そんな彼方にアザレアの花束を   作:ゐろり

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えー、みなさん。おひさしよーそろー!
という無理な挨拶もそろそろやめにしたいゐろりでございます。
さて、受験がとうとう三週間前に終わりました。
・・・何が言いたいかはもうお分かりでしょう。

更新滞ってしまい大変申し訳ありませんでした!!
言い分けはしません、これからはもっと頻度あげていきます!(フラグ)
さて、今回は曜ちゃんとのお泊まりの翌日です。
それではどうぞ!


第二十話~悪戯の彼方に~

~前回のあらすじ~

あのあと結局二人でいちゃついた曜と彼方。もうお前ら早く付き合えよ…と思わずにはいられない、今日この頃だった。

 

 

 さて、色々あって曜と一晩共に過ごした俺だがこれがまぁ驚くほど眠れなかった。

 そりゃあそうだろう。となりで美少女が、それも自分の好きな女の子が無防備に寝ているのだ。眠れる事の方がおかしい。そんなこんなで現在朝五時。いまだに一睡もできていないです。

「今日が休みだったのが幸いだな。学校あったら間違いなく死んでたよこれ・・・」

 眠れない?じゃあ別のことをすればいいだろう。そう考えるのが普通だ。俺だってそうしたいさ!

 

 ・・・横で俺の(正確には曜の父親の物だが)寝巻きの裾を大事そうに握る曜がいなければなぁ

 

 さらには振りほどこうとすると眉間にシワがよって裾を握る力が強くなるのだ。なんならさっき振りほどこうとして

「やぁ・・・行かない・・・で・・・」

と、言われる始末だ。離すわけなかろう!

 どうしようかとあれこれ考えてたら横がモゾモゾと動き曜が起き上がった。

「ん・・・おあよ、彼方君・・・」

「おはよーさん、曜。随分早く起きるな」

「まーねぇー・・・スクールアイドルだけじゃなくて飛び込みもやってるからね私。日々の鍛練が大切なのだー!」

「鍛練って・・・こんな時間から?」

「そうだよー。あさのうちにやっとけば色々好都合だから」

「へーぇ・・・すげえなお前。俺は眠い・・・悪いが少しだけ寝させてくれ・・・」

 曜には悪いがちょっと寝させてほしい。流石に一睡もしないのは洒落にならない上に不健康だし。

「んーわかったー・・・って、え?その言い方だと寝てないみたいだけど・・・」

「・・・お察しの通り昨夜から少しも寝てないですがなにか?」

「なんで!?」

「・・・・・・色々あんだよ。こっちも。」

 お前がかわいすぎるのがいけない、と言えなかった俺は正真正銘のチキン野郎です、はい。

「まあいいや。じゃあ私は少し走ってくるよ!」

「おーういってらっさい・・・」

 曜が外に出たのを見送って俺は束の間の安眠を得ることができたのだった・・・

 

 

 そして俺が起きたのは三時間後のことだった。普段は休日でももっと早く起きているがこんな状況だったのだ。今日だけは勘弁してください・・・

 下に降りると曜が朝食の準備をして待っていた。

「あれ、朱さんは?」

「ママならもう仕事に行ったよー」

「し、仕事?休日なのに大変だな・・・」

 お勤め、ご苦労様です。

「そういえば彼方君、昨日言ってたあれだけど千歌ちゃん大丈夫だって!」

「おーそうか了解。」

 高海からの了承も得た。ならばやることはもう決まった。少しだけ逸る心を抑えつつ急いで曜の朝飯を掻き込んだ。

 

 

 そして高海と合流した俺達は早速我が家の倉庫に向かった。

「あれ、彼方君なんで曜ちゃんと来たの?」

「え、なんで?」

「いやなんでって・・・普通自分の家から出てくるもんでしょ?」

「ああそれはn「ストォォォォォォォップっ!」・・・え?」

「ちょ、ちょっと用事があったんだよ!ねっ!ねっ!?」

「お、おう・・・」

 なんかものすごい勢いで阻止された・・・流石に恥ずかしかったのか?

