[1]ノーゲーム・ノーライフの世界にチート転生者がきたようです 作:型破 優位
遅れて申し訳ありません。
ゲーム展開を考えても考えてもあまりいいのが出来なくてですね……未だに出来ていないんですよ。
一応確定してあるところまでは書きます。
呼び掛けられたため、魔法を解いて部屋の中に入る。
ジブリールは隠蔽魔法を破られたことに驚きを隠せなかったが、事情を知っている人からすれば納得も出来ることだろう。
……佑馬のことだが。
部屋に入ってすぐ、クラミーとフィールから目で何かを訴えられたが、今はプラムに注意を向けているため無視している。
「よぉ、プラム。それとさっきの訂正だけど、俺も正直なところ神霊種の実感はないんだよね。神霊種らしいんだけど」
「そうなんですかぁ?でもぉ、それくらいの実力でしたら既に高が知れていますのでぇ、例えそうだったとしても今のボクの相手ではないですねぇ」
プラムはニコニコと少女みたいな笑顔をこちらに向けてくるが、絶えず魔法は発動していた。
その目を見ながら、佑馬は無言でプラムの話を聞く。
「少し前に一発でボクを男だと見抜いたその観察眼と、女王様の時に見せた力があったから警戒はしていましたけどぉ、そこの天翼種と同じくらいの実力でしたらそこの二人も合わせていのさんと余裕で勝てちゃいますねぇ♪」
「おやおや、欠陥生物が何かでしゃばっていますね。これが猿山の大将ってやつでしょうか?」
プラムは[ ]すら誘導しきるほどの知恵を持っている。
しかし、それは
今現在、大戦時の全盛期の力を出せるプラムは、この世界的に見ても力を使って相手を支配する『強者』だろう。
だが、力を手に入れた『強者』になってしまったが故に、それに頼りきってしまうということが起きてしまう。
相手の力量を見誤るなんてことも起きてくる。
例えばそう、佑馬は天翼種よりも遥かに強いということ、そして、そもそも『空間偽装』程度の魔法など簡単に突破、利用出来てしまうこと。
「……つまりプラムは、俺たちを相手にしても余裕で勝てると言いたいのかな?」
「大変恐縮なことですがぁ、勝てちゃいますねぇ♪」
敢えて空間偽装の魔法を喰らっている佑馬は、ベッドに寝転ばされたり椅子に座らせられたり、されるがままにされているため、さらにプラムを慢心させる原因となる。
「別に敗色濃厚なら逃げてもいいですよー、ってことかな?まぁ、逃げるつもりなんてさらさらないけど」
「元から逃がすつもりはありませんけどぉ、そうしてくれるならありがたいですねぇ♪」
佑馬はプラムの余裕な顔を見て段々と腹が立ってきており、ジブリールも素で建物が壊れないように力を制限されながら術式を破ろうとしているが、中々破れないことにイライラしていた。
「ちょっと、佑馬!これはどういうことなのよ!」
そこで、ついに我慢できなくなったクラミーがこちらに喰いかかってくる。
「まず、なんで私たちの方が佑馬よりも早く着いたのよ!私たちは普通に飛んで佑馬たちの後に合流する手筈だったじゃない!」
「あー、クラミー。落ち着け?」
佑馬は思った。
――クラミーはやっぱり子供だ、と。
「その話は後で、また後程な。今はアイツだろ?」
そして、佑馬はプラムの方を指さす。
「ではぁ、ゲームを始めさせて貰いますぅ。いの様対クラミー様で宜しいでしょうかぁ?」
何が起きているか理解が追い付かないいのと、若干涙目のクラミー、そして忌々しいものを見るような目でフィールがプラムを見るが、佑馬とジブリールはイライラしているだけで態度は変わってない。
「逆に聞くけど、いいの?」
「はいぃ、全く問題ないですぅ♪」
確かにクラミー対いのなら間違いなくいのに軍配が上がる。
そこにフィールが加わってもプラムがいる限りはいのの勝利は揺るがないだろう。
だが、いい加減耐えるのも辛くなってきたため、プラムをドン底に突き落とすために佑馬は動き出す。
「あっそ。それじゃあカッコ悪く負けてくれるんだね。本当に助かるわ」
「はいぃ?何のことでしょうかぁ?」
「お前さ、前に空に言われなかったか?『弱者の戦法で弱者に勝とうなんて年季が違う』ってさ」
「あー、確かに言われましたねぇ。それがどうかしましちかぁ?」
