そんな彼方にアザレアの花束を   作:ゐろり

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前回の反省を生かして早めに更新することにしました。
今回のサブタイは決して00のあの人からはとってない。
嘘じゃないです!
それではどうぞ!


第十三話~刹那の彼方に~

~前回のあらすじ~

千歌を応援していく事を決めた彼方と曜。曜はメンバーとして、彼方はマネージャーとして。スクールアイドル部(仮)は三人になり新たな一歩を踏み出した!

 

バス停から降りて校舎まで向かう坂道。相変わらず視線をグサグサ刺されながら二人の美少女とのんびり登る。

「私ね、もう一度生徒会長の所に行こうと思う」

「「もう一度?」」

「うん!きっと生徒会長は私を試してるんだと思うんだ!まさに壁!」

「お、おう…」

「それは微妙じゃないかな…」

「壁は壊せるし倒せるんだよ!だから!」

高海のやつ絶対ノーブラから取ったな?危うく道中で「Hi Hi Hi !」ってやるところだったぜ…

「どうなってもしらないからね…?」

「まぁ行くだけ行ってみるか。勇気で未来を見せようぜ」

一瞬高海の顔がパァァ…!ってなった。しまった若干素が出た…

 

そんなこんなでin生徒会室。早速修羅場と化している。さっきから胃がキリキリ鳴いているよ…

「まだ三人しか集まってないのによく持ってくる気になりましたわねぇ…?」

ダイヤさん、綺麗なお顔がひきつってます!

「きっと生徒会長は私の事を試してるんですよね?だからわざとこんな風に…」

高海さん?話聞いてました?まだ部員集まってないんですよ?

「うー…!違いますわ!試してなどいません!」

ダンッ!と机を叩くダイヤさん。ひいっ怖いー…

「なんでですかー!」

机に乗り出す高海。二人とも机をもっと大事に扱えよ…

「なんでもです!」

「「う~~~~~~~~!」」

幼稚園児の喧嘩かっ!って叫びたくなる程二人の言い合いはレベルが低い。渡辺なんか呆れて物も言えないのか終始苦笑いだ。

机から降りてふぁさぁっと綺麗な黒髪をなびかせて窓側へ移動するダイヤさん。そして、次の言葉に俺達は次なる壁を感じたのだった。

「大体、作曲できる人はいますの?」

「「「…あ」」」

 

 

「迂闊だった…」

「私もすっかり忘れてたよ…」

「どーしよー…」

生徒会室から帰ってきて現在は教室。ダイヤさんによって作曲の問題が発覚した。

「まずいな…東京なら多少なりともできるやつは見つかるかもしれないけど」

「うちみたいな田舎じゃーねぇ」

「あ、じゃあ彼方君経由でみ――「ストーーップ!」」

渡辺の言わんとする事を瞬時に察した俺は後ろから渡辺の口をふさいだ。

「んーんー!////」

「事情は後で説明する!とりあえずその案は下げてくれ!」

高海に聞かれるのはまずいので耳元で小声で囁く。

しかしどうしてかさっきから顔を真っ赤にしながらんーんーもがいてる。

すると高海が口を遠慮がちに開いた。

「あー…とりあえず曜ちゃん離してあげたら?事情はよくわからないけど後ろから抱きつかれた挙げ句耳元で囁かれるのは流石に恥ずかしい…////」

 

 

…………………おぅ?

wait。状況を確認するんだ江口彼方。

①前にいた渡辺の口をふさぐため後ろから手を回した。

②この時点で既にout。

③その上耳元で、しかも小声で囁く。

④そして現在に至る。

 

 

「たいっへん申し訳ありませんでしたぁ!!!」

全力での謝罪からノータイムで土下座。希さんを怒らせた時によく使った秘奥義だ。まさかここでも使うことになるなんて…

「び…びっくりしたぁ////」

「いやマジですみません」

「べっ別に大丈夫ダヨ…?嫌じゃなかったしむしろドキドキしたというか…////」

「お、おう…ってい、嫌じゃなかった…?」

「はっ!////待って待って今の無し!////」

「えぇ…?なんなんだよ全く…」

いかん、顔が熱い。自分で落とした爆弾なのに自分が一番被害を受けている。無意識こえぇ…

しかしそれは向こうも同じなのかうつむいたまま顔を赤くしている。

「はいはいそこいちゃつかなーい」

「「いちゃついてない!////」」

「それで作曲だけど…どうしよっか?」

「あまり期待はしないけど…この学校に作曲あたりに精通してる人は?」

「…いなぁいねぇ」

「まぁ、いざとなったら私が!」

そう言って高海がカバンからだしたのは昨日もらったばっかりの音楽の教科書だった。

「なんとかする~…」

「できる頃には卒業してると思う」

「譜面くらいは読めるかもしれないがな。作曲ってかなり高いレベルが求められるらしいし」

「だよね…」

高海が力なくへなへな~っと項垂れる。ただ作曲者が見つからない場合一から勉強する可能性は捨てきれない。

「はぁーい皆座ってー」

三人で悶々としてると沢木先生のほんわかした声が聞こえてきた。

「今日から普通に授業始まるから皆頑張るんだよ?そしてもうひとつビッグニュース」

「ビッグニュース?浦の星の地下から汚染水でも染みてきたのか?」

「それ東京の話だから…」

渡辺が呆れながら突っ込む。突っ込んでくれるだけ渡辺はまだ優しい。高海なんてまるで最初から聞いていなかったように突っ伏してる。

そして沢木先生の発言が俺達に壁を壊す唯一の希望となった。

「彼方くんに引き続き新しい転校生がやって来ました!入ってきて~」

なぜならその転校生というのが言うまでもなく――

 

「クシュン!…失礼。東京の音乃木坂というところからやって来ました、桜内梨子です。」

 

「なっ――さ、桜内!?」

「…ん?あれ、江口君!?」

なんてこったい。まさか第二の転校生が桜内だったなんて!

いやしかしよく考えてみろ。うちのすぐ近所に桜内の家がありこのあたりに学校らしいものはほとんど無い。つまり、桜内がこの学校にくるのはほぼ確実だった!何で気づかなかったかな俺…

そういえば桜内が教室入ってから高海が銅像みたいに固まってる。一体どうした。

するとその刹那。

「きっ奇跡だよ!」

「あっ…あなたは!?」

そういえば高海と桜内は昨日会ってるんだったな。何があったのかはわからんが仲良くどぼんしてたし。

桜内に気づくやいなや高海はドカドカと桜内に近づく。どこか期待したような目で。

…そう、どこか期待したように。

「待て高海それはまだ早い!一回おちつ」

 

 

「一緒に、スクールアイドルやりませんか?」

 

 

…遅かった。

故に彼女はバカと呼ばれる。




今回はちょっぴりラブコメ成分入れました。
これからはもっと入れていきますよ!
さて、とりあえず一話分完結。次は二話ですかね!
早く他のAqoursメンバーも書きたい…
というわけで頑張ります。
ザミフォアコラボ作品や特別企画「Aqoursにしやがれ!」のアイデア募集の方もよろしくお願いします!
それでは!

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