を上げてくれ。 何度も言っていることだが… 俺達は偶然助けることが出来ただけだ。 ……結果的にそうなったに過ぎない」

 

 頭を下げたまま、左右に首を振る村長。

 

「いえ… そうだとしても私達の命が助かった事に違いはありません。 本当に感謝しているのです。 お礼をさせて頂きたい」

「そうか… だったら俺達に手を貸して欲しい。 実はトラブッて道に迷ってしまってな。 この辺の地理や、どんな国があるのか等を知りたい。 地図があると(なお)の事助かるのだが」

「それくらいでしたら、お安い御用です」

 

 地図を取りに行っていた村長の妻が、「失礼します」と室内へ入ってくる。 遅くなって申し訳ありませんと謝罪しつつ机に手書きと思われる、あまり緻密ではない地図が広げられた。

 

 等高線どころか縮尺すら怪しい地図。 モヤッとした配置の山岳地帯。 文化も科学も、知れば知るほど…この世界の時代は中世だとしか思えない。

 

   考えまいとしていても、嫌でも頭によぎる、ある答え。 元居た世界には戻るのは絶望的なのでは、と。

 

 目を硬く閉じ、歯を食い縛る。 揺れる心と弱い考えを、握りつぶす。 そして、必ず戻ると心に誓う。 愛する家族のために。 妻と娘の元へと、必ず。

 

「私達の村はこの地図の中央部にある『トブの大森林』という森の南部にあります。 これが私達の村『カルネ村』です」

 

 村長が地図の中央部を指差す。 かなり大きめの森林のすぐそばに村がポツンと書かれている。 ススッと指が動き、すぐ下の要塞都市を指す。

 

「すぐ南にあるのが『エ・ランテル城塞都市』です」

 

 トントンと指が地図上の左右の首都を叩いた。

 

「そして地図の西にあるのが『リ・エスティーゼ王国』で、カルネ村とエ・ランテルは王国所属です。 東にあるのが『バハルス帝国』で、王国と帝国は現在戦争中です」

 

 指が地図の上から下までをなぞるように、山岳を示す絵をなぞっていく。

 

「この山岳によって二国間はこの、エ・ランテル城塞都市の部分で分断されています。 なので、このエ・ランテルで毎年のように争っています。」

 

 最後に地図下部の一際大きい国の部分を示した。

 

「南にあるのが『スレイン法国』です。 この国には人間種以外住んでおりません」

「ん? ()()()()()だと? この世界には人間以外に知的生物が存在しているのか?」

 

 村長は不思議そうな表情をすると指折り説明していく。

 

「はい、そうです。 人間種は他に、山小人(ドワーフ)森妖精(エルフ)がいます。 そして亜人種の子鬼(ゴブリン)豚鬼(オーク)、人食い大鬼(オーガ)がいます。 こちらは、集落や小さな国のようなものを作ることもあります」

 

 エ・ランテル城塞都市を、村長の皺が刻まれた指が指し示す。

 

「このような大きな都市には『冒険者ギルド』がありまして、このような危険なモンスターを…… 報酬次第ですが…… 退治している『冒険者』の人たちがいます。 こちらには魔法を使える方々もたくさんいますので、もしかしたら私達よりもお役に立てるかもしれません。」

 

 予想外の単語が次々と出てくると、承太郎を含む4人はさらに困惑する。

 

「おいおいおい… モンスターに魔法使い、さらには冒険者って… マジかよ…」

「だがこれで1つ解ったことがあるな。 この状況…… 世界と言ってもいい。 なんらかの作為的な力が働いているッてことだ。 それならば、必ず杜王町に帰る方法がある!」

「何らかの『スタンド能力』って可能性もあるってことですよね。 つまりはそれを解除する方法も……」

 

 

 

 

 仗助は、昔読んだ… 今では殆ど内容を忘れてしまった、とあるフィクションを思い出す。

 

 汚れた大地。 腐敗した海。 死の風が吹きすさぶ、未来の地獄。 地軸すら曲げられた、人類のツケ。 そんな環境で、人類は地下に逃げ込み、かろうじて生きていた。

 

 1人遺された、孤独な科学者。 孤独に耐えられず、遺伝子操作し、最悪な環境でも生きられる生物を……創った。 やがて訪れる最悪の事故。 逃げ出す怪物、人間モドキ。 そして… 造られた新たな人類…… 亜人。 亜人は、自身の種を創造した科学者を、主人と呼び、父と呼び、神と呼ぶ。 我々は、神の手によって生み出された、唯一の存在なのだと。

 

 魔法のような、超科学。 大地を跋扈(ばっこ)する、伝説の怪物。 剣と魔法のファンタジー世界は、滅びた超文明が残した、ただのツケだったと。 そんな…… 夢の無いストーリー。

 

 ブルリ、と震えが起きる。 見渡す限り広がっている、未知の世界。 世紀末な環境よりかは幾分マシかと、そう、納得させる。 母親や、歳の離れ過ぎた父や、友達や…… かけがいの無いものを残して来てしまった。 必ず戻ると、方法はあると奮い立たせる。

 

 そう。 俺達の、僕達の、私達の奇妙な冒険は…… いま、始まったばかりなのだから。

 

 

 

 

 

to be continued・・・




――没ネタ――

~~リィジー婆=エンヤ婆~~

リィジー「しくしく、しくしく。 心の清い、我が愛する孫…ンフィーレア」
    「…………ケェ   ッ!」
    「だからうれしいんじゃよォ~~ッ! テメーをブチ殺せるんだからなぁ~~~ッ!」
    「脳みそズル出してやるッ! 背骨バキ折ってやるッ!」


すきなとこ:こわい。
      深い愛情による、燃え盛る憎しみ。リィジーが孫の死で狂っちまう。
      原作に無いリィジーの見せ場、来たる!?

ボツりゆう:こわい。
      『まだ』ンフィーレアが死ぬワケにはいかない。
      リィジーの戦闘スタイルとか使える魔法とかわからない。
      ハサミ振り回すのかな?

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