「確かに、この状況にまで持ってきたお前の作戦は見事な『弱者の方法』だろうけど、その後は『強者の方法』にシフトするわけだ。だが、ここでも同じことが言えるんだよ」
そして、今まで溜まったものがようやく出せる、と最高の笑顔でプラムに言った。
「『強者の方法』で強者に勝とうなんて年季が違うんだよ」
そして佑馬が指をならした瞬間。
「……え?」
プラムの自由だった世界が全て崩壊し、プラムは地面に這いつくばっていた。
「神霊種の力を使って大戦時の力を出そうって発想は素晴らしいと素直に称賛する。けど、幻惑を自分が一番上手く使えると思っていたら、その後は成立しなくなる。少なくとも俺の前ではな」
今度は佑馬が景色を変えながらプラムにニコニコと笑顔を向ける。
「俺はここに来るときに一番弱い偽装魔法で自分を隠しながら来て、そこから敢えて偽装魔法に気づかないふりをしてわざとその魔法にかかり、プラムの中で仮説して出ていたであろう俺の力がどこくらいなのか、を確定させ、今軽く魔法を破った、というのが今の流れだけど理解できた?」
「…………」
佑馬の問い掛けにただ目を細めて睨み付けるプラム。
「俺がゲームを受ける前にこれを言ったのは、お前に勝ってもこちらに利益がないから。クラミーとフィールを先に行かせたのは、プラムがある程度力を使えているときに俺の偽装魔法に気づかせるため、魔法を喰らっているのはお前の仮定を確信づけるため。つまり、お前はこの場を支配しているように思っていただけで、実は俺がずっと支配していた、という話だったんだけど、理解できた?」
敢えて同じ言い方にしておちょくったのだが、そこには気づいておらず、今言った言葉に、全員が驚いた。
ゲーム内容も知らないのに、プラムがこうなることを予期し、自分の魔法に気づかせるために敢えてクラミーとフィールを先に行かせて自分たちは扉の前で待機させ、そこからゲームをさせる流れまで持っていくその手腕は、正に本物のゲーマー。
「あと、『強者の方法』で強者に勝とうなんて年季が違う、と言ったけど、少し訂正させて貰うわ」
最早誰も意見するものはいない。
いのはまだ状況を飲み込めず、クラミーとフィールは唖然と、ジブリールはニコニコと、プラムは悔しそうにこちらを見ている。
「『強者の得意分野』で強者に勝とうなんて、年季どころかお門違いもいいところだぜってな」
佑馬には、眼がある。
その眼がある時点で、吸血種の偽装魔法程度に引っ掛かるはずもない。
「それとこれはプラムのためだが……神霊種に魂保護されてる時はいいけど、戻ったらお前……瀕死だよ?」
「……あ……」
そして、佑馬からの言葉により、元々白いプラムの顔がさらに青ざめていった。
「ゲームをしなかったのはお前のためでもあったんだが、正直これだと同じだったな……」
「……何が同じなのですかぁ?」
佑馬が苦笑しているのを不思議そうに、若干不機嫌になりながらもフィールが聞いてきた。
「いや、だってさ……今使ってるこの空間偽装、プラムがずっと使い続けているんだよ?」
「ッ!?」
その言葉に、ジブリールも含めた全員が驚いた。
佑馬に空間偽装の主導権が渡ったのかと全員が思っていたからだ。
「俺はこの部屋に俺がかけているように見えるよう偽装し、プラムには自分がかけているのを気づかないようにしただけで、実際はずっとプラムが使ってる。これじゃあ、ゲームしてもしなくても……ねぇ?」
まぁ、つまり、プラムが使っていたのではなく、使わされていたのだが。
悔しそうな表情でこちらを睨むプラムを一瞥し、地上へと戻っていった。
◆◆◆
『汝等、此のゲームに参加するものか』
地上へと行き、ゲーム盤の近くで途中参加の意思表示をしたら、脳内で音声が流れた。
「ああ、そうだ」
質問を肯定すると九つのサイコロ、そして、立て札が現れた。
佑馬とジブリールは課題を書いてそれを設置し、ゲームに参加した。
ゲーム盤の変形とともに、佑馬とジブリールの参加が参加者全員に告げられた。
なんだかんだで噛ませ犬になる、そこがプラムクオリティーだと思います。
ヘイトではないと信じてる。
そして、次からゲーム回です。