「まぁ、そのなに?朝散歩してたら偶然渡辺に会ってな、それで一緒に来たんだ。なっ渡辺?」

「うん!ほ、本当にそれだけなんだよねー!」

 ごまかし方がだいぶ無理があった気がしないでもないが下手な詮索をされないためにも強硬手段に出た。

「ふーん・・・ま、いっか。それより彼方君、私たち何を探せば良いの?」

 そう、今日このおんぼろ倉庫に二人を呼んだのはあるものを探してもらうためだ。

「じゃあまずは石灰と火薬、フィルムケースとBB弾を頼む」

「わかった!でもずいぶんと物騒な作戦になりそうだね」

「そういう割には顔が楽しそうじゃあないか高海」

「そりゃーもう!あんなこと聞いて楽しみにならないわけ無い

よ!」

「私も私も!」

 二人ともついこの間までの沈鬱な雰囲気が嘘のように楽しそうである。まずはよかった。やっぱり女の子は笑っていた方が可愛い。

 

 

 二人が探し物をしている間、俺は地下室であるものの調整をしていた。

「まさかこんなものまであるとはなぁ・・・」

 俺が呟いたこんなものの正体、それはエアガンである。

 祭りなどで見かける安っぽいプラスチック銃ではない。本物の銃に近い、それこそ当たれば貫通はせずとも激痛が走るくらいの威力を持つ本格的なものだ。

「イサカM-37ライオットショットガン、バーネットワイルドキャッツC5・・・本当になんでこんなものがあるのやら」

 名前が嫌に現実的だったのでググってみたところイサカM-37はベトナム戦争時代にアメリカ人が造ったアホみたいに威力の強いショットガンらしい。フィルムケースが必要なのもショットガンは散弾、つまり一発で多くを葬る銃であるため弾もそれ専用でなければならない。よって自作である。

 バーネットワイルドキャッツC5はクロスボウだ。なんでもロビン・フッドが使ったものの子孫らしい。こっちは本物である。扱いに注意しなければ・・・

「彼方くーん!言われたもの全部見つかったけどどんくらい持っていけば良い?」

「逆に聞くけどどんくらいあるの?」

「「たっっくさん!」」

「たっっくさん!?」

 一体どんな量なんだと急いで上に上がってみるとそこには段ボール一杯のフィルムケースとプラスチックケース二十本は軽く越えそうなBB弾の塊があった。

「あるだろうと予測をたてたのは俺だけどさ・・・流石にこの量は予想外だったよ!こんだけあれば大暴れできるわ!」

「そ、それはよかった・・・」

 そのあともがさごそ漁ってると色々なものが掘り出されていった。俺に用事があるためほどなくして二人は家に返した。

 

 

 さて、その用事とやらだが・・・

「ありゃ、約束の五分前に来てみればもう皆揃ってたんですね

マリー、果南、ダイヤさん。」

 そう、俺は昨日の時点でこの三人にあらかじめ連絡を取って浦の星女学院正門前に集まってもらった。

「・・・で、私達はなぜ集められたのですか?」

 この間会ったときよりもダイヤさんはいくらか機嫌が悪そうだ。よくみればダイヤさんに限ったことではない。マリーも、果南も良い表情はしていない。

「なんか訳ありっぽいので先に用件を言います。」

 ここからが重要だ。この作戦を決行するにあたってこの三人の協力は不可欠だからだ。

 大きく息を吸い込み、俺はその用件を口にした。

 

 

「浦女を守るためにすごく大がかりないたずらをします。そのためにどうか力を貸してください!!」

 




とうとう彼方の提言していた「浦の星女学院絶対防衛線」の概要が明らかになりました。彼らは一体どんな悪戯をするのか、そして三年生組の運命やいやいかに!ぜひお楽しみにください!
それと、作中に登場したイサカM-37はとある理由から個人的に愛してる武器です。が、僕自身ミリオタとかそういうわけではありません。
それでは、アディオス!

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