[1]ノーゲーム・ノーライフの世界にチート転生者がきたようです 作:型破 優位
そこも確認お願いします。
※ノゲノラのプラクティカルウォーゲームのネタバレを含みますので、嫌な方はバッグをお願いします。
空と白は焦っていた。
佑馬がゲームを挑んでくるのは知っていた。
過去最高難易度になることもだいたい予想がついていた。
しかし、最後の首都消滅は予想外だった。
空と白が負けたら、エルキアが消える。
だが、佑馬が負けたらどうなるのだろうか。
ジブリール達アヴァント・ヘイムの首都は『生命』である幻想種、アヴァント・ヘイムのため、破壊出来ない。
なら、佑馬の首都は何処だろうか。
この場合、その『種』の首都として扱われることになるが、神霊種に首都など存在しない。
つまり、人類種としての首都になるのだが、これもまた、エルキアになるのだ。
つまり、勝っても負けても引き分けても、消えるのはエルキアとなる。
「どうする白」
「……どうし……よっか」
「ソラ、ソラ!これも予定通りなのですわよね!?勿論勝てるのですわよね!?」
唯一分かってないステフに、少しイライラしながら空は説明する。
「勝っちゃいけないんだよ。そして、負けてもいけない。勝っても負けても引き分けても、エルキアは消滅する」
「な……それじゃあ、エルキアはこれで消えるってことですの!?でもそれは『盟約』で出来ないんじゃッ!」
「確かに、『盟約』で出来るとは思わないが、『盟約に誓って』ゲームの中のゲームで対象にしたものに、たまたま人がいた結果、死んだらというのは、俺達はまだ試したことがない。もし、佑馬がそれを知っててやってるのだとしたら、やばいな」
「え、なんでですの?知っていてやってるなら死なないと分かってるんじゃないんですの?」
確かに、普通なら死なないとわかってるからやっている、と思うだろう。
そう、普通なら。
「あいつが、人を殺すのに躊躇すると思うか?あのオーシェンドのことを見ても」
「それは……その……」
佑馬は既に普通ではない。
オーシェンドの時、人を殺すのに戸惑うどころか、『楽しい』とまで言ったのだ。
これをどう見れば死なないと分かってやってると思えるのだろうか。
しかも、相手が[ ]なのに。
「俺達が相手なのに、絶対に助かるように仕向けるわけがないだろ?あいつは本気だ」
「正直……ここまで、とは……思ってな、かった」
そこで、二人は顔を見合わせ、ニヤッと笑った。
「「だからこそ、面白い!!」」
そして、ダウンロードが終わったのか、とてつもなく広い、マス一面分のフィールドの対面側に佑馬達がおり、フィールドは左右対称に出来ていた。
空は赤く、どう見ても地獄。
そこで、機械のような声が聞こえた。
『それでは、使える種族の中心人物となる二人をお選びください』
画面が出てきて、種族の選択画面が出てくる。
選択出来るのは、人類種、海棲種、獣人種、吸血種の四つ。
ふと、隣に映し出された相手側、佑馬が使える種族の数を見る。
「そ、そんな……」
「……おいおい、マジかよ」
そして、見た瞬間、ステフは絶望し、空と白は冷や汗を流す。
佑馬側が使える種族は、人類種、獣人種、海棲種、吸血種、妖精種、地精種、森精種、天翼種、神霊種。
なんと、九種族も使えるのだ。
「何も無しで挑むほど、俺もバカではない。いや、ここまでするのは最早バカか。まぁ、どうでもいいけど」
こちらは下位四種族、相手は『生命』ニ種族に、『生物』の上位種族、さらに何故か獣人種に海棲種、吸血種までいるのだ。
最早鬼畜ゲーである。
大量の冷や汗を流しつつ、中心人物となる二人を決めていく空達。
人類種 [ ]とステファニー・ドーラ
海棲種 ライラとアミラ
獣人種 巫女と初瀬いの
吸血種 プラム・ストーカーと初瀬いづな
選択し終わると、その人物が空側の方に召喚されていく。
「あれ、ここはどこ――っ!ダーリンじゃない!」
「あれーなんでアミラちゃんはここにいるのかなー?」
「――ッ!?巫女様!御無事なのですか!?」
「初瀬いの……まだゲームは終わってないようやけど、これはどういうことやろな」
「なんで僕はまたここにいるのですかぁ?さっきまで地下にいたはずなんですけどぉ」
「いつの間にここに移動した、です?何のにおいもしなかった、です」
口々に思ったことを口にするなか、空が説明を始める。
「悪いな、いきなり呼び出して。今から佑馬達とゲームを行うのだが、そのためには君たちの協力が必要だ。負けたらエルキアが消える」
その言葉に、嘘が分かるものは嘘ではないと断じ、バカな者は無条件で信じ、敵方に恨みがある者はそちらを睨みながら無言で肯定した。
