そんな彼方にアザレアの花束を   作:ゐろり

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どうもみなさんおっはよーそろー!ゐろりです。
つい昨日文化祭の仕事が終わってテンションが高いです。
…実にどうでもいいですね。
さて、今回から二話に入っていきます。
では、どうぞ!



第十四話~波乱の彼方に~

~前回のあらすじ~

決意を新たにもう一度ダイヤさんの元へ直談判しにいった彼方達。壮絶(?)な言い争いを経て作曲者がいないことに気づく。そんなとき彼方に続いて第二の転校生がやってきて―――

 

 

「ごめんなさいっ!」

これが桜内の答えだった。そりゃそうだ。初めての学校でわからないことが多いのに急に「スクールアイドルやりませんか?」なんて聞かれてもはい、なんて答えれるわけが無い。

 

高海はHR中に席をたったため沢木先生によって職員室へ強制連行された。

「はぁ…高海の頭がここまで残念だったとは」

「えーっと…彼方君。君は私に対して2つの説明をしなくちゃならないよね?誤魔化さないでよ?」

「はいはいわかってますよぅ…おーい桜内ー」

質問責めにあっている桜内を説明のためにこちらに呼ぶ。

「江口君ありがとう…助かった~…」

「何質問されてたんだ?」

「それは…………ひ、秘密////」

「いやなんで」

どんなこと聞かれたのか聞きたかっただけなのになぜか頬を赤らめて秘密にされてしまった。

「んじゃ順次立てて説明するぞ。まずはこの美少女転校生について」

「ち、ちょっと!////」

「ん、んんっ…改めまして桜内梨子です。高海さんとは昨日海で会って…」

「そうだったんだ!あ、私は渡辺曜。千歌ちゃんの幼なじみなんだー!」

「二人って幼なじみだったんだ」

「ちなみに俺と桜内は偶然東京駅で会って目的地も一緒だったんだ」

「なんか少女漫画みたいな展開だね…」

「恋に発展しないってオチまでついてるぞ」

恋、というワードのせいか桜内の顔がさっきみたいに赤くなった。

「…さっきから少し怪しいとは思ってたんだがな」

「な、なに?////」

「お前色恋沙汰苦手?」

「いいいいいいや違うよ!?////」

図星か。

「別に無理すんなって。悪かったな、何回も言って」

「そーだよそーだよ。彼方君デリカシーを知らないねぇ」

これデリカシーあるとかないとか絶対関係ない気がするんだけど…

「ち、違うの!本当はね…」

 

 

『ねーねー桜内さんって東京から来たんだよね?』

『う、うん』

『あれ、確か彼方君も東京出身だよね?』

『そうだった!あ、じゃあ知り合いだったんじゃない?』

『ううん、彼方君とは知り合いなんかじゃなくて…』

『はっ…!?もしかして、恋人…?』

『なるほどその線があったか!』

『待って待って待って!なんでそうなったの!?全然違うよ~…////』

『あ、じゃあ彼方君を追いかけて東京まで…?』

『なんて健気なの…!』

『ちーがーうー!////』

 

 

