そんな彼方にアザレアの花束を   作:ゐろり

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皆さんおはヨーソロー!ゐろりです。
さーて今回からはアニメの内容に沿って進めていきます。
でもすんごーーくオリジナル展開があります。
多分一話あたりに五話くらいのペース何じゃないかな・・・
まあ、どうにかなると信じてます。

そして、皆さんのおかげでお気に入り100件超えました!本当にありがとうございます!
それではどうぞ!


第二章~きっと彼は何かを求めている~
第九話~転入の彼方に~


 

~前回のあらすじ~

ようちかに騙されて浦女が地下にあると思ってた彼方。地下にある学校って確かにかっこいいけど…

 

 

…視線が痛い。高海達と別れてからというもののとにかく見られる。きゃー僕ちゃん人気者ー(棒)

どうにかして職員室に到着。

「失礼します。この度浦の星女学院に編入することになりました江口彼方です。」

「おー君が江口君ね。私は今日から君の担任の沢木狐々音。よろしくね♪」

そう言いながら現れたのは若干つり目がちな女性だった。

「にしても本当に男の子だね…一応上から話は聞いてたけどやっぱり緊張するなぁ」

「それはお互い様ですよ…ここに来るまで不審者を見るような目で見られましたから」

「まぁこの地域はそもそも男性が少ないからね。めずらしがってるだけだと思うよー」

「だといいんですがねぇ」

そのあと学校での諸注意などを聞いてからホームルームが始まるまでは自由時間とのことなのでダイヤさんに挨拶に行くことにした。

階段を登って生徒会室を見つけ歩いていくとなにやら声が聞こえてきた。

「―――いなければ―――しかねます!」

「―――なぁ!」

ここからじゃ声がよく聞こえないな。もうちょい近づこう。

「渡辺じゃんか。ここでなにしてるんだ?」

「ありゃ、彼方君。」

何故か生徒会室の前でドアにべったりくっついてた。

「いやぁ中で千歌ちゃんと生徒会長がね…」

「はい?」

そう言われて生徒会室の中を覗くと…

 

「私が生徒会長である限りスクールアイドル部は認めないからです!」

 

いや、何があったんだ…

 

しばらくすると高海が出てきた。

「はぁ…ダメだって」

「そりゃそうだよ…」

「渡辺から大方の事情は聞いた。高海、お前アホだな。」

「だーってぇ…」

つまり事情はこうだ。スクールアイドル部自体浦女には存在してなかったらしい。じゃあ作ろうと立ち上げたわけだが部員が足りないので集める事にした。だがその行動自体に問題があった。

ただでさえ入学者数が年々減っていて新入生が貴重なのにまだ部ですらないスクールアイドル部(仮)が部員をかっさらっていくのは如何なものかと。

「これはダイヤさんの方が言ってることは正しいんじゃないか?」

「でも部員集めてきてもスクールアイドル部は認めない!って言われたんだよー?なんで…」

すると渡辺がばつが悪そうな顔でボソッと言ってきた。

「…嫌い、みたい」

「「え?」」

「前にクラスの子がやろうとした時も断られたみたいで…」

うむ…これはいささかおかしい。こないだ会った時なんてμ'sの話でえらく盛り上がったんだ。嫌いなはず無かろう。とんでもなく矛盾してる…一体なんで…

「あ、そろそろホームルーム始まる!」

「マジか。また職員室戻らないと…」

取り敢えず今は難しい問題よりも目先の事に集中せねば。

「じゃあまたあとで!」

「うん、あとでねー!」

高海達と別れて職員室に向かうと既に沢木先生が出て来ていた。

「あ、沢木先生!お待たせしてスミマセン。」

「ほんとだよーladyを待たせるなんて紳士失格だゾ?」

「いや紳士って…」

しかもladyの発音が最高にかっこよかった。この人英語教師なんだろうなー…

「じゃ、行こっか!」

「はい!」

しばらく歩いて教室の前につく。

「じゃあ合図したら入ってきてね」

「承知しますた」

まぁ、転校生だったら定番だな。

とりあえず外から先生の自己紹介を聞くか。

「皆何ヵ月かぶりだねー一応今年もこのクラスの担任やる事になった現国の沢木だよん。よろぴくぴく~」

はぁぁぁぁ!?なにあの人現国担当なの!?英語じゃないの!?騙された…

「さーて皆顔見知りだし本当ならこのまま色々連絡して終わりなんだけど今日は新しい仲間が入ってくるんだー」

先生のその発言をきっかけにクラス全体がザワザワしはじめた。何故か高坂さんが持ってた賭博黙示録みたいに。ほんとなんであれ持ってたんだあれ…

「じゃあ入ってきてー」

緊張した時は軽く深呼吸してから膝を叩けって前に絵里ねぇから言われたことがあった。さて、じゃあ深呼吸して膝を叩いていきますか!

扉を引いて堂々と教室に入った。

「はじめまして。この春からこの学校に転入してきました江口彼方です。男子なので皆さんに迷惑をかける事になりますが何卒お願いします。」

そう言って頭を下げた。これは無難にすんだはずだ。

…おかしいな、拍手がない。こういうのって普通どんなに滑ってもつまんなくても拍手くらいはするもんだよね?

恐る恐る顔を上げた瞬間だった。

「きゃあああああああ!!」

「…え?」

やっぱり普通に考えて受け入れられないよなぁ…

「安心していいよ。あれはみんな好意の悲鳴だから。」

「はぁ…」

なんだかよくわからんけどとりあえず失敗はしなかったみたいだった。

「ヤバい、超かっこよくない!?」

「声、声がたまんないわ…」

「私、神様の存在を一生信じ続けます。」

「首輪つけて調教したいわぁ」

おい最後言ったの!それはダメなやつだ!このクラスで大丈夫なのか俺…

「はいはい皆静かにねー。じゃあ彼方クンは…曜ちゃんの右ね!」

「はい…ってえ?」

曜ちゃんってまさか…

「彼方君やっと気づいた…」

「渡辺!マジか、一緒のクラスだったとは…」

「私もだからねー!」

「高海もかよ…」

でも少しだけ安心した。顔見知りがいるだけでかなり心強い。

しかし、そう思ったのも束の間だった。先生が簡単に連絡を済ました後のことだ。

一応こんなんでも転入生。そりゃあ多少の質問攻めは覚悟してたさ。それにこの辺りじゃあんまりいない男子だ。相当コミュ力があるやつじゃないと話しかけるなんてそうそうないだろうと思ってた。

 

しかし、いつだってイレギュラーは起こりうる。

 

先生が教室出た途端に横から高海のやつが

「彼方君に質問がある人じゃんじゃん来てね!」

って煽りやがった。そのせいで今はと言うと…

「好きな食べ物は!?」

「み、みかんとサンドイッチ」

「どこから来たの!?」

「東京だ」

「彼女は!?」

「いたらよかったなぁ…」

「スリーサイズは!?」

「上から85、59、73」

「私、負けた…」

「嘘だよ(汗)」

女子にだってこんなボンキュッボンな人いないだろう…

とまあこんな感じに四方八方から質問が飛んでくる次第である。おのれ高海のやつ…!

結局、俺が帰れたのは一時間も後の事だった。

 

 

 

~おまけ~

「私のペットになってください」

「丁重にオコトワリシマスッ」

さっき「ペットにしたい…ハァハァ」って言ってたやつだ。お前マジでだれだよ…

 




さて、いかがでしたでしょうか?
次回からはオリキャラの嵐が来る予報です。
ご注意ください。
ではまた!

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