そんな彼方にアザレアの花束を   作:ゐろり

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更新遅れてしまって大変申し訳ありません!!
リアルで学校始まって疲れとか宿題とかいろいろ溜まっていまして…(言い訳)

一応今回でAqoursは全員登場します。それではどうぞ!


第七話~沼津の彼方に~

~前回のあらすじ~

彼方はかなり情緒不安定だったみたい。そして今の彼方を作るにあたって絵里の協力が大きかったらしい…

 

 

~そして舞台は静岡県に戻る~

「…とりあえず状況を整理させてください。」

「え、えぇ…」

この様子を見る限りだと生徒会長、μ's大好きなんだろうなぁ…

「えーつまりあなたの従姉妹にあたる人がかの有名な小泉花陽であなたはμ'sの皆さんにお世話になった、と」

「はい…まんまですがね」

「なんと…なんと羨ましい!あの存在そのものが伝説のμ'sが親族にいるだけでなく面識もあったというなんて!」

予想以上の食い付きだこりゃ…ちょっとした話題提供のつもりが変なボタンを押しちまったみたいだ。押してポチリ~

「生徒会長…μ's大好きなんですね。ちなみに推しメンはいたりします?」

「私はエリーチカが大好きなんですの!生徒会長を務めながらスクールアイドルを兼任するその賢さ!目が覚めるような鮮やかな金髪!そして透き通る歌声!完璧ですわ…まさにKKE!」

よかったな絵里ねぇ。外部からはこう見られてたみたいだぜ。内部でのあんなポンコツやこんなポンコツは絵里ねぇのささやかな名誉のために黙っておくとしよう。

「あーそういえば今度μ's全員で家に来るみたいなこと言ってましたねー」

「………っ!?いつ、いつですの!?最高級のおもてなしをさせてもらいますわ!」

「いつかはわかりませんけど…………えっとですね、近いです…」

「…はっ!?////」

自分の好きな事になると回りが見えなくなるって誰かにそっくりだよなぁ。ダレカタスケテー

「まぁ来たら連絡しますよ。多分かよねぇ達も喜ぶと思いますし」

「なら電話番号を交換しませんか?毎回うちまで来てもらうのも悪いですし…」

「本来ならマリーの指示が無ければうちに帰ってたところですからね…いいですよ。番号、交換しましょうか」

一応高校に入ってからスマホというものを使っているがいまだに使いこなせない。全部ダイヤさんに任せてしまってなんとも情けないという…

そのあともμ'sについてダイヤさんと日が暮れるまでたくさん話した。やっとの思いで家路についた時は既に6時を過ぎていた。come back!俺の休日!

 

 

~その日の夜~

…よくよく考えると今日は色々ありすぎましたわ。とある事情から我が浦の星女学院に男子が来る事を鞠莉さんから聞かされた上にその男子をうちに向かわせたと言うのですから。

この辺りに男性は珍しく多分、本来なら緊張して焦ってしまったでしょう。ですが今日の私は話すだけに留まらず連絡先の交換までしてしまったのです…!

そこまで出来たのもあの少年とμ'sの話で盛り上がれたからですね。フフッ…

今度ルビィにも紹介してあげようかしら。あの子はかよちん推しですからきっと心底驚くんでしょうね…

本音を言ってしまえば今日だってルビィも呼んで一緒に話したかった。しかし、それはもうできない―――――

二年前の、あの出来事以来私はスクールアイドルを"嫌い"だと振る舞ってます。果南さんがああなってしまった今、胸を張ってスクールアイドルが好きだなんて言えませんからね。でも彼の前だけなら本当の自分をさらけ出してしまってもいいのでしょうか?私だって人間なんです。いつも気を張ってるのはひどく疲れるのですよ…。

 

 

~翌日~

今日は浦女の入学式の前日。つまり最後の休日である。そもそも休日とは休む日と書いて休日である。休まなければ休日じゃない。

ということでニコニコ動画を開いた。お気に入り登録してる動画を選ぶ。

『さて、今日も魔界からの使者、堕天使ヨハネが貴方を地獄の底へ誘うわ…』

堕天使ヨハネ、この娘の動画が俺のお気に入りだ。素なのかキャラづくりしてんのかは謎だが普通に可愛い。それに好きな事に全力で取り組む姿勢は嫌いじゃないしな。

その他の動画も一通り目を通してたら午後になっていた。昼飯を作るのも面倒なので沼津まで行くことにした。

 

…ほどなくして沼津に着いたがここでアクシデント発生。たまたま通りかかった本屋さんの前で二人の女の子がこれでもかというくらいの文庫本を抱えていた。おいおい大丈夫か…?

「る、ルビィちゃん大丈夫ずら?」

「う…うん…なん、とか…!」

流石に見てられなくなった俺はちょっと手伝いに行くことにした。これを無視するのは夢見がわるい気がするしな。

「なあ、そこのお二方。良ければ手伝うけど…」

赤髪ツインテールの女の子の肩をつついて話しかけた。しかしこれがいけなかった。

「えっ…」

「あっ」

「ぴぎゃあああああああああああああああああああ!!」

なんとびっくり。この小さいからだのどこからそんなスピーカーみたいな爆音だせるんだ…!

俺の鼓膜さんが悲鳴をあげる。

『ヤバい。これはヤバい!』

と。

「ま、待ってストップ!すまん、悪かった!」

「二人ともお、落ち着くずら!」

 

…程なくして俺達はどうにか落ち着きを取り戻した。

「さっきはいきなり話しかけて悪かったね」

「いえいえ…ほらルビィちゃんも」

「ぴぎっ…え、えっとぉ…そのぉ…」

…確かにいきなり話しかけてビックリさせたのはこっちがわるいけどさ、そこまで怯えますかね?あれ、目から熱いものが…

「ち、ちがうんです!ルビィちゃんは男の人が苦手で…」

「ああーそういうことね。良かったー…」

危うく引きこもるところだったぜ…

「あ、おらは国木田花丸っていうずら」

「俺は江口彼方だ。で、そちらの赤髪の子は?」

…ダメだ。花丸ちゃんを盾にして全然出てくる気配が無い。

「えっと、この子は黒澤ルビィって言います。」

そこまで聞いてはて?と思う。黒澤ってもしかして…

「あれ、君ってダイヤさんの妹?」

「お、お姉ちゃんを知ってるんですか!?」

「お、おぅ…」

急に元気になったルビィちゃん。どうやらこちらから話題を振ればしっかり答えてくれるみたいだ。

「この間ダイヤさんに会う用事があってね。そこで話してから顔見知りになったんだ。

それより荷物があったんだろ?手伝うよ」

「ありがとうございます!ちょっと買いすぎてしまったずら…」

ちょっと…?文庫本軽く50冊を越えてる現状でちょっとですか!?

「よいしょっと…あ、黒澤の分俺が持つよ。大変なんだろ?」

「え、いいんですか…?」

「当たり前だ。目の前で怪我でもされたらダイヤさんに申し訳立たないだろ?」

いくらコミュ症とは言え一般教養くらいは備えてる。ありがとう海未さん…

「さーて、じゃあ時間無くなっちゃうし早く行こうか」

「「は、はい!」」

こうして俺は国木田の家であるというお寺まで付き添った。そして昼飯を食べ損ねた上にルビィちゃんを怖がらせないようにあの手この手考えてたらあっという間に1日なんて過ぎてしまった…

 

サラバ、俺のholiday…




さて、次回からはアニメに沿って進んでいきます。
オリジナル展開もいろいろ混ぜていくのでお楽しみに!

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