「…ってことがあって」

「「あぁ~…」」

「うち女子高だからねぇ…皆気になるんだと思うよ?」

「私も女子高出だから気持ちは分からなくもないけど…ちょっと元気すぎない?」

「あははは…」

大変なんだな、女子高って………というかそれ別に女子高関係無くないか?なんて野暮な事は聞かない。これぞデリカシー。

「まぁそういう事でこれが俺が桜内と知り合いだった経緯だ。」

「それについては理解したよ。じゃあ千歌ちゃんにμ'sの事を話さない理由は?」

「え、江口君高海さんにμ'sの事話してないの?」

「おう、正確には今話したくないだけだが」

「ずばりその心は?」

「謎かけじゃねぇんだから…今高海がμ'sに会うことは悪い意味で影響されるかもしれないからだ」

「「悪い意味?」」

そう、まさにこれが今高海にμ'sの事を話したくない理由だ。

「言っちゃなんだが…渡辺も、それに桜内も俺や高海から話を聞くまで興味すら無かったわけだ」

「まぁね…べ、別に嫌いとかじゃないのよ?」

バツが悪そうに言う桜内。多分高海の勧誘を断った事に若干の後ろめたさを感じているからだろう。

「わかってるよ。でも高海は違う。あいつはファンとしてというか固執しすぎというか…いい言葉が見つからないな…」

「まぁ言いたいことはなんとなく理解したよ。じゃあつまりどういうこと?」

「こないだ渡辺言ったよな、『千歌ちゃんが言うμ'sの様に―と彼方君が言うμ'sの様に―はちがう』って」

「う、うん」

「別にその言葉に対して反感を持ってる訳じゃない。ただこのままだと俺の言ったμ'sの様に―が現実になりかねないんだ。それだけはなんとしても避けたくて」

まだ一週間も高海と話したわけでは無いが大体どういう奴かは理解した。今の段階で会わせると、高海が目指すスクールアイドルはμ'sそのものになってしまう事だろう。

「ふーん…そっか。じゃあ今は、ってことはもう少し経ったらいいの?」

「まぁ、いいというか問題は無いと思う。具体的に言うとそうだなぁ…グループとしての知名度が少なくとも沼津では知られるようになってからだ」

「結構ハードル高くするのね」

「それまで秘密にしておくのも大変だろうしね」

「わかってる。だがサポートするって決めたんだ。渡辺のためにも、高海のためにも。」

「そっかー…わかった!知りたいことは全部わかったし何より私達のために、っていうのが素直に嬉しかった♪」

真っ白な歯を出しながらはにかむ渡辺。

「お……おう」

その仕草があまりにも可愛すぎて若干どもった。

「というわけで桜内さん、どうにか作曲を頼めないかな…?」

「俺からも頼む。桜内くらいの美少女ならアイドルやってもぜんっぜん問題ないぞ!」

実際、桜内が加入してくれると今後も幅広く活動できることは確かだ。本人は自信が無いのかいつも否定しているが…

「も、もう!江口君茶化さないで!////」

「うわぁ…彼方君天然タラシだ」

「まてまてまてまて」

「私と千歌ちゃんなんて出会って早々に口説かれたからね」

「あ、そういえば私も新幹線の中で口説かれたかも…」

「別に口説いたつもりは微塵も御座いませんけど!?」

結局このあと高海が戻ってくるまでひたすら弁解と謝罪を繰り返していた。あれ、何か大切な事を忘れている気がしなくもないけど…まぁ、いっか。

 

 

かの赤い彗星風に言うとこれは「若さ故の失敗」だろう。思えばあの時思い出せば防げたミスだ。

 

結論から言おう。桜内が俺達から距離を取るようになってしまった。

 

教室移動の最中も昼飯の時も、はたまた体育の時もスクールアイドルにならないかと高海がしつこく勧誘してしまったのだ。

現在進行形で桜内を勧誘する高海、逃げる桜内。このままでは終わらないパーティーが始まる予感だ。止めないが。

 

 

だって、party終わらない。




なんだか中途半端な終わり方になってしまった…
どうにも区切りをつけるのがむずかしいです。
さて、そんなこんなでお知らせがいくつか。
まずは前々から言っておりますが特別企画「Aqoursにしやがれ!」の方のアイデアを募集しています。活動報告に詳しいことは乗っているのでそちらの方を見てください。
次に特別回のお知らせ。皆さんのおかげでじきにUAを20000突破しそうです。そこで前回の続きである王様ゲームを引き続きやっていくのですがそちらでもアイデアを募集します!やってほしい題材と誰と誰にやらせるかを合わせて応募ください。応募方法はツイッター、コメント、メッセージでお願いします。
それでは、アディオス!

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