そんな彼方にアザレアの花束を   作:ゐろり

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ついこの間始めたばかりのコラボ企画に新たな仲間が増えました!
伊崎ハヤテさんです!
この二人と最高の作品が作れるように精一杯精進していきます。
二人のページのリンクを貼っておくのでぜひ二人の作品も見てください!
伊崎ハヤテさん→https://syosetu.org/?mode=user&uid=71788
なこHIMさん→https://syosetu.org/?mode=user&uid=146801


第四話~網本の彼方に~

~前回までのあらすじ~

引っ越してきたはいいが転入先の学校名を聞いてなかった彼方。それを機に自分の過去を話せざるを得なかったのだが耐えきれず涙。羨ましいことに曜ちゃんからハグされてた。爆発しろ(切実)

 

 

………やっちまった。

「うがあああああ!会って間もない女子に抱きついた挙げ句泣きわめくってどんな羞恥プレイだよ!」

結局あのあと俺が落ち着いた頃にはとうに日がくれていた。渡辺は終バスを逃したみたいで高海んちのトラックで送ってもらってた。本当に情けないやら申し訳ないやらで…そして家に帰ってきた。そろそろ風呂に入ってさっさと寝たい…現代っ子風に言うと号泣ワズ、帰宅ナウ、入浴ウィルって感じだな。俺には似合わなかった…

 

 

翌日、俺はとある場所へ行くため淡島へ戻ってきた。

「お、江口くんおはよー!」

「ああまつうr…果南おはよう。」

淡島には果南の家がやってるダイビングショップがあるから船から降りると遭遇することが多々ある。まだ二回しか来てないけど。

「今日はなんの用事?」

「あぁ、あそこの淡島ホテルってところに用があってね」

「ホテルに?なんでまた…」

…気のせいだろうか?果南、淡島ホテルって単語に反応してた気がする。

「正確にはホテルの支配人をしてる人とそのご令嬢に用があってね…」

「…………………そっか。なら私はもう行くね。」

「え?あ、おう…」

…やっぱりおかしい。何かあったのか?気にはなったが無理に聞くのも野暮かと思ってそのまま足を進める事にした。

十分も歩くとホテルに着いた。こんなでかいホテル一生かかっても泊まれない気がする…

フロントで要件を伝えると最上階に案内された。

「し、失礼しまーす…」

「Hi!君が今年から浦女に転校してくるboyね!」

「は、はい。江口彼方と申します。」

「私の名前は小原鞠莉。気軽にマリーって読んでね!」

「は、はぁ…」

この人テンション高すぎじゃね!?疲れないのかなぁ…

「あれ、小原さんのお母さんは…」

「NO!マリーよ、マ・リ・ー!」

「マ、マリー… それでマリーのお母さんは?」

「あぁママならさっき東京に行ったよ?私は要件を伝えるだけだから一人でも大丈夫だけど…」

マリーはそこで言葉を切るとチラリとSPを見て

「崎元、大谷、しばらく部屋の外に居なさい」

SP達は無言で頷くと音も立てずに部屋を出た。マリー強い。

「…どうやらあなたのママの所に行ったみたいね」

「っ!?」

…そうだった。そういえばマリーの母は俺の母さんの友達だったんだ。ならばまた事情を話さないといけないな…昨日あんな事になった手前できれば話したくないが…

「…えっと「stop!」」

「キミの事情はママから聞いてるよ。辛い過去を無理に思い出したくないでしょ?」

「…大変助かります。」

「My preasure!気にしないでね!」

この人はテンション高いだけじゃなかった。相手に対する心遣いができて、フォローも忘れない。SPを外したのもこの会話を聞かせないためだろう。この人学校では後輩にモテそうだな…

「それで、今回はどんな要件だったんですか?」

「oh!忘れるところでした!カナタ、あなたにpresentよ!」

「…これは制服ですか?」

「yes!これが浦女でのカナタのpopular fashionよ!」

「…………………………って!これ女子用じゃないですか!俺に女装させる気ですか!?」

いくら女子校に行かねばならないとはいえ流石に女子服は無いだろ!マジで不登校になるぞ!?