「なんでいづなさんが吸血種なんですの?」
「
これでいくらかは対処できる、と対策を練ろうとした瞬間、それが心の中で簡単に崩れた気がした。
相手側の中心人物二人。
人類種 リク・ドーラとシュヴィ・ドーラ
獣人種 フィール・ニルヴァレンとクラミー・ツェル
地精種 ローニ・ドラウヴニルと現地精種全権代理者
森精種 シンク・ニルヴァレンとニーナ・クライヴ
天翼種 アズリールとラフィール
神霊種 佑馬とジブリール
海棲種、吸血種は大戦時のリーダー格らしき人物、妖精種は現全権代理者に大戦時でリーダー格であったのだろう人物。
「ここはどこだ……――ッ!?シュヴィ!!」
「……リク……?」
「あらぁ~、なんで私はこんなところにいるのですかぁ?」
「そんなの私にも分からないわよフィー。まぁ佑馬の仕業だろうけどね」
『……なるほど、またこのゲーム世界か』
「あ、ニ~ナじゃないですかぁ~。久しぶりですねぇ~」
「あ、あれ、拙はここで何を……ってシンク!?」
「……ラ、ラフィールちゃん!?」
「アズリールに、ジブリールか。ならここは、現実というわけか?」
「ラ、ラフィール姉様!?」
それぞれが思い思いの言葉を言ってドンチャン騒ぎしているなか、佑馬は一人思った。
「……何このカオス」
誰かが聞いたら『お前がいうな』と言いたくなるような台詞を言う佑馬は、とりあえず手を叩いた。
バーーーン!!
とてつもない大きさで。
「久しぶり?の再開や思いで話をしているところ悪いけど、少しだけ話を聞いてくれ。質問は後。まず、一度死んだものはこのゲームの期間だけ生きることが出来る。そして、今からやるゲームは大戦を模倣した戦略シミュレーションゲーム。敵は向こうにいる人たちだ。五戦して三勝した方の勝ち。勝利条件は相手の首都を全て陥落させること。味方の同士討ちや裏切りは禁止されている。種族のリーダーはその種族の駒を自由に扱うことができ、また自分の分身もそのフィールドに駒として動かせるようになっている。ざっとした説明だけど質問は?」
頭の回転が早いものは即理解し、拒否権はないことを悟り、嫌々、渋々など様々だが頷いた。
手を上げたのは地精種の現全権代理者、そして海棲種から。
――どうして自分らがこんなゲームに参加しなくてはいけないのか
――そんなことよりもヤりたい。
言わずもがな、上が地精種で下が海棲種だ。
それに懇切丁寧に説明した佑馬だが、ローニ・ドラウヴニルが地精語で、『今の地精種は落ちたものだな』というのを見逃さなかった。
始まりは全員の準備が出来てからのため、こちらの準備が終わらなければ始まらない。
それを利用し、ジブリールと話していたラフィールに一礼し、ジブリールとともに一人ずつ挨拶に回る。
「あんたらが元幽霊からリアル幽霊になったリク・ドーラにシュヴィ・ドーラか」
「もしや、貴女様はあの時の機凱種ではありませんか」
まず話しかけたのはリクとシュヴィ。
だが、ジブリールの一言により、緊張が走った。
「ほう……貴様がシュヴィを殺した本人か」
「……『番外個体』……」
シュヴィを殺した張本人に出会い、殺気を滲ませるリクと武装を展開して戦闘体勢に入るシュヴィ。
その瞬間、ジブリールは、腰を曲げた。
「大変申し訳ございません。今の私には『感情』があります故、貴女様方にかけた恐怖、悲しみ、憤怒を理解することが出来ます。そして、それらは許して貰えるものではございません。ですが、今回、この場に限り、佑馬に力を貸して頂けませんでしょうか」
その姿に、リクやシュヴィだけでなく、佑馬を含むその周りからは驚きを隠せない。
あの『
「……今更どうこう言ってもどうしようもねぇよ。というか、ちょっと拍子抜けしたわ」
「……本当、に……あの『番外個体』?」
「私にも大切な人が出来まして」
その言葉で、佑馬に視線が集まる。
驚愕の眼差しで。
「まぁ、そういうことだ。今日はゲームだ。シュヴィとリク、あんたらが生み出したこの世界、楽しんでから逝きなよ」
佑馬はその言葉を残して、ジブリールとともに次の人に挨拶するためにその場を離れた。
「ああ……本当に、そういう世界が出来たんだな……シュヴィ、やっぱりやってみるもんだわ」
「……うん」
二人の嬉しそうな声を聞きながら。
これぞノゲノラオールスター。
ここまできたらなんでもありでいきましょうや。
次回、鬼畜ゲーにして無理ゲーが始まりです。
後、ノゲノラです!も買ってみようと思います。
ニーナとシンクの関係は知っているかたは知っていると思いますが、夫婦として扱います。
よって呼び捨て。
しっくり来ませんが。
青鬼2目隠し実況始めました。
恐らくYouTube最速です。
是非どうぞ。