「…ごめんね。私も頑張ったんだけど…」

「そう萎れないで下さい、なんか責めづらいじゃないですか…」

「カナタ…優しいのね」

「紳士は女性に優しいんですよ…」

「じゃあ試着しよっか♪」

「絶対イヤです」

そのあとも不毛な言い争いが続いた結果俺が折れた。十千万でバームクーヘン受け取ってもらうより疲れた。そして今の俺の姿はと言うと…

「………どうしてこうなった」

「あっははははははははは!!!今のカナタ最高にcuteよ!」カシャカシャ

「ちょ、写真撮らないで下さいよ!」

浦の星女学院の制服(♀)を着ていた。く、くそぅ…死ぬほど恥ずかしい!これからこれを着て登校とか考えたくない。もういっそのこと駿河湾に沈めてくれ…

「あ、ウィッグとメイクセットあるけどどうする?」

「丁重にお断りいたします…」

しかしどうした物か、本当にこれを来て毎日登校…

「さぁーてジョークはここら辺にして…」

「やっぱそうですよねよかったーーー!」

断言出来る。今が人生で一番嬉しかった。つまんない人生おくってきたなぁ…

「はい、これがキミだけの制服よ。特注で作ったんだから大事にしてね♪」

「はい、もちろんです!」

女子服で登校しなくて心底良かった…

「あ、因みにあの女子服って洗濯した方が良いですかね?」

「あら、それ私のだから気にしなくて良いわよ?」

「えええええええ!?」

 

 

続いて俺は三津に向かっております。本当なら帰りたかったのだけど…

『うちの学校の生徒会長の家に行ってきてちょうだい!』

『…なんでまた』

『あの娘男の子と話すの慣れてないから入学式までにはね?』

『えぇ…めんど『カナタの女装写真の拡散準備なら整ってるわよ?』喜んで向かわせて頂きます!』

というわけである。今思えばこれは詐欺、あるいは脅しなんじゃないか…?しばらく彼女には逆らえそうにない。

「んで生徒会長様のお宅は…ってうおおおでけえええ!」

ヤバイだろ、でかすぎだろ!昔の武家屋敷かよ!?戦闘中やったら最高に面白そうである。

「すみません、江口彼方という者なんですが黒澤ダイヤさんはいらっしゃいますか?」

「はい、私がダイヤですが…あなたが鞠莉さんが言っていた方ですの?」

「は、はい。一応そういうことには」

「わかりましたわ。ではこちらへ」

綺麗な黒髪にすらりとした足。端正な顔立ちと典型的な大和撫子ってかんじだ。海未さんに似てるかな…?

まぁ何より「ダイヤ」っていう名前に驚いたけどね…(笑)

そして言われるがままにダイヤさんに付いていってるとでっかい部屋に案内された。そちらへ、と座布団を指されたので座ることにした。

「改めて初めまして。浦の星女学院で生徒会長を務めております黒澤ダイヤです。」

「こちらこそはじめまして、今年から浦の星女学院に在籍させていただきます江口彼方です。」

……会話終了。すっげーデジャビュを感じるんだが!?というかこの初々しいかんじがなんとも…

「お見合いみたいですね…」

「なっ…//////」

アレ?おかしいな…俺精一杯ボケたつもりなのに…

「あ、あ、あなた!言うに事欠いてお見合いなんてワード普通出します?!破廉恥ですわ、とても破廉恥ですわ!」

「あ、すみません…場を和ませようと思ったのですが逆効果だったみたいですね」

「え………?そ、そういうことでしたの…こちらも急に立ち上がったりしてすみませんでした…」

ちょっと激情型だけど自分に非があるとわかればしっかり謝ることができる人なんだな…人間として尊敬したくなる。

「因みに俺の入学経路については知ってるんですか?」

「ええ、鞠莉さんから…大変でしたのね」

「まぁ…でも今は支えてくれてる人がたくさんいるので。東京でお世話になった人たちには感謝してもしきれませんよ。」

「東京で江口さんがお世話になった方々?」

「ええ、まあ自分の従姉妹にあたる人なのですがね。生徒会長μ'sって知ってます?」

その瞬間生徒会長の表情が変わった。今まで(o^-^o)だったのがw(゜o゜)wって具合に。ちょっと極端だったかな…

「あなた…μ'sの方が親族にいらっしゃいますの…!?」

「え、えぇ…かよねぇ―――小泉花陽は俺の従姉妹にあたります。」

「えええええええ!?」

…さてさて、先が思いやられる今日この頃。




さて、どんどんaqoursのメンバーが増えていきますね!
これからもよろしくお願いします!

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